経営の健全性・効率性について
手元資金を表わす流動比率が平成30年度に低下している理由は、平成31年3月に竣工した横瀬浄水場に関わる工事費等の未払金が発生、流動負債が例年より増大したためである。同じく横瀬浄水場の建設のため、借入金である企業債が大幅に増加し、償還金額、利息負担も大きくなっている。ただし、現在まで経常的な収入で経常的な支出を賄えている状況であるため、経常収支比率は良好である。また、企業債残高対給水収益については、今後、施設の更新事業や耐震化事業により、起債する予定ではあるが、起債残高の大半を占めている湯の川内浄水場等建設時の企業債の償還が満了時期をむかえつつあるため、今後は減少へ転じる見込である。横瀬浄水場の令和元年6月の供用開始に伴い、水量の変更や費用の見直し等を行い、1トン当たりの供給単価を、令和元年度より178円/m³から120円/m³に減額。これにより、令和元年度以降は、高かった経常収支比率140.82%が以前よりも下がる見込みである。同じく料金回収率も146.07%と高くなっているが、今回の供給単価の見直しに伴い、低下する見込である。
老朽化の状況について
送水管等の管路については、設置開始が平成3年度以降であるため耐用年数を超えたものはない。管路経年化率は0%。2つある浄水場のうち、横瀬浄水場は平成30年竣工であり最新。湯の川内浄水場や各市町の配水池の機械設備・電機設備(企業団分)は、設置から21年目を迎え耐用年数を過ぎており、更新を控える。令和2年度よりまず、配水池の電機設備等を順次更新予定である。併せて、湯の川内浄水場の耐震化も計画している。
全体総括
横瀬浄水場の供用開始により事業の拡大と経営の効率化が図られつつある。また、令和元年度の渇水時には、供給水量倍増と構成市町の協力により、水を求める市町へ円滑な融通も実施できた。今後も経費の抑制等を図りつつも、老朽化した設備の適時更新及び耐震化により安定経営と安定供給の両立を目指す。