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地方財政ダッシュボード

兵庫県明石市の財政状況(2020年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数についてはここ数年ほぼ横ばい傾向であり、類似団体平均と同程度である。これは基準財政需要額がその他の教育費、社会福祉費、保健衛生費を中心に増加した一方で、基準財政収入額についても所得割や固定資産税、地方消費税交付金を中心に増加したことによる。今後は、引き続き継続的な税の収納率向上対策を中心とした取り組みを進めていくことにより、歳入の確保に一層努める。

経常収支比率の分析欄

各年度を通して、扶助費の増加や特別会計に対する繰出金、公債費などが多いことなどにより、類似団体平均より悪い値となっている。令和2年度においては、待機児童対策やこどもセンターの体制強化のための職員採用などによる人件費の増や中学校給食の無償化に伴う補助費等の増などにより、経常経費充当一般財源が2.4%増加した一方で、普通交付税や地方消費税交付金の増などにより経常一般財源総額が2.7%増加したことで、経常収支比率は前年度より0.3ポイント改善して94.2%となった。今後も、扶助費及び繰出金が依然として高い水準で推移することが見込まれるため、市税等一般財源の確保やその他経常経費の徹底した削減に取り組んでいく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

従前から職員数の削減などによる人件費の抑制や事務事業の総点検など経常的な経費の節減に取り組んでおり、平成26年度以降は類似団体平均より若干低く推移している。今後も、総人件費の圧縮を念頭に、業務の見直しや民間委託の一層の推進に取り組み、また、事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、行政の効率化に努めるなど、財政の健全化を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

国家公務員及び類似団体と比べ、高い水準にあることから、適正化に向けた取り組みを行っているところである。具体的には、人事院勧告を踏まえた給料の改定はもとより、平成25年度は、初任給の引き下げや、昇格基準の見直しを実施したほか、平成27年1月の定期昇給の半減措置を講じるなど、同指数の引き下げに取り組んでいる。さらに、平成29年1月の定期昇給において、管理職の昇給を停止するとともに、管理職以外の一般職については昇給の半減措置を実施した。今後も、同指数の段階的な引き下げに努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまで、事務事業の抜本的な見直しを行うとともに、既存事務の見直しの徹底及び民間委託等の推進により、総職員数の減員を行っており、結果、人口当たりの職員数は全国平均を下回る水準となっている。今後も引き続き、新規・重点施策推進のため、専門職等必要な人材を確保する一方で、職場実態を精査しながら、適正な職員配置を行い、市民サービスの向上と総人件費の抑制の両立を図っていく。(参考平成22年4月1日現在2410人⇒令和3年4月1日現在2039人)

実質公債費比率の分析欄

臨時財政対策債などの元利償還金が増加したものの、普通地方交付税や地方消費税交付金などの増により標準財政規模が増加し、単年度では前年度と同率の3.6%となったが、3か年平均では令和2年度の3.6%が平成29年度の2.4%と置き換わることにより、前年度に比べ、0.4ポイント悪化し3.4%となった。近年、投資事業を抑制したことから地方債償還額の増加は抑えられ、類似団体平均を下回り良好な状態にあるが、明石駅前再開発事業や中学校給食導入事業、保健所整備事業などの地方債に発行に伴う償還の影響により、公債費が高い水準で推移するものと考えられるため、引き続き事業の適切な取捨選択を進め、世代間負担の公平化の観点から市債の新規発行を抑制し、公債費の削減を図っていく。

将来負担比率の分析欄

近年は類似団体平均と比較して高い比率で推移してきたが、平成30年度以降は類似団体平均を下回っており、前年度と同率の25.5%となった。これは、計算上の分子である地方債現在高が増加したものの、普通地方交付税額や地方消費税交付金など計算上の分母である標準財政規模が増加したことによる。引き続き、今後も地方債残高の適正管理を進め、交付税措置のある有利な市債の活用等を図るなどして、健全な財政運営に取り組みながら将来負担比率の抑制に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

令和2年度からの会計年度任用制度の導入に伴い、物件費に計上していた賃金が、人件費に計上される給与や報酬に切り替わったため、類似団体及び本市において人件費の比率が高くなっている。これまで人件費抑制の取り組みとして、持家に係る住居手当の廃止、地域手当の支給率引き下げ、定期昇給の抑制措置、業務改善等による時間外勤務の縮減などを行っており、今後も、人件費の適正化を図り、コストの削減に努める。

物件費の分析欄

物件費にかかる経常収支比率は、近年は12~13%程度で推移していたが、令和2年度決算においては、会計年度任用職員制度の導入に伴い、賃金等職員費が人件費に振り替えられたことによる減などで11.1%となっており、依然として類似団体平均を下回っている。これは、平成8年度に行政改革大綱を策定し、以後、行政改革実施計画に基づき継続して経常的な経費の節減に取り組んできた結果である。今後も引き続き事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、さらなる行政改革の取り組みなどにより、コストの低減を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費にかかる経常収支比率は類似団体平均を上回っており、その要因として、令和2年度決算においては、私立保育所等の運営にかかる幼保給付費や障害児通所支援事業などの障害福祉費の増などが挙げられる。少子高齢社会の進展に伴う福祉関係経費の伸びや本市が進める子どもを核としたまちづくり、経済情勢等を勘案すると、今後も引き続き増加傾向で推移するものと見込んでいる。

その他の分析欄

その他にかかる経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、特別会計等に対する繰出金が多いことが主な要因である。令和2年度決算においては、普通交付税や地方消費税交付金などの経常一般財源が増加したものの、介護保険事業や後期高齢者医療事業への繰出金などが増加したため、0.2ポイント増となった。今後も少子高齢社会の進展に伴う福祉関係経費の伸び等を勘案すると、引き続き高い水準で推移するものと見込んでいる。

補助費等の分析欄

補助費等にかかる経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、一部事務組合に対する補助金等が少額であり、また市の出資する法人等の団体数及び補助金が類似団体に比べて少ないためである。令和2年度決算においては、給食無償化に伴う中学校給食運営事業費の増などにより0.5ポイント増となった。

公債費の分析欄

阪神・淡路大震災の災害復旧、復興事業をはじめ、都市基盤整備の財源として地方債を活用してきたことから、類似団体平均を上回っているが、従前より投資的経費の抑制に取り組んできた結果、平成15年度(128億円)をピークに減少傾向にある。令和2年度決算においては臨時財政対策債等の長期債元金償還の増があったものの、借入利率の低下による長期債利子の減があったことなどにより、前年度並みとなっている。今後も事業の適切な取捨選択を進め、地方債発行の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外にかかる経常収支比率は、類似団体平均とほぼ同水準で推移している。これは、扶助費や人件費、特別会計等に対する繰出金が類似団体と比較して高い水準にある一方、物件費や補助費等が低い水準にあるためである。今後も引き続き事業のスクラップ・アンド・ビルドを行いながら、さらなる行政改革の取り組みなどにより、コストの低減を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出決算額の住民一人あたりのコストでは、民生費が最も大きく194,050円となっており、令和2年度においては、私立保育所・認定こども園の整備や運営にかかる幼保給付費、障害児通所支援事業などの障害福祉事業費などが増加したことにより、類似団体平均を上回っている。今後も、少子高齢社会の進展に伴う福祉関係経費の伸びや本市が進める子どもを核としたまちづくりなどを勘案すると、引き続き増加傾向で推移していくことが予想される。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和2年度における歳出決算額は、市民一人あたり477,324円となり、前年度から大きく増加した。これは新型コロナウイルス感染症に伴う特別定額給付金事業費や高齢者・障害者及び生活見守りサポート利用券発行事業費の増加などに伴う補助費等の増によるものである。主な項目では、物件費、補助費等は、財政健全化推進計画に基づき継続して経常的な経費の節減に取り組んできたことや、一部事務組合や出資法人への補助金が少ないことなどから、類似団体平均を大きく下回る良好な状況が続いている。一方、私立保育所等の運営にかかる幼保給付費や障害児通所支援事業などの障害福祉費の増などにより、扶助費は増加傾向にあり、類似団体平均を上回った。少子高齢社会の進展に伴う福祉関係経費の伸びや本市が進める子どもを核としたまちづくり、経済情勢等を勘案すると、今後も引き続き増加傾向で推移するものと見込まれる。また、人件費は3歳児保育の拡充による保育教育職の採用や、こどもセンターの体制強化などに伴う専門職の採用などによる職員数の増により類似団体平均を上回っている。普通建設事業費は、私立保育所・認定こども園等整備事業費や小中学校の特別教室空調設備及び校内ネットワーク環境など整備費の増などにより、市民一人あたりのコストは前年度から上昇しているが、類似団体平均を下回っており、引き続き事業の適切な取捨選択を進めて、地方債の新規発行を伴う普通建設事業の抑制に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度の実質収支額は、概算交付を受ける国県支出金の超過交付や市税などの猶予特例債の発行により約17億2千万円の黒字であり、財政調整基金及び減債基金からの繰入金を除くなどした実質単年度収支は約15億4千万円の黒字となり、平成30年度以来、2年ぶりの黒字となった。また、令和2年度の財政調整基金残高は、令和元年度に比べて約1億9千万円増の約92億4千万円となった。今後も事務事業の見直しや公共施設の適正配置などの取り組みを通じて、財政調整基金、減債基金及び特別会計等財政健全化基金の合計が70億円を下回らないように財政基盤の強化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度においては、赤字となった会計はなく、実質収支の合計は黒字であるため、全会計を対象とした実質収支の赤字額の、標準財政規模に対する比率である連結実質赤字比率については、値なしとなった。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金等(A)は、下水道事業にかかる準元利償還金など公営企業債の元利償還金に対する繰入金が約8千万円の減少となった。一方、算入公債費等(B)は、特定財源のうち、貸付金の財源として発行した地方債に係る貸付金の元利償還金や事業費補正額の減少により約2億円の減少となった。結果、元利償還金等(A)から算入公債費等(B)を控除した実質公債費比率の分子は、約6.0%(約1億1千万円)増加し、3年連続で増加となった。今後、中核市移行に伴う保健所や動物愛護センター、児童相談所等の整備にかかる地方債の影響により、公債費が高い水準で推移するものと考えられるため、引き続き事業の取捨選択を進め、公債費の削減を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度においては、一般会計等にかかる地方債の現在高が増加したものの、下水道事業債の残高減少などにより公営企業債等繰入見込額が減少したことで、将来負担額(A)はほぼ横ばいとなった。充当可能財源等(B)は、充当可能特定歳入や基準財政需要額算入見込額の減少により約0.6%(約8億8千万円)減少した。その結果、将来負担額(A)から充当可能財源等(B)を控除した将来負担比率の分子は約5.5%(約7億4千万円)増加した。今後も引き続き地方債残高の適正管理を進めるとともに、交付税措置のある有利な市債の活用等を図るなどして、健全な財政運営に取り組みながら、将来負担比率の抑制に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)基金現在高は約144億2千万円で、前年度から約2億5千万円の増となった。財政基金及び減債基金ともに財源不足による取崩しは発生せず、前年度から約1億9千万円の増となり、一般財源である財政基金など3基金の現在高は約112億円となった。(今後の方針)事務事業の見直しや公共施設の適正配置などの取り組みを通じて、「明石市財政健全化推進計画」(平成27年3月)で示した基金残高の目標数値である、財政調整基金、減債基金及び特別会計等財政健全化基金の3基金合計が70億円を下回らないように財政基盤の強化に努める。

財政調整基金

(増減理由)前年度決算剰余金など約1億9千万円を積み立てた一方、取崩しは発生しなかった。(今後の方針)減債基金及び特別会計等財政健全化基金との合計が70億円を下回らないように財政基盤の強化に努める。

減債基金

(増減理由)積立・取崩しは発生しなかったため、前年度と残高は変わっていない。(今後の方針)財政調整基金及び特別会計等財政健全化基金との合計が70億円を下回らないように財政基盤の強化に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)庁舎建設基金・・・・・・・・・・市役所新庁舎の建設費用に充当。一般廃棄物処理施設整備基金・・・一般廃棄物処理施設の整備費用に充当。特別会計等財政健全化基金・・・・特別会計等の財政の健全な運営及び累積欠損の計画的な解消に資するために用いる。福祉コミュニティー基金・・・・・地域におけるボランティア福祉活動、その他高齢者等の保健福祉を積極的に推進するための事業費用に充当。スポーツ振興基金・・・・・・・・スポーツに関する施策を総合的に推進するために用いる。(増減理由)福祉コミュニティー基金は、当該事業不足額に対し取崩しを行ったため、前年度比約30百万円の減。一般廃棄物処理施設整備基金は、当該事業不足額に対し取崩しを行ったが、売電収入や運用益など、それを上回る積立を行ったことにより、前年度比約9百万円の増。(今後の方針)その他特定目的基金については、積立の目標額等の設定は行っていない。各基金条例に定める管理・運用等に沿った適切な処理を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているが、当市では、平成29年3月に策定した公共施設配置適正化実行計画において、10年間で施設総量(延べ面積)をおおむね3%縮減することを目標に掲げるとともに、施設維持管理費用の縮減に向けて、管理運営の効率化や施設の長寿命化にもあわせて取り組んでいる。なお、平成28年度に完了した明石駅前南地区再開発事業等の減価償却が進むことにより、令和2年度の有形固定資産減価償却率は前年度より上昇している。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は全国平均よりもやや高い数値となっている。令和2年度は、将来負担額の公営企業債残高の減少などによる計算上の分子が減少したことや、市税収入は減少したものの、地方交付税等の経常一般財源の増加などによる分母が増加したことにより、前年度より1.0ポイント改善した。今後は、市役所新庁舎の建設や新ごみ処理施設の建替えなどの大型事業が控えており、交付税措置のある市債を活用するなど、比率が過度に上昇しないよう取り組んでいく。また、引き続き、歳入面では市税等の一般財源の確保や歳出面では財政健全化に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、前年度と同じ値となり、類似団体平均よりも低い比率となった。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均よりも低い水準を示しており、引き続き、公共施設配置適正化基本計画等に基づき、中長期的視点をもって公共施設の更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化し、効率的・効果的な公共施設の適正配置を実現していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、近年投資事業を抑制してきたことから、既発債に係る元利償還金の減少等により、類似団体平均を下回り良好な状態にある。将来負担比率は、前年度と同じ数値となり、3年連続で類似団体平均よりも低い比率となった。今後は、市役所新庁舎の建設や新ごみ処理施設の建替えなどの地方債の発行に伴い、実質公債費比率は悪化する可能性もあることから、引き続き、事業の適切な取捨選択を進めるとともに、地方債残高の適正管理に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路については、平成27年度の有形固定資産減価償却率は類似団体平均とほぼ同程度だったが、平成29年3月に都市計画道路である八木松陰線が供用開始されたことに伴い、平成28年度の有形固定資産減価償却率は大きく下がっており、その後減価償却が進むにつれてポイントも上昇してきている。橋りょう・トンネルについては、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているが、インフラに関しては、長寿命化等によるライフサイクルコストの縮減を図ることとしており、特に橋りょうについては、個別施設計画としての橋りょう長寿命化修繕計画に基づき予防保全型の管理を進めることとしている。公営住宅については、類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率は下回っており、これは平成25年度までに西二見小池住宅の建て替えが進められたことが一因となっていると考えられるが、今後とも、人口推移や建物の劣化状況などを考慮し、公営住宅の複合化や集約化の検討に取り組んでいく。認定こども園・幼稚園・保育所については、類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている。主に1960~70年代に建築された施設が多く、老朽化が進んでいるため、公共施設配置適正化基本計画等に基づき、保育所や幼稚園の今後のあり方を検討する中で、施設の老朽化対策に取り組むこととしている。学校施設については、小中学校の空調設備の更新によって有形固定資産減価償却率はやや改善されており、類似団体平均よりも低くなっている。今後は、児童生徒数の推移等を踏まえながら、良好な教育環境の整備を前提として統廃合や通学区域の見直しなどの規模の適正化を検討する。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館については、平成29年1月に「あかし市民図書館」が新たに開設されたことに伴い、平成28年度に有形固定資産減価償却率が大きく低下し、類似団体平均よりも低い比率となっている。体育館・プールについては、中央体育会館が建築後30年以上経過し、劣化が進んでいるが、平成29年度までに耐震補強改修工事を実施するなど、長期的な視野に立った施設の長寿命化を図っている。福祉施設については、令和元年度にあさぎりおおくら総合支援センターなどの福祉施設が新たに開設されたことに伴い、有形固定資産減価償却率が低下した。保健センターについては、平成30年度の中核市移行に伴い、保健センターが廃止され、新たに保健所が開設されたことに伴い、平成30年度に有形固定資産減価償却率が大きく低下し、類似団体平均よりも低い比率となっている。消防施設については、類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率は低い比率となっている。これは、明石消防本部が平成15年に建築されていることが要因であるが、消防分署や消防団詰所は建築後30年から40年を経過し、老朽化が進んでいるため、計画的な保全により施設の長寿命化を図ることとしている。庁舎については、本庁舎や市民センターが建築後30年から40年経過しているため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っているが、現在、市役所新庁舎整備に関して検討を進めているところである。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が当該年度期首時点と比較して271百万円の増加(+0.1%)となった。内訳としては、固定資産が1,950百万円減少し、流動資産は2,049百万円増加している。事業用土地については、旧あかねが丘学園の売却により1,423百万円減少した一方で、小中学校の空調施設整備や校内ネットワーク環境整備等により、事業用建物が3,607百万円増加したが、建物減価償却累計額が2,893百万円増加するなど、事業用資産は1,084百万円減少した。インフラ工作物については、道路整備等により1,075百万円増加した一方で、工作物減価償却累計額が2,188百万円増加し、インフラ資産は845百万円減少した。流動資産については財政調整基金が188百万円増加している。負債総額は当該年度期首時点と比較して996百万円増加しているが、これは徴収猶予に伴う一時的な減収に対応するための猶予特例債が520百万円増加したことなどにより、地方債が946百万円増加したことによる。水道事業会計、下水道事業会計を加えた全体では、資産総額は、上水道管や下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて158,406百万円多くなるが、負債総額も地方債(固定負債)を計上していること等により、94,736百万円多くなっている。地方独立行政法人明石市立市民病院等を加えた連結では、資産総額は、市民病院が保有している病院施設に係る資産を計上していること等により、全体と比べて16,635百万円多くなっているが、負債総額も市民病院の借入金等があることから、7,548百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が135,087百万円、経常収益が4,161百万円であり、純経常行政コストは130,926百万円となっている。経常費用のうち、人件費等の業務費用は47,412百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は87,675百万円である。移転費用は前年度と比較して35,109百万円増加しているが、これは国の施策である特別定額給付金給付事業(30,347百万円)が実施されたことによるものである。社会保障給付は幼保給付費や障害福祉費等により2,193百万円増加しているが、今後も高齢化の進展などにより、社会福祉関係経費の増加が見込まれるため、事務事業の見直しなど財政健全化の取り組みを進めながら、持続可能な財政運営に努める。全体では、一般会計等に比べて、上下水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が10,339百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険にかかる社会保障給付の計上により、経常費用が58,307百万円多くなり、純行政コストは48,020百万円多くなっている。連結では、兵庫県後期高齢者医療広域連合の比例連結等により、純行政コストは全体に比べて38,127百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(130,510百万円)が純行政コスト(131,276百万円)を下回っており、本年度差額は△1,638百万円となった。本年度差額がマイナスになっている理由のひとつは、私立保育所・認定こども園等への施設整備費補助金の支出が移転費用に含まれる一方で、その財源の一部である地方債は貸借対照表の負債に計上されるためである。これは社会福祉法人等への補助金など所有外資産の整備費用は、投資支出的な性質を持つが、貸借対照表には資産として計上しない一方、整備に要した費用に充てた地方債は負債に計上するという統一的な基準における取扱いから生じるものである。全体では、国民健康保険事業特別会計の国民健康保険料や介護保険事業特別会計の介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等の財源が多くなるものの、一般会計等のマイナスが大きく、本年度差額は△1,228百万円となったが、無償所管替等の影響もあり、純資産残高は490百万円の増加となった。連結では、兵庫県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源として計上されることにより、全体と比べて税収等の財源が多くなっており、本年度差額は1,245百万円、純資産残高は2,948百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は4,643百万円であったが、投資活動収支については、小中学校空調整備をはじめとする公共施設等の整備により、△3,838百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行収入が地方債償還額を上回ったことから692百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から1,497百万円増加し、2,264百万円となった。全体では、国民健康保険料や介護保険料が税収等収入に含まれること、上下水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より5,233百万円多い9,876百万円となっている。また、財務活動収支は、水道事業会計及び下水道事業会計において、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことにより△3,380百万円となっている。連結では、地方独立行政法人明石市立市民病院における入院・外来収益等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は全体より3,251百万円多い13,127百万円となった。また、財務活動収支については、市民病院における長期借入金の収入額が償還額を上回ったことから、全体より342百万円多い△3,038百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は前年度と同額であり、類似団体平均を下回っている。住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は前年度から0.81年減少しているが、これは特別定額給付金給付事業により歳入額が一時的に増えたことによるもので、類似団体と同様の推移となっている。有形固定資産減価償却率については、前年度からは1.3%増加している一方、行政目的別で見ると、「教育」が0.3ポイントの減少となっており、小中学校の空調設備の整備等を実施したことがひとつの要因となっている。今後も、公共施設等総合管理計画等に基づき、各公共施設の計画的な機能維持を図りながら、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率と将来世代負担比率は、それぞれ53.6%、23.2%となっている。これらの指標は、住民における世代間公平性を表すものとされており、資産形成における将来世代と現世代までの負担のバランスが適切に保たれているかを示すものである。前年度と比較すると、純資産比率は0.3ポイント低下し、将来世代負担比率は0.2ポイント増加している。将来世代負担比率の低下については、地方債残高が増加したことに加えて、旧あかねが丘学園の売却により有形固定資産残高が減少したことによる。今後も、事業の適切な取捨選択を進めるとともに、住民負担の世代間公平性にも留意しつつ、交付税措置のある有利な地方債を活用するなど地方債残高の適正管理に取り組む。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、前年度と比べ12.8ポイント上昇しているが、これは特別定額給付金給付事業によるものであり、類似団体平均と同程度で推移している。今後、待機児童解消に向けた保育所等の運営費をはじめ、高齢化等に伴う社会保障関係経費の増などにより、住民一人当たり行政コストが高くなることも見込まれる。このため、「こどもを核としたまちづくり」などの積極的な展開により、子育て世代を中心とした人口増及びそれに伴う税収増を図りながら、さらなる施策の充実に努めるとともに、公共施設配置の適正化や公有財産の有効活用など財政健全化の取り組みを進めつつ、社会情勢の変化に弾力的に対応できるよう、将来にわたって持続可能な財政運営に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は48.2万円で、前年度からは0.3万円増加し、類似団体平均を上回っている。負債のうち地方債の多くを占めるのが、地方交付税の不足を補うための臨時財政対策債であり、年度末現在の残高は511億円である。基礎的財政収支は、投資活動収支の赤字分△3,589百万円より業務活動収支の黒字分5,475百万円が上回っており、1,886百万円とプラスを維持している。これは前年度と比べ、税収は減少したものの、猶予特例債の発行や地方消費税交付金の増加、旧あかねが丘学園の売却等による臨時的な収入が増加したことなどによるものである。今後、公共施設の老朽化が進むなか、中長期的視点を持って公共施設の更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減化平準化に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

行政サービスの提供に対する受益者負担の割合を示す受益者負担比率は3.1%であり、類似団体平均をやや下回っている。前年度からは2.1%低下しているが、特別定額給付金給付事業による経常費用の増加が要因であり、類似団体平均と同様の推移である。行政コスト計算書の経常収益は、使用料・手数料など行政サービスに係る受益者負担の金額であり、これを経常費用と比較したものが受益者負担率であるため、事務の効率化による行政コストの削減や、受益者に対する適切な負担額の設定などを行うことにより、比率は高くなる。このため、財政健全化推進計画等に基づき、引き続き事務事業の見直し等に取り組むとともに、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,