経営の健全性・効率性について
単年度収支は類似団体と同様に赤字が続いている。料金回収率も低いが基金の繰入により、繰出基準を上回る補填には至っていない。給水原価は類似団体と比べても低いため適切な投資と考えるが、施設利用率の高さは有収率の低さも要因である。20ある簡易水道のなかでも5つの簡易水道の有収率が特に低いことが全体有収率の低さとなっている。5簡易水道は経年劣化による少量漏水箇所が数多く散在していると思われ、漏水個所の発見が困難であるとともに、修理により新たな漏水個所を生むという悪循環となっている。大規模な管路更新も財政的に厳しく、定期的な流量測定、漏水調査を強化し有収率の向上を目指したい。また、今後の人口減少等により効率性の低い施設が多くなってくると予想されるが、地理的条件により統廃合の難しい施設も多数あることから、有収率の向上が最大の課題だと考える。
老朽化の状況について
施設のほとんどが建設後20年以上経過しているため、管路・機器の更新に迫られている。水道ビジョンの更新計画に基づき更新を進めるとともに、漏水修理の強化により管路の延命化も図っていきたい。
全体総括
人口減少などにより給水収益が減るとともに、基金も年々減少していくなかで、老朽施設の更新や耐震化に取り組まなければならない。有収率の向上、料金改定、上水道事業との統合や民間委託活用による維持管理費の削減、ダウンサイジングを含めた効率的な投資、運営を心がける。