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地方財政ダッシュボード

山梨県市川三郷町の財政状況(2019年度)

🏠市川三郷町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や全国平均を上回る高齢化率(令和元年度36.6%)に加え、町内に中心となる産業がないこと等により財政基盤が弱いため、地方交付税等の財源に依存している状況である。財政力指数は、経年比較すると横ばいの状態ではあるが、類似団体、全国平均及び県平均を下回っているため、短期的には税収の徴収率の向上等、中長期的には税源の涵養等を図り、財政基盤を強化する必要がある。

経常収支比率の分析欄

人件費及び補助費の増加により91.9%と類似団体平均を上回っている。前年度に引き続き比率は悪化しており、補助費等や公債費等の経常経費充当一般財源等が高止まりしている状況である。今後は事務事業の優先度を点検するなどし、事務事業の見直しを進め、経常経費の削減を図る必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均に比べ高くなっているのは、主に物件費を要因としており、ふるさと納税事業費の増によるものである。人件費は前年度より減少したが、職員数は、平成27年度からの5年間で14名増加している。臨時職員等を含めた職員数の適正管理が必要である。また、本町は中山間地域に位置し、集落が分散しているため、効率性の面で悪い部分がある。今後は適切な施設数の検討や、指定管理者制度の導入など、公共施設の管理について検討を進めていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体を下回っており、今後も適正な給与水準になるように努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たりの職員数は前年度と比較して0.27人減少したが、高校新設に伴う新施設整備事業など新規事業の実施のため、近年、採用数を増加させており、類似団体、全国平均及び県平均を上回る状況となっている。経常収支比率も悪化している状況であるため、今後は新規職員の採用抑制を行うなど、より一層の定数管理の適正化を図らなければならない

実質公債費比率の分析欄

近年の普通建設事業費の増加に伴い償還額が増加しているため、平成30年度以降は類似団体平均を上回る数値まで悪化している。今後、施設整備事業の地方債償還の開始を控えており、さらなる比率の悪化が見込まれる。公債費負担適正化計画に則り、適正化に努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体と比較すると、将来負担比率は高く、また前年度と比較しても比率は高くなっている。これは、新施設整備事業等に係る地方債現在高の増加によるものである。令和元年度までは新施設整備事業に係る地方債発行により地方債現在高は増加しているため、今後は将来負担比率の悪化を軽減するような計画的な事業実施を図り、また充当可能基金等の財源増加を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

類似団体、全国平均及び県平均を下回っているが、人件費に準ずる費用のうち、賃金(物件費)が類似団体の2.2倍となっているためである。また、職員数は平成27年度からの5年間で14名増加している。臨時職員等を含めた職員数の適正管理が必要である。よって、今後は臨時職員等を含めた職員数の適正な管理に努める。

物件費の分析欄

類似団体平均、全国市町村平均、県内平均をいずれも下回る結果となっているが増加傾向にある。増加傾向の要因は、ふるさと納税事業費の増によるものである。今後も事務事業の効率化を図るとともに、職員一人一人の経費削減意識を更に向上させ、より一層の経費削減に努める。

扶助費の分析欄

類似団体、全国平均及び県平均は下回っている。引き続き、適正な審査及び給付等の実施、町単独施策については、財政力と比較し、過重となっていないか等の検討をしていく。

その他の分析欄

類似団体の平均と比較すると、上回っている状況であるが、これは繰出金が類似団体と比較して多いためである。今後は、公営企業会計等の健全化・適正化により、普通会計の負担額を減らしていくように努める。

補助費等の分析欄

類似団体平均、全国市町村平均、県内平均をいずれも上回る結果となっている。これは一部事務組合に対する負担金が類似団体と比較して、上回っていることや、ふるさと納税事業費の増などが要因に挙げられる。今後も各種補助金については、補助金等審査委員会により適正な執行を図る。

公債費の分析欄

前年度数値と比較して減少しているが、類似団体の平均を上回っている。令和元年度は償還終了額が新規の償還額開始額を上回ったため減少となったが一時的なものであり、次年度以降は再び増加に転じる見込みである。要因は、近年の普通建設事業費の増加に伴う償還額の増加による。人口1人当たりの公債費及び公債費に準ずる費用の決算額を見ても、公営企業債の償還に財源に充てたと認められる繰入金が類似団体と比較して2.4倍となっている。計画的な事業実施を行うことにより一般会計及び公営企業経営の健全化に努めるとともに、低利での資金調達に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率についても、類似団体の平均を下回っている。今後も引き続き経常経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体と比較すると、民生費・衛生費・労働費・土木費・教育費・公債費の住民一人当たりのコストが高止まりしている。教育費は、県立高校建設に伴い体育館・図書館等の整備に係る普通建設事業費の増加が要因である。衛生費は、峡南医療センター企業団への負担金等が多額であることによるものである。土木費・公債費については近年、大型の建設事業が継続していることにより増加傾向にある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

貸付金については、類似団体の平均を大きく上回っている。これは峡南医療センター企業団への貸付金によるものである。また、繰出金についても、類似団体の平均を大きく上回っている。今後も引き続き、公営企業会計等の健全化・適正化に努め、普通会計の負担額の抑制に努める。普通建設事業費については、住民一人当たり177,236円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストが高い状況となっている。これは、新施設整備事業等に係る普通建設事業費の増加が要因である。令和元年度で新施設整備事業は完了するが公債費は増加していく見込みである。このため事業の取捨選択等を行い、普通建設事業費・地方債発行の抑制に努める。他にも、物件費、補助費等、公債費についても、類似団体の平均を上回っているため、一層の経費削減並びに計画的な事業実施に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金については、適切な財源の確保と歳出の精査により取崩を回避し、前年度とほぼ同額を維持している。実質収支額は前年度から減少し、実質単年度収支は、平成29年度から引き続き赤字となっている。これは、一般会計等における歳入が0.9%減少したのに対し、歳出は1.0%増加となっていることによるものである。歳入現象の主な要因は財政調整基金繰入金の減少であり、歳出増加の主な要因は、普通建設事業費の増加である。今後も、事務事業の見直し・統廃合など歳出の合理化等行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

9.74%の黒字であるが、一般会計等の実質収支額の減により、対前年比4.05ポイントの減となった。一般会計、介護保険特別会計及び標準財政規模の減少による影響が大きい。要因としては、一般会計は普通建設事業の増(120,321千円増)、介護保険特別会計は介護保険給付費準備基金への積立(100,003千円)、標準財政規模は普通交付税の減(74,187千円減)による。その他の事業会計・特別会計については、あまり変化が見られないが、今後も事業会計・特別会計も含め、健全化・適正化に努める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

平成26年度までは、実質公債費比率の分子が減少していたが、平成27年度以降は増加傾向にある。令和元年度の減少も一時的なものである。主な変動要因は、以下の通りである。○元利償還金は、令和元年度決算においては76百万円減と一時的に改善したが、近年の普通建設事業費の増加により地方債発行額が伸びているため増加傾向にある。○公営企業債の元利償還金は、公共下水道事業特別会計、農業集落排水事業特別会計への準元利償還金が増となっている。○算入公債費等は、基準財政需要額算入率の高い起債の償還が終了したため一時的に元利償還金支出が減となっているが、交付税算入率の高い起債の償還額の増により増加傾向にある。今後も、実質公債費比率の増加が見込まれるため、事業の必要性や緊急性などの優先順位付けを行いながら、地方債の新規発行を抑制し、公債費負担の軽減に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

分子の将来負担額が1,124百万円増加し、充当可能財源等も662百万円増加したが、将来負担額の増加が多かったことにより、分子が459百万円増加した。分子の将来負担額増加の要因としては、地方債現在高の1,605百万円増加、都市計画税収等の充当可能特定財源の139百万円の減少による。標準財政規模の減は、普通交付税等の減による。今後数年間は、地方債残高の増加が見込まれることから、将来負担額も増加する見込みである。令和元年度まで新施設整備事業などの大型事業を実施しているため、厳しい財政運営を迫られている。事業の必要性や緊急性などの優先順位付けを行いながら、地方債の新規発行を抑制し、将来負担の軽減に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)「地域振興基金」に1.0億円、「正子奨学基金」に0.5億円積み立てた一方、地域の振興に係る事業に対し「地域振興基金」を1.3億円取り崩したこと等により、基金全体としては0.3憶円の減となった。(今後の方針)令和元年度決算においては、ふるさと納税寄付金の増加により当初想定していた収支不足を補えたため、財政調整基金の取り崩しを避けることができた。令和2年度以降、普通交付税の合併算定替の特例措置期限終了による歳入減や、新施設建設等に伴う公債費の増加等による歳出増により、収支不足が生じる見込みである。収支不足を補うため、基金取崩は避けられない状況である。現在の歳出状況が継続した場合、歳入歳出収支が赤字へ転落してしまうため、抜本的な事業見直し及び歳出削減を実施する。

財政調整基金

(増減理由)基金利子を73万円積立てたことによる増加。(今後の方針)令和元年度決算においては、ふるさと納税寄付金の増加により当初想定していた収支不足を補えたため、基金取崩による減少を避けることができた。令和2年度以降、普通交付税の合併算定替の特例措置期限終了による歳入減や、新施設建設等に伴う公債費の増加等による歳出増により、収支不足が生じる見込みである。収支不足を補うため、基金取崩は避けられない状況である。現在の歳出状況が継続した場合、歳入歳出収支が赤字へ転落してしまうため、抜本的な事業見直し及び歳出削減を実施する。

減債基金

(増減理由)基金利子を18万円積立てたことによる増加。(今後の方針)令和5年度から3年間の地方債償還のピーク時に取崩予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金:町民の連携の強化、地域振興のための事業・地域福祉基金:住民が主体となって行う福祉活動事業・正子奨学基金:経済的理由により就学が困難な者に対し実施する、奨学金給付事業・ふるさと水と土保全対策基金:土地改良施設の機能維持に係る地域の共同活動の支援事業・まごころ基金:保健福祉の促進・充実に係る事業(増減理由)・地域振興基金:新町建設計画に基づき1.0億円積み立てた一方、地域の振興に係る事業に対し1.3億円取り崩したこと等により、0.3億円の減少。・まごころ基金:0.5億円を取り崩し、正子奨学基金へ積み立てたことによる0.5億円の減少。・正子奨学基金:0.5億円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・地域振興基金:地域の振興に係る事業に対し1.3億円程度を取崩予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町の有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較すると高い水準にあり、資産の老朽化が進んでいると言える。そのため、今後は公共施設等の維持・更新に多額の費用が発生することが予想されるため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画および各施設の個別施設計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化等を計画的に進めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体平均を上回っており、新施設整備事業にかかる新規地方債発行により将来負担額が増加したため、令和元年度決算では一段と悪化した。財政力指数は類似団体の中でも低位に位置する中、公債費及び補助費等が類似団体と比較し大きい状態となっている。人件費等の経常経費の削減を進め債務償還比率の改善に努める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本町の将来負担比率は、類似団体と比較すると高い水準にあり、経年比較しても増加傾向にある。新施設整備事業に係る地方債発行により地方債現在高が増加したことによる。令和元年度まで新施設整備事業が継続するため将来負担比率の上昇は継続する見込みである。また、有形固定資産減価償却率についても類似団体と比較すると高い水準にある。これは、道路、学校施設、消防施設などの公共施設の有形固定資産減価償却率が80%を超えていることが要因である。令和元年度に新施設整備事業の完了したため有形固定資産の減価償却率は若干低下したが、依然として類似団体と比較して高い値で推移する見込みである。公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合の検討・老朽化対策を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にあり、近年増加傾向にある。将来負担比率が上昇している要因は、平成28年度~令和元年度にかけて実施した保育所及び新施設整備のための地方債発行によるところが大きい。これらの地方債の償還が令和4年度以降に開始されるため実質公債費比率も一段と上昇することが見込まれる。新規地方債の発行を抑制するなど、これまで以上に公債費の適正化に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、『道路』・『橋りょう・トンネル』、『学校施設』、『児童館』については有形固定資産減価償却率が高い状況にある。これらの有形固定資産減価償却率が高い施設は、相当程度施設が経年していることを踏まえ、長寿命化対策等の今後の管理方針等を検討し、計画的な施設の老朽化対策が必要となる。『学校施設』については、有形固定資産減価償却率86.7%、一人あたり面積については類似団体平均比143%と老朽化が進んでいる施設を多く所有していることがわかる。老朽化の進行により維持管理費用の増加も見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき対策に取り組むとともに、統廃合を含めた検討を進める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、消防施設であり、特に低くなっている施設は、図書館、体育館・プール、市民会館、庁舎である。庁舎については、平成14年に本庁舎、平成25年に大同出張所を新たに建設しているため、類似団体、全国平均、県平均と比較しても有形固定資産減価償却率が低くなっているが、維持管理にかかる経費の増加に留意し長寿命化・統廃合の検討を進めていく必要がある。図書館、体育館・プール、市民会館については昭和50年~60年代に建設した町民会館・図書館と町民体育館を統合し、生涯学習センターの整備が完了したため、有形固定資産減価償却率が低下した。生涯学習センター建設により、図書館、体育館・プール、市民会館の一人当たり面積については増加した。類似団体平均と比較して著しく高い状況ではないが、公共施設等総合管理計画に基づき既存の図書館や体育館の統廃合など検討を進める必要はある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から395百万円の増加(+1.1%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産(建物)とインフラ資産(工作物)であり、事業用資産(建物)は、生涯学習センター新設による資産の増加(2,687百万円)等が減価償却による資産の減少を上回ったことにより2,791百万円増加(+8.08%)し、インフラ資産(工作物)は、岩間一本松2号線新設による資産の増加(31百万円)や篭鼻川浦線新設による資産の増加(29百万円)等により、237百万円増加(+0.38%)した。負債総額は前年度末から1,529百万円の増加(+10.38%)となっており、主に地方債が1,522千円増加(+12.41%)したことによる。地方債増加の主な要因は、新高校新設に伴う生涯学習センター整備事業1,791百万円、篭鼻川浦線新設事業117百万円である。資産総額のうち、有形固定資産の割合が85.6%、資産老朽化比率は71.6%となっており、これらの資産は維持管理や近い将来に更新等の支出を伴うことから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約化・複合化を進め、総量管理、適正化に努める必要がある。全体会計では公共下水道事業会計等を加えており、資産総額に下水道管等のインフラ資産を計上していることから17,226百万円多くなるが、負債総額も10,639百万円多くなっている。南医療センター企業団、山梨県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、病院施設に係る資産も計上していること等により、一般会計に比べて20,845百万円多くなるが、負債総額も13,207百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は8,581百万円となり、前年度比157百万円の増加(+1.9%)となった。そのうち、人件費や物件費等の業務費用は4,966百万円、社会保障給付等の移転費用は3,615百万円であった。最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(3,680百万円)であり、純行政コストの43.8%を占めている。公共施設等総合管理に基づき、施設の集約化・複合化を進め公共施設の適正化を推進することにより、経費の抑制に努める。移転費用については、今後、高齢化の進展等により費用の増加も予想されるため、介護予防の推進や事業見直しにより経費の抑制に努める。また、移転費用の35.8%は繰出金となっており、主な繰出先の下水道事業についても経費の抑制と使用料金改定を進める必要がある。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が476百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が2,628百万円多くなるなど経常費用が3,983百万円多くなり、純行政コストは3,963百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が4,069百万円多くなっている一方、移転費用が3,884百万円多くなっているなど、経常費用が8,264百万円多くなり、純行政コストは3,041百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(7,560百万円)が純行政コスト(8,396百万円)を下回っており、本年度差額は▲836百万円となり、純資産残高は1,134百万円の減少となった。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が1,416百万円多くなっており、本年度差額は1,337百万円となり、純資産残高は1,633百万円の減少となった。連結では、山梨県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が4,197百万円多くなっており、本年度差額は320百万円となり、純資産残高は59百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は595百万円であったが、投資活動収支については、新高校建設に伴う生涯学習センター整備業業等を行ったことから、▲2,412百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、1,605百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から211百万円減少し、340百万円となった。全体では、国民健康保険税等の税収等収入が含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より73百万円多い668百万円となっている。投資活動収支では、▲2,502百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行額が地方債償還支出額を上回ったことから、1,092百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から742百万円減少し、651百万円となった。連結では、峡南医療センター企業団における入院・外来収益等の収入が業務収入に含まれること等から、業務活動収支は一般会計等より1,845百万円多い2,440百万円となっている。投資活動収支は、▲2,639百万円、財務活動収支は、地方債発行額が地方債償還支出額を上回ったことから、1,078百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から878百万円増加し、886百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に整備した公共施設があること等から類似団体平均をやや上回っている。歳入額対資産比率については、類似団体平均を下回る結果となったが、有形固定資産減価償却率が類似団体平均より高い水準であることから分かるとおり老朽化施設が多く、減価償却累計額が大きいためである。減価償却分を再調達した場合には、平均を大きく上回る10.1に達することからも施設の統廃合が必要であることが読み取れる。今後は、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設の耐震補強や点検・診断を実施し計画的な予防保全による長寿命化を進めるとともに、公共施設等の集約化・複合化を進め公共施設の総延床面積の20%縮減に取り組み、公共施設等の適正管理及び将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を下回る結果となったが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から3.8%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が消費して便益を享受したことを意味するため、事業見直しや人件費の削減などにより、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率は類似団体平均を上回っているが、平成27年度から実施されてきた新高校新設に伴う市川富士見保育所及び生涯学習センター整備事業による地方債発行額の増加に伴うものである。近年の将来負担比率の増加を鑑み、今後は新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を増加の縮減を行い、将来世代の負担の減少に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っており、また、昨年度に比べても増加している。特に、純行政コストのうち20.4%を占める減価償却費、15.5%を占める繰出金、14.1%を占める人件費が、行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。施設の統廃合、新規採用の抑制による職員数の減など行財政改革への取り組みを通じて減価償却費および人件費の削減に努める。また繰出金については、高齢化の進展等により社会保障給付・移転費用が高止まりすることが見込まれる。独自事業等の見直しとともに国保・後期会計や介護保険会計への繰出金の抑制を目的とした介護予防・健康増進事業の推進を行い、移転費用の抑制に努めるとともに、最大の繰出先である下水道事業についても経費の抑制と使用料金改定を進める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っており、前年度から11.2万円増加している。これは、新高校新設に伴う生涯学習センター整備事業により地方債が1,522百万円増加したためである。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、1,774百万円となっている新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を増加の縮減を行い、負債の減少に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、公共施設等の使用料の見直しを行うなど受益者負担の適正化に努める。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、4,745百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、247百万円経常収益を増加させる必要がある。公共施設等の使用料の見直し等を行い経常収益の増加を図るとともに、施設の統廃合や人件費の削減等の行財政改革による経常費用の減少に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,