北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

山形県山辺町の財政状況(2018年度)

🏠山辺町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 簡易水道事業 公共下水道


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

当町には基幹となる産業や大きな企業がないことなどから財政基盤が弱く、類似団体平均値0.47を0.08ポイント下回り0.39となっている。今後も行財政改革の取組みを継続し、事業精査による歳出削減を図るとともに、税収入及び手数料等の増加を図るとともに、組織体制の見直しを含めさらに強化していく。また、居住環境の整備を推進しながら、県都に近いという地理的利点を活かした施策などによる人口減を抑制し、自主財源確保を含めた財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

行財政改革等の取組みによる事業精査、給与の独自削減及び地方債発行の抑制等により、義務的経費抑制の効果として平成28年度と同率、前年度対比0.9ポイント下降している。今後、より一層の行財政改革の取組みを強化し、事務事業の見直し、投資的経費を始めとした歳出経費の抑制を図るとともに、自主財源の確保に努め、これまで以上に経常一般財源の確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体と比較し、人件費・物件費等の人口1人当たりの額が低くなっているのは、ゴミ処理業務等を一部事務組合で行っていることや消防業務を委託していることなどによるものである。この負担金及び委託料相当分を、人件費・物件費等に合算した場合、人口1人当たりの金額が増加することになるため、構成市町との協議・調整を図りながら、引き続き事務事業の見直しなどによる経費抑制を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

平成18年度から平成22年度までの行財政改革の取組みによる職員給与の独自削減の終了に伴い、類似団体内平均値を上回っていたが、平成29年度以降は新規採用職員の抑制、平成30年度からは給与の独自削減を実施しているため、平成30年度は類似団体内平均値を2.4ポイント下回っている。しかしながら、職員年齢毎の人員バランスに欠け、今後は大量退職者も見込めないことから、数値の上昇が予想されるため、これまで以上に給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

現在、7.53人で類似団体内平均値10.38人を2.85人と大幅に下回っている。これは、平成18年度からの行財政改革の取組みにおける職員数の削減及び事務事業等の見直しによるものである。しかしながら、業務が増加傾向にある昨今においては、類似団体の動向を踏まえ、それらの状況に応じた適正な人員管理を実施し、適正な職員の配置に努める。

実質公債費比率の分析欄

10.5%と前年度から0.8ポイント上昇しており、類似団体内平均値9.1%を1.4ポイント上回っている。これは、平成15年度、平成16年度の多額の借入並びに平成25年度以降の山辺中学校改築事業による影響が大きい。平成28年度以降、起債発行抑制を図っていることから、比率が下降していくことが予想されるが、今後の公共施設等の更新等により上昇することも十分見込まれるため、今後の数値の増減を注視し、数値の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

中学校改築事業などの大規模事業による多額の借入が影響し、平成26年度においては類似団体を32.1ポイント、平成29年度では46.6ポイントと大幅に上回っていたが、起債発行の抑制及び事業の精査やふるさと応援基金の増額等により、実質単年度収支の黒字化を図ることができ、前年度比18.1ポイント下降している。しかしながら、類似団体内平均値と比較して40.4ポイントと大きく差があることから、引き続き計画的な起債発行の強化等を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

平成30年度の比率は23.3%で、給与の独自削減等により類似団体内平均値との差が0.5ポイントと、前年度対比1.9ポイント下降しており、改善は見られる。今後も行財政改革の取組みなどにより、事務事業の見直しによる適正な人員配置や指定管理者制度や民間委託等を推進することにより、経常収支比率に占める割合を低くするよう人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

事務の電算化に伴う業務委託や機器類のリース料により、16.4%と類似団体内平均値14.8%より1.6ポイントの差となっており、度重なる制度改正などが大きな要因と考えられる。類似団体との差は解消傾向にあるものの、今後も、更なる経費節減や職員のスキルアップを図りながら、類似団体平均値に近づくよう削減に努める。

扶助費の分析欄

財政状況は厳しいが、類似団体内平均値5.7%より0.7ポイント低くなっている。これまで町直営の施設がないことなどから、類似団体内平均値より低い傾向にある。国等の少子高齢化施策にも左右されることから、今後も注視しながら対策を実施し、柔軟な対応に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が19.0%で、類似団体内平均値の15.4%を3.6ポイント上回っているのは、前年度と同水準であるものの、特別会計への経常的な繰出金が主な要因と考えられる。今後は、これまで以上に、特別会計の経営適正化及び健全化を図り、普通会計負担額の軽減に努める。

補助費等の分析欄

11.9%と前年度より0.5ポイント上昇しているものの、類似団体内平均値の14.3%より2.4ポイント下回っている。これは、一部事務組合への負担金が類似団体と比較し、少ないことなどが考えられるが、今後も、一部事務組合への負担金の増減により、数値の変動が見られることが予想されるため、委託先等との協議・調整を図りながら事務事業の見直しなどによる経費抑制を図る。

公債費の分析欄

公債費は19.0%で類似団体内平均値の15.6%より3.4ポイント高く、前年度より差が広がっている。平成28年度までは、過年度の大規模事業による償還金が減となっていること並びに、以降の地方債の新規発行抑制に努めていたためであるが、平成29年度は、山辺中学校改築事業等の実施による元金償還開始などによるところが大きい。

公債費以外の分析欄

75.6%と類似団体平均値の73.0%より2.6ポイントと大幅に下降し、差が縮小している。主に扶助費等の増加により類似団体平均値を上回り、その乖離が平成28年度まで広がる傾向にあったものの、平成29年度以降は解消傾向が見られる。今後もこれまで以上に事務事業の見直しや人件費の抑制に努めるとともに、引き続き扶助費の見直しなどに努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

教育費において平成26年度に極端に高い数値を示しているのは、山辺中学校の改築事業において本校舎建設などの主要事業が実施されたためである。これら教育施設整備事業費等の増が、普通建設事業費が増加したことの主な要因となっている。しかしながら、主要な普通建設事業が終了したことに伴い、平成28年度においては住民一人当たり40.9千円となっており、以降は類似団体内平均値を大幅に下回っている。民生費は、町直営施設がないことなどから類似団体内平均値を大幅に下回っているが、毎年度の実績に加え、今後も増加傾向が見込まれることから危惧される。労働費は、平成28年度に住民一人当たり3.4千円となっており、他年度に比べ突出しているが、これは地方創生加速化交付金事業の実施によるものである。消防費は、住民一人当たり20.6千円と類似団体内平均値との差が4.4千円と差額が減少している。近年、全国でさまざまな災害が多発していることもあり、特に安全・安心確保のための事業強化に取り組んできたことや消防事務委託の増額に伴い、増加することが予想されることから注視していく必要がある。公債費は、住民一人当たり48.7千円となっており、平成28年度までは起債発行の抑制効果に減額傾向であったが、前述した山辺中学校改築事業による多額の起債発行などに伴う元利償還等により、平成29年度以降は増加に転じている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総額は、住民一人当たり366.1千円と前年度と比較し、12.2千円減額している。人件費は、住民一人当たり63.8千円となっており、類似団体内平均値と比較し23.8千円下回っている。全国及び県内平均も下回り、類似団体内平均値を下回る状態で推移している。これは、平成18年度からの行財政改革の取組みにより、職員数の削減等(新規採用抑制)が主な要因である。扶助費は、住民一人当たり45.5千円となっており、平成28年度に減少したものの、再び増加傾向に転じている。全国及び山形県の平均を大幅に下回っているが、これは町直営施設がないことなどが大きな要因と考える。公債費は、住民一人当たり48.7千円となっており、平成28年度までは、後年度の大規模事業に備えた起債発行の抑制効果によるものであるが、平成29年度以降は山辺中学校改築事業による多額の起債発行などに伴う元金償還等により増加している。普通建設事業費は住民一人当たり11.7千円と、更なる投資的経費の抑制により、類似団体と比較して一人当たりコストが大幅に低い状況となっている。平成26年度に著しく高い数値となっているのは、主に山辺中学校の改築事業によるものである。物件費及び繰出金は、類似団体平均値を大きく下回るものの増加傾向にあり、特に繰出金には注視していく必要がある。積立金は増加傾向にあるものの、類似団体、全国及び山形県平均と比較し、低水準で推移していたが、平成30年度では事業の精査等の効果により、すべての平均値を上回る実績となっている。人口減少や少子高齢化対策を始め、公共施設の老朽化対策などが必要とされ、後年度に向けた持続可能な自治体構築に向け、継続的な財政運営可能な自治体の確立が急務とされる。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金残高については、山辺中学校改築事業等における負担の軽減のため、計画的な基金積立実施後、事業実施に伴う取崩しを行ったことにより減少し、以降10パーセント前半で推移していたが、平成30年度は土地開発公社の解散に伴う清算金、ふるさと応援寄付金の増加及び事業精査などにより、実質単年度収支がプラスになると同時に、財政調整基金を増額することができている。今後も様々な施策の展開を図りながら、後年度における安定した財政運営可能な自治体の確立が急務である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

一般会計については、平成25年度以降、山辺中学校建設事業等の大規模事業の実施に伴い、歳出が増加したものの、基金の活用も含めた調整の結果、平成25年度から平成27年度まで実質収支額が200百万円台であったため、6~7%で推移していたが、平成28年度及び平成29年度に100万円台となっていることなどから、平成28年度は5.07%、平成29年度には4.53%に低下している。平成30年度においても3.77%と低下に歯止めが係らず、一般会計の黒字の減少が顕著なため、喫緊の対策が急務となっている。その他特別会計については、年度毎に多少の増減はあるもの、一般会計からの繰入金が増加傾向で高い水準にあるため、公営企業の独立採算制の原則、保険料や使用料金等の定期的な見直しによる料金体制の適正化を図り、一般会計の負担軽減に努める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金については、新規借入抑制効果により平成28年度まで減少していたが、平成25年度以降の山辺中学校改築事業等の借入れに伴う元利償還により増加している。公営企業債の元利償還金に対する繰入金については、公共下水道事業特別会計に係るものであり、減少傾向で推移していたものの、再び増加に転じている。独立採算の原則に基づき、今後の公営企業の法適化(令和2年度)や借入年度の利率の差額による解消など、様々な課題解決を図らなければならない。算入公債費等及び実質公債費比率の分子についても、多額の借り入れに伴い再び増加に転じており、後年度に向け計画的な軽減対策を図る必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

地方債の現在高については、山辺中学校改築事業などに伴う借入等により平成26年度に大幅な増額となっているが、以降の借入抑制により平成28年度以降減少傾向となっている。公営企業債等繰入見込額は、公共下水道事業特別会計における地方債の元利償還金に対する使用料の充当割合が高くなってきていることなどにより減少傾向が続いている。退職手当負担見込額は、職員採用の抑制等より職員数が減少傾向となっていることに加え、平成26年度及び平成28年度は大量の定年退職者による低年齢化が進み、さらに減額となっている。充当可能財源等の充当可能基金は、前述の大規模事業における取崩しのために減額となり、それ以降は同程度の金額が続いていたが、清算金、寄付金の増及び事業精査の効果により、充当可能基金が増となっている。結果、将来負担比率の分子が1,935百万円と前年度比554百万円減の大幅減となっている。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)地域福祉基金の微減傾向はあるものの、平成30年度は総じて歳入不足に伴う財源補てんへの対応も不必要となり、ふるさと応援基金の取り崩しの増により8百万円の減とはなっているものの、土地開発公社の清算並びに事業精査等に伴う財政調整基金235百万円の積み立ての増額により、全体では前年度対比200百万円の増額となっている。基金全体の3分の1をふるさとづくり基金が占めているが、長期にわたり増減はなく利息のみの積み立てとなっている。また、全国及び山形県内自治体と比較しても基金残高は低い状況が続いている。(今後の方針)今後、さらに財政状況が厳しくなることや各公共施設の老朽化が予想されるため、各基金の設立目的に沿った適切な管理・活用を図り、必要に応じて新たな基金の設立及び廃止等の検討・実施、余剰資金の運用など、これまで以上に基金の有効活用を積極的に検討し、計画的な財源確保に努め、安定的で持続可能な財政運営を図る。

財政調整基金

(増減理由)平成22年度の762百万円をピークに、以降平成26年度まで山辺中学校改築事業を始めとした大規模事業への充当並びに歳入歳出の調整に伴い減少傾向にて推移しており、平成27年度及び平成28年度に歳出抑制効果により積み立てを実施することができたものの、平成29年度には歳入不足への対応により90百万円の取り崩しを実施しており、結果、平成29年度においては、平成26年度と同程度の413百万円となっている。しかしながら、土地開発公社の解散に伴う清算金の発生、ふるさと応援寄付金の増、加えて事業精査並びに給与の独自削減の効果により、200百万円以上の積み立てを実施することができた。(今後の方針)主に年度間の財源の不均衡の調整や繰替運用などに活用を図っているものの、歳入不足に伴う財源補てんへの対応により減少傾向にあるため、今後も継続的にこれまで以上の歳入歳出の精査により、継続的な一定額の確保を図る。

減債基金

(増減理由)平成23年度までは250百万円程度であったが、平成24年度の取り崩し実施以降、特段の積み立て及び取り崩しともに実施していないことから、利息のみの積み立てのため、ほぼ増減はない。また、現在、当初予算では取り崩しにより歳入予算計上してはいるものの、前年度からの繰越金などにより、未実施の状況が続いている。(今後の方針)各年度の予算編成にあたり、適宜、歳入歳出の動向並びに公債費を踏まえた柔軟な活用を図るとともに、継続的に一定額(200百万円程度)の確保を図る。

その他特定目的基金

(基金の使途)その他特定目的基金全体の3分の2をふるさとづくり基金が占める状況が続いている。当該基金は、文化会館建設に向け平成初期に設立されたが、その後の当町を取り巻く環境、必要性及び財政状況の変化に伴い、事業実施には至っていない。ふるさと応援基金については、ふるさと応援寄付金に基づき設立されているが、町単独事業、地場産品による返礼品及び業務委託への支出に活用されている。その他の基金についても、各基金の目的に沿い各事業の事業実施に常時適切な活用が図られている。(増減理由)山辺温泉基金及び地域福祉基金が微増減で推移しているものの、その他特定目的基金全体としては増額傾向となっている。これは平成28年度、平成29年度ともに、周知拡大及び返礼品の種類増加等による主にふるさと応援基金の増額によるものであり、他の基金については大きな増減は見られない。(今後の方針)ふるさと納税制度の変更等に伴うその影響により、平成30年度以降のふるさと応援基金の減額が危惧される。その他の基金については、大きな事業等の実施も予定されていないことから大きな増減は見込まれていない。今後も各基金の設立目的に沿った適切な管理・活用を図るとともに、必要に応じて新たな基金の設立及び廃止等を検討するなど、今後さらに基金の有効活用を検討し、計画的な財源確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は年々上昇しており、類似団体内平均値を2.0ポイント及び山形県平均値を3.8ポイント上回るなど高い水準にある。平成28年度に公共施設等総合管理計画が策定され、令和2年度には町有施設等のすべてにおいて個別施設計画が策定される予定である。策定後は財源不足解消や計画的な事業遂行に向け、施設の集約化・複合化や除去等を推進する必要がある。

債務償還比率の分析欄

主に平成25年度から27年度にかけて実施された山辺中学校改築事業に係る多額の起債発行が終了し、将来負担額は減少傾向にあるものの、税収の伸び悩みや類似団体と比較して充当可能基金残高が低い水準にあるため、債務償還比率も類似団体内平均値を229.7ポイント上回るなど高い水準にある。しかしながら、充当可能基金残高の伸びなどにより、前年度と比較し172.2ポイント改善されており、引き続き新規発行の抑制及び歳出の抑制に努めている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率並びに有形固定資産減価償却率ともに、類似団体と比べて高い水準が続いている。特に、将来負担比率については大きな開きとなっているが、これは既発債の残高等に対して充当可能基金が他の類似団体と比較して少額であることが要因と考えられる。一方、有形固定資産減価償却率については、大きな開きはないものの上昇傾向にあり、主な要因としては、昭和50年代に建設された小学校2校、給食センター及び体育施設などが、有形固定資産減価償却率70%以上になっていることなどが挙げられる。今後は、既存の公共施設等総合管理計画並びに令和2年度策定予定である各個別施設計画に基づき、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率並びに実質公債費比率ともに、類似団体と比べて高い水準が続いている。将来負担比率は、山辺中学校改築事業などに伴う借入等により、平成26年度に大幅な増額となっているが、以後の借入抑制により横ばいで、平成30年度には充当可能基金の増額により大きく減となっている。実質公債費比率も、主に山辺中学校改築事業に伴う借入金の元金償還開始により微増となっている。将来負担比率については今後も低下が見込まれるが、有形固定資産減価償却率の上昇などからも、町有施設等の老朽化が顕著となっており、大規模で継続的な施設の更新等も想定されるため、これまで以上に慎重に公債費の適正化に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は保育所であり、特に低くなっている施設は学校施設である。しかしながら、学校施設については、小学校3校のうち2校にて有形固定資産減価償却率が70%を超えていることや、同じく保育所においても、有形固定資産減価償却率80%を超える数値となっていることなどから、大規模改修などの老朽化対策が必要な状況となっている。随時、詳細な内容も踏まえた個別施設計画の策定も進めており、令和2年度にはほぼすべての公共施設等に関して策定される予定である。策定後はこれらの計画に基づいた事業実施に早急に取り組む必要がある。また、公営住宅については、平成28年度及び平成29年度に改築が実施されたことから、前年度の数値を大きく下回り、平成29年度には有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っている。現在、公民館を除く施設において、一人当たり面積が類似団体内平均値を下回るなど、住民に対しては十分な状況とは言い難い面はあるものの、今後も人口減少が予想されるなか、維持管理にかかる経費の増加や後年度に向けた老朽化への対応が懸念されるなど、当町における適正な公共施設等の在り方について継続して協議・検討を図り、施設の統廃合を含めた環境整備を推進する必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して該当施設すべてにおいて、有形固定資産減価償却率が高くなっており、特に、体育館・プール及び消防施設で顕著である。とりわけ体育館は大規模な改修が想定されるため、多額な支出が予想とされる。なお、消防施設については、有形固定資産減価償却率が70%を超えているものの、当町は消防・救急体制が非常備で、消防・救急業務を山形市に全面的に委託していることから大規模施設は有しておらず、当町に存しているのは小規模な詰所のみである。また、消防団の再編成も進められていることから、適宜、計画的な改修は必要なものの全体的には減少傾向にある。庁舎については、本庁舎が平成11年度に建設され、有形固定資産減価償却率も40%にも満たないことから低い水準にあるが、経年劣化により大規模改修の必要性も年々高まっている。現時点ではほとんどの施設において、一人当たり面積が類似団体内平均値と同水準となっているものの、人口減少が進行するなか、今後予想される老朽化に対する対応や維持管理にかかる経費の増加等を踏まえ、公共施設等総合管理計画並びに詳細な内容も踏まえた個別施設計画等に基づいた事業実施に早急に取り組む必要があると同時に、当町における適正な公共施設等の在り方について継続して協議・検討を図る必要がある。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から648百万円の減少(▲2.9%)しており、普通建設事業等の抑制及び施設の老朽化等により、有形固定資産における減価償却累計額の上昇が主な要因となっている。また、負債総額も前年度末から500百万円の減少(▲6.7%)となっているが、金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)で、学校教育施設等整備事業に係る地方債の償還終了等により地方債償還額が発行額を416百万円(▲7.0%)上回っている。このほか、退職手当引当金も大量退職者後の若年層の増加等により73百万円の減少(▲8.8%)となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は4,992百万円で、そのうち、人件費等の業務費用は3,153百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は1,839百万円であり、業務費用が移転費用を大きく上回っている。業務費用のうち最も金額が大きいのは物件費等が1,089百万円、次いで人件費が990百万円であり、経常費用の62%を占めている。物件費や補助金等が減ったことに加え、経常収益が増額となり、純行政コストが前年度比9.3%下がっている。しかしながら、今後もさまざまな制度等の導入及び変更への対応、職員退職者の減少や定期昇給等による人件費の増などが見込まれることから、既存事業の見直しの推進等により経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等及び国県等補助金に伴う財源(4,643百万円)が純行政コスト(4,804百万円)を下回っており、本年度差額は161百万円で、純資産残高は14,770百万円となっており、前年度比1.0%下がっている。今後、人口減少による総体的な就労人口の減少等に伴う減収が予想されるものの、資産増加(資産減少の緩和)に向け、地方税の徴収業務の強化を始めとしたさらなる歳入確保等により、税収等の増加を図る。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は657百万円であったが、投資活動収支については、財政調整基金への積立金支出を大幅に増額としたことから、▲277百万円と、前年度と比較すると大幅なマイナスとなっているまた、財務活動収支については、地方債の新規発行抑制により前年度以上に地方債の償還額が地方債発行収入を大幅に上回ったことから、▲433百万円となっており、本年度末資金残高は138百万円となっている現在、経常的な活動に係る経費を税収等の収入で賄えていないため、今後もこれまで以上に地方債の償還推進並びに計画的な新規発行などに努める。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が、類似団体平均を大きく下回っているが、道路や河川の敷地のうち取得価額が不明なものについては、備忘価額1円で評価していることによる影響が大きいと思われる。歳入額対資産比率については、類似団体平均を下回る結果となっているが、工作物減価償却累計額が増加している一方、国県等補助金収入及び基金取崩収入の減少等により上昇している。有形固定資産減価償却率については、昭和50年代に整備された大規模資産が多く、整備から40年近く経過しており更新時期を迎えているが、類似団体と同水準となっている。しかしながら、これらの公共施設等の老朽化に伴い上昇傾向にあるため、公共施設等総合管理計画並びに各個別計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

地方交付税の不足を補うため、特例的に発行している臨時財政対策債が40%を超えているものの、純資産比率は類似団体平均を下回っている。また、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率も、地方債残高の減少により下降しており、類似団体平均と比較し3.8ポイント高くなっているものの、下降傾向にある。今後も計画的な地方債発行を図るとともに、低利率の地方債への借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担軽減に引き続き努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を大きく下回っている。類似団体と比べて住民一人当たりのコストが、行財政改革の推進等により人件費、物件費等、補助金等、社会保障給付、他会計への繰出金等と総体的に低い傾向にあることが要因となっている。しかしながら、当町はスケールメリットを得られる可能性が低い小規模自治体であるため、後年度に向けて他の自治体との広域連携化の推進や行財政改革への取組みを通じた施策実施に引き続き努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っており、学校教育施設等整備事業に係る地方債の償還終了等や退職者による退職手当引当金の減少により、類似団体平均が上昇するなか大幅に下降している。基礎的財政収支は、業務活動収支(支払利息支出を除く)が業務収入が国県等補助金収入の減により減少したものの、それ以上に物件費等支出及び補助金等支出の減による業務支出の減少により大幅な黒字になったことに加え、投資活動収支(基金を除く)が公共施設等整備費支出の減により赤字幅が減少したことにより、結果的に大幅な黒字となっている。今後も将来負担等とのバランスを注視しながら、計画的な財政運営等に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は低くなっている。しかしながら、後年度を踏まえた公共施設等の使用料及び手数料の見直しを図るとともに、利活用向上に向けた取り組みを行い、受益者負担の適正化に努める。また、施設等の老朽化に伴い、今後、維持補修費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画及び各個別計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,