経営の健全性・効率性について
一般会計繰入金を含む収益的収支比率(①)は,令和元年度までは100%以上で推移してきたものの,令和2年度に100%を下回り,単年度収支が赤字となった。経費回収率(⑤)は,平成28年度以降は100%を維持している。今後も新規整備事業の見直し(廃止)や財源の制約などにより,収益の増加を望めない状況にあることから,施設の効率的な維持管理と経費の削減を進めるとともに,適正な受益者負担の観点から使用料の見直しを検討する必要がある。
老朽化の状況について
平成20年4月から事業着手し,平成27年度をもって整備事業が完了していることから,今後は,将来の更新需要に備えて,維持管理事業に伴う費用の平準化とともにライフサイクルコストの最小化等の取組が必要である。また,厳しい経営状況の下,将来の事業継続に向けて,受益者負担の適正化等の抜本的な対策が必要である。
全体総括
下水道事業(公設浄化槽事業)は,将来の普及人口の飛躍的な増加は期待できず,人口減少や節水機器の普及等の影響により,今後の使用料収入の大幅な増加は見込めない状況である。また,今後はこれまで投資してきた資産の更新需要が増加することから,より厳しいコスト意識が必要である。このことから,より効果的で持続可能な汚水処理事業の全体構想等に基づき,将来にわたって市民が下水道事業のサービスを安定的に受けられるような事業経営に努める。また,使用料については,使用料体系も含めた適時適切な見直しを検討する必要がある。