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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
財政力指数については平成21年度以降減少が続いていたが、平成26年及び平成27年度は前年度を上回り、平成28年度についても前年度比0.1ポイント増の0.55となった。その要因としては個人所得の増加による個人町民税の増及び新築家屋の増加による固定資産税の増、台数の増加及び新税率適用による軽自動車税の増などにより町税収入が前年度比で63百万円増加したためである。税収全体としては町民税法人税割において復興事業規模の縮小などから減少となっているものの、東日本大震災による雑損控除、減免措置等による影響も落ち着きを見せていることから、徐々に震災前の水準に戻りつつあると考えられる。しかしながら、個人住民税や固定資産税の頭打ち等により、今後は横ばいの状態が続くと思われることから、事務事業の見直し等により歳出削減策を進めるとともに、捜索や差押等の滞納整理強化や企業誘致の早期実現など自主財源確保に努め、財政基盤の強化を図る。
経常収支比率については、平成25年度までは類似団体を下回っていたが、平成26年度以降数値が上昇しており、平成28年度は前年度比2.5ポイント増の90.9%となった。これは、民生費における扶助費全般が増加しているためであり、特に私立保育園施設の増に伴う保育園児童措置費に係る扶助費の増が主な要因である。税収については今後も大幅な増収は望めない状況であり、また、公債費についても災害公営住宅整備に係る元金償還も本格化すること、さらには、社会保障関係経費や扶助費の増加も予想されることなどから、自主財源確保や人件費抑制、事務事業の見直し等経常経費の更なる削減を進めることで財政運営の効率化を図り、経常収支比率の改善を図っていく。
「歳入に似合った歳出」への財政構造の転換を図るため、人件費・物件費等の削減を実施してきたところであり、平成22年度までは類似団体平均を下回っていたところである。しかしながら、平成23年度以降は東日本大震災関連の人件費及び物件費が発生していることから数値は大幅に上昇している。平成28年度も、前々年度及び前年度とほぼ横ばいの高止まりの状態となっており、今後においても大幅な削減は難しい状況である。そのため、特に経常的な部分について行財政改革の取り組みを強化し、歳出の削減を図っていきたい考えである。
任期付職員の採用等による職員構成の変動により、数年来減少傾向にあった指数が前年度と比較して0.4ポイント増加した。これは、任期付職員の一部が任期満了を迎え、指数増加の職員構成に変化したことが一因である。しかし、以前類似団体の平均値との比較では7.2ポイント下回り、任期付職員の採用は、引き続き影響を及ぼすと考えられる。今後も国・県・地域の民間企業等の給与の状況を踏まえ、より一層の給与の適正化を図っていきたい。
定員適正化計画に基づき職員数の削減に取り組んできたが、東日本大震災後においては復旧・復興事業が増加していることから、自治法派遣職員や任期付職員を増やしている状況である。また、住民基本台帳人口も震災後において大きく減少していることもあり、人口千人当たり職員数は類似団体を1.75人上回っている。今後においては、復興事業の減少とともに、自治体派遣職員や任期付職員の採用も縮小すると思われるが、今しばらくは復興関連業務の継続は必須であり、外部委託の積極的な活用などにより定員管理の適正化を図り、指数の改善を図っていきたい。
実質公債費比率については、主に一般会計元利償還金が減少したことにより前年度比1.1ポイント減の6.0%となり、類似団体平均よりも0.8%下回った。しかしながら依然として公営企業に対する公債費財源繰出が多額な状況であり、特に宅地造成事業に対しては、平成33年度まで年間約1億円の公債費財源が発生する予定である。さらに、平成30年度以降は災害公営住宅整備に係る地方債償還が本格化することから、一般会計の公債費が増加に転ずる見込みであるため、工業用地の早期売却実現を目指すとともに、普通会計及び企業会計において可能な限り新規地方債の発行を抑制するなど、地方債に依存しない財政運営を目指す。
将来負担比率については前年度同様の「-」となっており、類似団体と比較すると21.0ポイント下回っている。継続して健全財政を維持しているものの、普通会計における地方債残高が災害公営住宅整備事業に係る地方債及び災害援護資金貸付金(県貸付金)の借入により震災後大幅に増加している。さらに、今後においては、庁舎復旧に係る地方債借入が多額に上る見込みであることから、通常事業分の地方債発行を可能な限り抑制し、また、歳出削減策により各種基金の残高を増加させることで、健全化の維持を図る。
平成28年度における人件費の経常収支比率については、経常的人件費は微減となっているものの、臨時的人件費の減少幅が大きいことから、前年度比0.5ポイント増の26.9%となり、類似団体と比較すると3.9ポイント上回っている状況である。これは、類似団体と比較するとラスパイレス指数は7.2ポイント下回っているものの、人口1,000人当たり職員数が震災の影響もあり8.17人と大幅に上回っているためであり、さらには、町税等経常一般財源収入が類似団体よりも少ないことも一因となっている。今後においては、震災の影響により厳しい状況ではあるが、経常的な人件費の削減を継続して実施するとともに、町税の徴収強化や企業誘致の早期実現など、経常一般財源の確保に努めていく。
物件費の経常収支比率については、これまでも継続して抑制に取り組んできたことから類似団体平均16.8%と比較し3.9ポイント低い12.9%となっている。しかしながら、近年においては、被災した小中学校及び保育所、児童館等の復旧に伴い施設運営及び管理に係る物件費が増加していることから数値は増加傾向であり、平成28年度においても前年度比で1.3ポイント悪化した。今後においても、指定管理制度や外部委託の推進、災害復旧・復興事業による施設整備後の維持管理などにより物件費の増加が考えられることから、従来の物件費削減策を継続し、数値の改善を図っていく。
扶助費の経常収支比率については近年全体的に上昇傾向となっているところであり、平成28年度においても前年度比1.5ポイント増の8.2%となった。その要因としては、依然として障害者扶助費が増加している状況に加え、平成28年度から私立保育園施設が増加したことに伴う運営費補助経費が増となったためである。今後においても保育所関係経費など少子化対策としての児童福祉関係扶助費の増加や各種医療給付費等に係る扶助費の増加が見込まれることから削減が難しい扶助費ではあるが、単独事業の見直しを行うなど適正化を図っていく。
その他の経常収支比率については、繰出金、維持補修費、投資及び出資金・貸付金の合計であるが、本町においては繰出金がその96.4%を占めている。平成28年度においては、水道事業及び公共下水道事業、観光施設事業、さらに国民健康保険や介護保険及び後期高齢者医療への繰出金が軒並み減少したものの、売却による財産収入のなかった工業用地等造成事業への繰出金が皆増となり、前年度比0.3ポイント増の20.5%となった。今後においては、医療費関連特別会計への繰出金は増加に転ずるものと見込まれることから、全体的な事業の見直しを行い、各種特別会計に対する繰出金の圧縮を図りたい考えである。
補助費の経常収支比率については、平成26年度以降一部事務組合に対するごみ処理負担金が増加したことなどから数値が悪化したが、平成28年度においてはごみ処理施設復旧整備事業の完了による負担金の減により、前年度比0.6ポイント減の11.4%となっている。本町の場合は上記ごみ処理施設の他、し尿処理、葬祭、消防費といった業務を一部事務組合で行っていることから、一部事務組合への負担金が補助費全体の8割以上を占めており(経常的なものに限る)、負担額も大きくなっている。今後においては、負担金のさらなる削減に努めるとともに、各種団体の運営費補助金の見直しなども図りながら補助費等の削減に努め、経常収支比率の削減を図る。
公債費の経常収支比率については、以前より起債抑制策を図っていたことなどから類似団体を2.8ポイント下回る11.0%となっている。公債費自体は近年減少傾向ではあるものの、震災後においては災害公営住宅整備に係る多額の起債借入を行っていることから、平成30年度には増加に転ずる見込みである。さらに、庁舎復旧事業に係る起債借入を計画しており、こちらについても多額の借入となることから、通常事業においては徹底した厳選を図り起債額の抑制に努めていきたい考えである。
公債費以外の経常収支比率は、前年度比で3.0ポイント悪化し79.9%となり、類似団体平均を3.0ポイント下回った。特に扶助費、物件費において前年度より上昇している状況であるが、扶助費は削減が難しい経費であることから、今後においては全体的な事業の見直しを行い、経常収支比率の改善を図っていきたい。
震災後においては、財政調整基金及び庁舎建設基金への積立を行っていることから充当可能財源が増加している状況である。そのため、将来負担比率は低下し、平成24年度以降は-表示となっている。しかしながら、将来負担額である一般会計等に係る地方債現在高は、災害公営住宅整備及び災害援護資金貸付に係る借入を行ったことから増加傾向となっており、ピークである平成26年度においては107億2千万円に達したところである。実質公債費比率算定に用いる元利償還金については、近年の借入利率の低下等により減少傾向であるが、総額15億64百万の借入を行った災害公営住宅整備に係る地方債の元利償還金が平成30年以降大幅に増加すること、さらには、復興事業及び庁舎建設事業の進捗に伴い財政調整基金、庁舎建設基金が減少していく見込みであることから、今後においては両比率が上昇に転じる可能性が高い。
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