経営の健全性・効率性について
(1)健全性について経常収支比率は、類似団体平均値を下回っているものの100%以上を推移しており、料金回収率についても、100%を上回っています。以上のことから、経営がおおむね健全に保たれていると評価できます。流動比率は、100%を超えていますが、企業債残高対給水収益比率が、類似団体平均値を上回っています。当年の負債の支払能力はありますが、収益に対して企業債の比率が大きい状況の改善が求められます。今後も更なる費用の削減等を行い、また企業債の発行による借入は、経営の健全性を保てる適正な額となるようにします。(2)効率性について平成29年4月からの変更認可における施設能力の見直しにより施設利用率は上がりましたが、有収率が類似団体平均値を下回る状況が依然として続いています。そのため、効率的な漏水調査による漏水箇所の修繕等、無効水量の削減への取組を、引き続き進める必要があります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率と管路経年化率が年々上昇しており、管路更新率は類似団体平均値より低いことから、今後更新が必要な施設や管路の比率がより高くなると見込まれます。そのため、アセットマネジメントの運用により、更新対象を適正に把握し老朽度、重要度に応じて計画的に更新していきます。
全体総括
現在は、経営の健全性をおおむね確保できているといえます。しかし、老朽化により更新が必要な施設や管路が増える見込みのなか、財源の確保が今後厳しくなることが予想されます。そのため、費用の削減や計画的な企業債の発行による借入、無効水量の削減等、健全性・効率性を上げる経営を継続することで財源を確保し、アセットマネジメントの運用により将来の更新需要を適正に把握し、計画的に更新を行っていく必要があります。