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地方財政ダッシュボード

静岡県熱海市の財政状況(2011年度)

🏠熱海市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2011年度)

財政力指数の分析欄

類似都市平均を上回っているが、市の基幹収入である固定資産税の伸び悩みや景気後退による法人市民税の減収から、近年財政力指数も低下傾向にある。厳しい状況ではあるが滞納処分規定額の厳格化、インターネット公売の導入による換価処分充実やコンビニ収納を平成25年度から導入するなど収納率向上及び歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

類似都市との比較では昨年同様良好ではある。県内市町で上位にある高齢化率(当市38.9%静岡県23.8%平成24年4月1日現在)に加え、高齢者人口に占めるひとり暮らしの割合も県内で上位であることから扶助費等の義務的経費が増加傾向にある。今年度は行財政改革プランにもとづき、人件費削減(市長30%、副市長20%、教育長10%、職員平均8%)を行っているが、今後についても義務的経費の圧縮に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

観光地特有の行政需要に対応するために、行政運営を行ってきた結果、類似団体に比べても当該指標は平均を上回っている。人件費については、観光に関連し週末は住民登録人口より大規模な消防力の保持やごみ収集を行わなければならない(平成23年度観光入込客数5,231,252人平成24年4月1日現在熱海市人口39,864人)。そのため消防や清掃にかかる職員数を確保する必要があり、この点で人件費を増大させている。また、全国有数の別荘地のため課税対象が多く、徴税についても市外納税義務者の多さから徴税にかかる職員も相当数確保している状況である。物件費については、委託化の推進から委託料が類似団体に比べ高い値にある。今後については、財政健全化を目下の目標として取り組んでいく。

ラスパイレス指数の分析欄

職員人件費については、行財政改革プランに基づき8%相当の減額を行ってきたため、抑制することができた。今回、ラスパイレス指数が増加した要因は、市が実施してきた特例減額が終了したことが挙げられ、結果としてラスパイレス指数は対前年比7.5上昇した。今後は、給料月額について適切な水準を目指し、状況に応じて給料表の見直しも念頭に入れて取り組んでいくものである。なお、ラスパイレス指数以外の点では、地域手当は撤廃済みであり、住居手当及び通勤手当は平成24年4月から国公準拠し、改善を図っている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本市は、類似団体との比較を行った場合、税務部門、衛生部門、商工(観光)部門及び消防部門において、顕著な超過率を示している。これは、観光地特有の特殊事情として、住民のみならず観光来遊客に対しても良好な環境や安全・安心を提供するための人員配置を行ってきた結果である。また、別荘等も市内各所にあり、当該所有者に対するサービスの提供(清掃、消防等)や、市外居住者に対する税の賦課徴収業務等に要する人員を確保する必要もあり、人口規模に対して、職員数は増嵩してきた。このような状況の中、平成23年度末まで行財政改革プランを実施し、退職者不補充、民間委託の推進(学校給食、清掃収集業務等)及び指定管理制の導入(文化施設)を積極的に行い、、職員数削減に努めてきた。今後も、機構改革等により、更なる行政のスリム化を目指すものである。

実質公債費比率の分析欄

類似団体及び県内市町の平均を下回っている。これは行財政改革プランの実行中のため、新規投資的事業を凍結していることも要因の一つではあるが、事業の適切な取捨選択した結果である。しかし、今後予定される熱海中学校改築、新庁舎建設事業等の大型建設事業に係る建設事業債や退職手当債や臨時財政対策債の発行など、今後の公債費増加要因を抱えている。このため、歳入に見合った投資的事業を今後も的確に選択し、市債の新規発行額を抑制の上で将来の数値の上昇を抑えていく。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を下回っているが、標準財政規模が類似団体と比して大きいことが算定上、将来負担比率の上昇を抑える要因となっている。また、将来負担を増崇させるような第三セクターの負担見込み額がないことや、将来負担額を控除する財源(都市計画税等)を有している点も要因として挙げられる。しかし、今後予定される熱海中学校改築、新庁舎建設事業等の大型建設事業を抱えていることから一層の財政健全化を進める必要がある。そのためには、事業の取捨選択により新規市債発行額の抑制、そして適切な人員計画にもとづく職員配置や将来の人件費の抑制を行い、今後も後世代への負担を軽減するよう努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2011年度)

人件費の分析欄

観光関連インフラの整備やそれに伴う交流人口を想定し行政運営を行ってきた。結果として類似団体と比較して高い水準となっている。これまで定員適正化計画による職員数の減、各種手当の廃止による人件費の削減に努めてきた。現在行財政改革プランを取り組んでおり(平成23年度末までに118人の職員数の減、平成22年度から地域手当廃止、通勤手当の見直し)、人件費の削減に努めている。

物件費の分析欄

類似団体平均を上回るが、物件費中賃金は他団体と比較して低水準である。今後、行財政改革プランに基づき人員の減少が進められていくが、ここで削減された経費が臨時職員賃金や外部委託料にシフトするのではなく、事業の再編・整理、廃止・統合を推進することにより、物件費の適正水準を維持できるよう努めていく。また、臨時職員の採用についてはPDCAサイクルにもとづき安易な採用につながらないよう努める。これらの努力を継続させ、今後は類似団体平均を下回ることを目指す。

扶助費の分析欄

類似団体平均、全国平均を下回る水準であるが、高齢化比率、生活保護率がともに県内上位であり、高齢者に要する経費や生活保護に要する経費等の社会保障費が増大しており、今後もこの状況はしばらく継続すると見込まれるので、住民の健康増進、健康相談による疾病予防の啓発等により上昇傾向に歯止めをかけるよう努めていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っている。公営企業会計については独立採算を基本とする地方公営企業法を適用しているため、繰出金額は精査されたものになっている。また、国民健康保険事業特別会計については保険税率改正を行うなどして財政基盤の安定化を目指している。同会計に対する「その他繰出金」は解消されないが、今後も応益性も勘案しながら制度の維持と普通会計への過大なる負担を減らしていくよう努める。維持修繕費については、類似団体の平均を下回っているが、老朽化施設(教育施設等)を抱えているため今後増加する可能性がある。住民生活の安全を維持するための修繕を確保しながら、計画的な施設運営に努めていく。

補助費等の分析欄

全国平均、県内平均、類似団体平均を大幅に下回る数値となっている。これは、一部事務組合等の関連組織がなく、それに対する補助金支出がないということに起因する。一部事務組合等は、ある事業について行政サービスを他団体と共同で行い、人件費や運営経費を按分するものであり、当市においても今後、事業の効率性・人件費等の面でメリットがあれば積極的に参加すべきと考える。また、その他市単独で行う補助交付金に限ると、類似団体・全国平均よりも多いという結果が出ているが、これについては、行財政改革プラン及び平成21年4月1日施行の補助金等交付規則に基づき公共性、有効性、適格性、整理統合及び対象団体の自立の可能性などについてチェックし補助金交付の適正化に努める。

公債費の分析欄

平成7年度以降、新清掃工場・学校校舎改築・観光インフラの整備が集中した結果、元利償還金が膨らんでおり県内平均を若干上回る数値となっている。また、今後退職手当債の元金償還も始まるため公債費の増加要素も残されている。これに対応するために行財政改革プランに基づき、減少傾向にある歳入に連動して普通建設事業費は抑制することとしており、市債の新規発行を抑制させる。財政負担を平準化し世代間の住民負担を公平にするために発行される市債は、今後も有効的に活用していくが、後年度において過大な負担とならないよう留意し公債費の減少に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外では、全国平均、類似団体平均を下回る数値となっているが、人件費及び物件費については、全国平均、県内平均、類似団体平均を上回る数値となっている。観光地特有の行政需要に対応するために、行政運営を行ってきた結果、消防や清掃にかかる職員数を確保する必要があり、この点で人件費を増大させている。また、全国有数の別荘地のため課税対象が多く、徴税についても市外納税義務者の多さから徴税にかかる職員も相当数確保している状況である。物件費については、委託化の推進から委託料が類似団体に比べ高い値にある。現在は行財政改革プランを推進しており、財政健全化を目下の目標として取り組んでいる。

実質収支比率等に係る経年分析(2011年度)

分析欄

財政調整基金残高については、平成21年度を除き年度末残高は増加しているが、今後熱海中学校改築、新庁舎建設事業等の大型建設事業の実施が見込まれているため、基金の運用の適正化に努め財政の健全化に努めていく。実質単年度収支については、平成21年度は下水道・温泉事業会計への貸付金を支出するために財政調整基金を取り崩した影響により赤字となっている

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2011年度)

分析欄

平成21年度までは水道事業会計及び温泉事業会計で赤字が発生していたが、平成22年度以降においては、一般会計及び各事業会計において赤字は発生していない。今後も計画的な事業運営を図り健全な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2011年度)

分析欄

実質公債費比率は、3ヵ年平均で7.2%であり年々減少傾向にある。元利償還金については、退職手当債元金償還が開始されたことなどに伴い増加傾向にあるが、実質公債費比率の分子については減少している。今後も厳しい経済情勢や本市の財政状況を鑑み、後年度の公債費負担と償還能力を充分に配慮しながら財政の健全化に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2011年度)

分析欄

将来負担比率については、年々減少傾向にある。主な要因は、一般会計等における地方債残高の減少、職員数の減による職員退職手当負担見込額の減少によるものである。今後も厳しい経済情勢や本市の財政状況を鑑み、地方債発行の抑制や基金の運用の適正化に努め財政の健全化に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,