経営の健全性・効率性について
【料金回収率】及び【給水原価】料金回収率については,平成26年度数値として95.87%と全国平均より△8.73%,類似団体平均値より△10.36%と低い数値であり,給水原価については,269.60円と全国平均より105.39円,類似団体平均値より114.37円高い数値となっている。この数値については遊休資産の除却費用が大きかったことによるものであり,翌年度以降に一定程度の改善が見込まれる。【企業債残高対給水収益比率】企業債残高対給水収益比率については,平成26年度数値として286.91%と全国平均より3.19%,類似団体平均値より34.82%高い数値であるが,近年に2つの浄水場建設に係る企業債借入れにより企業債残高が増加したことによるものであり,今後改善が見込まれる。【施設利用率】施設利用率については,平成26年度数値として55.81%と全国平均より△3.99%,類似団体平均値より△6.31%と低い数値であるが,平成28年度までに旧簡易水道地域の施設の廃止や上水道との連絡管設置により,今後改善が見込まれる。【有収率】有収率については,平成26年度数値として81.89%と全国平均より△7.89%,類似団体平均値より△7.56%と低い数値となっている。地域別には都市部である古川地区においては高い数値となっているが,山間部の岩出山地域と鳴子温泉地域において特に数値が低くなっていることから,今後も継続的な漏水調査を実施し,有収率の向上に努めたい。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年比率については全国平均値,類似団体平均値とほぼ同じ数値であるが,管路更新率については平成26年度数値として,0.46%と全国平均値より△0.32%,類似団体平均値より△0.29%と低い数値となっている。大崎市水道事業においては,平成28年度まで簡易水道統合事業並びに鳴子温泉地域における浄水場整備に多くの資本投資を行っていることにより近年において管路更新率が低くなっているが,アセットマネジメントによる更新計画に基づき,平成29年度より管路の本格的な更新を行うこととしていることから,今後の管路更新率の上昇に努めたい。
全体総括
大崎市水道部において,平成26年12月にアセットマネジメントを策定したところであり,今後の人口減少に対応した水道施設に係る更新計画や財政計画を進めていくこととしている。アセットマネジメントにおいては,管路や施設の耐震化,長寿命化を図るとともに,長期的には料金改定を予定しておりますが,単に料金値上げを行うのではなく,管路や施設の状況について説明するとともに,計画的な更新を行うことを基本としている。なお,平成28年度までに浄水場等の施設関連の工事についてほぼ終了することから,平成29年度より本格的な管路の更新を行うこととしており,将来に向けた安定的な水道水の供給を図ることとしている。