経営の健全性・効率性について
①例年、類似団体平均より常に高い水準で推移しており、経常収益の87%以上を給水収益で賄えている。経常収支は今のところ大きな問題はなく、今後もこの水準を維持することに努めていく。②累積欠損金は無い。③類似団体平均より常に高い水準で推移しているが、平成29年度は決算時における未払金の額が増加したことから、前年度と比較すると減少している。なお、平成26年度において前年度から大きく減少しているが、これは会計制度の改正によるものである。④繰上償還に係る借換えを除き、平成20年度以降新たな企業債の発行を行っていないため、企業債残高は毎年度減少している。そのことに伴い当該値も減少を続けており、類似団体と比較しても低い水準である。⑤例年120%前後であり、類似団体と比較しても高い水準で推移している。なお、近年は増加傾向となっているが、これは給水原価が減少傾向にあることが一因となっている。⑥例年109円程度であり、類似団体と比較しても低い水準で推移している。なお、近年は減少傾向となっているが、これは職員数削減を行ったこと等による営業費用の減少が一因となっている。⑦例年75%程度であり、類似団体平均よりも高い水準で推移していることから、比較的効率の良い施設利用が行われていると考えるが、配水量の増加が有収水量に結びついていない場合もあることから、その点に注意が必要である。⑧平成29年度は、前年度と比較して有収水量は増加したものの、それ以上に配水量も増加したため、前年度より低い値となった。本市の値は類似団体平均を下回る水準が続いているため、老朽管の更新等による漏水の防止等を行い、有収率の増加に努めたい。
老朽化の状況について
①類似団体平均をやや上回る水準で推移しており、年々増加傾向にあることから、施設の老朽化が進行している。②類似団体平均をやや下回る水準で推移しているものの、年々増加傾向にあることから、管路の老朽化が進行している。③当該値は各年度における既設管路の更新工事の執行状況に依存するため年度ごとの差異が大きく、平成29年度は前年度の繰越事業が多かったことにより、前年度と比較して高い値となっている。なお、平成25年度の値が特に大きいのは、消費税率改定を前にして工事等の年度内執行に努めたことが一因である。
全体総括
ほとんどの項目において類似団体平均を上回っており、比較的良好な経営状況であると考える。しかしながら有収率については、類似団体平均を下回る水準が続いていることから、当該値の改善は本市が抱える課題の一つとなっている。有収率の改善に向けて、冬季到来前の水道管破裂対策の周知等の漏水対策を講じるほか、老朽管対策として、毎年度の布設替工事や耐用年数の長い管種の採用等により、引き続き計画的な更新や長寿命化を図っていく必要がある。なお、平成28年度に霧島市新水道ビジョン(経営戦略)を策定しており、当該計画に基づき、今後も安全で安定した給水サービスの持続を目指していく。