経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100%以上で推移している。②累積欠損金比率用水供給開始したH7年度からH18年度までは毎年純損失を計上し、累積欠損金が5,442,027千円に達したものの、H19年度以降毎年純利益を計上し、R01年度末時点で2,744,287千円まで減少した。③流動比率100%未満で推移しているが、これは会計基準改正で1年以内に返済する企業債が流動負債に移行したためである。④企業債残高対給水収益比率供給料金を極力抑える設定としており、類似団体よりは高めとなっている。企業債残高は減少傾向にあるため、当該比率も減少していく見込み。⑤料金回収率100%以上で推移している。⑥給水原価類似団体よりは高い水準で推移している。⑦施設利用率類似団体と同程度である。⑧有収率99%前後で推移している。今後も同程度の水準を維持していく。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と同じくらいで推移しているが、用水供給事業開始から20年以上が経過しているため、耐用年数が経過する資産も現れてきている。管路は、現段階では耐用年数に達していない。
全体総括
指標全体としては、概ね健全な経営であると考えられる。令和2年度以降は、用水供給料金の基礎となる料金単価の算定に現金支出を伴わない減価償却費などを含めていないため、収益的収支で未処理欠損金が増加する状況となる。また、資本的収支においても資本的収支不足額が生じているが、損益勘定留保資金を有しているため不足額を補てんすることができ、経営全体においては、必要な資金(現金)は確保される見通しである。将来にわたり安全で安心な水道用水を安定的に供給するという使命を達成するため、長期的な視点に立った計画的な施設整備や維持管理をすすめながら、減少する水需要に応じた施設規模の適正化、業務の効率化によるコスト削減に取り組むとともに、収支実績を踏まえ、適切な時期に料金単価の検討をすすめ、持続可能な事業経営に努める。