経営の健全性・効率性について
平成26年度時点では、類似団体と比較して⑦施設利用率以外の項目では、概ね良好な数値となっている。③流動比率について、平成25年度から平成26年度で大幅に数値が低下しているが、これは会計制度の変更に伴うもので、類似団体の平均値も同様に低下している。平成26年度の⑦施設利用率について、類似団体の平均値と比較して、施設の効率性が1.83%低いということを表しており、年々低下傾向にあることから、近年の人口減少や節水機器の普及による配水量の減少に伴って低下していると考えられる。
老朽化の状況について
平成26年度決算時点で、②管路経年化率について2.21%類似団体平均値よりも高く、法定耐用年数を経過した管が多く残っていることを表している。また、近年類似団体の平均値の上昇よりも急激に、経年化率が上昇している。また③管路更新率について、年度毎にばらつきはあるが、平成26年度は類似団体と比較して0.13%更新率が低くなっている。なお、平成24年度に更新率が急激に上昇しているのは、集計方法についてシステムを使用した方法に変更し、従来の集計方法で把握できていなかったものを平成24年度に一括計上したためである。
全体総括
現状経営的には類似団体と比較しても良好な数値となっているが、管路の老朽化が急激に進んでおり、管路の更新率も高くない状況である。このまま管路の老朽化が進むと漏水等で有収率が下がる事が予想され、経常収支の悪化や給水原価の上昇を招きかねない。よって、経営面からも管路更新の必要性がある。しかし、管路更新また施設更新には多額の費用がかかるため、債務残高や料金水準の適切性、管路および施設更新時のダウンサイジングや廃止等も合わせて検討し、新たなアセットマネジメントや経営戦略を策定した上で、計画的に管路や施設の更新を進めていく。