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地方財政ダッシュボード

愛知県一宮市の財政状況(2022年度)

🏠一宮市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

市民税の所得割及び法人税割の増加等により基準財政収入額が19.1億円増加したものの、扶助費の伸び等により基準財政需要額が26.5億円増加したため、財政力指数は0.79となり、中核市移行に伴い基準財政需要額が増加した令和3年度に引き続き0.02ポイント悪化した。今後も職員数の適正化や実施事業の厳選による投資的経費の縮減、その他事務事業の見直しによる経常経費の抑制に継続的に取り組むなど行政の効率化に努め、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

歳出における経常経費は、扶助費・維持補修費は減少したが、特別会計への繰出金の増(後期高齢者医療事業)、公債費の増(臨時財政対策債)、人件費の増などにより全体で増となった。一方、歳入では、市税の増(個人住民税・固定資産税など)や地方交付税の増などにより経常経費一般財源は増加したものの、臨時財政対策債が減少したため全体で減となった。結果、分母が悪化したことに加えて分子も悪化したため、経常収支比率は1.8ポイント悪化した。なお、類似団体内順位は比較的上位を維持しているが、引き続き経常経費の抑制に努め、弾力性の確保を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成17年の市町村合併以来、人員及び人件費の適正化に取り組んでおり、また、集中改革プランに基づき事務事業を見直し、さらなる行政コストの縮減へ継続的に取り組んでいる。令和4年度は、中核市移行や保育環境の充実のための人員増に伴い人件費が増加したものの、物件費において新型コロナウイルスワクチン接種事業、GIGAスクール構想整備事業に係る備品購入などの臨時事業の終了・縮小により減少したため、人件費・物件費の総額及び人口1人当たりの決算額は減少した。類似団体内順位は上位に位置しているが、今後も引き続き経費の縮減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の入退職等により0.1ポイント良化したことに加え、大卒経験年数15年~20年階層で平均給料月額が下がった影響により0.1ポイント良化したことから、令和4年度のラスパイレス指数は、令和3年度に比べて0.2ポイント良化した。今後も、人員及び人件費の適正化に努め、健全化を図っていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

以前より職員数の適正化には取り組んでおり、平成17年の市町村合併以降、人員及び人件費の適正化に一層注力しているが、保育需要に伴う保育士の採用増や、中核市移行による態勢充実のため福祉部門を中心とした事務職員の採用増により、令和3年度に比べ0.17人悪化した。また、類似団体との比較においても0.08人多くなった。今後も、県派遣職員の引き上げに対応するため、医療系職員数の増加が見込まれるものの、徹底した業務の見直しを継続し、引き続き定員の適正化に努め、定年延長の動向も踏まえながら採用計画を立案していく。

実質公債費比率の分析欄

緩やかな景気回復の影響により、平成24年度以降増加傾向にある標準税収入額に加え、中核市移行による普通交付税の増加があった一方、臨時財政対策債発行可能額が大きく減少したため、分母である標準財政規模は減少した。分子は、下水道事業に伴う繰入金の減少や、高金利の借入分の償還が順次終了により利子償還金が減少したが、年々増加する臨時財政対策債の残高の影響で元金償還金の増加幅がこれを上回った。実質公債費比率は、分子の増加に加え分母も減少したため、単年度の実質公債費比率は上昇したものの、3カ年平均の実質公債費比率は前年度同様の3.4%を示した。中核市との類似団体平均値比較では、類似団体平均値の5.2%を1.8ポイント上回ることとなった。今後も、緊急性・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、地方債に大きく依存することなく健全な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

臨時財政対策債の借入の抑制により地方債の現在高が減少したことに加え、企業債の償還が進み残高が減少したことに伴い公営企業債等繰入見込額が減少したため、将来負担額は大きく減少した。分子は、その将来負担額の減少の影響で大幅に減少した。分母の標準財政規模については、臨時財政対策債の発行可能額が大きく減少したため、減少した。分母が減少したものの分子の減少が大きく上回ったため、将来負担比率はマイナス6.4ポイントと良化した。令和3年度から中核市との比較に代わったことで、類似団体内の順位が大きく良化・改善され、類似団体平均を令和3年度は0.5ポイント、令和4年度は1.7ポイント上回ることとなった。今後も、臨時財政対策債等の交付税算入率の高い地方債の借入を選択するとともに、将来に備えて財政調整基金の残高の確保など財政の健全化に努めていくことで、一定の水準を維持していく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

職員数や定年退職者の増などに伴い、前年度に比べて人件費が伸びたことに加え、臨時財政対策債の大幅な減少により経常収支比率の分母を構成する数値が減少したことにより、人件費は前年度に比べて0.5ポイント悪化した。今後も引き続き、人員の適正管理、人件費の抑制を図りながら、行政ニーズに合わせた適正な人員配置をしていく。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率が全国平均より高いのは、従来から民間委託化の推進に取り組んでおり、人件費の同比率が低いことと関連している。令和4年度は、エネルギー価格高騰の影響により、小・中学校など各公共施設の光熱水費が軒並み増加し、分子となる物件費は増加した。一方で、分母を構成する経常一般財源等については増加したが、臨時財政対策債が減少したため全体で減少し、同比率は0.5ポイント悪化した。今後も引き続き、事務経費の見直しなど経常経費の縮減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費は、前年度から0.5ポイント良化し、類似団体平均との差は0.2ポイントとなっている。その要因としては、生活保護事業に係る特定財源が増加したことや対象児童の減少による児童手当の減が挙げられる。今後も社会保障関係経費が増加することが見込まれるため、市単独事業の統廃合や見直しを進め、抑制に努めていく。

その他の分析欄

その他については、主に繰出金の増加により、13.3%と前年度から0.7ポイント悪化した。繰出金が増加した要因は、後期高齢者医療事業における愛知県後期高齢者医療広域連合への療養給付費負担金が増加したことによる。類似団体との比較では、令和3年度に引き続き、類似団体平均より良い水準を維持したが、その差は0.1ポイントに縮まった。繰出金については、増加傾向が続いているため、受益者負担の適正化を図りながら普通会計負担額の抑制に努めていく。

補助費等の分析欄

分母を構成する経常一般財源等は増加したものの、臨時財政対策債が減少したことにより全体が減少したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により中止・縮小となっていた各種イベント等への負担金の増などにより経常収支比率の分子となる補助費等が増加したため、同比率は0.1ポイント悪化した。従来、補助費等の経常収支比率が悪化する要因は、下水道事業をはじめとした公営企業会計への負担金・補助金が多額となるためである。今後も、公営企業会計への負担金・補助金やその他の補助金などについて、より効果的な補助のあり方などを検討し、見直しを進めていく。

公債費の分析欄

公債費については、経常一般財源総額が増加したものの、その割合以上に元利償還金が増加したため、令和3年度と比べプラス0.5ポイントの12.4%と悪化した。しかしながら、類似団体平均値と比べると2.9ポイント良好と高い水準を維持している。今後も、計画的な借入を行い、地方債発行及び公債費の抑制に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、扶助費・維持補修費が0.6ポイント良化したものの、人件費・物件費・繰出金で1.9ポイント悪化したことを受け、76.7%と前年度から1.3ポイント悪化した。類似団体との比較では、令和3年度は類似団体平均より1.6ポイント上回っていたが、令和4年度においては、類似団体が本市以上に悪化したため同率となった。今後も社会保障関係経費が増加することが見込まれる中、財政構造の弾力性を図るため、定員管理や職員給与の適正化、各事業の見直しなど経常経費の削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり365,928円に上り、前年度の412,042円を46,114円も下回った。新型コロナウイルス感染症対策関連経費、市制施行100周年関連経費、母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計を新設した令和3年度の歳出による影響が大きい。中核市移行した令和3年度以降は、類似団体と比較して、全ての目的別一人当たりコストで類似団体平均値を下回っている。総務費は、競輪場跡地の売払収入の積立により令和3年度に大幅に増加した公共施設整備等基金積立金による影響に加え、財政調整基金積立金の減少により、一人当たり4,879円(43,003→38,124)減少した。民生費は、社会福祉や老人福祉を中心に扶助費が増加傾向にあるが、子育て世帯への臨時特別給付金・住民税非課税世帯等臨時特別給付金などコロナ対策関連経費の大幅な減少により一人当たり4,136円(176,403→172,267)減少した。衛生費は、コロナ感染症による自宅療養者を支援するための医療提供を行う医療機関等への交付金や物価高騰対策として水道基本料金4か月間の減免実施による水道事業への負担金の増などにより、一人当たり5,777円(38,000→43,777)増加した。消防費は、消防団に配備している消防車両の更新台数の増や、消防職員の感染症対策のための消防署等の仮眠室完全個室化に係る改修工事により一人当たり815円(10,257→11,072)増加した。教育費は、保護者の負担軽減対策としての学校給食費無償化補助金による増があった一方で、令和3年度実施の端末等の購入など小中学校のGIGAスクール構想整備事業の大幅な減などにより、一人当たり2,092円(32,575→30,483)減少した。公債費は、臨時財政対策債をはじめとした市債残高の増加に伴う元金償還金の増加により、一人当たり933円(25,354→26,287)増加した。今後は、扶助費の経常的経費の伸びが避けられない民生費の増加が見込まれる中、公共施設等総合管理計画の下、施設の統廃合及び維持管理を経済的、効率的に進め、歳出の圧縮に努めていく必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり365,928円に上り、前年度の412,042円を46,114円も下回った。新型コロナウイルス感染症対策関連経費、市制施行100周年関連経費、母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計を新設した令和3年度の歳出による影響が大きい。類似団体と比較して人口規模が大きいこともあり、一人当たりコストは、ほとんどの性質で類似団体平均値を下回って推移している。人件費は、中核市移行や保育環境の充実のための人員増の影響を大きく受けたことに加え、定年退職者の増による退職手当が増加したことで、一人当たり1,393円(54,793→56,186)増加した。物件費は、新型コロナウイルスワクチン住民接種に伴う経費の減や、GIGAスクール構想整備(1人1台の学習用端末の導入)の減などの影響を大きく受けたことで、一人当たり2,763円(58,309→55,546)減少した。扶助費は、物価高騰支援対策を実施した一方、令和3年度にコロナ対策として実施した子育て世帯への臨時特別給付金、住民税非課税世帯等臨時特別給付金などの臨時経費の減少により、一人当たり11,726円(116,654→104,928)減少した。補助費等は、自宅療養者等への医療提供事業交付金や学校給食費無償化補助金などのコロナ対策・物価高騰支援に力を注いだことで、一人当たり10,719円(28,931→39,650)増加した。公債費は、臨時財政対策債をはじめとした市債残高の増加に伴う元金償還金の増加により、一人当たり933円(25,354→26,287)増加した。積立金は、令和3年度に財政調整基金51億円、競輪場跡地の売払収入の活用による公共施設整備等基金36億円の積立の影響を大きく受け、一人当たり6,352円(23,197→16,845)減少した。繰出金は、被保険者数減少による国民健康保険事業への繰出金の減があるものの、介護保険事業と後期高齢者医療事業への繰出金や後期高齢者療養給付費負担金の増加により、一人当たり1,730円(33,511→35,241)増加した。今後は、年々増加している扶助費に加えて、地方債残高増加の影響を受ける公債費、中核市移行等増加要因が生じる人件費といった義務的経費の増加が避けられないため、公共施設等総合管理計画の下、施設の統廃合及び維持管理を経済的、効率的に進めるなど歳出の圧縮に努めていく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金は、令和4年度当初予算で32.0億円を取り崩したが、補正予算で43.0億円を積み立てたことにより、年度末残高は過去最高の69.7億円となった。標準財政規模比は8.85%となり、前年度から1.57ポイント上昇した。今後も財政調整基金の適正水準の維持に努めていく。実質収支額は、市税や地方交付税が増加した一方で、臨時財政対策債の発行額の減少などもあり、前年度から9.5億円減少し59.7億円となった。標準財政規模比は7.58%となり、前年度から1.01ポイント低下した。実質単年度収支は、単年度収支-9.5億円、財政調整基金の増加額11.0億円より、1.5億円となり、前年度から50.2億円減少した。標準財政規模比は0.19%と前年度から6.23ポイント低下した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度の国民健康保険事業特別会計は、3年連続で黒字(歳入歳出差引額がプラス)となり、黒字額は11.3億円となった。主要な事業費である保険給付費についてみると、前年度に比べて給付費総額は6.4億円減少している。これは、ボリュームの大きい高齢者層が後期高齢者へ移行しており被保険者数が減少しているためと考えられる。一方、国民健康保険事業費納付金は3.2億円の増となった。今後も一般会計からの繰出しについて見直しを行うなど、適切な水準の被保険者負担に基づいた保険税財源を確保するとともに、給付費抑制のため特定健診受診率向上等の取組みを進め、健全な財政運営を図る。それ以外の会計は、赤字もなく良好に推移している。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金は、臨時財政対策債や合併特例債などの発行増により前年に比べ増となっている。今後も臨時財政対策債の借入れは一定規模で続くと見込まれるものの発行抑制の傾向であることや、合併特例債を活用した大型事業がほぼ終了したことから、長期的には減少に転じるものと考えられる。公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、下水道事業が将来的な単独公共下水道の流域下水道への編入を踏まえ投資の抑制に努めていることにより、前年度から減少した。債務負担行為に基づく支出は、都市計画道路に係る土地開発公社用地買戻し案件により前年度から増加した。算入公債費等は、交付税算入率の高い合併特例債や臨時財政対策債の発行により増加傾向が続いている。これらの結果、令和4年度は、元利償還金等(A)と算入公債費等(B)の両方が増加したが、(A)の増加の方が大きいため、実質公債費比率の分子(A-B)は増となった。今後も市の中期財政計画に則り計画的な地方債の借入れなど適切な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債現在高は、臨時財政対策債の大幅な減により減少した。また、公営企業債等繰入見込額の減少は、下水道事業における投資の抑制が主な要因である。債務負担行為に基づく支出予定額は、都市計画道路に係る土地開発公社からの用地買戻しが完了したため減少した。充当可能基金は、財政調整基金の積立てや公共施設整備等基金の積立てなどにより前年度より大きく増加した。充当可能特定歳入の減少は、下水道事業債の残高が減少したことによる都市計画税の減少が主な要因である。基準財政需要額算入見込額は、合併特例債の償還が進んだことや臨時財政対策債の発行減により減少した。これらの結果、令和4年度は、将来負担額(A)と、そこから控除する額である充当可能財源等(B)がともに減少したが、(A)の減少の方が大きいため、将来負担比率の分子(A-B)は減少した。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・財政調整基金は当初に32億円の取崩したものの、他の財源による調整等により43億円の積立てができたことによる11億円の増、公共施設整備等基金は20億円の増となった結果、基金全体としては30.9億円の増となった。(今後の方針)・財政調整基金は、70億円の確保を目標に掲げ、財政状況を踏まえて可能な範囲の額を積み立てることを予定している。・公共施設整備等基金は、公共施設等総合管理計画に基づく施設の更新・統廃合・長寿命化などの実施に向けて、可能な範囲の額を積み立てることを予定している。

財政調整基金

(増減理由)・当初予算編成時に過去最大規模の32億円の取崩しとなったが、他の財源による調整や決算見込みを踏まえて43億円の積立てができたことにより、最終的に11億円の増となった。(今後の方針)・一宮市中期財政計画の最終年度となる令和4年度末時点で25億円を確保する目標を達成することができた。・令和5年度から9年までを計画期間とする次期計画においては、財源の年度間不均衡の調整や災害等への緊急的な財政出動に備えて、標準財政規模の5%程度である40億円に加え、水害や新たな感染症の拡大への対応に備えるため30億円程度が必要となると想定し、70億円の確保を目標に掲げ、財政状況を踏まえて可能な範囲の額を積み立てる。

減債基金

(増減理由)・取崩しがなく、低い基金残高で利子分のみの積立が続いており、増減がない。(今後の方針)・積立、取崩しの予定はない。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備等基金:公共施設の整備及びその適切な維持管理・いちのみや応援基金:いちのみや応援寄附金を財源として、寄附者が指定する分野に係る政策・事業の実施及び推進(増減理由)・公共施設整備等基金:今後予定されている公共施設整備に備え、決算見込みを踏まえて20億円を積み立てたことにより増加・いちのみや応援基金:いちのみや応援寄附金74百万円を積み立てた一方で、博物館運営事業や消防施設充実管理事業の財源として77百万円を充当したことにより減少・市勢振興基金:株式配当金等23百万円を積み立てたことにより増加(今後の方針)・公共施設整備等基金:公共施設等総合管理計画に基づく施設の更新・統廃合・長寿命化などの実施に向けて、可能な範囲の額を積み立てる。・市勢振興基金:市勢振興及び市民活動の推進に資する事業の財源とするため、毎年株式配当金等を積み立てる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成30年度は62.5%であった有形固定資産減価償却率は、令和4年度は68.5%と年々緩やかに上昇している。新庁舎の建設など合併特例事業を推し進めているものの、学校や保育園などの既存施設の老朽化が進んでいるため、有形固定資産減価償却率は類似団体と比べてやや高い値を示している。今後40年間で公共施設等の延べ床面積を15%縮減するという目標を掲げる公共施設等総合管理計画の下、令和3年度には、個別施設計画「施設のあり方計画」を各部局で策定した。今後は、本計画に基づき、老朽化した施設の除却や更新時の複合化などを進め、有形固定資産減価償却率の上昇を抑制するよう努めていく。

債務償還比率の分析欄

充当可能財源が減少したものの、公営企業債等繰入見込額の減による将来負担額の減少が大きいため、分子は良化した。更に、臨時財政対策債の減による影響で経常一般財源等が減少したことに加え、繰出金・物件費などで経常経費充当一般財源等が増加したため、分母全体が減少した。分子の減少が分母の減少を上回ったため、債務償還比率は601.1%と悪化したが、類似団体との差は縮まった。一宮市中期財政計画において、令和9年度までに地方債現在高(臨時財政対策債を除く)を400億円以下と目標を掲げており、地方債の発行の抑制に努めていくとともに、事業の見直しに伴う扶助費など経常経費の削減や使用料や手数料等の受益者負担の適正化による歳入確保を図り、債務償還比率の引き下げに努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、臨時財政対策債の減による影響で一般会計分の地方債現在高が減少していることに加え、公共施設整備等基金や財政調整基金の増による充当可能基金の増、公営企業分の地方債現在高の減少に対応して公営企業債等繰入見込額が減少傾向にあることなどから数値は良化している。有形固定資産減価償却率は、統一的基準への移行にあたり、固定資産の評価基準の見直しと精査を行った以降は60%前半から後半と類似団体に比べやや高い数値で推移している。両指標からみて、直ちに公共施設等の老朽化への対応に迫られる状況ではないが、公共施設等総合管理計画や個別施設計画「施設のあり方計画」などに従い、老朽化した施設の複合化や除却などを進め、更新費用・維持管理費用の低減に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

両指標とも、過去の大規模な借入の償還が順次終了していることなどにより、良化傾向で推移してきた。令和4年度は、元利償還額の増はあるものの、中核市移行に伴う普通交付税の増や臨時財政対策債発行可能額の減により実質公債費比率は3.4%と横ばいとなった。一方、将来負担比率も標準財政規模は減となったが、地方債現在高の減少や充当可能基金の増などにより良化している。類似団体との比較については、実質公債費比率は類似団体平均よりも1.8ポイント、将来負担比率についても1.7ポイント上回っており、両指標とも類似団体平均よりも良い水準となっている。今後も市の中期財政計画に則り計画的な地方債の借入れなど適切な財政運営に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、【認定こども園・幼稚園・保育所】、【学校施設】であり、特に低くなっている施設は【公民館】である。一人当たりの面積は、【認定こども園・幼稚園・保育所】、【児童館】が類似団体と比較して低い数値となっている一方、【学校施設】は高い値を示している。【公民館】合併特例事業に位置付けて新築・改築を継続して行ってきたため、有形固定資産減価償却率は41.2%と類似団体と比べ低い数値となっている。今後の新規整備においても、地域バランスを考慮し、適正な配置・施設総量に留意しながら進めるとともに増加が見込まれる管理費の圧縮に努めていく。【認定こども園・幼稚園・保育所】一人当たりの面積が類似団体より高い数値となっているのは、市立保育園数が53園と多いためである。有形固定資産減価償却率は、77.3%と類似団体と比較して高くなっている。今後は保育所等施設総合管理計画のもと、乳幼児人口と保育需要を把握しながら、施設の長寿命化・適正配置を進めていく。【学校施設】小中学校は全61校と数が多いことに加え、校舎の大半が30年を経過しており、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高い値を示している。今後は「シン学校プロジェクト」の推進により、時代に合わせた学校施設のあり方を検討し、少子化や複合化などを考慮した建て替えを進めていく。【児童館】一人当たりの面積が類似団体より高い数値となっているのは、児童館の数が25箇所と多いためである。放課後児童クラブの定員確保のため児童館の増築が進められたことで、有形固定資産減価償却率が49.7%と低下し、令和3年度に引き続き類似団体を下回った。【橋りょう・トンネル】平成30年度に、橋りょう資産の再算定を行い取得価額を修正した結果、有形固定資産減価償却率が大きく減少した。今後は橋梁保全計画のもと、維持管理コストの低減を目指していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

多くの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っており【体育館・プール】、【庁舎】については特に低い値を示している。【体育館・プール】有形固定資産減価償却率が34.8%と類似団体と比べて低い値を示しているのは、平成22年度の総合体育館の建設や、令和元年度のいちのみや中央プラザ体育館の建設により償却資産評価額が増加したためである。今後見込まれる既存施設更新の際には、施設運営方法の見直しを検討し、更新費用・維持管理費用の低減に努めていく。【庁舎】有形固定資産減価償却率が38.8%と類似団体と比べて低い値を示しているのは、平成26年度の旧庁舎の除却と新庁舎建設により償却資産評価額が増加したためである。今後、新庁舎については予防保全型の管理により長寿命化を進めていく。一方、老朽化している施設については、更新時に人口規模に考慮し、建設費と維持費の削減を図っていく。【一般廃棄物処理施設】施設の長寿命化を目的に平成26年度から平成29年度に実施したごみ焼却施設設備改良により、償却資産評価額が増加したため、有形固定資産減価償却率が類似団体より低い値を示している。今後は、各施設の周辺市との広域処理も視野に適切な総量に努めていく。【消防施設】平成30年度の緊急通信指令システムの老朽化による機器の更新整備により有形固定資産減価償却率が一旦低下したが、減価償却が進み、令和4年度の有形固定資産減価償却率は70.4%となった。類似団体と比べて高い値を示しているのは、400箇所近くに設置された防火水槽の有形固定資産減価償却率が90%を超え老朽化が進み、消防施設全体の有形固定資産減価償却率を押し上げているためである。今後は、署所の統合などを検討し、消防署・消防出張所の適正配置に努めていく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等では、基金が大きく増加したものの、有形・無形固定資産で6,978百万円減少したため、資産総額も483,379百万円から479,472百万円と減少した。資産総額479,472百万円のうち大半を占める有形固定資産は、道路・橋梁や小中学校の減価償却が進み、前年度から7,098百万円減少した。これらの資産は、維持管理費や更新等将来の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の長寿命化や集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めていく。一方、基金については、基金残高16,989百万円のうち将来の施設の老朽化に備えるための公共施設整備等基金が7,981百万円と大きく増加した。さらに、年度間の財源調整や災害等不測の事態に備えることを目的に積み立てる財政調整基金残高も令和3年度から1,105百万円増加し6,969百円となり、一宮市中期財政計画で掲げた令和4年度末2,500百万円の目標を達成することができた。今後は、社会保障給付費や物価高騰対策等財政需要の増加が見込まれるが、国の臨時交付金などを活用することで、基金の取り崩しを最小限にとどめ、令和5年度からの新たな一宮市中期財政計画の目標である令和9年度末7,000百万円の確保を目指していく。負債については、123,090百万円のうち普通交付税の算出基礎となる基準財政需要額に全額算入される臨時財政対策債が61,412百万円を占めており、前年度から1,482百万円減少した。公共施設の建設などに伴い発行する固定資産形成分については、ピークを過ぎ減少に転じており、臨時財政対策債も国の抑制の動きから減少していく見込みである。全体会計・連結会計で対象となる病院事業会計で資産が32,602百万円、負債が21,707百万円、水道事業会計で同じく54,006百万円、38,993百万円、下水道事業会計で同じく140,625百万円、106,127百万円の影響で一般会計等の規模と比較し大きな違いが生まれている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、経常費用が784百万円減少したことで前年度に比べ1,011百万円減少し123,746百万円となった。障害者福祉や高齢者福祉を中心に年々増加を辿っている社会保障給付で909百万円増加したが、令和23年度で大規模で展開したコロナ対策の影響で補助金等が2,485百万円と大きく減少した。一方、施設利用者から徴収する使用料など経常収益は4,813百万円と新型コロナウイルス感染症の影響による施設の休館などを理由に減少していたが、令和4年度は保育園や有料施設の利用状況が回復基調となったことで経常収益が227百万円増加した。受益者負担比率は、病院事業会計が入院外来収益ともに増加している影響で近年は90%程度で推移しており、水道事業会計で82.3%、下水道事業会計で45.7%に上るなど、独立採算が求められる企業会計では一般会計等と比較して高い数値を示しており、全体会計15.7%、連結会計13.9%と数値を押し上げている。今後も、社会保障給付費等により経常費用の増加は避けられない中、事業の見直しや施設の維持管理費の圧縮を通じて経費の抑制を進めるとともに、受益者負担の適正化など歳入確保に努めていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、令和2年度に引き続き令和3年度においても国・県と歩調を合わせ新型コロナウイルス感染症対策や燃料・物価高騰対策を実施したことから国県等補助金が2,856百万円と大きく減少したものの、純行政コストも合わせて減少したため、本年度差額はマイナス936百万円となった。その結果、純資産残高もマイナス1,567百万円を示した。地方交付税の合併算定替増額分の逓減による歳入減が進む中、増加を辿る純行政コストをまかなうために、地方創生事業を中心に据え、企業誘致や定住人口の増加の施策を通じて地方税の安定的な確保に努めていく。一方、全体会計、連結会計いずれも、税収等の財源が純行政コストを下回ったことから、本年度差額はマイナスとなり純資産残高は減少した。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、業務活動収支は、人件費や社会保障給付が増加したものの、補助金等が大きく減少したことに加え、税収等の収入が増加したことによりプラス95百万円となっ投資活動収支は、公共施設整備等基金への積立金の増や、財政調整基金で3,200百万円取り崩した一方、積み立てが4,305百万円に上るなど、基金積立金支出の増加要因が多く、全体でマイナス10,025百万円となった。財務活動収支は地方債等発行収入6,605百万円が地方債等償還支出9,660百万円を下回ったことなどによりマイナス3,295百万円となり、地方債残高は減少した。た。これらの結果、資金収支額がマイナス641百万円となり資金残高が6,474百万円と減少に転じた。一般会計等については、一宮市中期財政計画で設定した目標に向け、財務活動収支をマイナスに改善し地方債残高の圧縮に努めていく。全体会計・連結会計の財務活動収支においては、病院事業会計がマイナス919百万円、下水道事業会計がマイナス1,646百万円と企業債残高は減少した一方で、水道事業会計がプラス635百万円と企業債残高は増加した。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体よりも有形・無形固定資産残高が低い水準であることに加え、人口がやや多いことから、126.1万円と低い値を示している。有形固定資産減価償却率は、既存施設の減価償却により、令和3年度から1.4ポイント上昇し、64.3%となった。歳入額対資産比率は、資産残高の減少とともに歳入総額も減少したため、3.29年と令和3年度から微増した。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延床面積を策定後40年間で15%縮減するという目標を掲げている。今後は老朽化した施設の複合化や除却を進め、有形固定資産減価償却率の低減に努めていく。また、歳出を圧縮し財政調整基金残高の確保を目指していく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

令和3年度と比較して、合併特例債の減少により負債残高が減少したものの、減価償却による資産残高の減少もあり、結果として、純資産比率は74.3%と微増した。将来世代負担比率は、令和3年度と比較して地方債残高が減少したため、令和3年度の10.4%から10.2%へと微減した。また、類似団体と比較して、地方債残高が低い水準にあることから、類似団体平均値16.9%を下回った。引き続き、地方債の残高を圧縮する方針であるため、負債の面から純資産比率に影響を及ぼすことが見込まれる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

類似団体と比較して、純行政コストがやや低い水準にあり、人規模がやや大きいことから、住民一人当たり行政コストは32.6万円と類似団体平均値38.6万円を下回った。令和3年度と比較すると、純行政コスト、人口いずれも減少しており、令和4年度の住民一人当たり行政コストは0.1万円減少した。今後は、社会保障給付について引き続き増加が見込まれている。また、施設の管理費について増加が見込まれるため、経費の圧縮や受益者負担の適正化に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

類似団体の中でも負債残高が低い水準にあり、人口規模がやや大きいため、住民一人当たり負債額は32.4万円と類似団体平均値を下回った。令和3年度と比較すると、人口は微減したものの、合併特例債の減少により地方債残高が減少したことで、住民一人あたりの負債額は32.8万円から32.4万円に減少した。大規模な施設整備事業により、一時的に市債残高が増加することも想定されるが、中期的には定期償還により市債残高は減少する。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和3年度と比較して、施設使用料の回復による経常収益の増加により、受益者負担比率は0.2ポイント上昇して3.7%となった。分野別では、家賃や駐車場使用料の経常収益がある市営住宅が58.6%となった。また、スポーツ施設12.6%、子育て支援5.0%、博物館等文化施設3.2%、図書館0.2%となっている。引き続き、施設や行政サービスについて適切な受益者負担となるよう努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,