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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

個人市民税の増や固定資産税の増により基準財政収入額が増となった。基準財政需要額についても、継続措置された臨時経済対策費の減などにより臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税は微減した一方、包括算定経費や地域デジタル社会推進費の増、令和5年度に限り措置された臨時財政対策債償還基金費の皆増により増となり、収入・需要ともに増加することとなったが、需要の増が収入の増を上回ったことにより、財政力指数は前年度比0.1ポイントの減となった。人口が少なく財政基盤が弱いため、類似団体内順位は下位にあるが、地方創生施策・DXをより一層推進し、若い世代の移住促進や戦略的な企業誘致等による税収増、ふるさと納税等による新たな財源確保の取組を一層強化することで地域経済の好循環を生み出し、持続可能な社会の実現を目指していく。

経常収支比率の分析欄

税収が増加し、国の経済対策に基づき令和5年度限り創設された臨時経済対策費等の追加交付による普通交付税の増があったものの、私立保育園運営費、小児特別医療費など扶助費の増、令和5年度から本格稼働を開始した可燃物処理施設管理運営負担金の増により、経常収支比率は前年度より0.5ポイント増となる88.7%となった。物価上昇の影響により今後も人件費、、社会保障費等の増が見込まれることから、今後も税収の増加と新たな財源確保に積極的に取り組むとともに、DX推進による業務効率の向上、公債費縮減などの行財政改革を進めることで、持続可能な財政基盤の確立を目指していく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

引き続き類似団体内では高い水準で推移しているものの、対前年度比7,488円の減となった。大きく減少することとなった要因は、新型コロナウイルス感染症5類移行によるコロナ関連経費(人件費を含む)や、経済対策として実施した地元事業者応援クーポン事業の減が影響している。今後は、物価上昇、人件費高騰の影響により、増加していくことが見込まれる。

ラスパイレス指数の分析欄

本市の給与水準は前年度と比較し0.1ポイント減少し、依然として類似団体、全国市平均共に下回っている。今後も、引き続き給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度と比較して0.1ポイント増加しているが、類似団体の平均とほぼ同水準で推移している。引き続き、鳥取市定員適正化計画に基づき、適正な定員の管理を行う。

実質公債費比率の分析欄

単年度における実質公債費率は減少したものの、3か年平均では前年度と比較して0.1ポイント増加し、類似団体平均値を3.6ポイント上回っていることとなった。今後も引き続き、市債発行の抑制に努めるとともに、交付税算入率が高く、有利な市債を活用することで、一般会計における公債費の逓減傾向を堅持する。実質公債費比率は一時的に上昇する見込ではあるが、その後は横ばい若しくは緩やかな減少傾向となるものと推計している。

将来負担比率の分析欄

前年度と比較して2.5ポイント増加し、類似団体平均値を47.9ポイント上回った。これは、地方債の償還が進み、公営企業債においても下水道事業の建設改良費の抑制等により繰入見込額が減少したが、PFI事業(市民体育館)に係る債務負担行為に基づく支出予定額が増加したことで将来負担額の減少幅が狭まったことのほか、ふるさと融資の償還、基準財政需要額算入見込額の減により充当可能財源等が減少となったことなどが影響している。今後も継続して、交付税算入率が高い市債や国県補助金等の有利な財源の活用など、行財政改革の取り組みを進める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

定年延長により定年退職者が発生しない年度のため退職者数が減少したことや新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う時間外勤務の減少による手当支給の減などにより、前年度と比較し1.1ポイント減少し、依然として類似団体の平均値を下回る水準で推移している。今後も引き続き適正な定員管理を行い、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物価上昇の影響を受けるものの、前年度と比較して0.1ポイント減となった。依然として、類似団体の平均値を下回る水準で推移していることから、今後も市政改革プランに基づく事務事業の見直しを図っていく。

扶助費の分析欄

類似団体平均値は4.8ポイント下回っているが、私立保育園運営費、小児特別医療助成費等が増加傾向にあり、また臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税等の経常的な収入が減少したことにより、指標は前年度と比較し0.6ポイント増加した。

その他の分析欄

類似団体平均値より2.0ポイント下回っており、前年度横ばいである。

補助費等の分析欄

類似団体平均値を5.0ポイント上回っている。下水道等事業の起債償還が進んだことにより繰出金が減となったが、新可燃物処理施設の本格稼働による運営負担金の増、臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税等の経常的な収入が減少等により、前年度と比較して0.3ポイント増加した。補助金については、適正化方針に基づき、合規性、3E(経済性・効率性・有効性)、公益性、公平性の観点から事業の適正化と見直しを行う。

公債費の分析欄

起債償還が進んだことにより元金償還金が減となったほか、一時借入金利子の減等により、指標は前年度より0.2ポイント減となった。類似団体平均値を1.9ポイント上回っているが、今後も引き続き、将来の世代への過度な負担を軽減できるよう、中長期見通しを踏まえた計画的な市債発行を行い、財政の健全化に努める。

公債費以外の分析欄

前年度と比較し0.7ポイント増加したが、類似団体、全国平均ともに下回っている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、歳出総額の35.1%を占めており、住民一人当たり215,570円と前年度の204,020円から増加した。これは、私立保育園運営費、小児特別医療助成費等の増が要因となっている。衛生費は、住民一人当たり45,562円となっており、対前年度で大きく減少した。これは、新型コロナウイルス対応にかかる経費の減に加え、大規模事業である新可燃物処理施設の整備完了による建設負担金の減が要因である。商工費は、住民一人当たり87,262円となっており、前年度より減少した。これは、企業立地補助金等の増があった一方で、コロナ対策として実施した制度融資資金や、本市独自に実施した経済対策の減などが要因である。しかしながら、類似団体と比べ依然高い状況となっている。教育費は、住民一人当たり58,455円となっており、市民体育館再整備事業の完了等により前年度より減少したが、引き続き類似団体と比べ高い状況となっている。災害復旧費は、令和5年台風7号災害等の復旧事業により、住民一人当たり11,817円となっており、前年度2,964円から大幅に増加した。公債費は、ふるさと融資繰上償還の影響により住民一人当たり61,510円と一時的に増加した。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり614,417円となっている。補助費等については、大型事業である新可燃物処理施設の整備完了により整備に伴う広域負担金が減となったことから、住民一人当たり84,504円となり、前年度89,962円に比べて減少した。しかしながら、新可燃物処理施設整備後も類似団体平均を超えていることを踏まえ、補助金適正化方針に基づき、合規性、3E(経済性・効率性・有効性)、公益性、公平性の観点から事業の適正化や見直しを行っていく。物件費については、新型コロナウイルス感染症5類移行によるコロナ対策経費の減少などにより、住民一人当たり80,367円となり、前年度88,601円に比べて減少した。災害復旧事業費については、令和5年台風7号災害等の復旧事業により、住民一人当たり11,817円となり、前年度2,964円から増加した。公債費は、ふるさと融資繰上償還の影響により住民一人当たり61,510円と一時的に増加した。普通建設事業費(うち更新整備)は、新可燃物処理施設、市民体育館の整備といった大型事業の完了により住民一人当たり32,219円となり、前年度34,130円に比べて減少した。今後も国県補助金等の有利な財源の活用や徹底した行財政改革の取組などを行い経費の抑制・財政の健全化に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、災害等による将来的な不測の事態への備えとして、引き続き減債基金との合計残高50億円(標準財政規模の約1割)を目標に積み立てる。実質収支は、コロナ対策事業の拡大による予算規模の増により近年増加していたが、コロナ前の水準に戻ったと言える。また、実質単年度収支については、財政調整基金2.2億円を積み立てた一方、物価高により厳しい環境にある生活者や事業者を守る事業に活用するために2.0億円を取り崩したことにより赤字となった。今後とも歳入歳出のバランスを重視し、適正な財政運営を目指す。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

下水道等事業は、収入面において節水意識の高まりや人口減少などによる有収水量の減少に相まった使用料収入の減少、労務単価の上昇等に伴う維持管理費の増加はあったものの、減価償却費や企業債の償還に伴う支払利息等が計画的に減少できていることから、純利益は黒字で、健全財政を維持している。今後増加が見込まれる施設の更新需要に向けて、鳥取市下水道等事業経営戦略やストックマネジメント計画の定期的な見直しを通じて、施設の統廃合やダウンサイジングによる効率的な更新や維持管理を行い、投資の合理化と財政の健全化の実現に努める。病院事業は、入院患者の増加と入院患者診療単価の向上などにより医業収益が増加したものの、新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金が大幅な減収になったことや、給与改定や材料費の高騰などにより病院事業費用が増加したことで、4年ぶりの経常収支赤字となり標準財政規模比は前年度より0.39ポイント下がった。今後は、「鳥取市立病院経営強化プラン」に沿って着実に経営改善に取り組んでいく。水道事業は、水需要の減少などにより水道料金収入が減収する一方、高度成長期以降に整備した施設の老朽化に伴う更新や再構築、地震などの災害対策に多額の費用が必要である。本市水道事業の具体的施策を示した「鳥取市水道事業長期経営構想」に基づき、見直しも行いながら効果的な施策を推進し、今後も健全な経営に努める。国民健康保険費特別会計は、保険料収納率が前年度から0.32ポイント上昇するなど歳入の確保に努め、堅実に黒字を維持している。今後、高齢化の進展などにより、一人当たりの医療費の増加や被保険者数の減少が想定されるなか、鳥取市国民健康保険事業計画に基づき、収支の均衡を図りながら安定した運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

【元利償還金】厳選した市債発行により減少傾向だったが、令和2年度に発行した猶予特例債の満期一括償還、小中学校の空調整備など償還年数の短い大型事業の償還が始まったことにより増加した。今後は、令和5年度台風7号災害復旧事業の償還開始により一時的に増加する見込であるが、引き続き計画的な市債発行を行っていく。【公営企業債の元利償還金に対する繰入金】下水道事業債の減などにより減少した。【組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等】組合等の起債の減により減少した。【債務負担行為に基づく支出額】これまで行ってきた社会福祉法人等に対する建設費償還補助が減少する一方、PFI事業(市民体育館整備)に係る債務負担行為の影響により増加した。【実質公債費比率の分子】令和5年度は、元利償還金の微減により減少となっている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

【一般会計等に係る地方債現在高】令和5年台風7号災害等に係る事業費に1,391.6百万円、豊実・倉田保育園建替に522.9百万円など市債新規発行の増加要因があったものの、新可燃物処理施設や市民体育館の整備完了、ふるさと融資の繰上償還、臨時財政対策債の減などにより、現在高は前年度より3,480百万円減少した。【債務負担行為に基づく支出予定額】PFI事業(市民体育館整備)に係る債務負担行為の影響により増加した。【公営企業債等繰入見込額】主に下水道事業債の減に伴い減少した。【組合等負担等見込額】償還終了による減のため減少した。【設立法人等の負担額等負担見込額】土地開発公社の保有する土地の評価額減および事業用地の売却が発生しなかったことによる現金及び預金の減。【基準財政需要額算入見込額】PFI事業(市民体育館整備)の増があったものの、交付税措置の対象となる新発債の発行より下水道事業債、臨時財政対策債等の市債償還による起債残高の減が上回ることから減少した。【将来負担比率の分子】市債の現在高の減少、公営企業債等繰入見込額の減等により将来負担額は減少したが、ふるさと融資繰上償還、公債費減による基準財政需要額算入見込額の減により、分子が増加した。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)「財政調整基金」を2.2億円、「減債基金」を2.6億円、令和6年度の地域振興に係る取り組みに活用するため「地域振興基金」2.5億円を積み立てた一方、物価高対応のほか引き続き企業の新規立地や設備投資を支援するための財源として取り崩しを行い、またふるさと納税の減少も影響した結果、基金全体としては1.4億円の増となった。(今後の方針)災害等による将来の不測の事態に備え、継続して安定的な財政運営ができるように、「財政調整基金」、「減債基金」を積み増ししていく。

財政調整基金

(増減理由)今後の不測の事態に備えて2.2億円積み立てた一方、物価高により厳しい状況にある生活者や事業者を守る事業に活用するため2.0億円を取り崩したことによる微増。(今後の方針)災害等による将来の不測の事態に備えるため、令和7年度末に「財政調整基金」、「減債基金」の合計が50億円となることを目標に積み立てることとしている。

減債基金

(増減理由)国補正予算により増額交付となった普通交付税のうち、臨時財政対策債償還基金費2.5億円を積み立てたことによる増。※国通知に基づきR6及びR7で取り崩す予定(今後の方針)災害等における将来の不測の事態に備えるため、令和7年度末に「財政調整基金」、「減債基金」の合計が50億円となることを目標に積み立てることとしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設等整備基金:公共施設等の整備に活用・地域振興基金:市民の連携の強化及び地域振興に活用・新型コロナウイルス感染症緊急対策基金:新型コロナウイルス感染症対策利子補給事業などに活用・ふるさと納税基金:ふるさと納税制度を活用して寄せられた寄附金をそれぞれの寄附者の思いを実現するための事業に活用(増減理由)・公共施設等整備基金:保育園、学校、公民館などの公共施設整備に1.6億円を取り崩した一方、県事業返還金等2.5億円を積み立てたによる増。・ふるさと納税基金:ふるさと納税の増加により7.4億円を積み立てた一方、寄附者の思いに沿った事業の実現に8.8億円を取り崩したことによる減。・新型コロナウイルス感染症緊急対策基金:感染症対策利子補給事業の財源として3.6億円を取り崩したことによる減。(今後の方針)・公共施設等整備基金:公共施設等の老朽化対策等に対応するため、計画的に活用していく。・新型コロナウイルス感染症緊急対策基金:新型コロナウイルス感染症対策の利子補給事業などに活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については類似団体と比較して低くなっている。主な要因としては、市民体育館再整備や市営住宅建替等の資産形成、学校施設の増改築、道路インフラ等の長寿命化事業等の成果によるものと考えられる。引き続き、道路橋梁等インフラ資産の長寿命化対策と平行して、平成27年度に策定した「公共施設等総合管理計画」及び令和5年度に策定した「公共施設再配置の推進に向けた取組方針」に基づき、公共施設等の集約化や複合化により総量縮減を図る必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、概ね類似団体内平均値並みとなっている。大型事業を念頭に、中長期財政計画に基づいた計画的な事業展開を行ったことで、公債費は減少すると見込んでいる。今後は、高齢化や人口減少による市税等の減少、扶助費等の経常経費の増が見込まれるなか、総合計画や市政改革プランに基づき、市民サービスと効率的な行政運営を両立させ、一層の財政健全化に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比較して高くなっているものの、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低くなっている。主な要因としては、市民体育館再整備や学校教育施設の増改築など大型事業の実施、道路インフラの長寿命化事業等の実施により、標準財政規模に占める起債残高が類似団体に比べて高まっている一方で、施設の老朽化対策の成果が有形固定資産減価償却率の低水準化という形で表れているものと考えられる。引き続き、平成27年度に策定した「公共施設等総合管理計画」及び令和5年度に策定した「公共施設再配置の推進に向けた取組方針」に基づき、公共施設等の集約化や複合化により総量縮減や老朽化対策を図る必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高くなっているものの両指標とも低下傾向にある。平成16年度の1市8町村の合併に伴う関連事業の財源として積極的な起債発行を行ったことにより、標準財政規模に占める起債残高及び公債費が類似団体に比べて高まっていたが、第5次鳥取市行財政改革大綱(H22~26)、第6次鳥取市行財政改革大綱(H27~令和元)、第7次鳥取市行財政改革大綱(R2~R6)及び第8次鳥取市行財政改革大綱(R7~R11)に基づき新規起債発行額を抑制するとともに、引き続き、計画的な起債発行を進めるとともに、交付税の算入率が高い有利な起債を厳選して活用していくことで、将来負担比率及び実質公債費比率ともに着実に低下させている。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

一人当たり面積(延長)で、類似団体内順位が5位以内(類似団体と比較して一人当たりの面積(延長)が多い)のものが1施設(公民館)あるとともに、その他の施設においても総じて順位が高い傾向にある。要因として、合併前に旧市町村ごとに整備した類似の公共施設が複数あることが考えられる。地域ニーズを把握しつつ、集約化により更新や修繕経費を低減させることが可能と考えられる。減価償却率を見ると、「児童館」、次いで「公営住宅」「学校施設」の老朽化が進行していることがうかがえる。各施設とも、中長期の財政状況も踏まえながら、優先度の高いものから計画的に耐震工事等を実施している。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一人当たり面積で、類似団体内順位が5位以内(類似団体と比較して一人当たりの面積が多い)が2施設(福祉施設、保健センター・保健所)あるとともに、その他の施設においても総じて順位が高い傾向にある。要因として、合併前に旧市町村ごとに整備した類似の公共施設が複数あることが考えられる。施設については、地域ニーズを把握しつつ、集約化を進めることで、更新経費を低減させることが可能と考えられる。減価償却率を見ると、「市民会館」次いで「一般廃棄物処理施設」の老朽化が進行していることがうかがえる。市民会館は耐震工事を実施しているため耐用年数を超えての使用が可能と思われるが、設備老朽化の懸念がある。「一般廃棄物処理施設」については、平成29年度から可燃物処理場の新設工事が開始され令和5年度より稼働している。「体育館・プール」については、市民体育館の再整備により改善されているが、市民体育館以外の体育館等を考えると、市全域に施設が分散していることもあり、関係者が多く、意見をまとめるのに時間がかかると思われるため、早急に、あり方見直しの検討が必要と考えられる。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産合計が前年度末から7,843百万円の減少となった。変動が大きいものは事業用資産であり、学校教育施設の増改築や市民体育館の再整備、市営住宅の建替等による資産の取得額から用途を廃止した資産の除売却額を差し引いた額が減価償却費を下回ったため、3,159百万円減少した。負債合計は前年度末から3,311百万円の減少となった。金額の変動が大きいものは固定負債のうち地方債であり、4,221百万円減少した。一般会計等以外の特別会計と公営企業会計を加えた全体の資産合計は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等と比べて191,189百万円多くなり、負債合計も下水道管の新設等に地方債(固定負債)を充当したこと等により140,914百万円多くなっている。鳥取市土地開発公社等を加えた連結の資産合計は、鳥取市土地開発公社が保有している公有用地等を計上していること等により、一般会計等と比べて237,614百万円多くなり、負債合計も鳥取市土地開発公社の借入金を計上していること等により150,859百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は84,329百万円となっており、そのうち、人件費や物件費等の業務費用は47,141百万円、補助金・社会保障給付費等の移転費用は37,188百万円である。業務費用においては、維持補修費と減価償却費を含む物件費等が32,280百万円となっており、今後、公共施設等の適正管理に努め、より一層の経費削減に努める必要がある。また、移転費用のうち、補助金等は184百万円減の16,042百万円となったが、社会保障給付費は109百万円増の9,391百万円となっており、前年度より移転費用全体で941百万円増加した。社会保障給付は高齢化等により今後増加が見込まれるため、事業内容の見直しなどによる経費削減に努める必要がある。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が14,354百万円多くなっており、また、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が26,646百万円多くなっており、純行政コストは34,175百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が22,575百万円多くなっており、また、人件費が11,260百万円多くなっているなど、経常費用が77,576百万円多くなり、純行政コストは54,772百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(83,589百万円)が純行政コスト(88,135百万円)を下回っており、本年度差額は4,546百万円となり、年度末の純資産残高は141,950百万円となった。全体では、国民健康保険費特別会計の国民健康保険料や介護保険費特別会計等の介護保険料等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が32,016百万円多くなっているものの、全体会計における本年度差額は▲6,705百万円となり、純資産残高は2,671百万円の減少となった。連結では、鳥取県後期高齢者医療広域連合の国県等補助金があることから、一般会計等と比べて財源が52,188百万円多くなっており、本年度差額は▲7,130百万円となり、純資産残高は847百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は3,308百万円であり、投資活動収支は投資活動収入が前年度より341百万円増加し18,479百万円となったこと等により346百万円の増となった。財務活動収支は地方債の発行額が地方債償還額を下回ったこと等により▲3,760百万円であり、本年度の資金収支106百万円、本年度の資金残高は2,837百万円となった。全体では、国民健康保険料や介護保険料等が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より5,844百万円多い9,152百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行額が地方債償還額を下回ったこと等により▲5,372百万円となり、本年度末資金残高は前年度から2,479百万円増加し、13,907百万円となった。連結では、鳥取県後期高齢者医療広域連合の国県等補助金収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より6,561百万円多い9,869百万円となった。投資活動収支は▲1,581百万円となっており、公共施設整備費支出が前年度から3,535百万円減少している。財務活動収支は、地方債償還を進めていることなどから▲5,387百万円となり、本年度末資金残高は前年度から2,899百万円増加し、16,515百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額は類似団体平均値を下回っており、②歳入額対資産比率も類似団体平均値を下回っている。この要因の一つとして、合併前に旧市町村ごとに整備した類似の公共施設が複数あることが考えられる。また、③有形固定資産減価償却率については類似団体平均値を下回っているものの、有形固定資産の中で高い割合を占める事業用資産・建物の減価償却率が約57.6%となっていること等からも、今後の施設の老朽化に対する修繕等の経費が増加することが見込まれる。公共施設等の将来にわたる修繕や更新等に係る財政負担を軽減するとともに、住民一人当たり資産額の適正化と歳入額対資産比率の改善のため、平成27年度に策定した「公共施設等総合管理計画」及び令和5年度に策定した「公共施設再配置の推進に向けた取組方針」に基づき、公共施設等の集約化や複合化により総量縮減を図る必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は類似団体平均値を下回っており、この要因の一つとして、純行政コストが税収等の財源を上回ることによる純資産の減少が考えられる。今後は、行政コストの削減のため、事業内容の見直しを行うとともに、使用料及び手数料の見直しを検討するなど、経常収益の増加を図る必要がある。⑤将来世代負担比率は類似団体平均値を上回っており、臨時財政対策債と地域総合整備資金貸付事業債を除いた地方債は、令和元年完成の市役所本庁舎、令和4年完成の可燃物処理場の整備等により一時的に増加している。今後は、新規に発行する地方債の抑制することで地方債残高を縮減し、将来世代の負担の軽減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を上回っている。今後は、行政コストの削減のため、事業内容の見直しとファシリティマネジメントの観点から公共施設等の集約化・複合化による経費の削減等を行うとともに、使用料及び手数料の見直しを検討するなど、経常収益の増加を図る必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額は類似団体平均値を上回っているが、負債額の多くを占める地方債の約33%は臨時財政対策債と地域総合整備資金貸付事業債であり、これらを除いた地方債は年々減少していたが、令和元年完成の市役所本庁舎、令和4年完成の可燃物処理場の整備により一時的に増加している。今後は、新規に発行する地方債を抑制することで地方債残高を縮減し、将来世代の負担の軽減に努める。⑧基礎的財政収支のうち、業務活動収支と投資活動収支は黒字であり、基礎的財政収支が黒字となった。今後は、事業内容の見直しにより業務活動収支の黒字化を維持するとともに、公共施設等整備の適正化を行う必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は類似団体と同程度であるが、減少傾向にあり、住民サービスにおける直接的な負担の割合は比較的低くなっている。令和3年度から固定資産台帳等を活用し、施設別・施設類型別行政コストの算出及び把握に取り組んでおり、公共施設等の集約化や複合化により総量縮減を図るとともに、使用料及び手数料の見直しを検討し、受益者負担の適正化に取り組んでいく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,