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地方財政ダッシュボード

熊本県大津町の財政状況(2018年度)

🏠大津町

地方公営企業の一覧

公共下水道 農業集落排水 工業用水道事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

平成17年度から平成20年度まで、企業業績の好調時の法人町民税の増収に伴い、普通交付税の不交付団体であったが、リーマンショックの影響を受け、法人町民税が大きく減少した。人口増に伴い基準財政需要額は増加するものの、リーマンショック前の税収までの回復はまだ見込めないため、新規事業や投資的経費の抑制のみならず、税収の徴収率の向上を図るなど安定した収入を確保することが課題である。

経常収支比率の分析欄

歳入では、法人税割に係る普通交付税の精算措置が終了したこと、景気回復等により法人住民税が増額したことで、普通交付税は減額となったものの、個人の所得増や人口増、製造業の増収や企業の工場増設・設備投資増などにより町税は増収し、経常一般財源は増額となった。歳出では扶助費(保育関係給付費・障害児支援事業)や一部事務組合への負担金等が増額したものの、経常一般財源の増加率が大きかったため、経常収支比率は前年度比0.2ポイントの減少となった。今後は、民間委託や民間移譲等の導入・検討を行い、経常経費の更なる抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、今後の人口増による行政需要の拡大に対応すべく、職員の増員を予定している。これに加え、令和2年には法改正による非常勤、臨時職員の報酬、賃金の上乗せもあるため増加する見込み。物件費については、熊本地震に係る災害廃棄物処理委託費や被災家屋解体業務委託費の減少により、人口1人あたりの額が大幅に減少した。引き続き、事務事業の再編整理、廃止・統合を行うとともに、適切な職員管理、指定管理制度や民間委託・民間移譲の推進に取り組み、経費の節減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均とほぼ同水準である。今後新たな定員管理計画、更には行革大綱等を策定し、これに基づき各種手当調整給等について総点検を行い、給与の適正化に取り組む。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

過去の行財政改革や、大量退職などにより、類似団体平均を大きく下回っている。今後は人口増に伴う行政需要拡大に対応するため、定員管理計画等の見直しを行い、職員定数の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

単年度実質公債費率は、基準財政収入額の増による標準財政規模の増加、下水道事業への繰出金の減、基準財政需要額に算入する公債費の増により9.6%となり、平成27年度が11.6%と高かったため、平成30年度の実質公債費比率(3か年平均)は前年度比0.7ポイントの減となっているが、類似団体平均と比較するとやや高い水準にある。今後も新庁舎建設事業など熊本地震による災害復旧関連の地方債の発行を予定しているが、交付税算入は全額ではないため実質公債費比率の増加が見込まれる。許可制限の18%を超えることがないよう計画的な起債管理が必要となる。

将来負担比率の分析欄

地方債の現在高は熊本地震による災害復旧関連の地方債の増により増加したものの、公営企業債等繰入見込額と退職手当負担見込額の減により将来負担額が減額し、庁舎建設基金など特定目的基金の積立てや災害復旧事業債償還に伴う基準財政需要額の増による充当可能財源等の増額により、将来負担比率は減となり、類似団体平均を下回っている。しかし、熊本地震の影響により、地方債の現在高は大きく増加し実質的な負担は増しているため、今後は地震からの復興事業を優先しながら、公債費等義務的経費の削減も視野に入れ、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費は、6級制から7級制に移行したことによる職員給の増加及び住宅使用料の人件費への充当額の減少により人件費に充当した経常一般財源額は増加したが、経常一般財源額の増加率の方が大きかったため(地方税3億円増による)、前年度比0.5%の減となっている。今後は人口増に伴う行政需要の増加のため、職員数の増加が見込まれる。新たな定員管理計画や行財政改革大綱等に基づき、適正な職員配置を図っていく。

物件費の分析欄

類似団体平均と比較すると低い水準であるが、人口増によるごみ収集運搬業務や予防接種事業の増額により近年増加傾向にある。今後も人口が増えるため、行政需要の増加の傾向が見込まれるが、引き続き収支の均衡を保持した健全財政に努め、低い水準の維持に努める。

扶助費の分析欄

扶助費は、依然として増加傾向にあり、類似団体平均を上回っている。町内保育所の認定子ども園移行による施設型給付費等や障害児支援事業、障害福祉サービス費などが増加し、前年度比0.1ポイントの増となっている。今後も人口増や少子高齢化、施設増によるサービス向上に伴い、扶助費の増加が見込まれるため、財政を圧迫しないよう運営を行っていく。

その他の分析欄

前年度と同値で、類似団体の平均を下回っている。少子高齢に伴い、後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計など、他会計への繰出金といった経常経費は今後も増加が見込まれる。今後も経常経費の見直しを行い、経常的な経費に充当できる一般財源の確保に努める。

補助費等の分析欄

平成28年熊本地震の家庭ごみの増加及び新環境工場建設により、菊池環境保全組合への負担金の額及び大津町の負担割合が増加したものの、補助費は前年度比同率となった。類似団体平均と比べると低い水準であるが、今後各種団体への補助金の見直しを引き続き行い、類似団体の平均を超えないよう努める。

公債費の分析欄

公債費は、平成28年熊本地震に係る災害復旧事業債の償還開始により歳出額は増加したが、住宅使用料の充当額増により公債費に充当した経常一般財源充当額の増加率が経常一般財源額の増加率を下回ったため、0.5ポイントの減となった。平成28年熊本地震からの復旧・復興事業に係る交付税の算入率は高いが、今後は新庁舎建設の災害復旧事業債の増加が見込まれる。既存事業の見直しを行いながら、計画的な起債管理に努めるとともに、その他の財源の安定的な確保に努める。

公債費以外の分析欄

物件費、扶助費、補助費等の増により増額している。特に扶助費の増が続いている。人口増や少子高齢化が大きな要因のひとつである。今後は制度改正による人件費等の増加も見込まれるため、引き続き経常経費の見直しを行い、経常的な経費に充当できる一般財源の確保に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均を大きく上回っているものは、農林水産業費、災害復旧費となっている。平成28年熊本地震の影響によるものが主で、それぞれ被災農業者向け経営体育成支援事業補助金、宅地耐震化推進事業が大きな要因となっている。衛生費は熊本地震に係る災害廃棄物処理委託費により平成28~29年度は類似団体平均を大きく上回っていたが、事業完了により熊本地震前の水準まで近づき類似団体平均を下回った。民生費については、平成30年度やや減少したものの今後も幼児教育無償化や人口増、少子高齢化等に伴う行政需要の増加により増加が見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

平成28年熊本地震の影響を受け、平成28年度に引き続き災害復旧費、補助費等が平均を大きく上回っている。物件費については、熊本地震に係る災害廃棄物処理委託や被災家屋解体業務委託の完了により大きく減少し、類似団体平均を下回った。普通建設事業費については、平成28年度は災害復旧を最優先として大幅に減少したが、平成30年度は災害公営住宅建設事業により前年から微増の結果となった。扶助費は依然として増加傾向であり、今後も人口増及び少子高齢化に伴い増大していくことが見込まれる。今後も新庁舎建設事業など平成28年熊本地震に伴う起債を予定しており、これから公債費が増大することが見込まれる。償還は長期にわたるものであるため、交付税算入率の高い地方債を活用するなど計画的な公債費管理に努めるとともに、社会情勢を常に注視し、自主財源の確保に努めなければならない。現在も平成28年熊本地震に関する復旧・復興を最優先としながらも、次の災害への備え、人口増に伴う行政需要の増大にも対応すべく、健全で堅実な財政運営を行っていきたい。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金について、H29年度決算に係る財政調整基金への積立(1/2)が569百万円で前年より減額(-117百万円)となったが、税収の増による3月補正時点での余剰金の発生により、年度内の取崩し額が大幅に減額(前年比-600百万円)となった為、実質単年度収支はプラスに転じたが、人口増に伴う行政需要(扶助費・教育費)の増により慢性的に取り崩している。予算規模が縮小され、更には税収増も見込まれることから、今後の実質単年度収支はプラスを維持して行く見込みである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

すべての会計で黒字であるが、後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計は少子高齢化に伴い予算規模が増加傾向にある。介護保険特別会計については、介護サービス等の費用を賄うため65歳以上の保険料を増額したため黒字額が増加している。各会計繰出基準外の繰出しがないように、今後もこの状態を維持していく。なお、令和2年度(2020年度)より公共下水道特別会計、農業集落排水特別会計が公営企業会計に移行するが、料金改定も含め、運営については積極的に関与する必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度は、熊本地震に係る地方債の元金償還開始により元利償還金が増加したが、交付税算入率が高いため算入公債費等も増加したことに加え、公営企業債の元利償還に対する繰入金について、過去の償還が完了したことにより減となったことにより、全体的には分子は減となった。今後は新庁舎建設の災害復旧事業債の増加が見込まれるが、平成28年熊本地震からの復旧・復興事業に係る交付税の算入率は高いため、実質公債費比率が大幅に増加することはないと見込んでいる。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成28年熊本地震に係る地方債の発行により、前年度に引き続き地方債の現在高は増加したが、公営企業債等繰入見込額と退職手当負担見込額の減により将来負担額は減額した。また、平成28年熊本地震に係る地方債は交付税算入率が高いため基準財政需要額算入見込額が増加し、庁舎建設基金など特定目的基金も積立てにより増加したことから充当可能財源は増加した。以上により将来負担比率の分子は前年度より1,155百万円のマイナスとなった。今後も新庁舎建設に伴う地方債発行や、新環境工場建設に伴う組合負担等見込額が増大するため、将来負担額の増加傾向は続く見込みである。充当可能財源等についても新庁舎建設事業は災害復旧事業を活用することから増加するが、庁舎建設基金の取り崩しにより充当可能基金は徐々に減額する見込みである。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は税収の増により積立てが取り崩しを上回ったため、前年比419百万円の増となった。減債基金は熊本地震災害廃棄物処理基金補助金を全額積立てたため増、その他特定目的基金も庁舎建設基金の積立額が大きかったため増となった。(今後の方針)・庁舎建設のため、令和元~3年度にかけて全体の基金残高が減少すると予想される。・企業誘致の推進のため、大津町工場等振興奨励基金については計画的に積立てが必要である。

財政調整基金

(増減理由)平成29年度決算に係る財政調整基金への積立(1/2)が569百万円で前年より減額(-117百万円)となったが、税収の増による3月補正時点での余剰金の発生により、年度内の取崩し額が大幅に減額(前年比-600百万円)となったため、前年比419百万円の増となった。(今後の方針)・平成28年度においては、熊本地震の発生直後から避難所対応、庁舎機能分散、廃棄物処理等、次々と状況が変化して行く中、専決予算等で財政調整基金を12億円程度を繰り入れ、それにより予算編成を行うことができた。これらを踏まえ、常時20億円程度は保有すべきだと考える。

減債基金

(増減理由)学校教育施設建設の元利償還金の財源として、7百万円を取り崩したものの、災害廃棄物処理事業に対する災害対策債の交付税措置されない部分を補填するため熊本地震災害廃棄物処理基金補助金107百万円が交付され、全額積立てたため大幅な増となった。(今後の方針)・学校教育施設の元利償還は今後も続くことから、同水準の取り崩しを予定している。・令和元年度から災害対策債の償還が始まるため、交付税措置されない部分を補填するために取り崩しを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)・大津町工場等振興奨励基金:町内進出企業への工場等振興奨励補助金の財源として積み立てるもの。・庁舎建設基金:新庁舎を建設するために積み立てるもの。・熊本地震大津町復興基金:平成28年熊本地震からの早期復興を図るために積み立てるもの。(増減理由)・大津町工場等振興奨励基金:町内進出企業への工場等振興奨励補助金の財源とし122百万円を取り崩したため減となった。・庁舎建設基金:240百万円の積立による増。・熊本地震大津町復興基金:平成28年熊本地震からの復旧・復興事業の財源として25百万円取り崩したため増。(今後の方針)・大津町工場等振興奨励基金:企業誘致の状況を踏まえ、積立を計画的に行う必要がある。・庁舎建設基金:令和元~3年度にかけて新庁舎を建設するため、計画的に取り崩しを行う。・熊本地震大津町復興基金:この基金を利用してきめ細かな復興事業を展開していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

室小学校増築や災害公営住宅建設を進めたが、災害公営住宅は令和元年度に完成するため、減価償却率の低下に寄与しなかった。また、令和3年度には新庁舎が完成するため、令和3年度以降は有形固定資産減価償却率は減少する見込みである。

債務償還比率の分析欄

地方税の300百万円増額や、それに伴う財政調整基金の400百万円増額により51.5ポイントの減となった。令和元年度以降は新庁舎建設に係る地方債発行により債務償還比率は増加する見込みである。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

公共下水道事業の起債償還の減少に伴う繰出金の減少により、ここ数年は将来負担比率が負の数になっているが、新環境工場建設に伴う組合負担等見込額の増加及び下水道管の更新により公営企業債等繰入見込額が増加する可能性があるため、今後も健全化を進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については上述の通り。実質公債費比率については、起債額が増加しているが大部分が交付税算入率が大きい災害復旧事業債のため、人口増などに伴い税収が伸びていることにより、実質公債費率は横ばいまたは減少すると見込んでいる。しかし、将来負担比率同様、新環境工場建設に伴う一部事務組合等の起こした地方債に充てたと認められる補助金又は負担金の増加、下水道管の更新に伴い公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金が増加する可能性があるため、引き続き起債抑制に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

学校施設の有形固定資産減価償却率は比較的低い値になっているが、これは比較的新しい小学校や増築した小学校があるためである。全体的にみると老朽化が進んでおり、大規模改修を行う必要がある。また公営住宅についても老朽化が進んでいることから、計画的に改修を行う予定である。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館や体育館は比較的新しいため有形固定資産減価償却率は低い値となっている。また、庁舎については平成29は平成28と比較して減少しているが、これは熊本地震により被災した古い庁舎を除却したためである。令和3に新庁舎が建設されるため、大幅に減少する見込みである。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産が1,060百万円(+2.4%)の増加となった。災害復旧事業を優先して行っているが、H30からは大規模盛土造成地滑動崩落防止や災害公営住宅建設事業など、資産の形成に寄与する事業がメインになったことおよび災害復旧事業費の減少による純行政コストの減額により、純資産の減額及び比率の減少に歯止めがかかった。ただし、H31以降も災害公営住宅建設事業及び新庁舎建設事業が行われることで資産に合わせて負債が大幅に増加することにより住民一人当たり負債額の増額は続く見込み。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純経常行政コストが一般会計等において3,586百万円減少している(△22.1%)。災害廃棄物処理業務委託、家屋解体等業務委託、災害救助費負担金返還金、強い農業づくり交付金、損壊家屋等解体撤去費用負担金、被災宅地復旧事業補助金などの平成28年熊本地震関連事業費の減が主な要因である。また、純行政コスト-純経常行政コストが1,516百万円減少しているが、災害復旧事業費、資産除売却損の減(主な内訳:旧庁舎・防火水槽・瀬田地区公民館分館解体工事費、旧庁舎評価額、若草児童学園評価額)が主な要因である。純行政コストは5,102百万円の減となっているが、上に挙げた主な増減理由の内、熊本地震関連のみで前年比5,066百万円減額している。今後も熊本地震関連費用は補助金等を中心に減額が続く見込み。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、国県等補助金が2,297百万円減額したが、純行政コストが熊本地震関連費用の減により5,102百万円減額し、税収等が303百万円増額したことにより純資産変動額は前年比+3,152百万円となった。H31以降も熊本地震関連費用の減少に伴い純行政コストは減少すると見込まれることから、純資産変動額は増加すると思われる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、純行政コストが減少したため業務活動収支は2,714百万円の増となった。また、投資活動支出が大規模盛土造成地滑動崩落防止事業及び災害公営住宅建設事業により500百万円増加したが、税収増により財政調整基金の取り崩しが減少したことにより投資活動収入が434百万円減少し、投資活動収支は933百万円の減となった。財政活動収支については、災害復旧事業債等の起債減により、1,715百万円の減となった。熊本地震関連費用の大幅な減により業務活動収支がプラスり、前年と比較して大幅に改善された。今後は新庁舎建設がH31~R3にかけて行われ、公共施設の大規模改修も控えていることから当面は投資活動収支はさらなる減少、財務活動収支はさらなる増加が見込まれる。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

歳入額対資産比率が前年比0.48年増加しているが、これは熊本地震関連事業費が前年比で減少したことによる臨時収入(△2,479百万円)の減、及び財務活動収入の減(△1,656百万円)、税収増による基金取崩収入(△497百万円)の減、及び熊本地震に係る特別交付税税の減などによる前年度末資金残高の減(△572百万円)により歳入総額が減額したためである。H31~R3は新庁舎建設に伴い資産が増加するため、歳入額対資産比率は増加する見込みである。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が0.4ポイント増加しているが、これは純行政コストが熊本地震関連費用の減により5,102百万円減額し、純資産額84百万円増加したためである。H31以降も純行政コストは減少すると見込まれることから、純資産は増加し、純資産比率は徐々に回復する見込みである。将来世代負担比率が0.3ポイント増加しているが、熊本地震に係る災害復旧事業債等が655百万円増加していることが主な要因である。H31以降も熊本地震関連費用は減少するが、災害公営住宅の整備、新庁舎建設、公共施設の大規模改修が控えているため、当面は地方債残高の増加傾向が続き、将来世代負担比率も増加傾向が続く見込みである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

熊本地震関連費用が前年比5,066百万円減少しており、これにより純行政コストが大幅に減少している。H31以降も熊本地震関連費用の減少により純行政コストが減少し、住民一人当たり行政コストも減少する見込みである。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額が0.1万円増加しているが、熊本地震に係る災害復旧事業債等が655百万円増加していることが主な要因である。H31以降、熊本地震関連費用は減少するが、災害公営住宅の整備、新庁舎建設、公共施設の大規模改修が控えているため、当面は地方債残高の増加傾向が続き、住民一人当たり負債額も増加傾向が続く見込みである。基礎的財政収支については、熊本地震関連費用の減により業務活動収支がプラスに転じたものの類似団体平均値を大幅に下回っている。H31以降も熊本地震関連費用の減により業務活動収支はプラスを維持する見込みであるが、災害公営住宅や新庁舎の建設、公共施設の大規模改修が控えており、投資活動収支がさらにマイナスになる見込みであるため、当面基礎的財政収支は類似団体平均値を下回る見込みである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益が274百万円減額しているが、これは退職手当引当金の減額及び熊本県市町村振興協会交付金の減額によるその他の収益が前年度比で272百万円減額したことが影響している。熊本地震関連費用の大幅減により経常費用が減額したものの、経常収益の減少率の伸びが大きく受益者負担比率が0.8ポイント減少した。H31以降も熊本地震関連費用の減により経常費用が減少するが、退職手当引当金はほぼ横ばいになることから経常収益がさらに減少し、受益者負担比率は低下する見込みである。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,