天童市：天童市民病院

地域において担っている役割

救急告示病院及び小児医療対応病院として、また、地域医療の中核病院としての役割を担っている。さらに、近隣の高度急性期及び急性期病院の後方支援病院として、当該病院の患者に係る回復期並びに慢性期のケア機能を担っている。

経営の健全性・効率性について

１近年は、経常収支比率が100％を上回っている。令和２年度は、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大に伴う受診控えなどにより外来患者数が減少したが、外来単価の増を図ったことにより、医業収益の減収を抑えることができた。また、入院単価も減となったが、ベッド稼働率の向上に努めたことにより、決算において、黒字を確保することができた。なお、医業収支比率は、平成２９年度以降は全国の類似病院の平均値を上回り、かつ、現在も改善傾向にある。さらに、累積欠損金比率についても、欠損金を皆減し、利益剰余金を計上することができた。病床利用率は、積極的に高度急性期病院などから患者を受け入れたことで改善している。また、収益の効率性は、入院単価が平成３０年度に入院患者数の増加により一時的に低下したが、各種の施設基準や加算をもれなく取得しているため大きく改善できた。費用の効率性については、全国の類似病院と比較した場合、材料費の比率が高く、職員給与費の比率が低くなっている。

老朽化の状況について

建物については、平成２０年度に改築しているため、施設全体としての減価償却率は低い。また、器械備品については、令和２年度に電子カルテシステムを更新し、新型コロナウイルス感染症の防止を図るための医療機器、検査機器等を購入したことから、償却率は減少している。なお、今後は、現在、法定耐用年数を超えて使用している複数の高度医療機器の更新時期が到来することから、その計画的な更新が必要となっており、さらに、設備備品についても、医療ガス設備、空調設備等の経年劣化による老朽化に伴い、修理等に係る費用が増加している。しかしながら、１床当たりの有形固定資産価額については、全国の類似病院よりも低い額であることから、効率的かつ効果的な投資を行ってきている。

全体総括

上記の経常収支比率や累積欠損金比率の値が示しているとおり、近年は、以前より経営が安定しており、全国の類似病院と比較した場合でも、良好な経営状況となっている。令和２年度は、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大に伴う受診控えなどにより外来患者数が減少したが、外来単価の増を図り、また、入院単価についても、ベッド稼働率の向上に努めたことにより、決算において、黒字を確保することができた。なお、今後は、現在、法定耐用年数を超えて使用している複数の高度医療機器の更新時期が到来することから、その計画的な更新が必要となってくることから、安定的かつ持続可能な病院経営を行うため、ベッド稼働率のさらなる向上や新たな施設基準、加算等の取得による入院単価及び外来単価の増などの経営改善をより一層図ることにより、収益の増と経費の削減に取り組んで行く。