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地方財政ダッシュボード

島根県松江市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度からほぼ横ばいの0.56%となった。全国平均よりは高いが類似団体と比べると低いため、今後も市税等の徴収体制を強化するとともに、行財政改革大綱に基づいて行財政全般の効率化を図ることで、財源確保及び歳出の抑制に努める。

経常収支比率の分析欄

地方債残高減少による定時償還元金・利子の減少により公債費が減少したものの、物価高騰対策として子育て世帯や住民税非課税世帯への給付金額の増により扶助費が増加した。また、地方税が増加した一方、臨時財政対策債が減少した。このことにより経常経費充当一般財源(分子)は前年度並みとなった一方、経常一般財源等(分母)が減少したため、前年度比0.3ポイント増の93.1%となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は、人事院勧告による給与改定に伴い職員給は増加となったものの、定年延長に伴い退職手当としての支給額が減となったことで減少となった。物件費は、新型コロナウイルスワクチン接種事業の減などにより減少となった。また、公共施設適正化を進めているところであり、一層の効率的な管理運営に努める。今後も行財政改革により事務事業等の廃止、縮減等を進め、人件費及び物件費等を抑制していく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度比0.4ポイント減の98.4%となり、全国市平均の給与水準であるとともに、類似団体内平均もやや下回っている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

近年、増加傾向にあり、全国平均と比較しても高い状況にあることから、引き続き組織人員体制や事務事業の見直しを進め、職員数の適正管理を図る。

実質公債費比率の分析欄

地方債残高減少に伴う定時償還元金・利子の減などにより、前年度比0.4ポイント減の9.5%となり順調に減少してきているが、全国平均と比較すると依然として高い状況にある。今後も普通建設事業の年度間の平準化、既存ストックの有効活用などによって普通建設事業費を適正な規模とするとともに、地方債の発行抑制及び繰上償還に取り組み、地方債残高の縮減に努める。

将来負担比率の分析欄

発行抑制の継続取組による地方債残高の減などにより分子が減少し、算入公債費額等の減により分母が増加したことで、前年度比5.8ポイント減の63.3%となった。全国平均と比べ依然として高い水準となっているため、引き続き、普通建設事業の年度間の平準化、既存ストックの有効活用などによって普通建設事業費を適正な規模とするとともに、地方債の発行抑制に取り組み、地方債残高の縮減に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人事院勧告による給与改定に伴い職員給は増加となったものの、定年延長に伴い退職手当としての支給額が減となったことにより、前年度比0.2ポイント減の27.1%となった。

物件費の分析欄

新型コロナウイルスワクチン接種事業の減などにより物件費の決算額は減少となったが、経常一般財源等が増加したため前年度比0.6ポイント増の14.2%となった。

扶助費の分析欄

物価高騰対策として子育て世帯や住民税非課税世帯への給付金額の増により扶助費の決算額が増加したため、前年度比1.0ポイント増の14.0%となった。

その他の分析欄

住宅用地先行取得に係る貸付金や道路維持管理に係る維持補修費などが減となった一方、職員退職にかかる積立金や特別会計への繰出金の増により、前年度比0.4ポイント増の12.3%となった。

補助費等の分析欄

新型コロナ対策として実施した観光地の高付加価値化事業の終了などにより補助費等の決算額が減少したため、前年度比0.4ポイント減の7.0%となった。

公債費の分析欄

前年度と比較し定時償還元金が減となり、前年度比1.1ポイント減の18.5%となった。近年減少傾向にはあるが、全国平均と比較すると依然として高い状況にある。今後も地方債の発行抑制に取り組み、地方債残高の縮減に努める。

公債費以外の分析欄

物価高騰対策等により全体的に決算額が増加したことにより、前年度比1.4ポイント増の74.6%となった。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・民生費は住民一人当たり215,536円となっており、総額では前年度決算から5.2%増となっている。これは主に物価高騰対策としての子育て世帯や住民税非課税世帯への給付金額の増によるものである。・教育費は住民一人当たり62,842円となっており、総額では前年度決算から9.3%増となっている。これは主に総合文化センター等の文化教育施設関係の大規模整備事業の増によるものである。・公債費は住民一人当たり56,200円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストが非常に高い状況となっている。公債費総額では前年度決算から4.9%の減となっており、引き続き地方債の発行抑制及び繰上償還に取り組んでいく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・普通建設事業費は住民一人当たり59,568円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストは非常に高い水準となっている。新庁舎第1期建設工事や古志原小学校及び湖南中学校の校舎大規模改修が終了したことなどにより普通建設事業費総額では前年度決算から12.6%の減となっている。・扶助費は住民一人当たり144,206円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストは概ね同水準となっている。物価高騰対策としての子育て世帯や住民税非課税世帯への給付金額の増などにより、扶助費総額では前年度決算から7.0%の増となっている。・公債費は住民一人当たり56,200円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストが非常に高い状況となっている。公債費総額では前年度決算から4.9%の減となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

補助費等や普通建設事業費の減などにより歳出が減少し、国庫支出金や市債の減などにより歳入も減少したため、実質収支は黒字となっている。財政調整基金の取り崩しを行ったことなどにより、実質単年度収支率は2.94ポイント減少し、-1.02ポイントとなった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

構成する会計は、全会計において黒字または資金不足が生じていない。また、特別会計の整理統合に取り組み、平成27年度には住宅新築資金等貸付事業特別会計を閉鎖、平成28年度に自動車運送事業会計・駐車場事業会計を交通事業会計へ統合し、平成29年度に簡易水道事業特別会計を水道事業会計へ統合した。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

地方債の繰上償還及び発行抑制に継続的に取り組んできた結果、減少傾向となっている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

地方債の発行抑制や繰上償還などの継続的取り組みによって地方債現在高が減少し、また公営企業債等繰入金見込額の減など、将来負担額が減少しており、令和4は充当可能財源等が減少したことで、将来負担比率(分子)が下がっている。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)新庁舎整備事業に充当するために、庁舎建設基金約6.0億円の取り崩しを行うなどその他特定目的基金の取り崩しが大きかったものの、ふるさと指定寄附金の増加によるふるさと松江だんだん基金への積み立てを行ったことから、全体では約5.2億円の増となった。(今後の方針)物価・光熱水費の高騰対策や段階的な定年退職の年齢の引き上げなど歳出の増加が見込まれる中で、安定的な財政運営のため、引き続き地方債残高の縮減を図り、財政の健全化を進めつつ一定規模(55億円程度)の財政調整基金・減債基金合計残高を確保する。

財政調整基金

(増減理由)約13.8億円積み立てを行い、財源調整のため17億円取り崩し行ったことにより、約3.2億円の減となった。(今後の方針)一定規模(55億円程度)の財政調整基金・減債基金合計残高を確保する。

減債基金

(増減理由)取り崩しを行わなかったため、大きな増減はなし。(今後の方針)一定規模(55億円程度)の財政調整基金・減債基金合計残高を確保する。

その他特定目的基金

(基金の使途)・松江市庁舎建設基金:庁舎の建設・ふるさと松江だんだん基金:後世に引き継ぐ自然や歴史、文化など世界に誇る地域資源を大切に保全し、活用することにより、国際文化観光都市松江がさらなる発展をとげるための魅力あるふるさとづくりに資する事業・鹿島地域振興基金:松江市鹿島地区の地域振興及び防災その他の安全安心に資する事業の推進・松江市地域振興基金:新市まちづくり計画に基づき実施する地域振興に資する事業の推進・松江市ふれあい福祉基金:地域活動の促進とボランティア活動の活性化、もって社会福祉の向上に資する施策の推進(増減理由)・松江市庁舎建設基金:新庁舎整備事業に充当するために取り崩しを行い、約2.0億円減少・ふるさと松江だんだん基金:ふるさと寄附の積立により、約16.0億円増加・鹿島地域振興基金:観光施設整備等に充当するために取り崩しを行い、約0.7億円減少・松江市地域振興基金:観光客受入事業等に充当するために取り崩しを行い、約5.2億円減少(今後の方針)・松江市庁舎建設基金:新庁舎整備事業の進捗に応じて適切に取り崩しを行う。・その他:適切な基金残高の管理と目的を失った少額の基金の整理を行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体と比較すると、有形固定資産減価償却率は1.0ポイント高く、年々老朽化が進んでいる状況である。当市では、平成28年に今後30年間の実施計画となる「松江市公共施設適正化計画」を策定した。第2期計画(令和3年度から令和7年度)では、適正化検討対象施設を当初62施設とし、これまでと同様に計画のローリングを随時行いながら、62施設以外にも適正化の実施が見込める施設を追加していくことで、より早期の適正化を図っていくこととしている。

債務償還比率の分析欄

過去の普通建設事業費等にかかる地方債の発行等により類似団体と比較してやや高い水準となっている。令和5年度においては、地方債残高は減少し、類似団体との差は、令和4年度と比較し13.7ポイント縮まった。引き続きの課題として、物価高騰や人件費の増加など、更なる財政需要が見込まれることから、基金残高の確保を優先する中、地方債残高も意識して、安定した財政運営に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体平均値と比較して過去から高い水準となっており、有形固定資産減価償却率は令和5年度において類似団体平均値より高くなった。将来負担比率についての要因は、過去の普通建設事業等に係る地方債の発行によるものと考えられるが、近年は投資的経費の平準化や地方債の発行抑制・繰上償還に積極的に取り組んでおり、令和6年度を目標に掲げていた将来負担比率100%を平成30年に達成したところである。令和10年度において将来負担比率88.3%、地方債残高を概ね1,000億円以下の達成を目標に掲げ、今後も財務健全化指標の水準維持に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債比率は、類似団体平均値と比較して、かなり高い水準にある。要因は、過去の普通建設事業費等にかかる地方債の発行によるものと考えられるが、近年は地方債の発行抑制や繰上償還等に積極的に取り組んでおり、年々地方債残高が減少しているところである。令和4年度以降、新庁舎整備や小・中学校の長寿命化など一定規模の普通建設事業費の確保が必要となるため、各事業費の精査や公共施設の適正化等の行財政改革を一層進めるとともに、令和10年度において実質公債比率8.3%の達成を目標に掲げ、財政健全化指標の水準維持に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い水準となっているのは【公営住宅】、【港湾・漁港】、【児童館】、【認定こども園・幼稚園・保育所】である。【公営住宅】については県営住宅、民間住宅との競合や採算性を見ながら、市営住宅の必要性を明確にし、【児童館】については地域の事情を踏まえ、公民館事業、児童クラブ等の類似事業と連携を念頭においたうえで、いずれも統廃合を行っていく。【港湾・漁港】については、一人当たり有形固定資産(償却資産)額が類似団体より高くなっており、これについては当市が防波堤等関連する資産が多いため、水産業の振興と併せて適宜改良を行うことで漁業環境の向上を図る。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、施設の老朽化以外に、少子化の影響で地域によっては適切な集団規模が確保されない可能性が今後あるため、あり方計画(令和5年度~令和9年度)に基づき、地域の子育て環境の総合的な整備に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い水準となっているのは、【図書館】、【福祉施設】、【市民会館】、【庁舎】、【消防施設】である。【図書館】、【市民会館】については、依然として類似団体と比較し老朽化が進んでいるため、公共施設適正化計画を進めていく中で改善を図っていく。【庁舎】については、令和8年度に完成予定である新庁舎の整備や支所の複合化を進めることにより、有形固定資産減価償却率は減少するものと考えている。【福祉施設】については、民間譲渡を行うことを基本とし、躯体や設備に重要な棄損が生じた場合には更新しない。比較的状態の良好な施設については、複合化・多機能化も検討していく。【消防施設】については、公共施設適正化計画に基づき老朽化している出張所や消防機庫の統合を行うことで改善を図っていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

【一般会計等】一般会計等においては、資産総額が前年度末から898百万円の減少(▲0.26%)となった。これは固定資産の減価償却による価値の減少(▲9,959百万円)が大きな要因である。有形固定資産減価償却率は増加傾向にあることから、今後、公共施設の長寿命化、複合化、廃止等を着実に進め、引き続き施設保有量の適正化に取り組んでいく。また、負債総額は前年度末から1,276百万円の減少(▲1.09%)となった。これは地方債の減少(▲2,069百万円)が大きな要因である。引き続き、基金残高の確保や地方債残高の縮減などを意識して、安定した財政運営に取り組んでいく。【全体会計】全体会計においては、資産総額は前年度末から4,514百万円の減少(▲0.86%)、負債総額は18,268百万円の減少(▲6.96%)となった。一般会計等と比較し多くなっている資産の主なものは病院事業や交通事業の土地・建物や、水道事業の工作物であり、一般会計等と比較し多くなっている負債の主なものは下水道事業、水道事業及び病院事業の地方債である。【連結会計】連結会計においては、資産総額は前年度末から6,017百万円の減少(▲1.13%)、負債総額は19,348百万円の減少(7.26%)となった。全体会計と比較し多くなっている資産の主なものは土地開発公社の土地、島根県後期高齢者医療広域連合の現金預金であり、全体会計と比較し多くなっている負債の主なものは土地開発公社や斐川宍道水道企業団の地方債である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

【一般会計等】一般会計等においては、純経常行政コストは前年度比732百万円の増加(+0.80%)となった。経常費用が95,746百万円となり、前年度比337百万円の減少(▲0.35%)となった。純行政コストに関しては、前年度比37百万円の増加(+0.04%)となった。臨時損失においては前年度比▲414百万円であり、災害復旧事業費が減少(450百万円)した。また、臨時利益においては前年度比+143百万円であり、主に資産売却益が増加(+143百万円)したためである。【全体会計】全体会計においては、一般会計等と比較すると、経常収益が主に病院事業の診療収入や水道事業、下水道事業の使用料収益により19,592百万円多くなっている。一方で、人件費や物件費等の業務費用は28,771百万円多くなり、また、国民健康保険事業や介護保険事業の補助金・負担金を補助金等に計上しているため、移転費用も30,201百万円多くなり、純行政コストは39,015百万円多くなっている。【連結会計】連結会計においては、全体会計と比較すると、経常収益が主に連結対象団体等の事業収益により13,870百万円多くなっている。一方で、人件費や物件費等の業務費用が2,344百万円多くなり、また、島根県後期高齢者医療広域連合の補助金負担金を補助金等に計上しているため、移転費用も29,179百万円多くなり、純行政コストは17,647百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

【一般会計等】一般会計等においては、税収等の財源(93,502百万円)が純行政コスト(93,124百万円)を上回ったことから、本年度差額は378百万円となり、純資産残高は前年度比378百万円の増加し、222,057百万円となった。これは、純行政コストの増加(前年度比+38百万円)があったものの、税収等(前年度比+2,729百万円)が大きく増加し、国や県からの補助金である国県等補助金(前年対比1,928百万円)の減少を上回ったことから、令和5年度のコストを賄えることができた。【全体会計】全体会計においては、一般会計等と比較すると、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険料や介護保険料などが税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が13,667百万円多くなっており、また、国県等補助金も23,146百万円多くなっており、純資産残高は273,809百万円となった。【連結会計】連結会計においては、全体会計と比較すると、主に島根県後期高齢者広域連合に関する税収等及び国県等補助金が含まれるため、財源は30,295百万円多くなっており、純資産残高は278,705百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

【一般会計等】一般会計等においては、業務活動収支は前年度比1,529百万円増加しており、要因の一つとしては、税収等収入が2,719百万円増加したことが挙げられる。投資活動収支については、前年度比575百万円の減少となり、投資活動支出の985百万円増加が、投資活動収入の410百万円増加を上回り、支出が拡大したものである。財務活動収支については、前年度比1,626百万円減少しており、支出としては主に地方債償還支出が574百万円減少し、収入としては主に地方債発行収入が2,159百万円の減少となった。本年度末資金残高は2,881百万円(前年度比523百万円の減少)となった。【全体会計】全体会計においては、主に病院事業の診療収入、水道事業や下水道事業の使用料収入などがあることから、一般会計等と比較し業務活動収支は4,492百万円多くなった。投資活動収支は、水道事業や下水道事業の公共施設等整備費支出により、一般会計等と比較し1,244百万円の減少となった。財務活動収支は、主に水道事業、下水道事業、病院事業の地方債等償還支出により一般会計と比較し4,496百万円の減少となった。本年度末資金残高は9,312百万円となった。【連結会計】連結会計においては、主に島根県後期高齢者医療広域連合の移転費用支出により、全体会計と比較し業務活動収支は143百万円の増加となった。投資活動収支は、主に島根県後期高齢者医療広域連合の基金積立金支出により、全体会計と比較し87百万円の減少となった。財務活動収支は、主に土地開発公社の地方債等償還支出により、全体会計と比較し99百万円の減少となった。本年度末資金残高は12,029百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に旧市町村ごとに整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っており、前年度比1.1万円の増加であった。一方で、老朽化した施設も多く、減価償却が進み、有形固定資産減価償却率の増加傾向にある。歳入額対資産比率については類似団体平均をやや下回っているが、前年度比0.02年増加した。分子である資産が898百万円減少し、分母である歳入総額も1,129百万円減少したためである。今後、将来の公共施設等の修繕や更新等にかかる財政負担を軽減するため、引き続き松江市公共施設適正化計画に基づき、公共施設等の長寿命化、複合化、統合や廃止等を着実に進め、公共施設の適正化に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均をやや下回っているが、年々上昇傾向にあり、前年度比0.3ポイントの増加であった。将来世代への負担が軽減している状況であり、これは負債の一つである地方債の繰上償還等を積極的に行い、着実に地方債を償還してきた成果によるものと考えられる。将来世代負担比率については、類似団体平均をやや上回っており、前年度比0.4ポイント増加し、現在保有している固定資産の将来世代への依存度が再び増加していることから、引き続き、基金残高の確保と地方債残高のバランスを考え、適切な量と質の資産形成を行っていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについては、類似団体平均よりやや高い水準になっており、前年度比0.4万円の増加であった。今後、人件費や物価高騰の影響が懸念されるため、コストを抑えるために、事務事業の見直し、公共施設の適正化、使用料及び手数料の改定などの健全化策を着実に進める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均を上回っているが、これは過去の普通建設事業等に係る地方債の発行によるものと考えられる。前年度比0.1万円の減少となったが、普通建設事業の年度間の平準化、既存ストックの有効活用などによって普通建設事業費を適正な規模とするとともに、地方債の繰上償還等に取り組んできた結果である。今後は、基金残高と地方債残高のバランスに留意して、安定した財政運営に取り組んでいく。業務・投資活動収支は、前年度比2,000百万円の増加となったが、令和4年度に続き類似団体平均を下回っている。令和5年度に改善した要因としては、体育施設改修費に対する大型寄附金があり、また、現在建設中の新庁舎建設事業費などの普通建設事業費が令和4年度に比べ少なかったことがある。引き続き地方債の償還や将来の資産更新に備えた資金確保を図っていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値より下回り、前年度比1.1ポイントの減少であった。分母である経常費用については、物件費等の減少などにより334百万円減少し、分子である経常収益については、使用料及び手数料の減少により1,066百万円の減少となった。物価高騰や人件費の改定等の影響を踏まえ、適切な受益者負担割合となるように使用料及び手数料の改定を実施予定である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,