経営の健全性・効率性について
平成26年度から新会計基準の適用による長期前受金戻入が増加したことから、平成25年度以前と比較して①経常収支比率・⑤料金回収率は上昇し、⑥給水原価は減少している。また、企業債が負債に計上されたことから、③流動比率が減少している。平成26年度において、類似団体と比較して、効率的な事業運営の観点では、①経常収支比率はやや高い水準にあり、⑦施設利用率・⑧有収率は十分に高い水準にある。また、⑥給水原価はやや低い水準に抑えられている。経営の健全性の観点では、類似団体と比較して、③流動比率はやや低い水準であり、これは新会計基準の適用により借入資本金を負債に計上したため負債が増加したことが要因であるが、100%を超えていることから、短期的な支払能力には問題がない。⑤料金回収率はやや低い水準にあり、これは累積利益剰余金を市民に還元するため平成22年度に平均改定率△17.7%の料金改定を行ったことから給水収益が減少したことが要因であるが、指標は100%を超えており、また事業資金は確保していることから、給水に係る費用を給水収益等で賄えていることを示している。他に、④企業債残高対給水収益比率については、類似団体と比較して十分に低い水準であることから、投資規模が給水収益水準と比較して過大なものになっていないことを示している。
老朽化の状況について
平成26年度において、類似団体と比較して、①有形固定資産償却率・②管路経年化率・③管路更新率とも低い水準である。①②は、水道管など資産の老朽化が進んでいないということを示している。また、①②の状況から③も低い水準で推移している。
全体総括
平成22年度に料金改定を行ったことから平成23年度から25年度において純損失を計上したものの、経年から平成26年度においても事業資金は確保していることから、経営の健全性・効率性に問題はない。しかし、料金改定の影響から事業資金が減少していくこと及び高度経済成長時に布設した水道管の更新時期を迎えることから(2-①・②が上昇する)、水道事業ビジョンの改定、水道施設更新計画の策定及び経営戦略の策定を行うことにより、経営の健全性・効率性を確保していくことが重要である。