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地方財政ダッシュボード

静岡県熱海市の財政状況(2018年度)

🏠熱海市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

平成30年度の財政力指数は0.92であり類似団体平均値と比較し0.50ポイント上回っている。平成30年度の普通交付税算定において基準財政収入額は、市町村たばこ税の減少があったが、市町村民税と固定資産税が増加している。基準財政需要額は、臨時財政対策債償還費や75歳以上の人口増により高齢者保健福祉費が増加している。人口減少や高齢化(平成31.4.1現在47.2%)の問題を抱えており、大幅な市税収入の増加が期待できないため、収納率を引き上げのために、コンビニ収納や口座振替の加入勧奨に取り組んでいく。

経常収支比率の分析欄

平成30年度の経常収支比率は83.0%で類似団体平均値を11.2%下回っている。歳出の経常経費一般財源充当額が減少したものとして、公債費の元利償還金が73百万円、退職者の減少により人件費が63百万円、市営住宅維持管理経費の維持補修費等が82百万円、扶助費などが減少している。経常経費一般財源の充当額が増加したものは、物件費のうち主に委託料であったが、経常経費一般財源充当額の方が大きかったため経常収支比率が対前年比2.8%減少となった。今後とも、市税等の自主財源の確保及び事務事業の見直しを行い経常経費の削減に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体平均値と比較して23,346円上回っている。人件費は、前年度と比較し定年退職者が減少したが金額は高い水準で推移している。今後も退職者の不補充、アウトソーシングの活用、再任用制度の活用を図り、職員数の適正管理を行い、人件費の抑制に努める。物件費は前年度と比較して委託料が増加している。消防業務、廃棄物処理施設を単独で運営していることも要因の一つである。引き続き公共施設の指定管理者制度の導入を推進し、施設の統廃合も含め事務事業の見直しを図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

平成30年度は、前年度と比較して0.4ポイント減少し103.2となったが、引き続き高水準で推移している。これは、平成26年度に多くの管理職が退職したことに起因する昇任数の増加や管理、監督者の若年化、本市職員の経験年数別の在職階層の変動が顕著であり、類似団体平均、全国平均等を依然として大きく上回っている。今後とも職員配置や給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成30年4月1日現在普通会計職員は428人(地方公共団体定員管理調査による)で前年度から0.11増加となった。職員数が全国平均よりも高い理由は、観光地特有の行政需要から消防やごみ処理業務に職員を確保する必要があることや、別荘を所有している市外納税者の対応などにより職員数が多くなっている。今後、公共施設等の統廃合を含め、より適切な職員の適正管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

償還元金を上回らない額での市債発行に努めていることや、過去の大型建設事業の元利償還が終了したこと、過去に新規の投資的事業を抑制してきたことが、類似団体平均値と比較し4.2ポイント下回っている要因である。公共施設の老朽化に伴う解体や修繕費が想定されるため、投資的事業を取捨選択し、市債の新規発行額を計画的に行うように努める。

将来負担比率の分析欄

前年度に比べ0.9ポイント将来負担比率が増加しているのは、充当可能財源等の増加より将来負担額の増加が上回ったためである。充当可能財源等は増加し、環境衛生施設等整備基金及び地域福祉基金が減少したが、財政調整基金及び庁舎等建設基金が増加し、将来負担額は、職員増加により退職手当負担見込額の増加、教育福祉施設等整備事業債の地方債の現在高が増加している。今後は、建替や大規模修繕の財源として基金取崩しや起債の増額が見込まれるため、起債発行額は償還額を超えないよう健全な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.8%減少となった。これは、定年退職者数の減少が主な要因である。また、類似団体平均値と比較して2.3ポイント上回っている要因は、消防業務が直営であり職員数が多いためである。今後、退職者の不補充、アウトソーシングの活用、再任用制度の活用を図り、職員数の適正管理を行い、人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度比で1.0ポイント増加した。主な要因は委託料が増加したことによるものである。また、観光地という土地柄、消防業務、廃棄物処理施設を単独で運営していることも物件費の割合が多い要因の一つである。引き続き公共施設等の指定管理者制度の導入を推進し、施設の統廃合も含め事務事業の見直しを図っていく。

扶助費の分析欄

類似団体平均及び全国平均を下回り前年度と比較して1.3%減少となった。高齢化率(平成31.4.1現在47.2%)、生活保護率がともに県内上位であり、高齢者に要する経費や生活保護に要する経費等の社会保障費が増大しており、今後もこの状況はしばらく継続すると見込まれるため、住民の健康増進、健康相談による疾病予防の啓発等により上昇傾向に歯止めをかけ、国の動向を注視しながら経費節減に努めていく。

その他の分析欄

類似団体平均を2.5ポイント下回り、前年度比では1.0ポイント減少した。主な要因として、繰出金は、後期高齢者医療事業特別会計は団塊の世代が75歳を迎えることにより被保険者の数が増加していることや、介護保険事業特別会計で給付費が伸びたことにより増加したが、国民健康保険事業特別会計は、被保険者数の減少に伴い繰出金が減少している。維持補修費は、前年度に比べ熱海駅前広場や起雲閣の工事が減少している。

補助費等の分析欄

前年度比0.2ポイント増加した主な要因は、耐震対策緊急促進事業費補助金等が増加したことによるものである。しかしながら、類似団体と比較し大幅に下回る値で推移している。これは、他団体と比較して一部事務組合等の組織に加入している数が少ないことが要因となっている。また、市単独で行う補助金等については、目的、必要性や効果等を精査し、廃止も含め検討をしていく。

公債費の分析欄

類似団体平均と比較して3.6ポイント下回り減少傾向にある。これは、過去の大型公共施設事業の元利償還が終了したことや、元金償還額を上回らない額の借入れに努めたことによるものである。しかし、今後は公共施設の建替や修繕等による投資的経費が増大することが想定され、借入れと償還のバランスを考慮し、計画的な運用に努めていく。

公債費以外の分析欄

前年度比では1.9ポイント減少し、類似団体平均値を7.6ポイント下回った。要因は、人件費、扶助費、その他(維持補修費等)が減少したためである。これは、観光地特有の行政需要から消防やごみ処理業務に職員を確保する必要があり、別荘を所有している市外納税者の対応経費を計上していることなどが、人件費を増大させている要因の一つである。今後も職員削減や、業務の委託化等を推進し経常経費の削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費、商工費、土木費、消防費、教育費は、全国、県、類似団体内平均値を上回っている。これは、本市の基幹産業が観光業で人口規模以上の行政需要が多いことや、消防業務、廃棄物処理施設を単独で運営していることが主な要因である。総務費は、南熱海支所・消防署南熱海出張所の改築工事(平成30~令和1)の皆増、財政調整基金への積立金の増加により前年度から大幅に増加している。民生費は、後期特会繰出金、介護保険事業特別会計への繰出金が増加したが、臨時福祉給付金給付事業、経済対策臨時福祉給付金事業が皆減、生活保護費が減少したことにより全体では減少している。農林水産業費は、初島交流広場埋立工事の完了により減少している。衛生費は、エコプラント保全工事費(平成30年度完了)の減少、水道事業への繰出金の減少により大幅に減少している。商工費は、海釣り施設整備事業費の皆増、補助金等の増加により増加している。消防費は、消防団第3・9分団詰所新設工事の皆減等により減少しているが、市単独で消防業務を運営していることから、全国、県、類似団体平均を上回っている状況である。教育費は、初島小中学校環境改善経費の皆増、小学校校舎等改修経費(エアコン設置工事・ブロック塀)の増加、文化振興基金積立金の増加、学校施設の屋根、外壁、設備が老朽化による維持補修時期を迎えていることにより増加している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費、物件費、普通建設事業費、積立金、投資及び出資金は、類似団体内平均値を上回っているが、それ以外の費目については下回っている。また、前年度から住民一人当たりのコストが顕著に増加したのは普通建設事業費、積立金であり、減少したのは、維持補修費、扶助費である。人件費は、定年退職者数が減少したことにより対前年度比で減少したが、依然として全国、県、類似団体内平均と比較して高い水準である。物件費は、主に委託料のエコ・プラント姫の沢運転管理業務委託や市営住宅の解体工事などが増加したことによる。普通建設事業費の増加要因は、南熱海支所・消防署南熱海出張所の改築工事(平成30~令和1)、認定こども園工事(平成30~令和2)、姫の沢整備事業の増加によるものである。扶助費は、平成29までは、国の臨時福祉給付金事業等により増加していたが、生活保護費が減少したことが要因である。維持補修費の減少は、小中学校の工事等が減少したことによるものである。積立金の増加は、財政調整基金、文化振興基金の積立金によるものである。公債費は、元金償還額を上回らない額の借入れに努めたことから、平成27年度から横ばいに推移している。繰出金の増加は、後期高齢者医療事業特別会計、介護保険事業特別会計の給付費が伸びていることが要因であり、今後もこの傾向は続くと予想される。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金残高の標準財政規模に対する比率は、対前年度比で2.56ポイント増加し、平成30年度は平成29年度に引き続き実質単年度収支が赤字となった。これは、財政調整基金の取崩し額が積立額より多かったことや臨時的な歳出が発生したことが要因である。平成30年度の財政調整基金残高は、決算剰余金積立及び下水道貸付金の償還金積立を行ったため、前年度を上回る標準財政規模の30%以上を確保することができた。今後も、計画的な基金の積立や取崩しを行い健全な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

前年度と比較して標準財政規模比が大幅に減少したのは国民健康保険事業特別会計で、それ以外の会計では大きな変動はなかった。国民健康保険事業特別会計は、H29年度歳入の前期高齢者交付金が増加したことによるもので、H30は国保広域化により平年並みの数値に落ち着いている。水道事業会計及び温泉事業会計は、平成26年度にマイナスとなっていたが、これは地方公営企業法等の改正に伴う新会計基準の適用に伴い、計上不足額も含め計上された引当金繰入額の影響によるところが大きかったためで、平成27年度以降は、全ての会計で黒字となっている。また、水道事業会計は、年度をまたぐ大型工事費の支払の減少に伴い、流動資産の減少よりも流動負債の減少が大きかったため標準財政規模の比率が上昇した。今後も、水道事業会計、下水道事業会計、温泉事業会計については、経営戦略等の計画に基づき、その他の事業会計についても、一般会計の繰出金に依存しないように、健全な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は、減少傾向であり過去5年間で最小となった。これは、元利償還金等(A)のうち元利償還金は、教育・福祉施設等整備事業債の増加があったが、初島漁港地域水産物供給基盤整備事業債及び退職手当債等の償還が終了したことなどにより減少しており、算入公債費等(B)のうち、標準税収入額のうち市町村たばこ税の減収があったが市町村民税や固定資産税の増加により微増したことにより減少となった。また、償還額を超えない借り入れを実施したことも要因の一つである。今後は、公共施設の修繕・新築が多く控えており、ごみ焼却施設改造事業(保全工事)の償還も時期続き増加することから借入れに際しては償還能力を考慮し、公債費の平準化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担比率(分子)の増加は、充当可能財源等(B)の増加以上に将来負担額(A)増加が大きくなったためである。将来負担額(A)の増加要因は、職員の増加により退職手当負担見込額が増加したことや、H30年度に発行した教育福祉施設等整備事業債などにより地方債の現在高が増加している。充当可能財源等(B)の増加要因として、基準財政需要額算入見込額は下水道費が減少したが、充当可能基金は、環境衛生施設等整備基金及び地域福祉基金が減少したものの、財政調整基金及び庁舎等建設基金が増加したことにより増加、充当可能特定歳入は都市計画税の増加があったためである。今後も財政状況を考慮し、適切な基金運用と計画的な地方債の借入れを行い将来負担の抑制を図っていく。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては前年度から387百万円の増加となった。財政調整基金は、決算剰余金等による積立額が取崩額を上回ったため基金残高が262百万円の増加となった。その他特定目的基金のうち、環境衛生施設等整備基金・庁舎等建設基金・地域福祉基金は、公共施設の改修工事費等による財源に充てるために取崩しが発生したが、文化振興基金の寄附により125百万円の増加となった。(今後の方針)近年、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設工事が増加していることから基金取崩額が多くなっている。今後も公共施設やインフラ整備等を計画的に実施していくことから計画的な積立を行う必要がある。地方債の償還額は現在よりも増加することが見込まれるため、将来負担を平準化させるために積立・取崩しのバランスを図りながら基金管理をしていく。

財政調整基金

(増減理由)平成30年度は決算剰余金450百万円、下水道事業貸付金の元利償還金及び利子312百万円等を積立て、500百万円取崩したことにより、前年度末残高と比較し262百万円の増加となった。(今後の方針)経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合や、災害により生じた経費の財源又は災害により生じた減収を埋めるためなどの歳出に備えるために、標準財政規模の20%から30%程度の年度末残高を確保しつつ、積立も同時に行うように努めていきたい。

減債基金

(増減理由)平成27年度から平成30年度にかけては、基金運用に伴う利子収入のみで、基金残高に大きな増減はなかった。(今後の方針)公共施設等総合管理計画に沿って公共施設の改修、解体等を実施した場合には、比例して市債の借入額も増加することが想定されるため、他基金とのバランスをとりながら市債償還額の平準化のために積立額を計画的に増加させる方向性で検討をしていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・環境衛生施設等整備基金:ごみ及びし尿処理施設の整備、下水道施設の整備、管理及び運営の財源に充てる基金・職員退職手当基金:職員が退職した場合に支給する退職手当の財源に充てる基金・文化振興基金:文化の香り高いまちづくりに資するための文化財団の設立並びに文化施設の整備及び維持管理充てる基金・庁舎等建設基金:庁舎等(第1庁舎、第2庁舎、第3庁舎、南熱海支所、泉支所、消防本部及び消防署の庁舎、消防署南熱海出張所並びに消防署泉分遣所)の建設に充てる基金・地域振興基金:高齢者、障害者及び児童の福祉の向上を目的とする地域福祉事業に充てる基金(増減理由)・環境衛生施設等整備基金:ごみ手数料等の積立金62百万円を実施したが、エコ・プラント保全工事に伴う約77百万円の取崩しのため減少・職員退職手当基金:80百万円の積立を実施し75百万円の取崩しのため増加・文化振興基金:(仮称)熱海文学館設立のための寄附金235百万円による積立額の増加・庁舎等建設基金:南熱海支所・消防署南熱海出張所改築事業経費に伴う48百万円の取崩しのため減少・地域福祉基金:福祉センター改修工事に伴う41百万円の取崩しのため減少(今後の方針)・環境衛生施設等整備基金:平成30年度でエコ・プラント保全工事(第4期)で完了したが、今後は、エコ・プラント予防保全工事及び、1市2町し尿等共同処理処理施設経費が継続的に発生するため計画的な積立取崩しを行う。・庁舎等建設基金:南熱海支所・消防署南熱海出張所改築工事はH30~R1の期間のため95百万円の取崩しを予定している。・地域福祉基金:令和元年度も福祉センター改修工事を予定しており20百万円の取崩しを予定している。-

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にあるが、当市では、平成29年12月に公共施設個別施設アクションプランを策定し平成31年3月に改定を行っており、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、各平均値を下回っている。要因としては将来負担額が減少傾向にあり、平成25年度から平成29年度までに地方債残高が約12億円減少し、その後も償還元金を超えない借入を実施したことによるものである。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率が低い水準で推移しているのは、近年、地方債の借入額を償還元金を上回らない額の市債発行に努めたことにより地方債残高が減少したことによるものである。その一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高い水準である。これは、公営住宅、道路、橋りょう・トンネルの多くが、高度経済性成長の時期に設置されたことが要因の一つである。また、道路については資産計上に該当しない維持補修工事により管理している部分も多いことから数値が高くなっている。今後、公共施設等総合管理計画に基づき老朽化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体と比較して低い水準で推移しており、実質公債費比率は過去5年間で最少となった。これは、大規模事業の起債の償還が終了し、償還元金を上回らない額の市債発行に努めたことによるものである。また、将来負担比率は、将来負担額の地方債現在高の増加や退職手当負担見込額が増加したことにより増加しているが、数値としては低位で推移している。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき施設修繕・廃止等を実施した場合には、歳出額増加の財源を確保するため、起債借入額の増加や基金取崩しが見込まれるため、実質公債費比率及び将来負担比率が適正な範囲内の数値で管理していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

全国平均、静岡県平均、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い施設は、道路、橋梁・トンネル、公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所であり、低い施設は、港湾・漁港、学校施設、公民館である。道路については、新規道路を設置することが少なく修繕工事が多いことも数値が高くなっている要因であると考えられる。橋梁・トンネルについては、長寿命化計画に基づき橋りょうの点検が実施され、設計業務委託や工事も開始していることから数値の改善が見込まれる。公営住宅については、昭和30年代後半から50年代前半にかけて基幹産業である観光業の盛況に伴う就労人口の増加に対する住宅政策として、現存する市営住宅の90%以上を占める戸数が当時整備され現在に至っており、「熱海市公営住宅ストック総合活用計画」に基づき、耐用年数を超過した住宅から順次、入居者の移転を促し建物の用途廃止を進めている。幼稚園・保育所のうち、老朽化が進んでいる緑ガ丘幼稚園を廃止して小嵐保育園を改修し認定こども園として統合、令和2年度の完成を予定している。公民館については、泉公民館と泉支所の合築を平成22年にしたことにより数値が低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が高いものは福祉施設で、老人福祉施設であった梅園荘は、既に供用停止をしており将来的に解体工事の計画予定をしている。総合福祉センターは、有形固定資産減価償却率が高いものの平成30年度に空調設備等の更新工事を実施、令和元年度には内装工事等を予定しており利用上の支障は発生していない。一般廃棄物処理施設については、エコ・プラント姫の沢の大規模保全工事を平成27年度から平成30年度の4か年で実施し機能改善や施設寿命の延伸を図っている。消防施設については、施設面積の3分の1を占める消防庁舎の建替えを平成26年度に実施したことにより類似団体平均値程度となっている。各分団施設については老朽化が進んでいるが耐震補強済であり、計画に基づき修繕を実施していく予定である。庁舎については、施設面積の約半分を占めている第一庁舎を平成26年に建替えをしているため各平均値よりも低い数値となっている。また、南熱海支所については、平成30年度から建替え工事を開始し令和元年度に完成予定であるため、数値の改善が見込まれる。図書館については、建物を賃借しているため「一人当たり面積が該当数値なし」となっている。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から628百万円の増加(+0.9%)となった。金額が大きいものは投資及び出資金と基金であり、財政調整基金の積立額が増加し、水道事業及び下水道事業への出資金も引続き計上されている。また、負債総額が前年度から534百万円増加(+2.6%)しており、負債の増加額のうち金額が大きいものは、地方債(固定負債)であり教育・福祉施設等整備事業債や公共施設等適正管理推進事業債の増加(445百万円)である。・連結では、資産総額は前年度末から267百万円増加(0.2%)し、負債総額は前年度末から758百万円減少(△1.6%)した。上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により多くなっている。水道事業は、H29年度に策定した経営戦略に基づき水道の老朽管布設替事業に地方債(固定負債)を充当している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は16,707百万円となり前年度比277百万円の増加(+1.7%)となった。物件費等は6,839百万円で、物件費(3,666百万円、前年度比261百万円)はエコプラント姫の沢関連委託の増加、維持補修費(879百万円、前年度比124百万円)は福祉センター改修などにより増加した。物件費等と人件費等の業務費用(3,706百万円、前年度費140百万円)を合算すると、純行政コストの66.9%を占めている。今後は、施設の集約化・複合化・解体等に着手するなど、公共施設等の適正管理に努め、また職員数適正管理を行い、経費削減に努める。・全体では、一般会計等に比べて、駐車場使用料等を計上しているため、経常収益が3,757百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を計上しているため移転費用が8,682百万円多くなり、純行政コストは9,425百万円多くなっている。・連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が4,076百万円多くなっている一方、経常費用が19,356百万円多くなっていることから純行政コストも15,220百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(15,611百万円)が純行政コスト(15,757百万円)を下回っており、本年度差額は△146百万円となったが、無償所管替等(239百万円)の増加により純資産残高は94百万円の増加となった。税収等(前年度比+387百万円、+3.1%)のうち寄附金が+245百万円を占めている・全体では、国民健康保険税や介護保険料、駐車場料使用料が税収等収入に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が4,577百万円多くなっており、本年度差額は672百万円となり、純資産残高は936百万円の増加となった。連結では、静岡県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が16,125百万円多くなっており、本年度差額は760百万円となり、純資産残高は74,487百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は2,050百万円であったが、投資活動収支については、認定こども園開設事業や初島小中学校環境改善事業等を行ったことから、△2,136百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、256百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から170百万円増加し、1,177百万円となった。来年度以降も、引き続き認定こども園開設事業や旧日向別邸改修工事の借入等が見込まれるため、次年度も財務活動収支はプラスと想定される。全体では、国民健康保険税や介護保険料、駐車場料使用料が税収等収入に含まれることから、業務活動収支は一般会計等より1,248百万円多い3,298百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△143百万円となり、本年度末資金残高は前年度から389百万円減少し、4,205百万円となった。・連結では、財務活動収支について地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから△179百万円となり、本年度末資金残高は前年度から193百万円減少し、4,698百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、類似団体平均値を下回っている。老朽化している施設も多く、前年度末に比べて4万円減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後の取組として公共施設等の集約化・複合化・解体等を進めることにより、施設保有量の適正化に取り組む。・歳入額対資産比率については、類似団体平均値を若干下回る結果となった。前年度と比較すると、基金などが増加したことが要因である。・有形固定資産減価償却率については、高度経済成長期に建設された公営住宅が多く更新時期を迎えていることから類似団体より高い水準にある。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は、類似団体平均値と同程度であり、純行政コストが税収等の財源を上回っているが、その差額は縮小し純資産が昨年度から0.2%増加している。純資産の増加は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が消費して便益を享受していることを意味しており、引き続き行政コストの削減に努める。・将来世代負担比率は、類似団体平均値を下回っており、地方債は償還元金を上回らない額の借入をしていることが要因の1つである。今後は公共施設の建替や修繕等による投資的経費が増大することが想定され、借入れと償還のバランスを考慮し、計画的な運用に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、6.6万円類似団体平均値を下回っている。純行政コストは昨年度から1.6%(+25,657万円)増加しており、そのうち23.5%を占める人件費の増加がみられる。行政コストが高くなる要因の1つであるため、今後、退職者の不補充、再任用制度の活用を図り、職員数の適正管理を行い、人件費の抑制に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均値を下回っているが、前年度から2.1万円増加している。これは認定こども園開設事業や小中学校のエアコン設置工事等のため、地方債の発行額が前年度から405百万円増加したためである。・基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、438百万円となっている。類似団体平均を上回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値を上回っている状況にある。その要因としては、公営住宅の数が多く使用料の収入があることや、観光地のため文化施設、駐車場による使用料収入があるためである。今後はこれらの施設の維持管理経費の増加が見込まれることから公共施設等総合管理計画に基づき受益者負担とのバランスをとりながら財政運営に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,