経営の健全性・効率性について
経常収支比率が過去5年間で100%を上回っており、安定的な黒字経営であると言えます。平成26年度に会計制度の見直しがあり、長期前受金戻入等の関係で経常収益が増加したため、経常収支比率が高くなっているが、水道料金収入は年々減少しています。債務残高については、ニュータウン開発に伴う多くの債務を着実に削減した結果、類似団体と比べてもかなり良好な数値であり、過剰な企業債に頼らず投資が行われていると言えます。給水原価については、類似団体と比べて高いが、コスト削減に取り組んだ結果、過去5年間で徐々に改善されています。毎年、漏水調査を継続的に実施し、漏水の早期発見につなげた結果、高い有収率を維持しており、施設の稼働が確実に収益につながっています。また、施設利用率についても類似団体を上回っており、施設の規模は過剰でないと言えます。しかし、給水人口の減少、節水意識の高まり、節水器具の増加等により配水量は減少傾向が続いています。
老朽化の状況について
比較的新しい管路の多い本市では、管路経年化率や管路更新率は類似団体と比べて低くなっています。しかし、水道施設については老朽化が進んでおり全体としての減価償却率は高くなっています。今後は耐震化も含めて更新の需要が増えていきます。
全体総括
経営状況については、ほとんどの指標で類似団体より良好であり、安定的な経営状態と言えます。しかし、過去5年間で比べると人口減少等の影響から配水量の低下、給水収益の減収につながっており、今後の経営状況は厳しいものと考えます。また、平成26年度に会計制度の見直しがあったため、経常収支比率等が改善されたように思えるが、実際は悪化しているため、今後は更なる費用の削減に努めていく必要があります。さらに、今後急激な老朽化を迎える施設管路など固定資産についても平成45年度ごろの11.5億円/年をピークに増加していくと考えられるため、平成30年までに経営戦略を策定し、計画的に更新していく必要があります。