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地方財政ダッシュボード

北海道赤井川村の財政状況(2020年度)

🏠赤井川村

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

令和元年度財政力指数より0.03増加しており、3カ年平均における算入年度にて、平成29年度単年度財政力指数と比較し、令和2年度単年度財政力指数が0.076増加している。赤井川村の特徴として、基準財政収入額の約55%を、大型リゾート施設等の固定資産税が大きな比率を占めており、令和2年度基準財政収入額では、令和元年度と対比して、固定資産税収入額が33.7%増となったことなどから、収入総額32.2%増、基準財政需要額が地域社会再生事業費の皆増などにより、令和元年度対比3.8%増となったことが要因である。今後も継続的な行財政改革に沿った人件費の抑制、行政の効率化、使用料・手数料の見直し等を検討する一方で、滞納額の圧縮と税収の収納率向上に努め、投資的経費は必要事業の峻別を今後より一層徹底し、財政健全化に引き続き取り組む。

経常収支比率の分析欄

令和2年度では令和元年度対比11.2%増となり、全国平均、北海道平均及び類似団体内平均値と比較しても、赤井川村の経常収支比率が大きく悪化したと言える。主な要因としては、普通交付税並びにコロナ禍により地方税が減額したためであり、令和2年度における経常収入は令和元年度対比3.8%減となった。赤井川村の財政力指数から鑑みて、交付税が総収入の約34%を占める現状を念頭に、自主財源を確保し経常経費の抑制に努めるよう取り進める。今後においても職員の採用は退職者の補充を原則とするとともに、財務書類より有形固定資産減価償却率が6割程度であることを踏まえた公共施設等の長寿命化による適正管理及び事業の見直しを含め持続可能な事業への検討を進め、物件費の節減等によって、経常収支比率95%未満を目標とする。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

当該決算額は類似団体を大きく上回っているが、施設等の管理業務の大部分を民間に委託していることが大きな要因である。また、令和2年度決算額が令和元年度決算額より18.7%増となっているが、ふるさと納税の寄付額の増額(令和元年度対比約60%増)とともに、物件費も増額したと考えられる。平成29年度より住民サービスを保つための職員補充や民間委託等の財政構造によって、当該決算額は年々増加しているが、数値の改善に向け、委託業務そのものの意義や提供しているサービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づく公共施設の維持管理費等の見直しや一部施設においても指定管理者制度を継続し、より一層の歳出削減と行政の効率化に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

平成25年度から給与是正措置を実施し、国を下回ったものの類似団体より3.1%上回っている状況である。今後も中長期的な視点に立って、従前同様に職務職責に応じた給料体系、各種手当の見直しを行い、「集中改革プラン」に掲げたラスパイレス指数100を超えることが無いよう、また住民の理解が得られるよう給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数を類似団体と比較すると、職員数は多い状況にあるが、民生費・衛生費関係の専門職の複数配置や直営事業による要因が大きく、事業の見直しや効率的な職員配置等により、今後の職員採用においても退職者の補充を原則とした行政運営を継続し、住民サービスを低下させることなく、より適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

類似団体内平均を0.8%下回っているが、当該比率は増加傾向にある。しかしながら、平成30年度及び令和元年度償還額約2.4億円をピークに、令和2年度における当該比率は令和元年度対比1.9%減となった。今後も緊急性・住民ニーズを的確に把握した事業の選択や、交付税措置の見込まれる地方債の優先的な活用、借入条件の見直し等、償還額の平準化と実質公債費率の上昇を抑えるよう努める。

将来負担比率の分析欄

自主財源である税の収納率向上を図るとともに、地方債の新規・継続事業の実施について総点検を図り、公債費等義務的経費の削減を中心とした行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費にかかるものは、従前より類似団体平均と比べほぼ同水準以下で推移していたが、3年続けて類似団体平均より増となった。令和2年度においては、行政需要の多様化等に対応し、公務の能率的かつ適正な運営を推進するため、会計年度任用職員制度が設けられたことに加え、経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、当該費にかかる経常収支比率が令和元年度対比4.0%増となった。職員採用は退職者の補充を基本としているが、住民サービスを保つために人件費は平成29年度以降より自然増加の傾向となっている。今後も指定管理制度等を活用しながら、人件費の抑制を検討していく。

物件費の分析欄

物件費は類似団体平均と比較し、11.6%(令和元年度対比6.6%増)上回り、経常収支比率が高く、財政構造の弾力性の硬直化の要因となっている。なお、令和2年度では、令和元年度と比較し、除雪業務委託料等の増加に加え、経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、当該費にかかる経常収支比率が令和元年度対比4.8%増となった。施設等の維持管理業務を委託している財政構造が高止まりの要因でありながらも、遊休施設等の利活用の見直しを含め、より一層の経費節減を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費は類似団体平均と比較し、1.0%下回っており、比率はほぼ一定して推移している。経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、経常収支比率は令和元年度対比より0.2%増となった。今後も高齢化の進展などを見極め、財政を圧迫するような過度な施策(独自施策)は慎重に検討し、かつ住民サービスの低下を招かないよう努める。

その他の分析欄

その他の経費は類似団体平均と比較し、5.2%上回っている。令和2年度では、維持補修費が減額(令和元年度対比2.5%減)、一方で、繰出金が増額(令和元年度対比2.1%増)であったため、平成30年度からほぼ同水準である。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、事業全般の見直しに努め、繰出金の抑制や施設の長寿命化などによって、経費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等は類似団体平均と比較し、7.3%(令和元年度対比1.9%増)上回っている。平成29年度から令和元年度までは一部事組合等への負担金増が主な増加要因であったが、令和2年度では居宅介護支援事業所運営に対する補助事業を新たに始めたことに加え、経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、当該費にかかる経常収支比率が令和元年度対比1.8%増となった。今後も各種団体活動や各振興事業等の見直し、効率化を図りながら負担経費の抑制に可能な限り取り組み、改善に努める。

公債費の分析欄

公債費の償還が平成17年度をピークに過ぎたことから、公債費残高は年々減少傾向だったが、平成30年度と令和元年度においては過疎対策事業債等の元金償還が起因し、公債費が増加した。令和2年度では令和元年度より1.9%減であったが、経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、経常収支比率は令和元年度対比より0.3%増となった。今後、新規借入にあたっては、行政改革大網に基づき必要性・緊急性及び財源の見直しなど総合的な検討を行い、交付税措置等有利な起債を優先的に利用する。

公債費以外の分析欄

職員数、施設の維持管理業務等の民間委託、並びに他団体等への補助によって、赤井川村の経常収支比率は高止まり、また、既存の財政構造に加えて、会計年度任用職員制度への移行や経常収入が令和元年度対比3.8%減となったことで、類似団体平均を27.6%(令和元年度対比12%増)上回っている。今後においても行政改革大網に基づき必要性・緊急性及び財源の見直しなど総合的な検討を行い、投資的経費は必要事業の峻別を今後より一層徹底し、財政健全化に引き続き取り組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

議会費及び公債費を除き、新型コロナウイルス感染症対応施策費によって、令和元年度より目的別歳出決算額が増加した。特に、総務費(令和元年度対比76.9%増)では特別定額給付金給付事業やテレワーク環境整備事業等、商工費(令和元年度対比95.8%増)では雇用・事業継続支援事業や村内滞在型観光活性化支援事業等を行った。また、消防費(令和元年度対比43.5%増)では新型コロナウイルス感染症対応施策の他に、指定福祉避難所に緊急発電設備等を設置し、非常時に備えた設備を導入した。公債費については、歳出額が令和元年度対比1.8%減となっており、調査対象年度の1月1日現在の住民基本台帳に登録されている人口が1.3%減となったことにより、住民一人当たりのコストが令和元年度対比6.2%増となった。赤井川村を取り巻く環境は少子・高齢化、人口減少、景気低迷の長期化、安全・安心への意識の高まり、環境保全、再生エネルギーの時代到来、地方分権の進展、地方創生の時到来、さらには収束することの見えない新型コロナウイルス感染症など大きく変化しており、また、村内においては人口減少への対応や農業の振興と農村環境の保全や保健・医療・福祉の充実、公共交通の確保を重視する住民ニーズが強まっていることから、限られた財源を活用し、住民生活の向上を進めるために、対処しなければならない地域課題を選択し、財政規律を進める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体内平均値と比べて大きく乖離かつコスト増加率が顕著な性質別経費は、人件費(令和元年度対比21.7%増)、補助費等(令和元年度対比56.1%増)並びに物件費(前年度決算対比21.9%増)であった。増加の要因は、会計年度任用職員制度への移行、公共施設等の管理に伴う除排雪業務等の委託料及びコロナ禍における施策によるものが大きい。また、繰出金において、令和2年度より公営企業会計の法適用会計移行経費によって、令和元年度対比19.6%増となった。人件費の主な要因である職員数が人口千人当たりの職員数を類似団体平均と比較すると多い状況にあるが、新規採用は退職者の補充を原則とした行政運営を継続し、住民サービスを低下させることなく、より適正な定員管理に努めている。また、人件費抑制のため、物件費に区分される施設等の管理業務を民間に委託している。人件費と物件費を合わせて経常経費の約5割を占めている。今後においても公共施設等総合管理計画等に基づく公共施設等の長寿命化による維持管理費等の見直しや一部施設において指定管理者制度を継続しながら、より一層の歳出削減と行政の効率化に取り組むとともに、消費的性質の経費を要する事業そのものの意義や提供しているサービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証する。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は、実質収支額において、令和元年度対比797.5%増であったため、基準財政規模比が令和元年度対比3.05%増となった。加えて、財政調整基金を実質的に約30百万円を積立てることができたため、実質単年度収支も基準財政規模比が令和元年度対比5.66%増となった。主な要因は基金運用に伴うものであり、令和2年度経常収入は3.8%減であったことから、行財政運営全般から事業等の必要性・緊急性及び財源確保の見直しなど総合的な検討を行いながら、計画的に施策を実行し歳出の増加は極力避けるよう努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計及び特別会計ともに赤字となっていないものの、特別会計は利用料金等の他、一般会計からの繰入金により調整されており、今後も一般会計を圧迫しないよう収益に見合った事業運営及び適切な料金改定に努め、計画的な費用投資において効率性かつ安定性が高まるよう努力する。また、一般会計においても、事業等の必要性・緊急性及び財源の見直しなど総合的な検討を行いながら、計画的に施策を実行し歳出の増加は極力避けるよう努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

公共投資事業等の見直しにより、地方債の発行を抑制していたが、平成30年度並びに令和元年度において、公営住宅建設事業等により元利償還金・算入公債費等は増加していた。その後令和2年度にて義務教育施設整備事業等の償還が完了したため、元利償還金額が令和元年度より5百万円の減額となった。今後も緊急性・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、過度な負担となる事業や非効果的な施策とならないよう、効率的かつ安定的な事業の執行、かつ地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債の発行を抑制し、元利償還金は平成17年度をピークに減少傾向にあったが、平成26年度から平成29年度まで新たに公共施設整備(公共インフラ含む)事業(道路改良工事・村営住宅建替・体育館屋根改修等)により地方債の発行を行ったため、増加が続いた。平成30年度から令和2年度までは主に継続事業による地方債の発行に留まったため、地方債の償還額が発行額を上回ったことで地方債残高は減少した。将来負担額に対して充当可能額等が上回っている状態に変わりはない。ただし、地方債の発行を必要とする事業等は必要性・緊急性及び財源の見直しなど総合的な検討を行うとともに、有利な起債を優先的に利用するなど、負担軽減に努め、状況に応じて充当可基金の新規積立等を行うなど将来負担に備える。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)その他特定目的基金を148百万円及び減債基金を70百万円取り崩した一方で、財政調整基金を30百万円積み立てたことにより、基金全体としては188万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金は歳入補てん分のみ取り崩し、単年度歳出額の1割~1.2割以内を目安とし保有する。また、基金の使途の明確化による特定目的基金を積み立てていくことを予定している。

財政調整基金

(増減理由)積立による30百万円の増額。(今後の方針)単年度歳出額の1割~1.2割以内を目安とし保有する。

減債基金

(増減理由)取崩による70百万円の減額。(今後の方針)平成26年度から平成29年度まで地方債残高が増加傾向であったが、その後、地方債発行よりも地方債償還が多かったため、令和2年度まで減少した。推計では、地方債残高は減少傾向であるが、R3年度より再び地方債償還がピークを迎えるため、それに備えて毎年計画的に取崩と積立てを行う予定であり、新たな起債借入を行うことがなければ、R4年度以降は減少予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)□公共施設整備基金:公共施設の整備に必要な財源を確保し、及び財政の健全な運営に資するため。□敬老福祉基金:村の財政の健全な運営を図り、敬老福祉諸施策が円滑に運用されることを期するため。□農産物価格安定基金:農産物価格の適正な水準を確保していくため農産物価格安定対策事業を実施し、農業の健全な発展と農家所得の安定に資するため。□さくら・もみじ基金:さくらやもみじの植樹等を通じ、地域の特性を生かした良好な景観の形成及び村民の環境意識の向上に資するため。□畑地かんがい排水施設管理基金:畑地かんがい排水施設の維持管理を適正に行うため必要な財源を確保し、本村農業の健全な発展と、財政の健全な運営に資するため。(増減理由)□公共施設整備基金:基金の積み替え並びに公共施設整備事業に充てたため、149百万円の減額。有形固定資産減価償却率が約60%であるため、新規積み立てを要する。□さくら・もみじ基金:さくら・もみじの事業に必要な財源を充てたため2百万円の減。(今後の方針)□公共施設整備基金:有形固定資産減価償却率が約60%であるため、公共施設の整備に必要な財源を確保を他の特目基金より優先して積立てる予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体より6.7%高い水準であるため、施設等の老朽化等が懸念される。施策として、平成28年度に公共施設等総合管理計画、平成30年度に赤井川村学校長寿命化修繕計画等の長寿命化計画並びに令和2年度に個別施設計画を策定し、現状の施設等の適切な維持管理に努めている。今後の試算では、公共施設等総合管理計画によると2029年に公共施設の大規模改修費がピークとなるため、更新・統廃合・長寿命化等の計画の具体化と村づくりの合意形成を平行しながら、計画的に財政負担の軽減・平準化に取り組みたい。

債務償還比率の分析欄

平成29年度までに4カ年計画で公営住宅建替並びに過疎計画に基づく起債に伴い地方債現在高が増え(平成29地方債残高前年比4.5%増)、加えて、平成30年度には、災害対応や公共施設の改修等により、充当可能基金を取崩した結果、債務償還比率が下降していた。しかし、令和元年度においては、地方債現在高が平成30年度と比較し、4%減少したことで、債務償還比率が42.5%縮減したものの、令和2年度において、普通交付税等の経常一般財源が前年比較し、3.5%減少、充当可能基金の取崩によって、債務償還比率が大きく下降した。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

充当可能基金額、特定財源見込額並びに地方債現在高等に係る基準財政需要額見込額が将来負担額を上回っているため、将来負担額として0.0%であるが、有形固定資産減価償却率が増加傾向であるため、公共施設等総合管理計画並びに各種長寿命化計画に基づく資産管理運用を進めたい。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

充当可能基金額、特定財源見込額並びに地方債現在高等に係る基準財政需要額見込額が将来負担額を上回っているため、将来負担額として0.0%であるが、実質公債費比率は増加傾向である。起債においては、将来負担の平準化を念頭に、基準財政需要額への算入がある起債を中心に適債性を検討する。。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

平成28年度公共施設等総合管理計画に基づく分析を行うと、平成26年度より計画的に公営住宅の建替を行った結果、公営住宅の有形固定資産減価償却率は類似団体より平成28時点で15.7%低く、公営住宅長寿命化計画に基づき廃止と更新を行ってきた。一方で、道路並びに橋りょうについては、平成28年度以降一貫して類似団体平均を上回っており、特に、橋りょうは、平成25年度橋梁長寿命化修繕計画の試算によると、2033年は50年以上経過する橋りょうは全体の46%に及ぶため、有形固定資産減価償却率が高い水準である。今後も公共施設等総合管理計画並びに各種長寿命化計画によって財政負担の軽減・平準化を進めるため、施設の利活用実態や人口の推移等を加味し、将来負担額を見定め、計画と実績の検証のもと、資産運用管理に取り組みたい。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

平成28年度公共施設等総合管理計画に基づく分析を行うと、類似団体平均を上回っており、特に体育館・プール並びに庁舎において共通していることは、一人当たり面積が大きいことも有形固定資産減価償却率が高い水準であることの要因である。平成28年度公共施設等総合管理計画に基づく分析では、公共施設等にかかる将来費用の総額は平成28年度より40年間で約360億円と試算、建設時から35年にて大規模改修、70年経過で統廃合の検討を加えた長寿命化を見据えた場合では、同期間において約308億円でなり、約54億円の縮減となる試算である。長寿命化の基本方針として建設から40年以下の施設は小規模な改修工事や点検等を定期的に行うことによって、性能・機能を初期性能あるいは許容レベル以上を保存、建設後40年以上の公共施設を優先的に法定耐用年数を経過した時点で診断を行い、さらに使用可能であれば必要に応じて改修工事を行い長期使用し、コストを削減することを検討している。さらに、施設統廃合の推進方針として「新しく造ること」から「賢く使うこと」を基本認識のうえ、公共施設等の点検や劣化診断を計画的・効率的に行うことにより、維持管理費・修繕費を平準化し、建物にかかるトータルコストの縮減を図っていく。また、単純な面積縮減とすることなく、行政サービスとして必要な水準や機能や村民にとっての利便性を配慮しながら検討していく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が12,135百万円(前年度比△2.1%)となった。ただし、資産総額のうち有形固定資産の割合が約79%を占めており、これらの資産は将来の維持管理や更新に要する支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画を踏まえた個別の公共施設等のあり方を十分に検討し、各施設ごとの長寿命化計画に基づいた適正管理(集約化・複合化広域化等)に努める。水道事業会計等を合算した全体では、資産総額は13,941百万円(前年度比△2.9%)となった。上水道管、下水道管等のインフラ資産が計上されることにより、資産総額のうち有形固定資産の割合が約82%となり一般会計に比べ1,806百万円の増加となっている。公営企業の抜本的な改革の推進が求められているが、地方公共団体の事業主体としての位置づけが法定されていることや、人口減少に伴うサービス需要の減少、施設等の老朽化に伴う更新費用の増大が見込まれているため、使用料金の改定や適切な財源確保を行い事業の持続的経営に向けた対応策を検討する。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は2,671百万円となり、前年度比254百万円の増加(+10.5%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は1,936百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は735百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(1,487百万円)であり、純行政コストの約70%(前年度対比+4.1%)を占めている。委託料等の消費的性質の経費を要する事業そのものの意義や提供しているサービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づく公共施設等の適正管理(集約化・複合化・広域化等)により、経費の縮減に努める。全体では、水道使用料等を使用料及び手数料に計上しているため、コロナ禍によるインバウンド等の減少から、経常収益が前年比14百万円の減少となり、業務委託料や維持補修費を含む物件費等が167百万円の増加、総体として純行政コストは414百万円の増加となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(2,305百万円/前年度対比+27.3%)が純行政コスト(2,549百万円/前年度対比+12.3%)を下回っており、本年度差額が△244百万円となり、純資産残高は244百万円の減少となった。財源については前年度よりも国県等補助金及び寄附金等によって494百万円増加しているが、コロナ禍による地方税の減少等が影響し、基金の取り崩しを行ったため、投資その他の資産が60百万円減少(前年度対比-5.1%)した一方で、1年内償還予定地方債による流動負債は増加(前年度対比+8.4%)した。今後も各行政サービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証し、純行政コスト(特に物件費等)の経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、国民健康保険税や介護保険料により税収等の財源が168百万円の増加、純行政コストも142百万円の増加となったが、総体としては本年度差額109百万円の縮小につながり、純資産残高は394百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は△53百万円(物件費等支出前年度対比+240百万円)、投資活動収支は、159百万円(前年度対比397.5%/投資活動収入前年度対比+298百万円)となった。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから、△25百万円となっており、本年度末資金残高は、89百万円となった。今後の見通しでは、地方債の発行収入以外による投資活動に必要な資金を基金からの取り崩しによって補う状況となっているため、ふるさと納税(寄附金)を活用しながら、行財政改革を推進する必要がある。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料や手数料収入があることなどから、業務収入では一般会計等と比べて265百万円、業務支出も264百万円の増加となった。業務活動収支は△51百万円、投資活動収支は159百万円(一般会計等投資活動の縮小による)となったが、財務活動収支については、一般会計等と同様に、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから、△120百万円となっており、本年度末資金残高は89百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産総額については、類似団体平均よりも305.6万円多くなっており、資産総額のうち約79%を有形固定資産が占める。また、歳入額対資産比率では、類似団体平均と同程度である一方、有形固定資産減価償却率が67.6%と類似団体平均より高いため、資産の持続的な活用を計画的に検討・推進する必要がある。このようなことから、将来の維持管理・更新等の支出を伴うものと予測し得ることから、公共施設等総合管理計画を踏まえた個別の公共施設等の今後の在り方を十分に検討の上、令和2年度において個別施設ごとの長寿命化計画を策定するとともに、計画に基づく公共施設等の適正管理(集約化・複合化・広域化等)に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、平成28年度から令和元年度までの純資産変動の状況と同様に、純行政コストが税収等の財源を上回っており、純資産残高が減少となったが、令和2年度においては、寄附金の増額によって、純資産変動額は縮小(前年度対比△34.5%)となった。本村の主な行政コストとして、施設等の管理業務の大部分を民間委託していることによる物件費が大きい(純行政コストの約63%)ことが課題となっていると考えられる。このようなことから、寄附金に依存することなく、地方税の徴収業務の強化等による税収等の増加(前年度対比徴収率約△21.7%)の一方で、サービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証し、純行政コスト(特に物件費等)の経費の縮減・見直しに努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を85万円上回ったが、令和元年度との比較においては、移転費用が162百万円増加(新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金等)したことによって、住民一人当たり行政コストは令和元年度対比121.5%の増加となった。当村の主な行政コストとして高い割合を占める物件費については、公共施設の稼働割合に対する施設管理維持並びに管理委託料の純行政コスト高の現状にあり、今後の変革を要する。このようなことから、消費的性質の経費を要する事業(委託業務等)そのものの意義や提供しているサービス自体の必要性及び事業としての持続可能性について検証するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づく公共施設等の適正管理(集約化・複合化広域化等)によって、行政コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は、寄附金の増加(令和元年度対比+131百万円(+159.4%))はあったものの、新型コロナウイルス感染症対応等に伴い物件費及び補助金等の支出が増加したことにより業務活動収支が赤字となり、また、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから、投資活動収支についても赤字となったため、結果として△74百万円となった。このようなことから、地方債の交付税措置率とともに、新規事業については優先度の高いものに限定するなどにより、赤字分の縮減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均と同程度であるが、有形固定資産減価償却率が67.6%から想定し得るように、将来の維持管理・更新等の支出(維持補修費等)の増加が見込まれる。このようなことから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化・広域化等や長寿命化を検討していくことにより、経常費用の削減に努める。さらに、公共施設等の利用回数を上げるための取り組みを検討することで、受益者負担の見直しも一方で検討する必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,