経営の健全性・効率性について
③流動比率は26年度から会計基準が改正されたため、流動負債に企業債の償還額が含まれるようになった。そのため、流動比率が大幅に減少したものの、企業債の返済のための原資は、使用料収入や一般会計繰入金等により得るものであることから支払い能力は確保されている。④H25からH26にかけての企業債残高対事業規模比率の悪化は、一般会計負担金の算定方法を変えたことで負担金が減少したことに起因するものであり、従来の算定方法に置換えた場合、前2ヵ年と同水準となる。⑤経費回収率は、本来あるべき100%の水準を大きく下回っている。とりわけ、26年度は、資産減耗費が例年より多く計上されたため、一時的に悪化した。経費回収率が低位にも関わらず、経常収支比率が100%前後の水準にあることから、収益のうち使用料以外の収入の割合が高いと言える。⑥汚水処理原価は、26年度に資産減耗費が例年より多く計上されたことにより一時的に大幅に上昇したものの、従来は、類似団体の平均値を大きく下回っていることから効率的な処理がなされてきたと言える。しかし、経費回収率の水準の低さを勘案すれば、汚水処理に見合った使用料が確保できていないと言える。⑦施設利用率は、例年48%台で推移しているが、最大稼働率で見た場合90%を超えるため、適正な規模と判断できる。
老朽化の状況について
①漁業集落排水処理事業は建設改良事業が終わっていることから、今後は、年々償却率が上がっていくものの類似団体の平均と比べた場合、法定耐用年数の到来には比較的余裕がある。③漁業集落排水処理事業は、管渠事業をしていない。
全体総括
経常収支比率は例年100%で前後で推移し、累積欠損金比率も25年度以降解消していることから、経営状況は概ね良好である。しかし、経費回収率が100%未満であることを勘案すれば、総収益のうち使用料以外の収入の割合が高いと言える。また、26年度は例外として、汚水処理原価が、類似団体平均と比べても著しく低廉だったにもかかわらず、経費回収率が70%程度しかないため、今後は、使用料の見直し等により適正な使用料収入を確保していく取組みが必要である。