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地方税や県税交付金の増などにより基準財政収入額が増加傾向にあるものの、社会保障関係経費の増などにより基準財政需要額も増加傾向にあるため、財政力指数は前年度並となっている。指数は1.00を下回っているものの、類似団体内平均値を大きく上回っている。
経常収支比率は、臨時財政対策債が減少したものの、県税交付金などの増により前年度に比べて1.8ポイント下回り、97.5%となった。しかしながら、依然高い水準にあり財政構造は硬直化している。これは、少子高齢化社会の進展に伴い、扶助費や介護保険などへの繰出金の支出割合が高まっていることなど、社会構造の変化が主な要因であると考えられる。こうした状況の中、新たな行政需要や喫緊の課題などに対応するため、施策の推進に効果の薄い事業は見直し、より効果の高い事業に振り向けるなど、行財政改革に取り組み、必要となる財源を確保し、持続可能で安定的な財政運営に努める。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額は、平成26年度以降、物件費を主な要因として増加している。26年度以降の臨時福祉給付金の支給に係る事務費や、27年度においてはプレミアム付商品券発行事業に係る経費が皆増したことなどにより対象経費が増加したため、前年度と比べて2,195円増加した。なお本市において、人件費については、定員管理の方針に基づき、計画的に職員数の見直しなどを行っており、物件費等については、内部管理事務経費や施設の維持管理費を精査することなどにより、経費の削減に努めている。
近年、本市独自の給料削減措置の終了や採用・退職及び経験年数階層の変動の影響等からラスパイレス指数が100.0を上回っていたが、28年4月から給与制度の総合的見直しを実施し、国に準じて地域手当の支給割合を10%から15%へ引き上げたことに伴い、給料水準の引下げを行っていることからラスパイレス指数が100.0を下回っていると考えられる。
平成25年5月に策定した「平成26~28年度定員管理の方針」において事務の集約化や施設のあり方の見直し、事務の委託化・嘱託化等により職員数を見直し、必要度・重要度のより高い事務事業に重点的に職員を配置しているが、人口当たり職員数は類似団体内平均値を上回っている。これは高校等の市立教育機関数や、保育所等の直営福祉施設数の差が主な要因であると考えられる。同計画では25年度職員数に対し28年度当初までに公営企業を除き300人以上の純減を目指しており、27年度は116人の純減を行ったことにより、目標を達成した。今後は28年3月に策定した「平成29~31年度定員管理の方針」に基づき、28年度職員数に対し、100人程度の純減を目指し、継続して組織の簡素化、効率化を図り、職員の適切な定員管理に努める。
類似団体内平均値と比べると1.8ポイント高く、前年度と比べると0.3ポイント減少している。これは、地方債の元利償還金が減少したこと等によるものである。今後も世代間の負担の公平に配慮しつつ、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な財政運営に努める。
類似団体内平均値と比べると23.2ポイント高く、前年度と比べると6.5ポイント減少している。これは、焼却工場建設に係る債務負担行為に基づく支出予定額が増加したものの、地方債現在高が減少したこと、下水道等の公営企業債等繰入見込額が減少したこと及び土地開発公社等の設立法人等の負債額等負担見込額が減少したこと等による。今後も世代間の負担の公平に配慮しつつ、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な財政運営に努める。
人件費については、定員管理の方針に基づき、計画的に職員数の見直しなどを行っていることから、平成23年度から27年度まで減少している。人件費に係る経常収支比率は、平成27年度については退職手当が減少したことなどにより、前年度に比べて0.7ポイント減少し、23.9%となった。しかし、次頁の人件費及び人件費に準ずる費用の人口1人当たりの歳出決算額及び人口1,000人当たりの職員数ともに、依然として類似団体内平均値を上回っている。その理由及び分析については、(3)市町村財政比較分析表の「定員管理の状況」分析欄を参照。
物件費に係る経常収支比率は11.6%で、平成23年度から11.0%前後を推移している。27年度は前年度と比べて0.4ポイント増加したものの、類似団体内平均値と比べて低い水準を維持している。これは施設運営の効率化や光熱水費の削減などに努めてきた結果であると考えられる。
扶助費に係る経常収支比率は16.7%と類似団体内平均値と比べて高い水準にある。扶助費は障害福祉や児童福祉などにより平成27年度まで毎年増加していることから、26年度まで経常収支比率も高くなっていた。27年度は前年度と比べると、子どものための教育・保育給付などにより歳出は増加したが、子ども子育て支援新制度などの影響で充当される一般財源が減少したため、0.9ポイント減少している。
その他の経費に係る経常収支比率は11.7%で、義務的な性格が強い国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険等に対する繰出金が増加しているため、平成23年度から増加傾向にある。類似団体内平均値と比べると高い水準にあり、また、前年度から0.1ポイント増加している。これは国民健康保険等に対する繰出金が前年度と比較して増加したためであると考えられる。
補助費等に係る経常収支比率は2年連続12.8%で平成23年度からは1.0ポイント減少している。しかし、類似団体内平均値と比べて高い水準にあり、27年度から差はさらに拡大した。これは、公営企業などへの繰出しが多額になっていること及び名古屋港を管理する一部事務組合を設置し、負担金を支出していることが主な要因であると考えられる。
公債費に係る経常収支比率は20.8%で、類似団体内平均値と比べて低い水準を維持している。また、前年度から0.7ポイント減少しているが、これは、平成26年度以降、利率の低下に伴い利子支払額が減少したことが主な要因であると考えられる。今後も地方債発行にあたり、実質公債費比率や地方債現在高等に注視しながら、将来世代に過度の負担を残さないように十分留意する必要がある。
公債費以外に係る経常収支比率は、平成23年度から26年度にかけてはほぼ同水準であるが、27年度は県税交付金などの経常一般財源の増により76.7%と前年度から1.1ポイント減少している。しかし依然として、類似団体平均値と比べて高い水準にある。これは、人件費、扶助費、補助費等及びその他が類似団体内平均値と比べて高いためである。※人件費、扶助費、補助費等及びその他の分析欄を参照。
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