真室川町：町立真室川病院

地域において担っている役割

当院は、地域医療構想に基づき令和２年度の病床機能報告をもって急性期病床から回復期病床へ移行した。また、地域包括ケア病床への一部転換も予定していたが、新型コロナウイルスの影響により令和３年度での転換を見送ったが、今後、状況を見ながら、病床の転換を行うこととしている。また、診療所の継続、訪問診療体制によるへき地医療の確保、救急告示病院として第１次、２次救急に対応するための体制を維持し、基幹病院である県立新庄病院を中心に２次医療圏北部の地域医療を当院で支えている。

経営の健全性・効率性について

各統計グラフにおいて、平均値とほぼ同じように推移しているが、①の経常収支比率においては、新型コロナウイルスの補助収入等の増と思われる平均値の上昇が見受けられるが、当院においては、当該補助等収入増に対し、近年増加している不採算病院に係る実繰入金額を減額したため、例年並みの値となった。また、④の病床利用率の減については、新型コロナウイルスの影響による、手術の減や面会不可のため在宅療養を希望、在宅訪問による訪問看護、看取りの増、高齢者の死亡や人口減によるものと考えられる。今後、新型コロナウイルスの影響等を受けつつも収益の確保に努める必要がある。

老朽化の状況について

当院建設から令和３年度末でおよそ１９年が経過し、長寿命化計画に基づき平準化を行いながら更新・改修等を行ってきており、①有形固定資産減価償却率はなだらかに推移している。しかしながら、②機械備品減価償却率においては、更新する機器が異なるため、年によって増減が生じる。令和３年度においては令和２年導入の内視鏡システム・ビデオスコープ等の高額医療機器の更新により、増加している。今後はさらに高額の医療機器の更新を予定しているため、増加に推移することが予想される。出来るだけ増減幅を少なくし、毎年安定した収支を図るため計画的な更新を行う必要がある。

全体総括

令和２年度に引き続き、令和３年も新型コロナウイルスの影響による不安定な経営状況にあった。収入においては、疑い患者受入れによる病床確保補助、コロナワクチン接種による臨時的な収入増、一方で、年々増加傾向にある給与費や経費、特に委託料等の経常的な支出の増が見受けられ、今後、安定した経営を行っていくため、現在の新・病院改革プランの総括から新たな経営強化プランへと課題をつないでいく必要がある。不採算経営分に充てるための一般会計からの繰入れも近年、増加傾向にあり、必要最小限の繰入れを目指し、病院職員ひとりひとりが現状を把握し、経営に対する高い意識をもちながら、地域の医療を確保していかなければならない。