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地方財政ダッシュボード

大阪府阪南市の財政状況(2019年度)

🏠阪南市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率32.96%(令和3年1月末)に加えて、関西国際空港の近くにあるものの、準工業地域などの用途地域が少なく、法人市民税も少ないため、財政基盤が弱く、類似団体内平均値を大きく下回っている。今後は、阪南市行財政構造改革プランに基づき歳出の抑制と、総合計画の見直しにより用途地域を変更することで歳入の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

行財政構造改革プラン等の取組により、令和元年度決算は退職手当の減少及び職員の給与カットによる人件費の削減や、一部事務組合への負担金の減少等による補助費等の減少などにより平成30年度と比べ0.5ポイント良化した。しかし、高齢化の進展に伴う特別会計への繰出金の増加などもあり類似団体内平均値を上回っている。今後も阪南市行財政構造改革プランの取組を着実に実行していくことで経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口一人当たりの金額が類似団体内平均値を下回っている。物件費は、これまで進めてきた施設管理・運営の指定管理者制度導入によるものであるが、人件費は職員の給与カットや退職手当の減少による一過性のものである。今後も、阪南市行財政構造改革プランに基づき、市民サービスの維持向上と経費抑制との両立に取り組むため、人材育成の推進やさらなる指定管理者・民間委託等の推進に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

国家公務員に準拠した給与制度としつつ、平成27年4月から管理職員の給料を2.5%~4%減額するなど人件費抑制に努めている。さらに、行財政構造改革実現のための緊急的な給料削減を平成31年1月から実施し、管理職員の給料を改めて4%~5.5%減額するとともに非管理職員の給料を平成31年4月から1%~2.3%減額し人件費抑制に取り組んだ結果、給与水準は国の水準及び類似団体内平均値を下回る状況となった。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

毎年度見直している「定員管理計画」に基づき行政運営体制の見直しや人材育成の推進などにより、類似団体内平均値を下回っている。また、同計画に基づき、職員数を令和2年4月1日現在の370人から、令和11年4月1日時点で343人まで減らすことを目標に設定しているが、職員の年齢構成の平準化や、市民サービスの持続性、人材育成の視点等を考慮して対応していく。

実質公債費比率の分析欄

平成27年度には類似団体内平均値と2.9ポイントの乖離があったが、近年では類似団体内平均値と同程度となっている。令和元年度は、総合こども館構想廃止に伴う地方債の一括償還が発生したため、一時的に実質公債費比率が上がった。今後も、住民ニーズや緊急性の高いものなどを的確に把握し、より効果的、効率的な事業を行い起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

令和元年度は尾崎中学校と鳥取中学校の統廃合による事業に対する地方債発行以外に大きな地方債を発行する事業がなかったため、平成30年度と比べ、地方債残高が減少したことにより将来負担比率は改善した。しかし、類似団体内平均値を上回っており、今後はGIGAスクール構想の実現や、私立認定こども園施設整備事業など地方債発行を行う事業が見込まれるため、将来負担比率の上昇が考えられることから、普通建設事業における事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費は退職手当の減少や職員の給与カットにより平成30年度と比べ0.7ポイント良化した。しかし、施設にかかる職員数が多いことから類似団体内平均値を上回っている。今後も「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき、定員の適正管理を進めるとともに総人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

これまでの行財政改革の取組により進めてきた公共施設における指定管理者制度により類似団体内平均値を下回っている。令和元年度は平成30年度に比べてふるさとまちづくり応援基金の充当金額が少額となったため、0.9ポイント悪化した。今後も、「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき、事務事業の見直しの中で物件費の抑制に努める一方、より効率的な事業実施と市民サービスの向上に取り組む。

扶助費の分析欄

本市は専門職員によるケースワーカーを設置し生活保護費をはじめとする扶助費の抑制に努めてきたため、類似団体内平均値を下回っている。本市の高齢化率が32.96%(令和3年1月末)と高いことや、障がい者施策による社会福祉費の伸びが依然として大きいことから、今後も増額が懸念されるため、引き続き専門職員による対応など適切に行っていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体内平均値を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因である。高齢化に伴う介護保険特別会計・後期高齢者医療特別会計に対する繰出金が年々増加している影響が大きい。今後は重度化予防や介護予防の推進や、大阪府後期高齢者医療広域連合会と連携し、医療費適正化の施策の検討・実施に取り組み、一般会計からの繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率が類似団体内平均値と比較して高いのは、一部事務組合で行っているごみ処理業務、消防業務、病院事業及び下水道事業に対する補助費(繰出金)によるところが大きい。令和元年度が平成30年度と比べて1.9ポイント良化した要因として、ごみ処理業務及び消防業務の負担金が減少したことによるもの。

公債費の分析欄

小・中学校の耐震事業や駅周辺整備事業といった事業を行うことにより、公債費の経常収支比率は平成28年度以降増加傾向となっている。今後も事業の選択と集中により、将来にわたって持続可能な財政基盤の構築に取り組む。

公債費以外の分析欄

「公債費以外」の経常収支比率の主なものは、人件費が24.2%、繰出金が16.8%、物件費が15.6%、補助費等が14.0%となっている。類似団体内平均値を上回っているのは、高齢化に伴う特別会計への繰出金や一部事務組合等に対する補助費等の影響が大きい。今後も「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき、特別会計の健全な運営等による繰出金や補助費等の抑制により、経常経費の抑制を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費の住民一人当たりのコストは類似団体内平均値を下回り、平成30年度と比べ大きく減少した。これは、ふるさとまちづくり応援寄附金の減少による返礼品等の関連経費が減少したためである。衛生費の住民一人当たりのコストは類似団体内平均値を下回り、平成30年度と比べ大きく減少した。これは、平成30年度に泉南阪南共立火葬場建設事業の完了に伴い、普通建設事業費が減少したためである。教育費の住民一人当たりのコストは類似団体内平均値より低く推移しているが、平成30年度と比べ増加した。これは、尾崎中学校と鳥取中学校の統廃合に伴う校舎増築等の事業が完了したことにより、普通建設事業費が増加したためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり330,571円となっており、類似団体内平均値の389,710円と比較して59,139円低くなっている。項目別でも全体的に類似団体内平均値より低くなっているが、特に投資及び出資金や繰出金が類似団体内平均値を上回っている。投資及び出資金については、平成30年度から下水道特別会計が下水道事業会計となったことによる増加であり、繰出金については、全国平均を上回る高齢化に伴う、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計に対する繰出金が増加しているため、高い状況となっている。また、平成30年度と比べ普通建設事業費は9,785千円減額となっている。これは、平成30年度に泉南阪南共立火葬場建設事業が完了となったことによる減額である。今後も「阪南市公共施設等総合管理計画」に基づき、事業の取捨選択を徹底していくことで、事業費の減少を目指すこととしている。積立金はふるさとまちづくり応援寄附金の減少により、住民一人当たり5,208円となり、昨年度と比べて9,306円減少している。平成24年度から財政調整基金を取り崩した財政運営となっているため、毎年度の歳入予算額を見据えつつ歳出予算を計上するなど、基金頼みの行財政運営の解消に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

平成30年度と比べ、歳入・歳出総額は同程度減少したが、財政調整基金残高を大きく減少させたことにより、実質単年度収支は平成30年度から悪化した。実質単年度収支は相変わらず赤字ではあるが、財政調整基金の取り崩しにより、実質収支は黒字となっている。今後も「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき、市税などの自主財源の確保に努め、健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、平成29年度より一般会計を含めた全会計が黒字の状況であるが、一般会計からの繰出金による影響が大きい。下水道事業会計については、令和元年度における普及率が52.3%で全国平均の79.7%や大阪府内他自治体より低い水準(府内ワースト3位)であるが、管渠等の施設の整備と既設の管渠の老朽化による更新に多額の費用が生じると見込まれるため、収支均衡に注視が必要である。今後も収納率の向上や事業の効率化等に取り組み、各会計の経営の健全化に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金は、阪南市総合こども館構想の廃止に伴い旧家電量販店施設を売却したことによる地方債の一括償還もあり、平成30年度よりも増加した。阪南市は昭和40年代~50年代に建てられた公共施設が多く、築30年以上経過した施設が全体の75%以上あることから、施設の老朽化対策等に係る普通建設事業の増加が見込まれる。「阪南市行財政構造改革プラン」及び「阪南市公共施設等総合管理計画」に基づき、普通建設事業を行っていく際には、事業の選択と集中により、公債費の縮減に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、臨時財政対策債が約52.6%を占めている。公営企業債等繰入見込額は、下水道事業会計において、投資的事業等を計画的に行うことにより起債を抑制してきたことに加え、病院事業会計での起債発行を近年行っていないことから、減少している。退職手当負担見込額は、職員定員管理計画に基づき定員管理を行っており、大幅な増減はない。充当可能基金は、ふるさとまちづくり応援寄附金の増加によるもので、財政調整基金は取り崩しを行っており、今後は「行財政構造改革プラン」に基づき、持続可能な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)ふるさとまちづくり応援寄附金によりふるさとまちづくり応援基金を2.6億円積み立て観光振興事業等に2.2億円取り崩したことにより基金残高は0.4億円増加したが、普通建設事業にかかる基金の取り崩しや財政調整基金の取り崩しを行ったことにより、全体として1.7億円の減少となった。(今後の方針)「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき、自主財源の確保など歳入の増加、事務事業の見直しなど歳出の抑制に努め、財政調整基金に頼らない行財政運営を行う。また、ふるさとまちづくり応援寄附金の増加による基金の増加をめざす。

財政調整基金

(増減理由)自主財源であるふるさとまちづくり応援寄附金の積極的な確保や、歳出の抑制に努めたが、財政調整基金残高は前年度の0.5億円の減少から2.1億円の減少となった。(今後の方針)災害などの緊急対応等のために、一定の基金残高を確保出来るよう、「阪南市行財政構造改革プラン」に基づき基金に頼らない行財政運営に努める。

減債基金

(増減理由)基金への積み立て、取り崩しを行わなかったため増減なし。(今後の方針)地方債の償還を踏まえ、財政状況を鑑みながら積み立てに努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共公益施設整備基金:開発行為等に伴う公共公益施設の整備資金ふるさとまちづくり応援基金:阪南市のまちづくりを応援する個人又は法人その他の団体から広く寄附金を募ることにより、その寄附金を財源として、寄附者の意向を反映した個性豊かな魅力あるまちづくりに資する教育施設整備基金:教育施設の整備に要する資金都市整備基金:都市計画事業又は土地区画整理事業の整備資金森林環境譲与税基金:森林の整備及びその促進に関する施策に要する資金(増減理由)令和元年度は、公共公益施設整備基金を道路改修事業等に取り崩し、教育施設整備基金を尾崎中学校と鳥取中学校の統廃合に関する事業に取り崩した。ふるさとまちづくり応援寄附金をふるさとまちづくり応援基金に積み立てたため、基金残高が増加した。(今後の方針)教育施設整備基金は今後控えている長寿命化計画などに備えるため、毎年0.2億円積み立てる。ふるさとまちづくり応援基金はふるさとまちづくり応援寄附の増加による基金の増加をめざす。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和元年度は平成30年度と比べ、有形固定資産減価償却率が増加している。原因として、老朽化施設を大規模改修ではなく、修繕により施設を維持しているためである。今後は、阪南市公共施設等総合管理計画に基づき、有形固定資産減価償却率の抑制に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体内平均値を大きく上回っている。これは、これまで2度の財政再建により財政の健全化を図ってきた結果、ここ数年は積み残された課題解決のため、基金に頼った行財政運営を行っていることによるものである。引き続き、令和3年9月に策定した「阪南市行財政構造改革プラン改訂版」に基づき、財政状況の改善を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和元年度は平成30年度と比べ、将来負担比率は減少し、有形固定資産減価償却率は増加している。将来負担比率が減少したのは、地方債残高の減少に伴うものであり、一方、有形固定資産減価償却率が増加しているのは、資産形成が減価償却額を下回っているためである。本市では、公共施設数が多く、将来負担比率と有形固定資産減価償却率ともに類似団体内平均値を上回っているので、今後も阪南市公共施設等総合管理計画及び「阪南市行財政構造改革プラン改訂版」に基づき、両比率の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率と実質公債費比率ともに類似団体内平均値と比較して高い水準にある。また、将来負担比率が減少したのは、地方債残高の減少に伴うものであり、一方、実質公債費比率が増加したのは、事業の中止に伴い、地方債を一括償還したことによるものである。有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値よりも高い本市にとっては、今後も老朽化した公共施設の対策を行っていく必要があるが、事業の選択と集中により、財政状況に見合った投資的事業を行い、地方債の発行抑制に努め、財政の健全化を図る。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

更新してきた橋りょうやトンネル、耐震化や統廃合の推進を行ってきた学校施設については、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を下回っている。一方、認定こども園・幼稚園・保育所は、昭和40年から昭和50年に建てられたものが多く、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を大きく上回っており、一人当たり面積も大きくなっている。このため、施設の老朽化や、人口減少によるこどもの人数の減少等の状況を踏まえ、現存施設のあり方を検討している。引き続き、阪南市公共施設等総合管理計画に基づき、財政状況を踏まえ施設の大規模改修等を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

ほとんどの施設において、一人当たりの面積は類似団体内平均値と比較して小さいが、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回っている。本市の施設は昭和50年度後半から平成の最初に建設されたものが多く、施設の老朽化が進んでいるが、施設の大規模改修を行うのではなく、修繕により維持管理を行っているためである。今後は阪南市公共施設等総合管理計画に基づき施設のあり方を検討し、財政状況を踏まえ施設の大規模改修等を行っていく。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が平成30年度末から1,013百万円の減少(△2.5%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産であり、投資的事業が減少したことにより、事業用資産で715百万円の減少(△3.1%)、インフラ資産で245百万円の減少(△1.7%)した。また、負債総額が平成30年度から754百万円減少(△3.6%)しているが、負債の減少額のうち最も金額が大きいものは、一年内償還予定地方債も含む地方債の減少(△781百万円)である。各種特別会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は11,149百万円減少し、負債総額は6,399百万円減少した。資産総額及び負債総額が大きく減少した要因は、水道事業会計が大阪広域水道企業団へ移行したことに伴うもので、水道事業会計で計上していた、上水道管のインフラ資産や地方債が全額減少したことによるものである。大阪府後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、資産総額が1,674百万円減少し、負債総額は1,554百万円減少した。資産総額は、大阪広域水道企業団のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて39,452百万円多くなっているが、負債総額も大阪広域水道企業団や泉南清掃事務組合等の地方債を計上していること等から、28,777百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は16,215百万円となり、平成30年度から184百万円の増加(1.1%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は7,065百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は9,150百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。給付費の伸びによる扶助費等の社会保障給付(4,579百万円、平成30年度比672百万円)や、全国平均を上回る高齢化率の影響が大きい介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計等の他会計への繰出金(2,368百万円、平成30年度比119百万円)があり、純行政コストの44.1%を占めている。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、下水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が465百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が9,388百万円多くなり、純行政コストは10,802百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が2,099百万円多くなっている一方、補助金等が17,473百万円多くなっているなど、移転費用が15,113百万円多くなり、純行政コストは17,827百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、人口減少等により市税が減少、全国平均を上回る高齢化率等による社会保障関連経費の増加などがある中、地方交付税の増加などより、税収等の財源(15,949百万円)が純行政コスト(15,746百万円)を上回っており、本年度差額は203百万円となったが、固定資産の錯誤等による資産の減少に伴い、純資産残高は19,294百万円と258百万円の減少となった。地方税の徴収業務の強化(毎年度0.2%ずつの向上)等により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険料や介護保険料が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が11,002百万円多くなっている一方、純行政コストも10,802百万円多くなっており、本年度差額は403百万円となったが、一般会計同様に純資産残高は58百万円の減少となった。連結では、大阪府後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が17,950百万円多くなっており、本年度差額は326百万円となったが、一般会計同様に純資産残高は119百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,174百万円であったが、投資活動収支については、鳥取中学校の増築、大規模改修等を行ったことにより、△392百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから△781百万円となり、令和元年度末資金残高は平成30年から1百万円増加し、274百万円となった。行政活動に必要な資金を基金の取崩しによって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。全体では、国民健康保険料や介護保険料が税収等収入に含まれること、下水道料金等の使用料及び手数料収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より616百万円多い1,790百万円となっている。投資活動収支は、下水道管の面整備及び老朽化対策を実施したため、△580百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから△1,354百万円となり、本年度末資金残高は平成30年度から144百万円減少し、380百万円となった。連結では、大阪広域水道企業団の水道料金等の使用料及び手数料収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より1,297百万円多い2,471百万円となっている。投資活動収支は、大阪広域水道企業団や泉南清掃事務組合等が公共施設等整備を行ったこと等により、△906百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから△1,713百万円となり、本年度末資金残高は平成30年度から148百万円減少し、1,738百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均値を大きく下回っていあるが、これは、昭和40年から昭和50年頃に整備した資産の老朽化が進んでいるためである。歳入額対資産比率が類似団体平均値を大きく下回っているが、これも、住民一人当たり資産額と同様の要因によるものである。有形固定資産減価償却率については、整備から50年経過して老朽化した資産が更新時期を迎えていることなどから、類似団体平均値より高い水準にある。また、平成30年度より1.8ポイント増加しているのは、大規模改修ではなく、修繕による維持管理を中心とした老朽化対策を行っているためである。阪南市公共施設等総合管理計画」に基づき、個別施設計画を策定し、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を大幅に下回っているが、これは、財政調整基金を取り崩しながら財政運営を行っているため、余剰分(不足分)が少ないためである。将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回る21.4%となっているが、平成30年度と比べて1.2ポイント減少している。今後は新規に発行する地方債の抑制を行うなど地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っており、平成30年度からは増加(3千円)している。純行政コストは減少しているが、平成30年度は280百万円の臨時損失があったためであり、純経常行政コストは平成30年度に比べて増加している。これは、人口が減少している中、全国平均を上回る速度で高齢化が進んでいる影響により、依然として社会保障給付は増加しているためである。今後は、令和3年9月に策定した「行財政構造改革プラン改訂版」の推進等により、経費の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値と同程度であるが、負債合計は前年度から75,448万円減少している。これは、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったためである。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、744百万円となっている。令和元年度が類似団体平均値を上回っているが、これは、「行財政構造改革プラン」に基づ職員の給与カット等の取組みの成果によるものである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を下回っている。使用料・手数料を3年に1度見直しているが、各公共施設に減免制度があること等から、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は低くなっている。使用料・手数料の定期的な見直しや減免制度の統一的な基準による見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,