経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を超え、累積欠損金比率は0%ですが、経費回収率が100%を下回っています。使用料で経費を回収できておらず、一般会計の繰入金で補てんしている状況にあります。流動比率は100%を上回っているため、短期的な債務に対する支払能力はあると言えます。減少傾向にある要因としては、企業債の元金償還金による流動負債の増加だと考えられますが、企業債残高対事業規模比率が減少傾向にあることから、企業債の償還は順調に進んでいると考えられます。汚水処理原価は減価償却費と支払利息が減少傾向にありますが、供用開始から20年が経過し、機械や建物の耐用年数を迎えているため、施設の劣化度を見ながら、適切なタイミングでの更新を行っていきます。施設利用率は人口減少や節水機器の普及等社会情勢の変化により、計画と現状にかい離が発生し、20%台を推移しており、処理能力に余剰が生じています。水洗化率は、増加傾向にあるものの、水洗化人口が40人程度であるため、人口変動の影響を受けやすい地域です。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は増加傾向にありますが、管渠については法定耐用年数を迎えていないため、管渠老朽化率は0%であり、管渠改善率も0%です。
全体総括
現状は概ね健全経営を維持していますが、供用開始から20年を超え、施設の更新費用や修繕費用の増加が懸念されます。地理的な条件から、統合をすることが難しい処理場であるため、今後も単独で稼働していく事が想定されますが、前述のとおり、水洗化人口が40人程度で使用料収入も限られますので、内部留保を活用しながら適切な施設の維持管理に努めていきます。