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地方財政ダッシュボード

愛知県刈谷市の財政状況(2021年度)

🏠刈谷市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口の増加や高齢者福祉に係る単位費用の増等により、令和2年度と比較して基準財政需要額が1,151,665千円増加したことにより0.02ポイント減少したが、類似団体平均、全国平均、愛知県平均と比べて高い数値である。今後も、物価高騰による影響等を注視し、これまで以上の事業の効率化と税の徴収強化等により、健全財政の維持に努める。

経常収支比率の分析欄

令和3年度は法人市民税の減収等により市民税が1,491,236千円減少したことで、経常収支比率が前年度と比較して3.7ポイントの増加となった。物価高騰による影響、障害者福祉サービス利用者の増加による給付費の増加、大型事業の財源として借入れた市債の償還開始に伴う公債費の増加が見込まれるため、今後も事務事業の見直しや民間委託、指定管理者制度の活用など行政経営改革への取り組みを通じて、健全財政の維持に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均、全国平均、愛知県平均を超えているのは主に物件費で、民間保育所の建設完了に伴う運営経費やGIGAスクール構想によるICT教育事業に係る経費が増加していることが要因である。今後も、行政評価制度等を積極的に活用し、事務事業の見直しを行い、経費削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

本市は人事院勧告に準拠した給料表を使用しており、毎年度職員構成による数値の変動があるものの、概ね国と同水準を維持している。近隣市町村との均衡を保ちながら、引き続き適正化を図っていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均をやや上回る程度で、全国及び愛知県の平均を下回る数値である。限られた職員数でも効率的に業務を行い、市民サービスの向上に努める。

実質公債費比率の分析欄

近年の起債抑制策等により、前年同様に類似団体平均、全国平均、愛知県平均を大きく下回る-2.2%となった。今後は、大型事業の財源として借り入れた市債の償還開始に伴い、公債費比率は増加することが見込まれる。また、老朽化した校舎等の機能回復を目的とする大規模改造や、中学校体育館への空調設備の整備などの事業において、市債の発行に頼らざるを得ない状況となるが、国・県補助金、基金の活用等により市債の発行を必要最小限に抑え、公債費の増加の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債現在高は平成8年度をピークとし、その後は繰上償還や市債の発行を最小限に留めてきたため、将来負担比率は発生していない。今後は、老朽化した校舎等の機能回復を目的とする大規模改造や、小中学校体育館への空調設備の整備などの事業において、市債の発行に頼らざるを得ない状況となるが、基金を活用することで起債の抑制を図り、健全財政の維持に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

令和3年度は、令和2年度と比較して、職員数の増加による職員給の増加や会計年度任用職員の期末手当の増により1.7ポイント上昇した。今後も業務の効率化により人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

令和3年度は、民間保育所の建設完了に伴う運営経費の増加やGIGAスクール構想によるICT教育事業に係る経費の増加等により、令和2年度と比較して1.4ポイント増加した。今後も、行政評価制度を積極的に活用し、事務事業の見直しを行い、経費削減に努める。

扶助費の分析欄

令和3年度は、令和2年度と比較して0.8ポイント増加し、類似団体平均と比較すると1.3ポイント上回っているが、全国平均及び愛知県平均は下回っている。主な増加要因としては、子育て世帯への臨時特別給付金等の支給によるものである。今後は、高齢者福祉や障害福祉に係る費用が一定の水準で増加するものと思われる。

その他の分析欄

令和3年度は、維持補修費を抑制したため0.1ポイント減少した。引き続き、類似団体平均、全国平均、愛知県平均を下回っているが、主に国民健康保険会計等の特別会計への繰出金が占めているため、特別会計の健全かつ適切な財政運営に努める。

補助費等の分析欄

令和3年度は、一部事務組合(刈谷知立環境組合)への分担金の減により令和2年度と比較して0.4ポイント減少した。福祉サービスに関連する団体への補助等において補助金の増加傾向が見られるため、引き続き経費のチェックを進めるとともに、補助金や負担金等の更なる見直しを図り、経費の削減に努める。

公債費の分析欄

平成8年度末市債残高約240億円をピークに、その後は繰上償還の実施や市債の発行を最小限に留めてきたことにより、類似団体平均、全国平均、愛知県平均を大きく下回っている。今後大規模な事業が本格化する中でも、引き続き新規の市債の発行については、必要最小限に抑えることにより、健全な財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

令和3年度は人件費や物件費が増加したことに伴い、前年度と比較して3.4ポイント上昇した。今後も類似団体の中でも割合の高い物件費について、行政評価制度等を活用し、削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

構成比で最も大きな割合を占めているのは民生費で、住民一人当たり162,570円であり、前年度比29,407円の増加となっている。新型コロナウイルス感染症対策として、子育て世帯への臨時特別給付金等を支給したことが主な理由である。次に土木費で、住民一人当たり81,938円であり、前年度比14,755円の増加となっている。市道01-41号線他道路新設改良事業等の大型事業が進行したことが主な理由である。次に教育費で、住民一人当たり56,442円であるが、前年度比7,423円の減少となっている。前年度において実施した住吉幼稚園移転新築事業や、住吉小学校校舎増築事業等の大型事業が完了したことが主な理由である。今後は、公共施設維持保全計画に基づく事業や、JR刈谷駅の改良など、都市基盤の充実を図るための大型事業も進行していくため、国・県補助金や基金を活用した財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり422,728円となっている。最も大きな割合を占めているのは扶助費で、前年度と比較して21,884円増加している。これは、子育て世帯への臨時特別給付金等の支給によるものである。次に大きな割合を占めている物件費は、前年度と比較して住民一人当たり、14,070円増加している。民間保育所の建設完了に伴う運営経費やGIGAスクール構想によるICT教育事業に係る経費が増加していることが主な理由である。また、最も減少したのは補助費等で、110,306円減少している。前年度において新型コロナウイルス感染症対策として、特別定額給付金の支給や水道会計・下水道事業会計への補助を行ったことにより一時的に増加したことが主な理由である。普通建設事業費については、市道01-41号線他道路新設改良事業等の事業が進行したことにより、前年度と比較して住民一人当たり、7,169円増加している。今後は、公共施設維持保全計画に基づく事業や、都市基盤の充実を図るための歳出の増加が見込まれるため、行政評価制度を積極的に活用し、事務事業の見直しを行うとともに、国・県補助金等の特定財源を漏れなく確保するよう情報収集に努め、計画的に事業を進めていく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

《財政調整基金残高》令和2年度と比較して2.27ポイントの減となった。主な要因としては、補正予算において新型コロナウイルス感染症対策に係る事業等を予算計上したことによる、基金の取崩しの増加である。《実質収支額》令和2年度と比較して0.61ポイントの減となった。主な要因としては、新型コロナウイルス感染症対策経費により歳出が増加したことである。《実質単年度収支》令和3年度は新型コロナウイルス対策事業の財源として財政調整基金の取崩しを実施したため赤字となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

《現状》一般会計、特別会計、企業会計の全ての会計において赤字は生じていない。《今後の対応》各会計において適正な財政運営、企業経営を行う。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

令和3年度の元利償還金は、令和元年度に借り入れた住吉幼稚園移転新築事業等の大型事業の償還が始まったことにより、令和2年度と比較して9,400万円増加した。公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、主に下水道事業の準元利償還金である。平成29年度以降は下水道事業の企業会計移行により大幅に減少している。今後とも市債発行の抑制を基調とし、公営企業債の元利償還金に対する繰入金に注視し、現在と同水準の比率を維持できるよう努める。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

《一般会計等に係る地方債現在高》令和3年度は、借入額を償還額が上回ったことにより、現在高が減少している。《公営企業債等繰入見込額》市債発行を抑制しているため、減少傾向にある。《組合等負担等見込額》主なものは刈谷知立環境組合によるものである。償還が進み、徐々に減少している。《充当可能基金》令和3年度は新型コロナウイルス感染症対策事業の財源とするため、財政調整基金を約8億9,003万円取崩したため、減少している。《将来負担比率の分子》将来負担額に対して充当可能財源が上回っているため、将来負担額は発生していない。《今後の対応》将来負担比額は発生していない状況であるが、今後とも市債発行の抑制や財政調整基金の延命化を図ることなどを基調として、健全な財政運営を堅持する。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)繰越金等を活用して公共施設維持保全基金に約5億760万円の積み立てを行い、事業の見直しによる減額補正等を実施し財源を確保した一方、新型コロナウイルス感染症対策事業等の財源として財政調整基金を約8億9,003万円、市道01-41号線他道路新設改良事業等の財源として都市交通施設整備基金を13億2,900万円取り崩したため、基金全体としては約14億円の減となった。(今後の方針)物価高騰の影響等を注視し、行政サービスを低下させないよう必要に応じて適正な取り崩しを行う。また、老朽化した施設の機能回復を目的とする事業や都市交通施設の整備等、今後も財政需要が増大していくことが想定されるため、各事業の進捗に応じて積み立てと取り崩しを適正に行う。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度末の基金残高は、約75億3,100万円となっており、前年度から約8億7,900万円の減少となっている。繰越金等を活用して積み立てを行った一方、新型コロナウイルス感染症対策事業等の財源として取崩しが増加したことにより、積み立てを取り崩しが上回ったことが要因である。(今後の方針)リーマンショック後の平成21・22年度は市税収入が急激に落ち込んだため、行政サービスを低下させないように、当初予算において財政調整基金の繰入金を30億円とした経緯がある。このような経済の落ち込みが3年程度継続しても対応できる約100億円を目安としている。

減債基金

(増減理由)減債基金を利用していないため増減はない。(今後の方針)今のところ、減債基金を利用する予定はない。

その他特定目的基金

(基金の使途)主な基金として以下の3つが挙げられる。公共施設維持保全基金:公共施設維持保全計画に基づき公共施設の健全かつ円滑な維持保全を図る。都市交通施設整備基金:道路、橋りょうその他の交通に係る施設(都市交通施設)の整備を計画的かつ効率的に整備する。亀城公園等整備基金:亀城公園の再整備を行うとともに、歴史博物館の建設及びその周辺施設を整備する。(増減理由)公共施設維持保全基金:本計画に基づく事業に充当するため3億6,900万円を取崩したが、繰越金等を活用して約5億760万円を積み立てたことにより増加している。都市交通施設整備基金:繰越金等を活用して約5億789万円を積み立てたが、市道01-4号線他道路新設改良事業等に充当するため13億2,900万円を取崩したことにより減少している。亀城公園等整備基金:令和3年度は取り崩しや繰越金等を活用した積み立てを行っておらず、ほぼ横ばいである。(今後の方針)公共施設維持保全基金:公共施設維持保全計画の進捗に合わせて積み立てと取り崩しを行う。都市交通施設整備基金:道路、橋りょうその他の交通に係る施設(都市交通施設)の整備の進捗に合わせて積み立てと取り崩しを行う。亀城公園等整備基金:亀城公園及びその周辺施設の整備の進捗に合わせて積み立てと取り崩しを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は上昇した。これは、公共施設の更新が一段落したことが要因の一つであると考えているが、複数の施設で大規模改造を行い施設の長寿命化を図っていることなどにより、上昇率は抑えられたと考えている。今後も施設の建替えや大規模改修など長寿命化計画等に基づき、適切な施設の維持管理に努めていく。

債務償還比率の分析欄

市債発行を抑制したことにより、類似団体、県内平均ともに下回った。今後は、公共施設維持保全計画に基づく事業や、JR刈谷駅の改良など、都市基盤の充実を図るための大型事業も進行していくため、国・県補助金や基金を活用した財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

公共施設の更新が一段落したことにより、有形固定資産減価償却率は増加した。しかし、小学校・幼稚園・市民館等の大規模改造を行うなどの施設の長寿命化を図ったため、上昇率は抑えられたと考えている。今後も公共施設等総合管理計画をもとに、公共施設維持保全計画や橋梁長寿命化修繕計画等の長寿命化計画による適切かつ計画的な管理を行うことによる経費の平準化を図るとともに、公共施設維持保全基金を活用することで地方債発行を抑制していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

地方債について、市債発行の抑制により、将来負担比率は発生していない状態を維持しており、実質公債費比率はマイナスを維持している。今後は、公共施設維持保全計画に基づく事業や、JR刈谷駅の改良など、都市基盤の充実を図るための大型事業も進行していくため、市債の発行に頼らざるを得ない状況となるが、国・県補助金や基金を活用することで市債発行の抑制を図り、健全財政の維持に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

≪道路≫類似団体内平均を上回っているが、今後も適切な管理に努める。≪橋梁・トンネル≫刈谷市にはトンネルはなく、橋梁のみでの有形固定資産減価償却率となる。今後も刈谷市橋梁長寿命化修繕計画に基づき適切な管理を行う。≪公営住宅≫有形固定資産減価償却率は横ばいであるが、今後も公営住宅等長寿命化計画に基づき適切な管理を行う。≪認定こども園・幼稚園・保育所≫有形固定資産減価償却率が上昇しているが、類似団体内平均よりは低く、今後も適切な維持管理に努める。≪学校施設≫有形固定資産減価償却率は上昇したが、類似団体内平均よりは低く、今後も適切な維持管理に努める。≪児童館≫有形固定資産減価償却率は上昇したが、類似団体内平均よりは低く、一人当たり面積は類似団体内平均より高いため、今後も適切な維持管理に努める。≪公民館≫有形固定資産減価償却率は減少したが、類似団体内平均よりは高いため、今後も適切な維持管理に努める。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

≪図書館≫有形固定資産減価償却率は上昇したが、今後も適切な管理に努める。≪体育館・プール≫市内2つの体育館のうち、総合運動公園内のウィングアリーナ刈谷と、刈谷市体育館横に隣接している武道場は築年数20年未満であるため、類似団体内平均に比べ有形固定資産減価償却率は低くなっており、今後も適切な管理に努める。≪市民会館≫総合文化センターが築年数20年未満の建物であり、類似団体内平均と比べ有形固定資産減価償却率が低くなっており、今後も適切な管理に努める。≪保健センター≫総合健康センターが築13年となっているため、類似団体内平均に比べ有形固定資産減価償却率が低くなっており、今後も適切な管理に努める。≪消防施設≫衣浦東部広域連合で所管している消防施設を各市で按分したものが含まれている。≪庁舎≫富士松支所は公民館・児童館・市民センターとの複合施設であり築35年経過しているが、本類型のうち約9割を占める本庁舎が築年数15年未満であるため、類似団体内平均に比べ有形固定資産減価償却率が低くなっている。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額のうち、主となるものはインフラ資産(293,242百万円)と事業用資産(167,760百万円)であり、インフラ資産は土地(233,888百万円)の金額が最も大きくなっている。流動資産については、新型コロナウイルス感染症対策に係る事業の財源とするため、財政調整基金を取り崩したことによる基金の減や現金預金の減少により1,967百万円減少したが、インフラ資産については、市道01-41号線他道路新設改良事業(1,211百万円)市道01-4号線他道路新設改良事業(639百万円)の進行に伴い、前年度と比較して2,427百万円増加した。一方、負債総額のうち、主となるものは地方債(8,353百万円)であるが、償還額が市債発行収入額を上回ったことにより、地方債残高が517百万円減少した。この地方債残高の減少が、前年度と比較して負債が減少したことの主な要因である。全体では、一般会計では資産が増加したものの、下水道事業では資産の増加よりも減価償却額等が上回ったことにより1,050百万円減少となった。また、負債については、下水道事業会計における企業会計への移行に伴い、平成29年度に新規計上した長期前受金の減少や、市債の償還額が市債発行収入額を上回ったことにより、前年度と比較して2,160百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は私立保育所の運営支援に係る補助金や訓練等給付等の社会保障給付の増により1,748百万円増加したものの、特別定額給付金をはじめとする新型コロナウイルス感染症対策費用の減により臨時損失が12,525百万円減少したため、純行政コストは前年度と比較して10,733百万円減少した。経常費用については、今後も物価上昇に伴う既設の管理経費の増加や高齢化社会の進行に伴う扶助費等の増加傾向が続くことが見込まれるため、事務事業評価等の活用により事務事業の効率化を図り、行政コストの抑制に努める。全体では、国民健康保険会計及び介護保険会計においてサービス利用者の増加により補助金等の支出が増加したため、純行政コストの減少幅は一般会計等と比較して縮減しており、前年度と比較して10,260百万円の減少であった。連結では、愛知県後期高齢者医療広域連合の社会保障給付費が計上されることなどから、純行政コストは一般会計等より33,799百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純資産残高は1,300百万円増加した。財源となる税収等においては、新型コロナウイルス感染症による影響で法人市民税個人市民税は減少したが、市道01-41号線他道路新設改良事業に伴うインフラ資産の増加等により本年度純資産変動額が増加した。今後は、新型コロナウイルス感染症の影響は縮減することが見込まれるが、厳しい財政状況が続くことが想定されるため、国・県等の補助制度の積極的な活用に努める。全体では、高齢化社会の進行に伴う介護保険会計における純行政コストの増加等により、本年度差額は一般会計等より370百万円減少した。連結では、刈谷知立環境組合において、平成29年度からごみ焼却施設の維持管理に係る業務を包括的運営委託へ移行しコストの平準化を図っているほか、令和3年1月にはごみ焼却施設の灰溶融炉を廃止したことに伴い、ごみ処理施設の維持管理費が前年度と比較して減少したため、純行政コストが減少し、本年度差額は全体と比較して258百万円増加した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は前年度と比較して858百万円減少した。JR刈谷駅総合改善事業に係る補助の開始や社会保障給付の増により業務支出が増加したためである。投資活動収支は前年度と比較して2,016百万円減少した。下重原住宅の増築や住吉小学校校舎の増築等により公共施設等整備費支出が増加したほか、新型コロナウイルス感染症対策事業等のための財政調整基金の取崩額が減少したためである。財務活動収支は前年度と比較して875百万円減少した。市債発行額収入が減少したほか、地方債等償還支出が増加したためである。今後は、JR刈谷駅及び北口周辺の整備や工業用地の開発など、都市基盤の充実を図るための新たな歳出の増額が見込まれているため、国・県等の補助制度の積極的な活用及び基金の計画的な活用により市債の発行を必要最小限に抑制し、健全財政の維持に努める。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれ、水道料金や下水道使用料が使用料及び手数料に計上されることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,133百万円多くなっている。投資活動収支は、下水道事業会計における下水道管渠長寿命化対策工事等により、一般会計等より297百万円少なくなっている。財務活動収支は市債の償還額が発行額を上回ったため、一般会計等より911百万円少なくなっている。連結団体を含めると、本年度末資金残高は前年度と比較して917百万円減少した。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均を大幅に上回っており、前年度と比較して0.9%増加した。令和2年度において、市道01-41号線他道路新設改良事業の進行等により、前年度末と比べて約7,300万円資産合計が増加したためである。また、歳入額対資産比率は、前年度と比較して0.96%増加した。上記の資産合計の増加に加え、新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫補助金等の臨時収入の減により、歳入総額が減少したためである。有形固定資産減価償却率は住吉幼児園の移転新築等により減価償却累計額が増加したことに伴い、上昇している。今後は刈谷市公共施設等総合管理計画に基づき、施設の計画的な予防保全や長寿命化を行っていくなど、施設の適切な管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を大幅に上回っており、前年度と比較して0.1%増加した。また、将来世代負担比率は類似団体平均を大幅に下回っており、前年度と比較して0.1%減少した。いずれも、市債償還額が東刈谷市民センター大規模改造事業等に伴う市債発行収入額を上回ったためである。今後は、JR刈谷駅及び北口周辺の整備や工業用地の開発など、都市基盤の充実を図るための新たな歳出の増額が見込まれているため、国・県等の補助制度の積極的な活用及び基金の計画的な活用により市債の発行を必要最小限に抑制し、健全財政の維持に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を若干下回っており、前年度と比較して7.0%減少した。前年度に実施した特別定額給付金をはじめとする新型コロナウイルス感染症対策に係る費用等、臨時的な支出が減少したためである。今後も、物価上昇に伴う既設の管理経費の増加や高齢化社会の進行に伴う扶助費等の増加傾向が続くことが見込まれるため、事務事業評価等の活用により事務事業の効率化を図り、行政コストの抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を大幅に下回っており、前年度と比較して0.4%減少した。市債償還額が東刈谷市民センター大規模改造事業等に伴う市債発行収入額を上回ったためである。今後は、JR刈谷駅及び北口周辺の整備や工業用地の開発など、都市基盤の充実を図るための新たな歳出の増額が見込まれているため、国・県等の補助制度の積極的な活用及び基金の計画的な活用により市債の発行を必要最小限に抑制し、健全財政の維持に努める。基礎的財政収支は投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、1,199百万円の赤字となり、類似団体平均を下回った。下重原住宅の増築や住吉小学校校舎の増築等による投資的経費が増加したためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を上回っているが、前年度と比較して0.2%減少した。私立保育所の運営支援に係る補助金や訓練等給付等の社会保障給付により経常費用が増加したことが要因である。今後も、定期的に使用料及び手数料の見直しを行うことで受益者負担の適正化に努めるとともに、物件費等の経常費用の抑制に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,