経営の健全性・効率性について
企業債残高対給水収益比率や給水原価において良好な数値となっており、累積欠損金も生じていないが、平成30年度からの水道料金の引き下げに伴う収益の減少により、経常収支比率及び料金回収率において数値が平均値を下回ったが、費用縮減を図った結果、数値は改善している。また、毎年の純利益により内部留保資金の充実を図っていることから、流動性が維持されているが、今後の管路を含む施設設備の大規模な更新に備えた財源の確保のため、引き続き内部留保資金を確保する必要がある。一方、施設利用率は、人口減少や節水志向等による配水量の減少に伴い、平均値に比べて低い。今後も配水量の減少が見込まれることから、受水団体と課題を共有しながら、連携による効率的な運営について検討していく必要がある。
老朽化の状況について
本県の施設設備の多くは、比較的新しいため有形固定資産減価償却率は平均値に比べ低く、耐用年数を経過した管路も生じていない。しかし、令和5年度より、管路経年化率が急激に上昇する見込みであることから、長期的な視点に立った財源の確保が重要となる。
全体総括
現在は、施設設備が比較的新しく、経営の健全性も維持されているが、今後の施設設備の大規模更新に備えた財源確保のため、不断の経営努力による利益の確保を通じ、内部留保資金を確保していく必要がある。また、将来の水需要を見通し、適切な規模での計画的な設備更新が必要となる。