経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、単年度収支が100%以上と黒字となっているが、今後更に更新投資等に充てる財源の確保等を効率的・計画的に行う。②累積欠損金比率についても0%と健全な経営となっているが、給水収益が減少傾向にある為、将来の見込みも踏まえた分析が必要である。③流動比率は、毎年100%を超えており、短期的な債務に対する支払能力を十分備えている。④企業債残高対給水収益比率は、毎年減少している。H26年度では、22.91%と低い数値となっている。平成8年度を最後に企業債を発行しておらず、自己資金調達の度合いが高いことを示している。⑤料金回収率は、給水に係る費用が、どの程度給水収益で賄えているかを表した指標であり、料金水準等を評価する指標である。平成26年度において、平均△2.59%の料金改定を行ったが、100%を超えており適切な料金収入が確保できている。しかし、更新費用の増加、給水収益の減少という厳しい財政状況を見据え、更なる効率的な経営を目指していく。⑥給水原価とは、有収水量1㎥あたりについて、どれだけの費用がかかっているかを表す指標である。毎年平均値を上回っている。今後は更新投資の平準化や維持管理費の効率化の充実を図る為、更なる経営努力を行う。⑦施設利用率は、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合であり、施設の利用状況や適正規模を判断する指標である。一般的に高い数値が望まれる。毎年度73%台と平均値を上回っているが、今後も施設の規模や能力の妥当性について研究し、効率性を高める。⑧有収率については、毎年度96%以上となっており、年間の総配水量に対して収入となった水量の割合が高いと言える。しかし、今後は、給水収益の減少(有効水量の減少)が予想される為、適切な更新計画を行い、効率的な漏水対策や事故や災害にも強靭で持続可能な水道施設作りを行い、有収率の高水準維持を図る。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、年々増加している。これは、数値が100%に近いほど、保有資産が法定耐用年数に近づいていることを示している。②管路経年化率については、2%台を推移している。法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示している。③管路更新率は、H25年度より徐々に高くなっているものの1%台と低い数値となっている。本市では、①~③の指標でも示されているように、施設の老朽化、管路の更新等の必要性が進んでいる。布設年数30年以上経過する送配水管延長が全体の総布設延長に対し約31%と多く、大規模な更新の時期を迎えています。そこで本市ではこのような更新事業に対し「沖縄市水道施設整備事業計画」を平成25年度に策定。平成27年度より順次計画的に実施している。また、この事業計画では、事故や災害等にも強靭で持続可能な水道を目指すべく管路の耐震化も十分考慮したものとなっている。今後は、中長期的な視点に立ち、更新需要や財政収支の見通しを立て、同事業を推進する。
全体総括
本市水道事業の経営は、1.経営の健全性・効率性から判断すると安定しているといえるが、2.老朽化の状況については、施設の老朽化に伴い更新事業が今後増加することを示している。今後ますます厳しくなると予想される財政状況、また、事故や災害への対策が強く叫ばれるなど、水道を取り巻く社会情勢・経済情勢も時代とともに大きく変化している。本市水道事業は、これまで以上に効率的かつ合理的な水道事業の運営が重要となる。