2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
市民の所得水準が高く、類似団体平均を上回る税収があるため、0.96となっており、近年横ばい傾向となっている。単年度の算定結果では、令和2年度0.980、令和3年度0.938、令和4年度0.961と、令和3年度に基準財政収入額が減となったことにより低下したことを除き、概ね安定的に推移しており、引き続き、税の徴収強化等により歳入の確保に努める。
人件費、物件費等の経常経費が増となったことにより、算定上の分子が約41億円増加した一方、地方税等が約40億円増となったものの、臨時財政対策債が約106億円減となったことにより、算定上の分母となる経常的な一般財源収入が約67億円減少したことにより、経常収支比率が3.1ポイント上昇した。今後も公債費や扶助費の増加が見込まれるため、引き続き、市税を始めとする自主財源の確保や事務事業の見直しによる経常経費の削減に努める。
情報システム整備・運用管理事業や新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る事務費等の増により、物件費が増加したほか、人件費も令和3年度決算を上回る数値であった。また、人口が7,107人増加したため(令和4.1.1-令和5.1.1比較)、人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は、類似団体の平均より下回っている状態になっている。今後も、適正な定員管理計画を進めるとともに、公民連携等の民間活力の活用の推進や、既存事業の更なる見直しによるコスト削減を図る。
指数が100を超え、類似団体と比較しても高い状態で推移している。職員構成の相違のほか、キャリア最終盤における給与水準の上昇の抑制が国や類似団体に比べて弱いこと等が要因と考える。本市では、平成28年度に実施した「給与制度の総合的見直し」により、給料表について国を上回る引下げを行うとともに、年功的な給与水準の抑制を図ったところであり、その効果をしっかりと検証し、引き続き市人事委員会勧告に基づく適正な給与水準の確保に努めていく。
令和4年3月に策定した「さいたま市定員管理計画」に基づき、市の最重要計画に位置付けられた個別事業の確実な実施や育児休業等職員の代替配置の推進、定年引上げへの対応等を行うため、令和3年度から4年度にかけて職員の増員を図っているところであるが、平均値を下回る状態となっている。今後も、将来にわたって持続可能な都市として成長・発展していくため、総人件費の抑制に配慮しつつ、「さいたま市定員管理計画」に基づき、業務量に応じた適正な職員数の確保に努めていく。
公債費の特定財源が約14億円増加したことにより、令和4年度単年度の実質公債費比率は6.29%となり、令和3年度単年度の比率(6.90%)よりは減となったが、3カ年平均から抜けた令和元年度の単年度の実質公債費比率(5.91%)を上回る数値であったため比率が若干上昇した。元利償還金に対する地方交付税措置のある有利な起債を活用するなど、今後も市債残高を見据えた普通建設事業費の平準化に努める。
標準税収入額等が増となった一方で、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額が減額し、算定上の分母である標準財政規模は39億円減額となったが、財政調整基金や公共施設マネジメント基金等の増額により、算定上の分子から差し引きされる充当可能財源額が79億円増額したことで、分子の減が分母の減を上回り、2.5%数値が改善した。今後もインフラ整備や施設の老朽化対策により将来負担額の増加が見込まれることから、普通建設事業の平準化を図り、財政の健全化に努める。
人口1人当たりの決算額は低い水準で推移しているが、経常収支比率は類似団体平均と比較して、高い水準となっている。これは人件費に占める支弁人件費の割合が類似団体に比べ低いことが要因と考える。今後も人件費の縮減に向け、業務の集約化・委託化を推進するとともに、働き方の見直しに資する取組を継続的に実施していく。
人件費の抑制及び事務の効率化のための業務の民間委託化や情報システム最適化の推進等により、委託料、賃借料等が類似団体平均と比較して高い水準で推移している。また、令和4年度はシステム標準化対応等や、新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施等により物件費の総額も増となった。今後も、指定管理者制度、PFI等の公民連携を推進するとともに、既存事業の見直しを行うことにより、コストの削減に努める。
比較的老年人口が少なく(令和2年国勢調査における65歳以上の人口、全国:28.6%、さいたま市:23.6%)、現役世代が多い等のため、類似団体平均を下回る比率である。しかしながら、障害福祉サービスの給付の増加や、特定教育・保育施設等の給付の増加により、扶助費は増加傾向である。今後も市民の健康づくりに取り組む施策を推進する等、将来的な医療費等の抑制を図る。
人口1人あたりの公営企業(法非適)等に対する繰出金が、類似団体と比較した場合、少額であるため、平均値より低い状況が続いている。しかし、少子高齢化に伴い後期高齢者医療事業特別会計等への繰出金が増加傾向であるため、負担の増大に備える必要がある。
類似団体と比較し、大規模な法適用公営企業会計(電車、バス等の交通事業等)を有していないため、公営企業に対する繰出金が比較的少額であることから、補助費等の比率が類似団体平均と比較し、低い状況が続いている。今後も各種補助金等について、成果指標を設定し、事業効果の検証を実施するなど、補助金支出の適正化を図る。
普通建設事業費の平準化を図ってきたことで、市債残高が類似団体の中で低く、償還額も低い水準となっている。令和4年度は、減税補てん債の償還金の減等により、前年度より総額が減となった。今後も後年度の公債費負担を踏まえながら、普通建設事業等の展開を進める。
類似団体と比較し、人口1人あたりの公債費が少ないことから、公債費以外の経費が相対的に大きくなっている。特に、障害福祉サービスの対象者数の増や子育て支援施策の拡大の影響による扶助費の増加などを背景に、経常的な経費が増加している。今後も既存事業について、PDCAサイクルに基づく見直し、優先順位付けを行い、限られた財源を効率的に活用できるよう努める。
(増減理由)前年度決算剰余金を「財政調整基金」に7,328百万円を積み立てた。また、公共施設の計画的な保全及び更新の資金に充てるため、「公共施設マネジメント基金」に5,000百万円を新たに積立てたこと等により、基金全体として11,295百万円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金は、財政の年度間調整を図るため、予算編成において財源不足が生じた場合、取崩しを行う。減債基金は、市債の償還に必要な財源に不足が生じた場合、取崩しを行う。市債の発行額が増加していく見込みであるため、決算剰余金が生じた場合等に積立てを行い、今後の公債費増加を踏まえて取崩しを行う。公共施設マネジメント基金は、公共施設の計画的な保全及び更新を行っていくことから、継続して積立てを行うとともに、必要な財源に充てるため、取崩しを行う。
(増減理由)前年度決算剰余金等で7,328百万円を積み立てたため基金残高が7,328百万円の増となった。(今後の方針)決算において剰余金が生じた場合には、地方財政法の規定に基づき、積立てを行う。また、財政の年度間調整を図るため、予算編成において財源不足が生じた場合、取崩しを行う。
(増減理由)市債の償還に必要な資金等として10百万円を取り崩したこと等により、基金残高が10百万円の減となった。(今後の方針)繰上償還に代わる措置として減債基金への積立てを実施した分については、平成30年度から令和6年度にかけて取り崩すことを予定している。また、市債発行額が増加していく見込みであるため、今後の公債費増額に備えて、決算剰余金が生じた場合などに積立てを行い、必要に応じて取崩しを行う。
(基金の使途)・庁舎整備基金:庁舎(本庁舎又は区役所庁舎)の整備に必要な経費への充当・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新に必要な経費への充当・合併振興基金(増減理由)・庁舎整備基金:庁舎整備に必要な経費の財源を確保するため、500百万円の積立てを行ったこと等により、基金残高が500万円の増となった。・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新を行うため、5,000百万円を積み立てたが、1,507百万円を取り崩したため、基金残高が3,493百万円の増となった。・合併振興基金:市民の連帯の強化や一体感の醸成、地域振興のための事業に係る経費に充てるため、135百万円取崩しを行った。(今後の方針)・庁舎整備基金:庁舎整備に必要な経費の財源を確保するため、継続して積立てを行う。・公共施設マネジメント基金:市の公共施設の計画的な保全及び更新に必要な経費の財源を確保するため、継続して積立てを行う。一方で、保全及び更新に必要な経費の財源に充てるため、取崩しを行う。・合併振興基金:毎年度の予算編成の中で、必要な経費に充当することを検討していく。
公共施設の多くが昭和40年代から50年代にかけて整備されているため、老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は、上昇傾向にあるものの、類似団体と比べると低い水準にある。本市では、個別施設計画を定め、計画的な改修・修繕を行うこととしており、市全体の財政状況の見通しを踏まえながら、公共施設マネジメントの推進していく必要がある。
類似団体平均よりも低い水準を維持できている。また、本市の令和3年度は良化している。国税収入の補正(地方交付税法定率分の増)に伴い、令和3年12月に普通交付税の再算定が行われた結果、地方交付税が増加したことにより、比率の算定における分母の経常一般財源等が増加し、また、公営企業等の地方債残高に対する繰出予定額が減少し、算定における分子の将来負担額が減少したで債務償還比率は良化している。
将来負担比率・有形固定資産減価償却率ともに類似団体平均を下回っており、類似団体の中では健全な財政状況を維持している。今年度の将来負担比率については、債務償還比率の分析欄にあるように将来負担額が減少したことにより良化が見られた。有形固定資産減価償却率の分析欄にあるように、今後、老朽化が見込まれる公共施設の計画的な改修・更新・廃統合等を引き続き行うことが必要であり、将来負担比率は増加していくことが見込まれるため、現役世代と将来世代の世代間負担を考慮していく必要がある。
将来負担比率・実質公債比率ともに類似団体平均を下回っており、類似団体の中では健全な財政状況を維持している。今年度の実質公債比率については、都市計画事業の財源として発行された地方債の償還額に充当した都市計画税が減少し、公債費等からの控除額が減少したことで悪化している。今後、老朽化が見込まれる公共施設の計画的な改修・更新・廃統合等を引き続き行うことが必要であり、地方債発行が増加するため、交付税措置のある地方債の活用を引き続き進めるとともに、類似団体の平均に近づいている実質公債費比率に注視していく必要がある。
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