経営の健全性・効率性について
平成30年度の経営状況については、各指標とも順調に推移しており、類似団体平均値との比較でも概ね良好な水準にある。・累積欠損金比率は発生しておらず、経営の健全性は維持できている。・流動比率は、類似団体平均値を下回っているが、依然として100%を大幅に上回っていることから支払能力に問題はない。・企業債残高対給水収益比率は、年々減少傾向にあるが、これは、主に発行済企業債の満期償還に伴い企業債残高が順次減少していることによるものである。・有収率は、類似団体平均値を下回っているが、引き続き高い数値を維持している。
老朽化の状況について
企業団の既存施設等については、H12年度の創設事業完了後、「更新基本計画」に基づき、機械設備等の計画的な更新に努めてきた。また、管路等の基幹構造物についても、順次更新時期を迎えている。このため、平成30年度においては、導水管更新事業に伴う実施設計及び送水管更新基本計画策定等の業務委託を実施したところである。各指標のうち、①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率が、平均値を上回って上昇していることから、アセットマネジメント等を踏まえた計画的な更新や長寿命化を念頭に置いた経年化施設の適切な保守管理等の実施に努めていく必要がある。
全体総括
企業団の経営状況については、各指標が示すとおり概ね良好な水準で推移してきたものの、今後は管路等の基幹構造物の計画的な更新が課題となっている。そこで、経営の健全性を保ちつつ、それらの更新を計画的に行うため、令和元年度において、中長期的な財政収支等を踏まえた第15次経営戦略を策定したところである。今後は、この経営戦略に基づき、安全で安定した水道用水の持続的供給に取り組むとともに、より一層、効率的な経営に努めることとしている。