経営の健全性・効率性について
経営収支比率が前年度から0.92ポイントの増加となりました。これは、水道事業収益が1.2ポイント増加し、水道事業費用の0.4ポイント増加と比べ収益の増加ポイントが高いためです。営業収益の増加の要因は、前年度と比較すると給水件数の増により0.6ポイント増加、給水装置工事負担金が1.4ポイント増加によるものです。流動比率が7.08ポイントの増加したのは、水道事業費用の現金流出が抑えられたことによるものです。主に井戸の取水ポンプを更新したため効率がよくなったことと、老朽化した取水ポンプを廃止したことで、全体の使用電力量が減少し、動力費が抑えられたことや、漏水修繕の件数が減少したことが、費用を抑えることにつながりました。また、固定資産の増加に伴う減価償却費の額が大幅な増額でなかったことも、給水原価の0.12円の減少となっています。企業債残高対給水収益比率が減少しているのは、企業債の借入額を抑えたことによるもので、類似団体の平均値を若干下回りました。施設利用率は漏水等無効水量が減り、それに伴い配水量が減ったので、良い方向で下がっています。また、配水量の減少により有収率が1.55ポイント上昇しました。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率については、前年よりも1.07ポイント増加しました。類似団体平均値よりも低い値となっていますが、当該地との差が前年よりも縮小していることから、更新スピードの鈍化が認められます。管路経年化率については、0.58ポイントの増加となりました。過去の区画整理等により布設した管路が耐用年数を超えたため、類似団体よりも高く、上昇傾向が続いていましたが、一旦落ち着いたと思われます。管路更新率については、0.06ポイントの減少となっていますが、統合広域化を進め、平成31年度以降は新たな計画に基づき更新を行う予定です。
全体総括
経常収支比率については類似団体平均値よりも低いものの、単年度収支が黒字である100%を超え前年度から微増しています。管路経年化率の伸びよりも有形固定資産減価償却率が増加しているのは、浄水場施設の更新が遅れているためと考えられます。給水収益については、基本料金は増加しているものの、従量料金の減少が見られる料金区分もあることから、今後の動向を見ながら計画的に借入と更新を行いたいと考えています。