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平成29年度は前年・前々年度と同水準の0.95ポイントでした。その主な要因としては、土地の価格の上昇等による固定資産税収の増などから市税全体としては増収であったが、市民文化会館等の老朽化した施設改修として普通建設事業費や生活保護費等の扶助費も増となっていることが挙げられる。今後も少子高齢化により扶助費の伸びが見込まれるため、市税徴収率向上等の歳入確保対策に努める。
平成29年度は、税収増等により経常一般財源が約12億8千万円増加したことが、物件費約7億2千万円、公債費約1億3千万円の増等を上回ったことより、前年度と比べ1.3ポイント改善し97.0%となった。今後も、少子高齢化により扶助費の伸びが見込まれるため、市税徴収率向上等の歳入確保対策に努めるとともに事務事業の見直しを行い、経常経費の削減に引き続き取り組んでいく。
平成29年度の人口一人あたりの決算額は、96,997円で類似団体平均値を下回った。これは人件費の総額抑制に取り組んでいることや、物件費、維持補修費の抑制に努めていることによる。今後も人件費の抑制に努めながら、経常的経費の見直し等で歳出削減を徹底し、適制度を維持していく。
高位号給の職員が退職したこと、昇給時期を4月1日から1月1日に変更したことによる昇給号給数抑制によって前年度より数値が減少した。今後も引き続き給与の適正化に努める。
喫緊の行政課題や多様なニーズに対応するため、職員数は増加しているものの、類似団体平均値とほぼ同等となっている。引き続き適正な定員管理に努める。
平成29年度は前年度の0.4%から0.1ポイント悪化し0.5%となったが、早期健全化基準の25%を大きく下回った。その主な要因としては、公債費に準ずる債務負担行為に係るものの増などによる単年度の実質公債費比率の増加が挙げられる。今後は、老朽化する公共施設の整備・再編にあたり、基金の取崩しや地方債の発行が増加することが見込まれるが、各財政指標に留意しつつ、財政の健全性を維持していく。
平成29年度は前年度の44.5%から9.8ポイント改善し34.7%となったが、早期健全化基準の350%を大幅に下回った。その主な要因としては地方債現在高の増があるものの、債務負担行為に基づく支出予定額や公営企業債等繰入見込額などが減少したことが挙げられる。今後は、引き続き老朽化する公共施設の整備・再編にあたり、基金の取崩しや地方債の発行が増加することが見込まれるが、各財政指標に留意しつつ、財政の健全性を維持していく。
人件費に係る経常収支比率は、職員給与費増により前年度と比べ1.1ポイント改善したものの、類似団体平均値と比べ7.5ポイント上回り31.8%となった。今後も人件費の抑制に努めながら、公営企業に対する繰出金の精査・見直しを進める。
物件費にかかる経常収支比率は、平成21年度までは類似団体平均値と同水準で推移してきたが、平成22年度より悪化してきた。平成29年度においては、1.2ポイント悪化し17.4%となり、類似団体平均値を1.0ポイント上回った。その主な要因としては、庁舎維持管理経費や情報課管理経費が増となったことなどが挙げられる。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均値を0.7ポイント下回る13.1%となった。その主な要因としては、児童手当の減等により、扶助費にしめる経常経費が減となっているためである。今後も資格審査等の適正化や自立を促すための支援事業などの充実を図り、財政の健全化に努めていく。
補助費等にかかる経常収支比率は、前年度と比べ0.6ポイント改善しているが、類似団体平均値と比べ2.8ポイント上回っている。前年度比減となったとしては、焼却炉の修繕経費の減などがあった。各補助金についても、公共性、公益性、有効性を精査し、過去に見直しを行ったが、今後も補助金の必要性を検証していく。
公債費にかかる経常収支比率は、臨時財政対策債の減により、前年度と同水準の10.4となっており、類似団体平均値と比べ4.3ポイント下回った。今後は、老朽化する公共施設の整備・再編等により、地方債の発行が一時的に増加するため、財政の健全化を保ちながら、計画的な地方債の発行に努める。
公債費以外にかかる経常収支比率は、前年度と比べ1.3ポイント改善しているが、類似団体平均値を9.0ポイント上回っている。今後も扶助費等における資格審査等の適正化や自立を促すための支援事業などの充実を図り、財政の健全化に努めていく。
(増減理由)・公共施設老朽化対策のため、「公共施設等再編整備基金」に約5億円積み立てた一方、焼却処理施設基幹的設備改良工事に伴い「ごみ減量化・資源化基金」を約7千4百万円取り崩した。(今後の方針)・施設の老朽化対策のため、「公共施設等債変整備基金」を積み立て活用していくことを予定している。
(増減理由)・基金利子を積み立て、取崩しは無し。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%程度となるように努めることとしている。・災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、24億円を下回らないよう積み立てることとしている。
(増減理由)無(今後の方針)
(基金の使途)・公共施設等再編整備基金⇒文化施設、体育施設、福祉施設、庁舎その他の公共用又は公用に供する施設の再編及び整備を計画的に推進するため活用される基金・緑のまちづくり基金⇒本市に存する緑地を市民共有の財産として保全するため、良好な自然環境を形成している緑地の取得費や取得した緑地の維持管理費に活用される基金・ごみ減量化・資源化基金⇒増加するごみの減量化及び資源化を促進し、良好な生活環境の保全に資するためごみの減量化及び資源化に関する事業やごみの減量化及び資源化に関する市民活動に活用される基金・文化振興基金⇒文化の振興を図るため文化の振興に関する事業や文化遺産の保全及び継承に関する事業に活用される基金・ふるさと基金⇒ふるさと納税など寄附をいただいた際に、寄附者の意向に沿った事業に活用される基金(増減理由)・公共施設等債変整備基金:施設の老朽化対策のため、約5億円を積み立て・ふるさと基金:ふるさと納税の増により前年度末残高より約1千万円残高増(今後の方針)・施設の老朽化対策のため、「公共施設等債変整備基金」を積み立て活用していくことを予定している。
本市では、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の総量を増やさず資産の有効活用を進めること及び施設の老朽化対策を進めているほか、老朽化した施設の予防保全による長寿命化を図っている。有形固定資産減価償却率については、本計画に基づく公共施設の更新・整備等に取り組んだことで、4.2ポイント減少しているが、依然、類似団体の平均値を上回っているため、引き続き、長期的な視点を持った維持・管理に取り組んでいく必要がある。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率共に類似団体と比べて高い水準にある。これは、高度経済成長期に建築物系公共施設の整備量が増加し、昭和50年代前半にピークを迎えたためである。建築物の更新の目安は60年となり、築60年を経過した建築物系公共施設はないものの、大規模修繕時期の築30年を経過した建築物系公共施設が多く、老朽化が著しく進行していることが原因と考えられる。公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の予防保全による長寿命化を図っており、今後は有形固定資産減価償却率の上昇は緩やかになると考えられるが、新たな施設の建設や老朽化対策に係る大規模修繕を行う際に発行する起債額が増加するため、将来負担が一時的に増加していくと見込まれる。
平成29年度の本市の将来負担比率は34.7%で、前年度の44.5%から9.8ポイント改善した。改善した主な要因は、将来負担額の増以上に充当可能財源等及び標準財政規模の増が大きく、将来負担比率を押し下げたためである。充当可能財源等の増は、充当可能基金の増であり、標準財政規模の増は、標準税収入額等の増によるものである。また、平成29年度の本市の実質公債費比率(3カ年平均)は0.5%で、前年度の0.4%から0.1ポイント悪化したが、早期健全化基準を大きく下回っている。悪化した主な要因は、公債費に準ずる債務負担行為に係る経費の増加があった影響によるものである。これらの指標の相関として、将来負担比率の上昇要因となっている地方債の償還が今後始まるため、実質公債費比率が上昇していく可能性があると分析する。今後は老朽化する公共施設の整備・再編にあたり、基金の取り崩しや地方債の発行が増加することが見込まれるが、各財政指標に留意しつつ、財政の健全性を維持していく。
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