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地方財政ダッシュボード

長野県筑北村の財政状況

🏠筑北村

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

過疎化により人口の減少及び高齢化率(令和6年1月1日現在47.1%)が上昇している。村内には中心となる産業がないこと等により、税収等の自主財源が乏しく類似団体平均を下回る状況が続いているが、令和5年の筑北SIC開設により、外部企業の進出等による法人住民税増が期待される。同規模団体と比較すると、旧3村の合併により面積が広く集落が点在すること、管理施設が多いこと、近年の業務の多様化等によりこれ以上の人員削減は難しい状況である。住民サービスの維持、改善に努めながら、健全な財政運営に取組む。

経常収支比率の分析欄

毎年度の新規地方債の発行額を地方債償還額以下を目標としながら、投資事業の選択と集中による発行額の抑制に努めることで公債費が減少していることや、定員適正化計画に基づく退職者不補充・新規採用者抑制の取り組みによる人件費の減少などにより類似団体平均を下回っている。少子高齢化や中小規模の企業が多く、自主財源が少なく交付税等の依存財源が大きい財政構造のため、交付税等の増減により数値が左右されることも多い。増加傾向にある扶助費や維持補修費等を考慮し、引き続き地方債発行の抑制や公共施設の統廃合を含めた在り方を検証し経常経費削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

定員管理を進め正規職員は減少しているものの、職員平均年齢が上昇していること、及び業務量の増加等により会計年度任用職員数が増加していること、合併時の施設をそのまま引き継いでいること等により増加傾向にある。(令和6年より会計年度任用職員に勤勉手当支給)一方で、一部事務組合へ負担金によりごみ処理業務や消防業務等を委託しているため、結果的に類似団体平均を下回っている状況となっている。人口の減少により1人当たりの金額が増加していくため、今後は緩やかに上昇することが想定される。

ラスパイレス指数の分析欄

実施済みの給与抑制や退職・経験年数階層の変動により類似団体平均を下回っている。今後も住民サービスの維持、改善に努めながら、勤務評定制度等を通じ、人件費の削減、給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成23年1月に策定した第2次定員適正化計画に基づく、定員規模の適正化を図ることで、令和5年4月1日現在の職員数は72人となっている。同規模団体と比較すると、旧3村の合併により面積が広く集落が点在していること、維持管理する施設が多いことに加え、近年の業務の多様化によりこれ以上の削減は難しい状況である。新規職員の採用は、退職者数を目安に行い、住民サービスの維持、改善に努めながら定員管理を進めていく。

実質公債費比率の分析欄

年度毎の地方債の発行を償還金額以下に抑えていること、繰上償還等を実施してきたことにより年々減少傾向にある。類似団体を下回る結果となったが、今後も財政状況を考慮しながら積極的に繰上償還等を実施し、投資事業の選択と集中を図っていく。

将来負担比率の分析欄

年度毎の地方債の発行を償還金額以下に抑えていること、繰上償還等を実施してきたことにより年々減少傾向にある。類似団体を下回る結果となったが、今後も財政状況を考慮しながら積極的に繰上償還等を実施し、投資事業の選択と集中を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

決算に対する人件費の割合は25.9%と上昇しており、類似団体と比較しても高く、経常収支比率を押し上げている大きな要因である。業務の多様化に伴う行政サービスの向上のため、正規職員に加え、会計年度任用職員数も増員して対応している。

物件費の分析欄

公共施設等総合管理計画に基づき使用頻度の少ない施設の在り方について検証し、各種施設等の統廃合を進めているものの、大型事業等に伴う委託費の増加や、道路、各施設の耐用年数超過による老朽化等が進んでおり、より一層の物件費の削減が必要である。令和5年度は、各種消耗品や光熱水費において物価上昇及び利用量の増加に伴い支払額が増加したこと等により上昇(1.9%)した。

扶助費の分析欄

決算に対する扶助費の割合は、例年と大きく変わらず3.2%と類似団体との比較しても大きな相違はない。人口減少対策としても、子育て世帯への支援を手厚く継続していく必要がある。

その他の分析欄

国民健康保険特別会計をはじめとする医療費・介護給付費等に係る公営事業の繰出金、上下水道企業会計の公営企業債償還に係る繰出金、各温泉施設の特別会計に係る繰出金の抑制が課題である。物価上昇による消耗品及び食材等の上昇が見込まれ、受益者、利用者への適正な使用料設定を検討し、利用者増による経営改善により一般会計の負担を減らすよう努める。

補助費等の分析欄

個人及び団体等に支出する補助金等のほか、小仁熊ダム等の県負担金、一部事務組合へ委託しているごみ処理業務(穂高広域施設組合)、消防業務(松本広域連合)等を負担している。令和5年度は、原油価格高騰対策商品券の交付、村民生活応援商品券の交付等の経済対策を実施した。今後も、対象事業・効果等を検証し適正な支出に努める。

公債費の分析欄

年度毎の地方債の発行を償還金額以下に抑え、繰上償還等を実施してきたが、近年は筑北スマートインター建設や、若者定住住宅建設といった大型事業による投資、災害復旧事業も増加している。現在のところ類似団体を下回っているが、今後も財政状況を考慮しながら積極的に繰上償還等を実施し、投資事業の選択と集中を図っていく。

公債費以外の分析欄

令和5年度は、人件費(2.1%)、物件費(1.9%)、公債費(0.7%))等の数値が上昇したことにより、全体で上昇(4.5%)しており、類似団体平均と比較すると上回る(1.7%)状況である。今後も、事業執行にあたっては事業効果・必要性等の検証・精査、事務事業の一層の効率化を行い引き続き健全な財政運営に取組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

令和5年度決算でみると、衛生費、農林水産費、土木費が類似団体の住民一人当たりコストを上回っている。衛生費では筑北クリーンセンターの解体費用等の増により、前年から33,115円増加し132,002円となった。農林水産業費では、産地生産基盤パワーアップ事業補助金等の増により、前年から77,078円増加し、134,506円となった。土木費は、筑北SIC事業完了により前年からは4,393円減少したものの、自然災害に対応すべく道路河川の防災対策工事や区要望対応などの道路維持費の増により、類似団体と比較して23,231円の増となった。その他の数値は、全体的に類似団体の平均を下回る数値となっており、引き続き経費節減に努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人口は前年に比べ39人減少して4,044人となった。扶助費は住民一人当たり94,795円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況が続いている。障害者自立支援介護給付費、高齢者等への支援に要する経費に加え、子育て世帯への支援に要する経費も上昇することが見込まれることから、扶助費の削減は容易ではなく、他の経費を削減することにより全体としての歳出削減を図る。繰出金は住民一人当たり149,838円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況が続いている。全体として、公営事業会計に係る繰出金のほか、上下水道の3会計への公営企業債償還に係る繰出金、温泉施設の3会計の物価上昇に伴う経費増で、不足する運営経費を補うために繰出金が多額となったこと等が要因である。上下水道関係の繰出金は、令和元年10月に料金改定による使用料の見直しを実施しており、国保、介護関係の繰出金については医療費、介護給付費等の伸びを抑制する施策を引続き実施していく。積立金は148,712円となり類似団体を26,742円上回っている。これは財政調整基金の積立が増加したほか地域振興基金、ふるさと納税寄附金の増収によるふるさとづくり基金の増加によるものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

全会計において黒字となっている。実質収支比率が低い数値で推移しているのは、決算見込額を正確に把握するよう努め、次年度への繰越金が多額とならないように財政調整基金へ積立(R5年度積立額:175百万円)する財政運営を行ったためである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

これまで一般会計ほか各特別会計全体を通じて赤字が生じることなく、それぞれ運営を実施してきている。今後も各会計において、計画的に事業を進めるとともに、更なる経営の健全化を推進していくこととする。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

分子の構造のうち割合が高い元利償還金が年々減少してきた。実質公債費比率が低い状況下で、令和7年度までの時限立法となっている地方債の借入を複数予定している。令和5年度以降、しばらく投資事業による地方債発行額増加を予定しており、分子も上昇していくものとしている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、毎年度の新規地方債の発行額を地方債償還額以下を目標としながら、投資事業の選択と集中による発行額の抑制に努めてきた。近年の投資事業により、今後は将来負担額は上昇していくが、充当可能財源等は、財政調整基金及び減債基金、公共施設等整備基金等への計画的な積み立てにより、充当可能財源も上昇している。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)当初見込みより交付税等の収入が増加したこと等による財政調整基金175百万円の増(取崩額0円、積立額175百万円)、合併特例債を原資とした地域振興基金146百万円の増、臨時財政対策債の繰上償還充等の資金とする減債基金8百万円の減、公共施設の除却及び村営住宅等の建設等に備える基金とする公共施設等整備基金80百万円の増等による。(今後の方針)人口減少に伴う交付税、譲与税等の減少が見込まれるため、決算余剰金等の積立や、目的基金の積立を進める。基金の運用方針を見直し、財産運用収入の増を狙い資金の一部を預金から債券購入に変更していく。令和6年度に見直した財政シミュレーションでは、令和8年度から基金の積立額を取崩額が上回り、令和11年度残高を4,409百万円と見込んでいる。

財政調整基金

(増減理由)当初見込みより交付税等の収入が増加したことによる財政調整基金175百万円の増(取崩額0円、積立額175百万円)(今後の方針)少子高齢化による人口減少、村内企業の経営規模縮小により、交付税等の減少が見込まれるため、財政調整基金の取崩しによる財政運営が見込まれる。将来負担の増に備え積極的、計画的な積立を実施する。将来の取り崩し額を勘案する中で運用額を算出し、運用に余裕ができる基金については定期預金から国債等の債券運用に変更することで利子(財産運用収入)の増加を検討していく。

減債基金

(増減理由)繰上償還により8百万円の減(取崩額34百万円、積立額26百万円)(今後の方針)財政負担の平準化を図りつつ将来負担軽減のため、繰上償還が可能なものは基金取崩しによるに繰上償還を実施する。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金合併特例債を原資とし、地域振興の推進を図る事業の財源公共施設等整備基金公共施設の除却及び村営住宅等の建設等の事業の財源地域福祉基金地域の特性に応じた高齢者保健福祉の向上に関する事業の財源筑北保健衛生施設組合承継基金旧筑北クリーンセンター解散に伴う基金であり、解体・後処理等の事業の財源ふるさとづくり基金ふるさと納税を原資とする、村づくり、地域づくりに関する事業の財源(増減理由)地域振興基金将来の財政需要に備えるため合併特例債の借入による積立146百万円の増(取崩額54百万円、積立額200百万円)。公共施設等整備基金公共施設の除却及び村営住宅等の建設等に備えるため積立80百万円の増(取崩額27百万円、積立額107百万円)。筑北保健衛生施設組合承継基金旧筑北クリーンセンター解体費充当にによる減(取崩額42百万円、積立額0円)。ふるさとづくり基金前年度の寄付額の増により13百万円増(取崩額18百万円、積立額31百万円)。(今後の方針)地域振興基金合併特例債を原資とするため令和7年度まで積立を予定している。公共施設等整備基金公共施設の除却及び村営住宅等の建設等の事業に備えて積立額の増加を図る。筑北保健衛生施設組合承継基金旧筑北クリーンセンター解散に伴う基金であり令和5年度、施設の除却完了に伴い廃止。ふるさとづくり基金の原資となる「ふるさと納税寄附金」増収に向け、更なるPR・返礼品の充実に取り組む。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、整備後20年から40年経過して更新時期を迎えているものが多く、全国平均、県平均を比較しても高い水準にあり、類似団体内順位でも下位から3番目となり老朽化した有形固定資産を多く保有していることがわかる。人口も5年間で400名程減少している状況から、人口規模に合わせたインフラ資産の長寿命化、総量の適正化による施設の統廃合等を行い公共施設等の適正管理に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は全国平均、県平均をより下回っており類似団体内順位でも上位と言える。主な要因として、平成29年度、平成30年度に借入れた臨時財政対策債を令和3年度より繰上償還し始めたこと等があげられる。今後も、将来に多額の負担を残すことのないように適正な基金管理と健全な財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行を抑制し、公債費の適正化に努めてきたほか、将来的な財政需要に備え基金積立額を増加させたことで、将来負担比率は数値なしとなっている。一方で、有形固定資産減価償却率は、年々増加傾向にあり、整備後20年から40年経過して更新時期を迎えているものが多く、類似団体の平均よりも高い水準にある。今後も、公共施設等総合管理計画に基づき、地域住民の福祉の向上、サービス維持を図りつつ、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

借入ていた複数の地方債償還終了に伴い前年度と比較し実質公債費比率が減少した。また類似団体と比較しても低い水準にある。将来負担比率は数値なしとなっている。これは、低金利の新規発行債の借入、繰上償還の計画的な実施によるものと考えられる。水道施設、観光施設等において経年劣化による老朽化が進んでおり、今後、長寿命化、改修等により実質公債比率は上昇してくるものと想定されるためこれまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、年々増加傾向にあり、施設類型別で分析してみても、ほぼすべての施設が類似団体の平均よりも高い水準にある。各施設の統廃合、除却など前年と比較し大きな動きがないため経年による数値の変化のみとなる。特に公民館、保育所の償却率が非常に高くなっており、公共施設等総合管理計画に基づき、優先的に更新、統廃合、長寿命化等の対策を施す必要があるといえる。橋りょう・トンネルについては、長寿命化対策を講じながら維持管理をすることで減価償却率が県平均を下回っているものの、依然建設から長期間が経過し老朽化した施設も多い。人口減少が見込まれる一方で今後も老朽化に伴う道路等インフラ工作物の更新・修繕を進めていく必要があるため、将来世代への負担増加が懸念される。公共施設等総合管理計画を基にしながらも人口規模に見合った、必要有無の施設の見直しに取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

新規の公共施設の建設等はないため、既存施設において有形固定資産減価償却率が全体的に増加している傾向である。ほぼ全ての施設が類似団体の平均、長野県平均をよりも高い水準にあり、老朽化した施設が多いことを示している。各グラフを比較すると、一般廃棄物処理施設の有形固定資産減価償却率が令和2年度に大きく減少しているのは、広域組織としてある穂高広域施設組合において、新ごみ処理施設を建替えたためである。一人当たり面積では、概ね類似団体と同程度となっているが、人口減少が進んでいることから、公共施設の適正化をさらに進めていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額は23,007百万円となり、前年度末から426百万円の減少(-1.8%)、国民健康保険事業特別会計や各温泉施設の特別会計等を加えた全体会計では、資産総額は29,626百万円となり、前年度末から720百万円の減少(-2.4%)、一部事務組合や広域連合を加えた連結会計では、資産総額は31,092百万円となり、前年度末から591百万円の減少(-1.9%)となった。一般会計等において、総資産の81.2%を占めているのが固定資産になるが、そのうちの有形固定資産となる、建物・工作物など耐用年数のある資産の合計取得額は6,260百万円、その減価償却累計額は4,960百万円で、79.2%が経年で消費された計算となる。減価償却累計額が占める割合も前年比+1.4%となり、村所有施設全体の老朽化が年々進んでいることがわかる。負債については、負債総額は4,261百万円で前年度末から1,390万円の増加(+3.3%)となった。負債の多くは地方債であり、令和7年度が発行期限となっている旧合併特例債等の借入を公共施設や道路の整備等の費用に活用するため増やしたことが増加要因にあたる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、純行政コストは4,890百万円で、前年度末から58百万円の増加(+1.2%)、全体会計においては、6,225百万円となり、前年度末から34百万円の減少(-0.5%)、連結会計では、6,841百万円となり、前年度末から51百万円の減少(-0.7%)となった。純行政コストのうち99%を占める純経常行政コストは4,843百万円で前年度末から45百万円の増加(+0.9%)となった。一般会計等による純経常行政コストの内訳として人件費等で構成される業務費用等の経常費用が5,005百万円(+1.3%)、補助金や給付等で構成される移転費用1,929百万円(+3.4%)、使用料等の経常収益は162百万円(+14.0%)であった。最も金額が大きいのが経常費用内の物件費で公共施設等の維持管理費や減価償却費となり、経常費用の約45%を占めている。令和元年度末に策定した個別施設計画に基づき、用途廃止等と判断した公共施設については順次除却を進めているが、依然老朽化した固定資産を多く保有していることからこれらへの費用負担は高い状態が続いている。今後も施設の統廃合や除却を積極的に進め不要コスト削減に努める。併せて、経常収益の要因にも注視し、使用料、手数料などの適正価格の見直しも取り入れていく必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、総資産残高は18,747百万円となり、前年度末から565百万円の減少(-2.9%)、全体会計においては、総資産残高は23,957百万円となり、前年度末から741百万円の減少(-3.0%)、連結会計では、資産総額は25,221百万円となり、前年度末から622百万円の減少(-2.4%)となった。年々純資産が減少している結果となっている。減少の大きな要因は、純行政コストが財源を上回っているためである。人口の減少が続くと予想されるなかで財政規模、人口規模に合わせたインフラ資産の長寿命化、総量の適正化による施設の統廃合等を行い不要コストの削減に努めると共に使用料の見直し、施設の利用率アップにつながるようなPRや事業も積極的に行い純行政コストの削減に努める。併せて今後も地方税の徴収義務強化等により税収等の財源増加に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は355百万円で、前年度末から74百万円の減(−17.4%)、投資活動収支は-455百万円で前年度末から72百万円の増(17.4%)、財務活動収支は145百万円で、前年度末から140百万円の増(+2,900%)となった。以上のことより、行政サービスを行う中で、毎年度継続的に生じる収入と支出である業務活動収支は約4億円の余剰となり、日頃の経費節減の取り組みに一定の効果が現れてきたとみえる。公共施設等の整備、基金の積立・取崩しに関わる収入と支出の投資活動収支では約5億円不足となった。国県等の有利な補助金を活用した事業を実施し国県等補助金収入は増加し、公共施設等整備費支出を抑えられてきているが維持管理費用等の支出に備え、基金積立金支出を増額したことによるものが大きな要因である。資金の調達及び返済に関わる収入と支出である財務活動収支は、約1.4億円の増となり、発行期限の迫る旧合併特例債の発行収入により収入が増え、償還額を上回っていることを示す。今後も基金の取り崩しが必要な状況は続くことが予想され、引き続き行財政改革を行っていく必要がある。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は568.9万円で前年度より7.6万円の増加し、歳入額対資産比率は4.16年で前年度より0.17年減少、有形固定資産減価償却率は79.2%で前年度より1.4ポイント増加した。類似団体平均と比較すると一人当たりの資産が少なく、減価償却率が高い状態にあることがわかる。当団体では、道路や河川の敷地等のうち取得価額が不明なものを備忘価額1円で評価し、それが大部分を占めていることが主要因である。歳入額対資産比率は、有形固定資産が多いため、類似団体と比較すると、歳入に対して資産の割合が高い。有形固定資産減価償却率は、整備後20年から40年経過して更新時期を迎えているものが多く、類似団体の平均よりも高い水準にある。人口も5年間で400名程減少している状況から、人口規模に合わせたインフラ資産の長寿命化、総量の適正化による施設の統廃合等を行い公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、81.5%で前年度より0.9ポイント減少した。純行政コストが財源となる税収等を上回っているため、資産の減少が年々続いている。将来世代の負担程度を示す将来世代負担比率は18.3%で前年度より2.3ポイント増加した。有形固定資産減価償却率が高いことや有形固定資産の多くをインフラ資産が占めていることを併せて考えると、インフラ工作物等の更新や計画的な修繕が進んでいないため地方債残高が抑えられている可能性があるため比率が年々高くなる傾向である。税収等を上回る純行政コストを減らしていくためにも、コストの大部分を占める減価償却費を減らしいくことが有効でありその点からもインフラ資産の総量の適正化、公共施設等の適正化を早急に実施していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、120.9万円で前年度より5.7万円増加となった。物価高騰に影響し業務費用である物件費が増えたことが大きな要因とみられるが、地方債の借り入れも今年度増え、償還費用も年々増えてくる傾向と予想される。村内にある温泉施設会計等の他会計への繰出金は増加傾向にあり、財政を圧迫する要因であるため、施設の在り方等を含め、根本的な見直しが急務である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、105.4万円で前年度より6.7万円増加、業務・投資活動収支では、275百万円で前年度より390百万円増加となった。負債の大半を占める地方債の償還は順調に進んでいるが、今後も老朽化した水道管の更新や防災行政無線整備等のインフラ事業が予定されており、この指標も増えることが予想され、地方債発行額を必要最小限に抑えるとともに、可能な範囲で繰上償還の実施に努めていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、3.2%で前年度より0.3ポイント増加した。類似団体平均を下回っている。経常費用に対して収益が少なく、人口に比較して公共施設やインフラ資産が多く、しかも老朽化が進み、維持補修費が増加傾向にあるのに対し、使用料・手数料の収入が減少しているためである。使用料の見直し等受益者負担の適正化を図るとともに、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより経常費用の削減に努めていく。併せて、利用率を上げ収益を得られるよう施設の利用PR等にも努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,