桂沢水道企業団：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

桂沢水道企業団の経営状況としては分析表では経常収支比率及び料金回収率が低い状況になっている。これは一部の費用（減価償却費等）を料金算定から除いているためであり、単年度の収支が赤字の状況が続き、他団体と比較すると経営状況が悪いように思われる。しかし、実際にはそれらの費用に相当する金額を構成市（岩見沢市・美唄市・三笠市）との協定により建設負担金として徴収しているため、現状では資金不足は生じていない。累積欠損金については、平成26年度の地方公営企業会計制度の見直しにより生じた利益剰余金により０となったが、現状の料金体系では毎年度欠損金が生じている状況であり、利益剰余金がなくなれば累積欠損金が増加する一方であることが想定されるため、適切な給水単価の設定・料金体系の見直しを検討していく必要があると考えられる。流動比率については、類似団体の平均の倍以上であり、十分な支払い能力があると考えられる。企業債残高対給水収益比率については、類似団体の倍以上であり、適正な企業債残高の規模について注意が必要と考える。給水原価については、類似団体の以下であり、少ない費用で水道水を供給できている。施設利用率については、類似団体よりやや低く施設能力に余裕がある状況である。有収率については、ほぼ100%であり、特に問題はない状況である。

老朽化の状況について

資産についてはやや老朽化が進行している傾向があるが、まだ類似団体と同程度の状況であり、老朽化が危惧される状況ではないが、今後適切な規模で更新を続ける必要がある。管路については老朽管の割合が類似団体と比較して高くなっているが、管路の更新を進めていることにより、類似団体では老朽管の割合が上昇しているのに対して、老朽管の割合を横ばいに抑えている状況である。今後の計画的な更新により老朽化が進みすぎないよう注意する必要がある。なお、桂沢水道企業団の給水区域内水道管のみの管路経年化率及び管路更新率の当該値は次のとおりである。②管路経年化率H2276.37%H2376.37%H2475.71%H2575.69%H2675.78%③管路更新率H223.31%H233.31%H241.43%H250.03%H260.43%

全体総括

現状では経営的に大きな問題はないとは思われるが、今後の給水量の減少傾向や平成28年度から開始する桂沢浄水場更新事業により浄水場施設が大きく変わることなど、現状の料金単価では経営が成り立たなくなることが想定される。中長期的な推計を基に適切な料金単価の設定が必要と考える。施設及び管路の老朽化対策については、浄水場施設は平成28年度から更新事業を開始し、管路についても更新計画を元に計画的に更新を進めている。老朽化の進行を抑えつつ適切な規模の更新を継続していく必要がある。