地域において担っている役割
地域密着型病院として、大崎市民病院や近隣の病院、診療所等と連携を深め、郡内唯一の入院機能を有する医療機関として、急性期、回復期、慢性期、終末期医療を提供するとともに、救急告示病院の役割も担っている。また、併設する介護老人保健施設と連携し、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。
経営の健全性・効率性について
医業収支の赤字を医業外収益の負担金及び交付金で補填している状況が続いており、医業収支の改善が必要とされる。診療報酬の算定強化と地域包括ケア病床への転換により入院・外来患者1人1日当たり収益が若干の上昇傾向にある。職員給与費対医業収益比率が高い割合を占めているため組織体制・制度等の見直しをする必要がある。
老朽化の状況について
令和2年時点で築19年を経過し、施設の一部で劣化が見受けられ、対処療法的な修繕及び改修を実施しているが、今後は、設備等の更新時期を延ばすための適切な計画保全による長寿命化を実施していくことと同時に、トータルコストを最小限に抑えることを検討する。
全体総括
令和2年度の経営状況は、新型コロナウイルス感染拡大により外来収益が前年度に比べ約2,100万円減少した。入院収益は地域医療構想を踏まえた病床機能の見直しを実施し、年度途中の11月に一般病棟(40床)の一部を、地域包括ケア病床(9床)に転換し入院単価増に努めた。今後も「地域医療構想調整会議」での議論を深め、患者の状態に応じた適切な医療を、効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、患者ができるだけ早く社会に復帰し、地域で継続して生活を送れるように取り組んでいくこととする。