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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(国勢調査17年28.7%、22年31.2%)により財政基盤が弱く、平成22年度まで類似団体を下回っていた。組織の見直し(課や係の統合、再編)、歳出の徹底的な見直しにより、集中改革プランの経費節減等の財政効果は平成17年度から平成21年度の5カ年間で、2,623百万円(目標2,300百万円)となった、今後とも住民と行政との協働による自治体経営の確立に努めることにより更なる財政の健全化を図る必要がある。
公共事業を社会基盤整備から生活環境基盤整備へシフトし、事業費全体の抑制を図るとともに、長期継続契約による複数年契約や施設管理に関する保守業務の一括発注により経費の削減に努めている。人件費については定員適正化計画に基づく職員の配置転換、職員採用の抑制、業務の民間委託等により職員定数の削減(平成27年4月1日までの5年間で10人減の目標のところ12人減、達成率120%)を実施している。平成27年度については、歳入経常一般財源で地方消費税交付金が99,731千円増(同65.9%増)、地方交付税が43,182千円増(対前年度費1.3%増)となったのに対し、歳出経常一般財源で人件費が11,680千円増(同1.1%増)や扶助費が3,046千円の増(同0.8%増)等があったものの、物件費が124,671千円減(同13.6%減)等により経常収支比率が増加となった。今後とも経費削減に努め経常収支比率の適正化に努める。
平成27年度においては、類似団体を13,186円下回っている。人件費については、給与改定等により増加(平成26年度1,130,660千円、平成27年度1,140,104千円、9,444千円増)している。物件費については、除雪経費の減に伴う道路維持費自動車等借上料の減等により減少(平成26年度1,452,313千円、平成27年度1,361,813千円、90,500千円減)している。今後とも徹底した経費削減に努めていく。
給与、各種手当とも国、県の基準に準じて適切な見直しを行っているが、職員構成において、学歴、経験年数の区分で変動の大きい階層があったことにより平成27年度においては、前年度より0.2イント減少し、類似団体を0.3ポイント下回った。今後も類似団体との比較による分析、将来の行政需要等を勘案して、給与水準の適正化を図る。
定員適正化計画における平成22年度から5年間で10人という削減目標に対し、定年退職者の不補充や保育所などの民間委託、業務の一元化による行政需要に対応した組織・機構改革の実施等により、5年目で12人削減となっている。新たな定員定期性化計画においては5年間で2人の削減目標を定め今後とも定員適正化に努めていく。
大型事業に係る起債の償還のピークは過ぎ、減少傾向にあるものの未だ類似団体平均を上回っているため、今後も地方債の新規発行を元金償還額以内に抑制(平成27年度発行額853,643千円に対し、定時償還元金1,157,186千円、303,543千円の黒字)し、プライマリーバランスの黒字化を堅持し、実質公債費比率の改善に努める。
平成27年度においては、類似団体を2.3ポイント下回っている。町債残高については平成12~14年度の大型事業により、平成15年度末の14,942,051千円がピークがピークとなったが、その後、年々減少し平成27年度末の残高は9,104,176千円となったことや、財政調整基金残高の増加等による充当可能財源等の増により将来負担比率は改善されている。今後もプライマリーバランスの黒字化を図り、将来負担比率の低減に努める。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体を大きく下回っているが、定員適正化計画に基づく職員の配置転換、職員採用の抑制により職員定数の削減(平成27年4月1日までの5年間で10人減の目標のところ12人減)によるものである。今後は、平成32年4月1日を終期とする新たな定員適正化計画(2人減)に基づき、定員の適正化に努め、人件費の抑制を図る。
物件費に係る経常収支比率は、類似団体を大きく上回っている。事務事業の見直しにより物件費の削減に努めているものの、アクションプラン2004(行財政改革プログラム)に基づき、業務の民間委託を推進したため、職員人件費等から委託料(物件費)へシフトしたことによるものである。このことは、物件費が上昇しているのに対し、人件費が低下傾向にあるという比率の推移にも現われている。具体的には学校給食、保育所、図書館の民間委託である。その他の物件費に関しては、今後とも経費削減(前年度当初予算額の範囲内)に努め、抑制を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を1.7ポイント上回っているが、障害者自立支援給付費の増となったものの、臨時福祉給付金の減等により前年比減(平成26年度1,452,313千円、平成27年度1,361,813千円、12,250千円減)となったものである。しかしながら、相対的に高齢化の進行に伴い扶助費は増加傾向で推移している。今後とも各種制度の見直しを行い、真に必要な制度の充実を図る。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体を下回っている。平成27年度決算においては岩手・玉山環境組合負担金(火葬場費)の減、水道事業会計補助金(臨時交付金)などが増となったものの、国民体育大会岩手町実行委員会運営費補助金の増、プレミアム付き商品券発行事業費補助金の増などにより、前年度より増加した。一方、各種団体への補助金は、アクションプラン2004(行財政改革プログラム)に基づき見直しを行うなど、経常経費としての補助費について抑制を図っている。
平成12~14年度に実施した大型事業(東北新幹線いわて沼宮内駅整備に伴う駅ビル建設、道の駅石神の丘整備に伴う美術館大規模改修、産直施設等建設)に係る起債の元金償還が始まり、平成20年度をピークとしてしばらく10億円台で推移する。それを見込んだ財政計画に基づき事業を厳選し、総合発展計画実施計画を策定し、安定した財政運営に努める必要がある。また、起債の繰上償還を平成20年度30,331千円、平成21年度144,375千円、平成22年度99,814千円実施し公債費の削減に努めている。
【普通建設事業費】普通建設事業費の人口1人当たり決算額は、平成22年度にスポーツ文化センター整備事業898,178千円により一時的に類似団体を上回ったが、平成27年度では71,403円となり、類似団体平均を22,338円下回っている。5年間平均では類似団体平均を44,404円下回っている。なお、今後も厳しい財政運営が予想されることから、引き続き事業を厳選し実施する。
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