経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、経常費用は減少したが、新型コロナウイルスの影響を踏まえた水道基本料金無料化に伴う一般会計からの繰入金が皆減し、経常収益の減少率が経常費用の減少率を上回ったことから、前年度より減少している。料金回収率については、令和2年度と比較して今年度は増加したが、これは前年度に水道基本料金無料化等により減少した給水収益が今年度増加したためである。しかしながら、令和元年度と比較すると、給水人口が減少し、それに伴って給水収益も減少していることから、料金回収率も水道基本料金無料化以前の数値まで回復していないのが現状である。有収率については、ここ数年で最も低い数値となった。管路経年化率が年々増加していることから耐用年数を過ぎた管路からの漏水が多発していることが考えられる。令和5年1月から水道料金を改定したことにより次年度は給水収益の増加が見込まれるが、昨今の燃料費高騰等により営業費用も増加することが予想される。今度の安定的な事業運営のため、増加傾向にある維持管理費等のコスト低減や有収率向上のための施設更新等、継続的な経営改善の取り組みを行っていく。
老朽化の状況について
管路経年化率について、ここ数年連続して数値が上昇し続けている。また類似団体平均値と比較しても数値が高くなっている。今後も耐用年数を超える管路が増えることから、管路更新のための更新投資を増やし、更新率を上げていく必要がある。しかし、今年度は令和2年度と比較して大きく管路更新率が低下した。令和2年度は大規模な工事が完了したことによる一時的な増加であるが、管路経年化率の改善のためにも、更新率の改善は必要不可欠である。更新等の財源確保や経営状況への影響等を踏まえ、更新方法を見直す等、投資計画に基づいた計画的な事業の推進を図っていく。
全体総括
安定的な水供給に向け、平成31年3月に見直しを行った経営戦略における投資計画を基に、水源・送配水系統の整備や基幹管路の耐震化等の大規模な建設改良投資や、施設・管路の維持管理費等を計画的かつ効率的に行っていく。また、そのような維持修繕・改築更新を行っていくための財源の確保及びコストの低減等で経営基盤の強化を図り、持続可能な事業運営に繋げていく。