経営の健全性・効率性について
人口減少等を背景とした給水収益の逓減を鑑み、本市では、費用を抑制した予算策定を行っていることから、給水原価は類似団体平均対比で、抑制された水準を保っている。本市では、効率的な事業経営により、安定的な黒字が維持され、資本的収支の不足に対しても、十分な補てん財源が確保されていることから、企業債の返済が進み、企業債残高対給水収益比率は、年々低下している。施設利用率は概ね同水準で推移している。季節により需要に変動があるため、余裕を持った施設稼働を行っている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超過する管路が増加していることから、有形固定資産減価償却率や管路経年化率が上昇している。また、断層直下型地震への備えから、耐震化工事を優先して実施しているため、数値上の管路更新率は、管路更新基準に比べ、若干低めに推移している。今後、平成27年度に実施したアセットマネジメントの結果等に基づき、計画的な管路更新を図る。
全体総括
収益性や財務の健全性は良好であり、安定的な経営を維持している。人口動態やライフスタイルの変化により、継続的な給水収益の減少が見込まれることから、引き続き費用の抑制を図りながら、安定的収益確保と健全財政維持に努める。管路や施設については、老朽化が進む中で適正な更新投資を実施している。特に耐震化に係る取組みについては、平成31年度末に管路耐震化率33.4%、平成32年度末に浄水施設、配水施設耐震化率100%を目標に、引き続き計画に基づいた更新投資を行い、安定的な事業運営を図る。