地域において担っている役割
当院は、山間部に位置する町内唯一の有床病院である。また、救急告示病院として救急患者の受け入れをおこなっていることから、24時間365日町民のみならず隣接市町村の住民の命と健康を守る重要な役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和2年度は、入院においては令和元年度から運用している地域包括ケア病床が順調に稼働し患者数は微増となった。一方、新型コロナウイルス感染症の影響から外来患者数が前年比で13%減少し外来収益も7.7ポイント前年度を下回った。1人1日当たりの収益をみると入院が微増、外来においても発熱患者等の受け入れ等特例措置により微増となった。費用においては、職員数の増と医業収益の減により職員給与費対医業収益比率は3.6ポイント高くなり、全体を見ると、コロナ禍の影響から外来収益の減が大きく経常収支比率、累積欠損金比率とも悪化している。
老朽化の状況について
平成29年9月に病院の改築と同時期に医療機器の更新を行ったため、全国や類似病院の平均値を下回っている。一方、新病院建設や医療機器の更新により、1床当たり有形固定資産がいずれの平均よりも上回っていることから減価償却費として収益的支出が増大するため、計画的な医療機器等の更新の検討が必要である。
全体総括
町の基幹病院として当院への町民の期待は大きく、新病院開院とともにこれまで以上に効果的な経営の検討を行っている。特に収益の向上については、1人当たりの単価の向上と患者確保に継続して努める必要がある。また、医師と看護師のみならず他のコメディカル等計画的な人材確保が重要となっている。