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指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和2年度における財政力指数(3か年平均)は類似団体との比較で0.36ポイント高い1.26となっており、昭和38年の最終交付以来57年連続で普通交付税の不交付団体となっている。令和2年度においては、保健衛生費の増等により分母である基準財政需要額が増加したものの、地方消費税交付金の増や法人事業税交付金の増等により分子となる基準財政収入額の増加が大きかったことから、単年度財政力指数は前年度から0.029増の1.260となった。3か年平均としては、算定から外れる平成29年度単年度指数が1.108と低い水準であったことから、前年度から0.051高いとなる1.26(1.264)となった。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
固定資産税や税交付金等の増により経常一般財源は増加しており、令和2年度は新型コロナウイルスの影響による通院控えなど医療費減により扶助費及び繰出金が減額となった結果、経常経費が減少したことから、経常収支比率は前年度と比較して5.8ポイントの減となった。なお、本市では、経常一般財源において年度間の振れ幅が大きい法人市民税の比率が比較的高く、経常収支比率に大きな影響を与える財政構造となっている。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和2年度は、人件費、物件費共に増となったことから、人口1人当たりの決算額としては、前年度と比べて5,792円の増となった。本市は、類似団体と比べて公共施設の数が多いことから、施設管理に係る委託料などの物件費が高くなる傾向がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数が下がった主な要因は、退職及び採用並びに年齢による階層変動に係る職員構成の変動である。今後も、近隣市の状況を踏まえながら、引き続き給与の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
類似団体の平均を0.03人下回っているが、厚木市定員管理方針に基づき、将来を見据え、計画的な職員採用等を行うことにより、適正な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
臨時財政対策債、公害防止事業債等の減により基準財政需要額算入公債費が大きく減じたものの、元利償還金及び公営企業への償還財源がともに減少したことから、分子全体として約2.6億円(-18.0%)の減となった。また、地方消費税交付金等の増により分母である標準財政規模は約24億円の増となったことから、単年度の実質公債費比率は、0.7ポイントの減となった。3箇年の平均においても、0.1ポイントの増となり、比率が減少傾向にある類似団体と同様の動きとなった。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
財政調整基金をはじめとする充当可能基金の増等により、将来負担を軽減する特定財源等は増加したものの、普通会計の地方債現在高の増により将来負担額自体が増加したことにより、分子としては約14億円の増となった。また、地方消費税交付金等の増により分母である標準財政規模は約24億円の増となったものの、分子の増加率の方が高かったため将来負担比率は0.8ポイントの増となり、比率が減少傾向にある類似団体とは逆の動きとなった。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
令和2年度は、会計年度任用職員制度への移行により人件費としては増額となっているが、地方消費税交付金など経常一般財源の増により、前年度と比べ0.1ポイントの減となった。
物件費
物件費の分析欄
令和2年度においては、地方消費税交付金の増等により経常一般財源が増加したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による児童館など各種施設の閉館や各種事業の中止などにより、維持管理に係る経費が大幅に減額となったことから、1.6ポイントの減となった。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は、年々増加する傾向にある。令和2年度においては、利用者増による障害者日中活動支援事業費など社会福祉関係事業費は増額となっている一方、児童扶養手当給付事業費や子ども医療費助成事業費について児童数の減や通院控えなどの影響により児童福祉関係事業費は減額となり、扶助費全体として減となったことから、2.4ポイントの減となった。
その他
その他の分析欄
繰出金について、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計に対する額は増加したものの、令和2年度から企業会計へ移行した公共下水道事業会計に対する額が皆減となった影響から、その他経費全体として1.1ポイントの減となった。
補助費等
補助費等の分析欄
分母となる経常一般財源総額は増額となったものの、令和2年度から公共下水道事業会計が企業会計へ移行したことなどから、分子となる補助費が約5億円増となったため、0.7ポイントの増となった。
公債費
公債費の分析欄
令和2年度においては、地方消費税交付金の増等により経常一般財源が増加したことに加え、臨時財政対策債の一部償還完了や利率見直し、また、ぼうさいの丘公園建設事業、減税補填債等の償還が完了となったことから、1.3ポイントの減となった。
公債費以外
公債費以外の分析欄
令和2年度においては、補助費等が増額となったものの、地方消費税交付金の増等により経常一般財源が増加したことに加え、扶助費や物件費等が大幅に減額となったことから、前年度と比較して4.5ポイントの減となった。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
・総務費については、類似団体よりも高い水準にある年度が多かったが、ここ数年好調であった市内企業の法人市民税を原資として財政調整基金積立金及び庁舎建設等基金積立金の積立てを行っていたことが主な理由である。なお、令和2年度においては特別定額給付金給付事業費により大幅な増額となっている。・労働費及び商工費については、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業や学生等を支援するため、中小企業応援交付金や学生就労等支援補助金を交付したことにより大幅な増となっている。・衛生費については、令和元年度に大きく増となっているが、これは市立病院の経営安定化を図るため、市の一般会計から出資したことによるものであり、令和2年度については一般廃棄物処理施設等建設基金の積立てを行ったことによる。・土木費については、本厚木駅南口再開発事業や土地区画整理その他の社会資本整備に関する事業(市街地再開発事業、都市計画道路の整備等)を進めているため、近年は類似団体と比較して高い水準となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
・投資及び出資金については、令和元年度において大幅増となっているが、これは市立病院の経営安定化を図るため、市の一般会計から出資したことによるものである。また、令和2年度から公共下水道事業が企業会計へ移行したことから、平年よりも高い水準となっている。・補助費等については、令和2年度において特別定額給付金の給付により大幅な増となっているほか、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業に対する中小企業応援交付金など独自の交付金を交付したことにより大幅増となっている。・人件費については、退職者数の減に伴い退職手当が減となったものの、令和2年度から会計年度任用職員制度に移行したことにより、例年よりも高い水準となっている。・本市の特徴として、物件費について、類似団体と比較して高いコストで推移しているが、公民館、児童館、老人憩の家など管理すべき公共施設の数により、施設等管理運営委託をはじめとする委託料が多いことなどが挙げられる。・本市は歳入に占める法人市民税収の割合が高く、また交付税の不交付団体であることから、景気動向や企業業績に応じて歳入総額が大きく変動するリスクを負っており、年度間の歳入不均衡を調整するため、財政調整基金の残高を確保するよう努めているところである。市内企業の好調な業績による法人市民税の増収や、ふるさと納税の増収などを、将来に備えて財政調整基金積立金、庁舎建設等基金積立金等に積極的に積み立てたことから、近年は類似他団体と比較して高い水準となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄前年度と比較して実質収支比率は、1.69ポイントの増となった。これは、分母である標準財政規模が増加したものの、分子となる実質収支の額が大幅に増加したことによるものである。実質単年度収支比率については、単年度収支が令和元年度より増加したことに加え、基金の積み増し額(積立額-取崩額)が前年度より大幅に増加したことにより、3.12ポイントの増となっている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄一般会計については、分子である実質収支が増加したため、1.69ポイント増加して9.06%となった。病院事業会計については、平成30年度において資金不足比率算定上の資金不足が生じていたが、令和元年度において、病院の経営安定化を図るため、市の一般会計から約23億円の出資を受けたため、資金不足が解消し、令和2年度においては新型コロナウイルス感染症の対応により2.96ポイントの改善が見られ5.05%となった。介護保険事業については、実質収支が減少した影響により、0.53ポイントの減となった。公共下水道事業会計については、令和2年度に企業会計へ移行したものである。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄分子の要因としては、公債費において公共用地特会の元利償還金及び公営企業(下水道分)への償還財源は増加しているものの、一般会計の元利償還金及び公営企業会計(病院分)への償還財源が減じているため、約2.9億円の減となった。また、公債費を軽減する特定財源等については、用地国債取得用地売払収入等が増となったものの、臨時財政対策債、公害防止事業債等の減により基準財政需要額算入公債費が減じたことから、分子全体として約2.6億円(-18.0%)の減となった。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債については、平成14年度から平成17年度に発行しており、発行額の30分1を毎年度の減債基金積立金積立相当額としている。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄分子の要因のうち将来負担分については、普通会計及び公営企業債繰入額の地方債現在高が増加しているのに加え、環境施設組合の償還額への負担金が皆増となった。退職手当負担見込み額は、職員数が会計年度任用職員の皆増(+87人)により総数は増えたが、会計年度任用職員を除く一般会計職員数は減となり、額としては減少した。一方、将来負担を軽減する特定財源等については、財政調整基金、一般廃棄物処理施設建設基金等が増加し、充当可能特定歳入についても、都市計画事業に係る地方債の現在高等の増加に伴う都市計画税充当見込額の増により増加した。基準財政需要算入額については、下水に係る算入額が増加したものの、臨財債などの公債費が減少した効果が上回り減少した。分子全体としては約14.0億円の増となった。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金に約15.9億円、一般廃棄物処理施設建設基金に約11億円、庁舎建設等基金に約7.5億円を積み立てたことなどから、令和2年度末残高は前年度と比べて約34.7億円の増となった。(今後の方針)普通交付税の不交付団体である本市においては、社会情勢等による税収の増減が、直接予算に影響を与えることや、税還付や、国の制度改正等の突発的な事項へ備えなければならないため、計画的な積み立てが必要である。また、今後は、庁舎建設など大型プロジェクトが多く予定されていることから、計画的に活用していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和2年度においては、約46.2億円を積み立て、約30.3億円を取り崩した結果、年度末残高は前年度と比較して15.9億円増の約153億円となった。積立額の46.2億円については、前年度から引き続き、市内企業の業績好調による法人市民税収の上振れ分等を主な原資として積み立てたものである。なお、取崩額の30.3億円については、法人市民税還付準備分としての約17.7憶円、ふるさと納税寄附金の事業等充当分としての約12.6億円である。(今後の方針)普通交付税の不交付団体である本市においては、社会情勢等による税収の増減が、直接予算に影響を与えることや、税還付や、国の制度改正等の突発的な事項へ備えなければならないため、計画的な積み立てが必要である。
減債基金
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・庁舎建設等基金:市庁舎の建設又は改修に必要な経費に充てるため・一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設建設に必要な経費に充てるため・社会福祉基金:社会福祉の向上を図るため・みどりの基金:緑の保全及び緑化の推進を図るため・久保奨学金基金:経済的な理由により修学等が困難な者に対し奨学金を支給するため(増減理由)・一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設建設に向けて、11億円を積み立てたことにより増となった。・庁舎建設等基金:市庁舎の建設に向けて、約7.5億円を積み立てたことにより増となった。(今後の方針)庁舎建設等基金及び一般廃棄物処理施設建設基金については、資金需要のタイミングを計りながら計画的に運用をしていく。他の特定目的基金については、寄附による積み立てや今後の都市基盤整備など必要な場合には積み立てを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
分母となる有形固定資産額が前年度と比べ2,790百万円のプラスとなったのに対して、分子となる有形固定資産減価償却累計額は、4,010百万円のプラスとなったため、有形固定資産減価償却率は0.8ポイントの増となった。全国平均とほぼ同水準であるが、平成26年度に策定した厚木市公共施設最適化基本計画に基づき、長期的な視点で公共施設等の更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行っているところである。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
前年度に比べ経常一般財源等の歳入が増加し、経常経費充当財源等の減少に伴い、分母全体が増加し、分子となる地方債現在高の増加によって将来負担額が増加したものの、分母の増が分子の増を上回ったことから、債務償還比率は、前年度から78.1ポイントの減となった。今後は、大規模な投資事業が予定されており、将来負担を考慮し、計画的な地方債の借入を活用し、事業を実施していく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は、地方債現在高の増などにより将来負担額が増加し、標準財政規模が増加したものの、前年度に比べ0.8ポイントの増となった。また、有形固定資産減価償却率については、、公共施設の老朽化等により、増加となっている。平成26年度に策定した厚木市公共施設最適化基本計画に基づき、更新、統廃合、長寿命化などを計画的に進め、将来負担と公共施設の最適化のバランスを図っていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は、類似団体と比較して低い水準にあるものの、将来負担比率は高い傾向にある。普通交付税不交付団体である当市は、自主自立した財政運営を行い、独自の取り組みも多い結果であるが、景気変動や企業業績等により経常一般財源総額に大きな影響を受けるため、今後予定されている、大規模な投資事業の執行に際しても、これまで同様に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高い施設としては、保育所、児童館であり、特に低い施設は橋りょう・トンネル及び公営住宅である。保育所については、4施設全てが築年数40年以上経過した施設となっている。児童館については、38館のうち、20館が昭和40年代から昭和50年代に建設された木造児童館である。老朽化が進んでいる施設については、厚木市公共施設最適化基本計画に基づき計画的な管理を実施していく。橋りょうについては、平成23年度に、既存の橋梁のうち188橋に対する維持管理費用の縮減と予算の平準化、地域道路網の安全性、信頼性を確保することを目的とした「橋梁長寿命化修繕計画」を策定し,計画的な改修を行っているところである。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高い施設としては、庁舎、図書館、市民会館、一般廃棄物処理施設である。庁舎については、本庁舎は昭和46年に建設、図書館は、昭和59年に建設された施設であるが、令和元年度に図書館、(仮称)未来館、市庁舎、消防本部及び国県の行政機関等からなる複合施設並びにその周辺環境の整備に向けた基本的な考え方を整理した「厚木市複合施設等整備基本計画」を策定した。市民会館(文化会館)は、昭和53年に建設された施設であり、「厚木市公共建築物の維持管理計画作成ガイドライン」に沿って、計画的に予防保全工事や建築設備の改修を実施し、施設の長寿命化を図っている。一般廃棄物処理施設(環境センター)は、稼働から20年以上経過している施設であり、「厚木愛甲ごみ処理広域化実施計画」に基づき、新ごみ中間処理施設の整備を進めている。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等の資産総額について、令和2年度と令和元年度を比較すると、堅調な税収を背景に、財政調整基金などの流動資産が約25億4千万円(195億5千3百万円から220億9千3百万円)増加したことなどから、前年比約51億3千9百万円(3,145億4千3百万円から3,196億8千2百万円)の増加となった。負債総額は地方債残高が道路新設改良事業債、酒井土地区画整理推進事業債、中学校整備事業債等の増加となったことから、前年比約29億4千6百万円(692億9千1百万円から722億3千7百万円)の増加となった。現在、厚木市は市街地再開発や企業誘致に向けた土地区画整理事業、計画的な公共施設の長寿命化事業など、未来への投資を積極的に進めているが、これらにより、将来的な税収増や資産老朽化比率の低下は見込めるものの、そのために借り入れた地方債の償還が将来世代への負担へつながることから、この双方のバランスを勘案しつつ、今後の財政需要に備えるための財源確保や、財政負担の軽減・平準化を図る必要がある。
2.行政コストの状況
一般会計等について、令和2年度と令和元年度を比較すると、経常費用は物件費や特別定額給付金給付事業費補助金、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの補助金等の増により、前年比約278億7千9百万円(768億1千6百万円から1,046億9千5百万円)の増加(+36.3%)となった。受益者負担等に伴う経常収益は約1億8千4百万円(36億5千2百万円から38億3千6百万円)の増加となった。税収等で賄われる純経常行政コスト(収益一費用の差額)は、約1,008億5千9百万円で前年比約276億9千5百万円の増加(+37.9%)となった。(※この数値に臨時損失と臨時利益の差額を加えた純行政コストは約1,008億7千2百万円)今後、更なる増大が確実に見込まれる社会保障経費や施設の維持補修に係る物件費等の財源をいかに確保していくかが課題となっている。全体では、国民健康保険特別会計事業などの負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が約305億円多くなり、経常費用も一般会計と比べて約478億円の増となっている。経常収益を差し引いた純経常行政コストは、一般会計等と比べて、約365億円の増となっている(純行政コストは約366億円の増)。連結では、連結対象の6団体の事業収支を計上した結果、全体会計と比べ経常収益は、約4億8千万円の増であるのに対し、経常費用は約161億円の増となっている。その結果、全体会計と比べ、純経常行政コスト・純行政コストともに約156億円の増となっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、令和2年度と令和元年度を比較すると、純資産(財源)は、堅調に税収(約577億4千7百万円)が推移し、特別定額給付金給付事業費補助金、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等に伴う国庫補助金の増により、前年比約274億3千3百万円の増となった。税収等の財源(約1,030億円)が純行政コスト(約1,009億円)を上回っている結果、純資産の上積み分(純資産変動額)は約21億円となっている。全体では、特別会計の保険料等が税収等に含まれることから、財源が約381億円多くなっている。また、本年度純資産変動額は約20億円の増となり、純資産残高は約2,653億円となった。連結では、神奈川県後期広域高齢者医療広域連合への国県補助金等が財源に含まれることから、全体会計に比べて財源が約166億円多くなっている。また、純資産変動額は約38億円の増となり、純資産残高は約2,678億円となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、令和2年度と令和元年度を比較すると、業務活動収支については、堅調な税収等を背景に約1億円増加(+2.0%)し、約71億円の黒字となった。投資活動収支は約95億円の赤字となり、前年比約6億4千万円の増加となっが、これは本厚木南口地区市街地再開発事業などの定住促進や、酒井土地区画整理事業、厚木環状3号線(第2工区)街路整備事業費など、本市が将来にわたって持続可能な財政運営のために必要な社会資本整備を行ったことや、税収の上振れ分を財政調整基金や庁舎整備基金などに積み立て、将来の市民サービスに備えたことによる。財務活動収支については、地方債の発行収入が地方債償還額を34億円上回ったことにより、前年比約11億4千1百万円の増加となったが、これは市街地整備等に係る負担の世代間のバランスも考慮し、地方債を有効活用したためである。今後も、将来負担も考慮しながら、事業を進める必要がある。全体では、業務活動収支が約116億円の黒字となったほか、連結では、対象6団体の業務活動収支は約7億円の黒字、投資活動収支は約1億2千万円の赤字となっている。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、令和2年度において、142万9千円であり、前年に比べて2万7千円増加している。歳入額対資産比率は、2.55であり、前年に比べて0.73%減少し、類似団体平均を下回っている状況である。有形固定資産原価償却率は、令和2年度で、61.8%であり、前年に比べて0.9%増加し、類似団体平均とほぼ同水準で推移している。厚木市では公共施設等のより効率的かつ効果的な維持管理・運営方法及び適正配置を行うことを目的に、平成26年度に「公共施設最適化基本計画」を策定しました。また、基本計画に定める施設については、「公共施設個別基本計画」に基づき、令和3年度から令和36年度までの34年間今の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組んでいる。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、令和2年度において、77.4%であり、前年に比べて0.6%減少しているが、類似団体平均を上回っている状況である。税収等の財源が純行政コストを上回っていることから純資産が増加している。純資産の増加は、過去及び現役世代が負担することで、将来世代への負担を先送りすることなく、利用可能な資産を残すことになる。将来世代負担比率は、令和2年度において、17.8%であり、前年に比べて、1.6%増加しており、類似団体平均を上回っている状況である。地方債残高が増加することにより、有形固定資産などの社会資本等に対して、財源のうち将来の償還等が必要な負債が増加することから、新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えなどを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担減少に努める必要がある。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、令和2年度において、45.1%であり、前年に比べて11%増加し、類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち59%を占める移転費用が、増加しており、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。今後は、公共施設の長寿命化事業に伴う将来負担と維持補修費による行政コストとのバランスに留意する必要がある。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、令和2年度において、32.3%であり、前年に比べて1.4%増加しているが、類似団体平均を下回っている状況である。地方債の発行額が償還額を上回ったためであり、固定負債の増額により、負債額が増加している。基礎的財政収支は、令和2年度において、業務活動収支が7,402百万円で黒字であり、投資活動収支が6,020百万円の赤字となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公共施設等の整備を行ったためであるが、業務活動収支で黒字分を地方債を発行することで、積極的に投資を行っている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、平成2年度において、3.7%であり、前年に比べて1.1%減少しているが、類似団体を上回っている状況である。その要因としては、類似団体と比較して多くの公共施設を有しており、総額として使用料及び手数料が多いことが挙げられ、施設の維持管理費とのバランスを考慮しつつ、受益者負担の適正化に努めていく必要がある。
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