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基準財政需要額は、社会保障関係費等について増加傾向が続いているものの、基準財政収入額は、地方消費税率の引上げに伴う地方消費税交付金の増額等により増加したことから、財政力指数は前年並となっている。指数は1.00を下回っているものの、類似団体内平均値を大きく上回っている。
経常収支比率は、扶助費などが増加したものの、地方税などの経常一般財源の増により前年度に比べて0.9ポイント下回り、99.3%となった。しかしながら、依然高い水準にあり財政構造は硬直化している。こうした状況の中、新たな行政需要や喫緊の課題などに対応するため、施策の推進に効果の薄い事業は見直し、より効果の高い事業に振り向け、行財政改革に取り組んでいる。特に、歳出の増または歳入の減に伴う新規・拡充事業を実施する際には、原則として、既存事務事業の廃止・見直しや歳入の確保を図ることなどにより、必要となる財源を確保し、持続可能で安定的な財政運営に努める。
人口一人あたり人件費・物件費等決算額は、人口は毎年増加しており、平成26年度は前年度から5,549人増加した。物件費も近年増加傾向にあり、平成26年度においては臨時福祉給付事業に係る経費が皆増したことなどにより対象経費も増加したため、2,199円増加した。
ラスパイレス指数が100.0を上回る103.5となっている要因は、本市人事委員会において平成21年度に-2.99%、平成22年度に-2.35%の勧告がなされ、国を大幅に上回る職員給与の引下げを行ったが、その際、勧告に従い、給料だけでなく地域手当をはじめとする諸手当も含めた給与全体の引下げを行ったため、ラスパイレス指数への反映がその引下げの一部のみであること等が考えられる。また、前年度よりも指数が2.4上がった要因は、本市において平成26年度をもって給料の削減措置(管理職員3~4%、一般職員2%)を終了したことや、採用・退職や経験年数階層の変動の影響を受けていることが考えられる。なお、平成28年4月から給与制度の総合的見直しを実施し、国に準じて地域手当の支給割合を引上げたことに伴い、給料水準の引下げを行っている。
平成25年度に策定した「平成26~28年度定員管理の方針」においては事務の集約化や施設のあり方の見直し、事務の委託化・嘱託化などにより職員数を見直すとともに、市民にとって必要度・重要度のより高い事務事業に重点的に職員を配置しているが、人口当たり職員数は類似団体内平均値を上回っている。これは高校をはじめとした市立教育機関数や、保育所をはじめとした直営福祉施設数の差が主な要因であると考えられる。当該方針の取組目標である平成25年度職員数に対し平成28年度当初までに公営企業を除き300人以上の純減を目指し、職員の適切な定員管理に努める。
類似団体内平均値と比べると1.8ポイント高く、前年度と比べると0.4ポイント増加している。これは、地方債の元利償還金が増加したこと及び地方交付税に算入される公債費等が減少したこと等による。今後も世代間の負担の公平に配慮しつつ、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な財政運営に努める。
類似団体内平均値と比べると21.5ポイント高く、前年度と比べると11.0ポイント減少している。これは、地方債現在高が減少したこと、地下鉄等の公営企業債等繰入見込額が減少したこと及び土地開発公社等の設立法人等の負債額等負担見込額が減少したこと等による。今後も世代間の負担の公平に配慮しつつ、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な財政運営に努める。
人件費については、定員管理計画に基づき、計画的に職員数の見直しなどを行っていることから、減少傾向にある。人件費に係る経常収支比率は、平成26年度については退職手当が減少したことなどにより、前年度に比べて0.8ポイント減少し、24.6%となった。しかし、次頁の人件費及び人件費に準ずる費用の人口1人当たりの歳出決算額及び人口1,000人当たりの職員数ともに、依然として類似団体内平均値を上回っている。その理由及び分析については、(3)市町村財政比較分析表の「定員管理の状況」分析欄を参照。
物件費に係る経常収支比率は11.2%で、前年度と比べて0.1ポイント増加したものの、類似団体内平均値と比べて低い水準を維持している。これは施設運営の効率化や光熱水費の削減などに努めてきた結果であると考えられる。
扶助費に係る経常収支比率は17.6%と類似団体内平均値と比べて高い水準にある。また、前年度と比べても、保育施策に係る経費や障害者福祉施策に係る経費の増などにより、0.6ポイント増加している。
その他の経費に係る経常収支比率は11.6%で、類似団体内平均値と比べて高い水準にあり、また、前年度から0.4ポイント増加している。これは義務的な性格が強い国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険等に対する繰出金が多額なためであると考えられる。
補助費等に係る経常収支比率は12.8%で、前年度から0.2ポイント減少したものの、類似団体内平均値と比べて高い水準にある。これは、公営企業などへの繰出しが多額になっていること及び名古屋港を管理する一部事務組合を設置し、負担金を支出していることが主な要因であると考えられる。
平成20年度以降、発行額が増加した臨時財政対策債などの償還が開始したことや、地方債現在高の圧縮の観点から借換を抑制したこと等により公債償還金が増加する傾向にあったものの、平成26年度は利率の低下に伴う利子支払額の減少等により前年度比で1.0ポイント減少し、類似団体内平均値をやや下回る水準で推移している。今後も地方債発行にあたり、実質公債費比率や地方債現在高等に注視しながら、将来世代に過度の負担を残さないように十分留意する必要がある。
公債費以外に係る経常収支比率は、77.8%と前年度から0.1ポイント増加している。平成23年度から26年度にかけてはほぼ同水準であるが、類似団体平均値と比べて高い水準にある。これは、人件費、扶助費、補助費等及びその他が類似団体内平均値と比べて高いためである。※人件費、扶助費、物件費、補助費等及びその他の分析欄を参照。
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