経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は前年度より下がったものの100%を超えており、健全な経営状況を維持している。③流動比率は類似団体平均を下回っているものの200%を超える水準を維持しており、短期債務に対して十分な支払い能力を有している。④企業債残高対給水収益比率は令和3年度の新規の起債額が当初の予定より減少したことにより前年度より低下しているが、令和5年度まで老朽管更新工事に企業債を活用することとしており、増加傾向となる見込みである。⑤料金回収率は令和2年度に水道料金の減免をおこなったため、100%を下回ったが、令和3年度は100%を上回る水準に回復している。⑥給水原価は類似団体平均を下回る水準を維持しており、効率的な経営ができている。⑦施設利用率は80%を超える水準で推移しており、効率的に施設を利用できている。⑧有収率は前年度に比べ1.47%改善している。引き続き漏水調査など有収率の改善に努めていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回るものの、②管路経年化率は類似団体平均を上回っており、管路の老朽化が進んでいる。③管路更新率は建設改良工事の繰越し等により、前年度を下回り0.64%となった。経年管は今後10年で更に60㎞増える見込みとなっていることから、令和4年度以降は年間5㎞以上の更新を行っていくこととしている。
全体総括
全体の指標としては健全な経営状況と言えるものの、建設改良工事の多くを企業債に頼っており、企業債残高対収益比率でも類似団体に比べて高い水準となっている。今後も企業債に頼った経営を続けていくと元利償還金の増加等、将来の経営への影響が懸念される。こうした状況を改善するため、令和4年10月から水道料金の改定を行っており、施設の老朽化に伴う更新財源の確保と健全で持続的な経営の維持に努めていく。