経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、ここ数年、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上で推移している。また過去からの赤字額の累計を示す累積欠損金も0となっている。流動比率の増減については、施設の更新工事に伴うものであるが、いずれの年も100%を上回っており、短期的な支払能力が安定していることを示している。施設利用率については、台風による大雨の影響で原水濁度が上昇し、緩速ろ過方式のためろ過処理能力が低下したこと等が原因で例年と比較して減となったが、類似団体平均値と同じ60%台を維持している。以上のことから、経営を圧迫するような状況にはなく、給水にかかる費用も料金収入で賄えており、健全性、効率性ともに良好と言える。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、管路経年化率ともに類似団体平均値と比較して高くなっており、管路を含む償却資産の老朽化がかなり進んでいる状況である。用水供給事業は更新期間中に断水することができず、管路更新するのが困難であるため、資産の長寿命化等、更新にかわる検討が必要である。
全体総括
経営状況については、おおむね順調に推移していると判断できるが、有形固定資産減価償却率等を見ても、既に法定耐用年数を経過しているものが多くそのほとんどが修繕等による延命化を図っている状況であり、更に管路の更新計画も進めていかなければならない状況である。以上のことから、今後の経営においては、施設更新が大きな課題であり、多額の費用が見込まれるため、これまで以上に効率的な事業経営に努め、収支のバランスを図りながら、健全な水道事業を努めていく必要がある。現在、構成市との広域化検討を行っており、具体的な方針が決まっていないため、経営戦略の策定に取り組めない状況であるが、平成32年度末までには、広域化検討の具体的な方針を出す予定である。