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地方財政ダッシュボード

東京都中央区の財政状況(2017年度)

🏠中央区

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、前年度と同様の数値で、類似団体を0.13ポイント上回った。これは、分母となる基準財政需要額が人口増などに伴い全体的に増となったものの、分子となる基準財政収入額も特別区民税の増などにより、分母と同程度の増となったことによるものである。

経常収支比率の分析欄

前年度より2.7ポイント改善し、5年連続で適正水準の範囲内となった。これは、分子となる経常経費充当一般財源等が、子ども・子育て支援給付などによる扶助費の増や物件費の増などにより増加したものの、分母となる経常一般財源等が、特別区民税や特別区財政調整交付金の増などにより、分子を上回る増となったことによるものである。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度より8,067円、3.8%減少した。これは、職員給の増などに伴う人件費の増、庁内ネットワークの運用経費の増などに伴う物件費の増により決算額が増加しているが、それを上回る人口増加の影響により、人口1人当たりの決算額が減少しているものである。なお、類似団体平均を上回っている要因は、基礎的な事務に要する人件費・物件費等は人口規模に関わらず一定程度必要となることによるものであり、人口規模の小さい自治体に見られる傾向である。

ラスパイレス指数の分析欄

平成29年度のラスパイレス指数は前年度の指数を引用。(資料作成時点で、平成30年地方公務員給与実態調査結果が公表されていないため)ラスパイレス指数が100.0を上回っている要因は、査定昇給において、上位成績の対象者の割合が国より高く、給料月額が高いことなどによるものである。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度よりも0.44人減少した。これは、平成29年度において、本区の職員数は増加しているものの、それを上回る人口増加の影響によるものである。なお、類似団体平均を上回っているのは、基礎的な事務に要する職員数は人口規模に関わらず一定程度必要であることが要因であり、人口規模の小さい自治体に見られる傾向である。

実質公債費比率の分析欄

前年度より0.2ポイント改善した。これは、公債費(元利償還金)の増があるものの、公債費に準ずる債務負担行為に係る経費のうち、商工業融資等の利子補給が減少したことなどによるものである。しかしながら、今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のまちづくりの状況によっては、公債費負担が増大することが見込まれる。

将来負担比率の分析欄

依然として充当可能財源等が将来負担額を上回っていることから、マイナスの数値(「-」表記)となっている。平成29年度は、八重洲二丁目北地区市街地再開発事業に係る土地売払収入を「教育施設整備基金」に積み立てたことなどにより充当可能財源等が増となり、対前年度比において、将来負担は減少している。しかしながら、今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のまちづくりの状況によっては、地方債の発行や基金の取崩しによる将来負担の増加が見込まれる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度比1.6ポイント減少した。これは、退職者数の減により退職手当が減少したことなどにより人件費に関する経常経費充当一般財源が減少したことに加え、特別区財政調整交付金や特別区民税の増などに伴い分母となる経常的一般財源等が増加したためである。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度比0.9ポイント減少した。これは、庁内ネットワークの運用経費や駐輪場の管理運営経費の増などにより物件費に関する経常経費充当一般財源が増となったものの、特別区財政調整交付金や特別区民税の増などにより分母となる経常一般財源等が分子を上回る増となったためである。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント増加した。これは、分母となる経常一般財源等が増となったものの、保育所施設型給付をはじめとする子ども・子育て支援給付の増などにより扶助費に関する経常経費充当一般財源が分母を上回る増となったためである。今後も人口増加を背景とした子育て支援施策に係る経費の増加により、扶助費の割合は増加していくものと見込まれる。なお、類似団体平均を下回っているのは、人口に占める生活保護受給者の割合が低いことが要因として挙げられる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減少した。これは、介護保険事業会計および後期高齢者医療会計への繰出金などが増となったものの、区施設の維持補修費の減などにより、その他経費に関する経常経費充当一般財源が減少したためである。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減少した。これは、観光拠点の管理経費や東京二十三区清掃一部事務組合分担金の増などにより補助費等に関する経常経費充当一般財源が増となったものの、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増となったためである。なお、類似団体平均を上回っているのは、都心区の特性である商工業の集中に伴う商工業融資の利子補給に係る経費割合が高いことなどによる。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減少した。これは、平成28年度に発行した有馬小学校・幼稚園の元金償還相当分(減債基金への積立分)の皆増などにより公債費に関する経常経費充当一般財源が増となったものの、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増となったためである。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、前年度比2.6ポイント減少した。これは扶助費や補助費等の増などにより、分子となる公債費以外の経常経費充当一般財源が増となったものの、分母となる経常的一般財源等が分子を上回る増となったためである。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成項目である民生費については、住民一人当たり187,293円であり、前年度比3.8%の増となっている。これは認知症高齢者グループホーム等「優っくり村中央湊」の整備の皆減があるものの、子ども・子育て支援給付や私立保育所に対する助成の増などによるものである。また、類似団体平均と比較して、各年度おおむね下回っているのは、本区における人口に占める生活保護受給者の割合が低いことが要因の一つとして考えられる。今後については、待機児童解消に向けた保育所の新規整備や保育所数の増に伴う経常的経費の増加が見込まれることから、住民一人当たりのコストが減少していくものとは考えにくい。次に、教育費については、住民一人当たり181,306円であり、前年度比52.9%の増となっている。これは、小学校・幼稚園の増築・改築の減があるものの、「教育施設整備基金」への積立金や日本橋社会教育会館の改修の増などによるものである。平成29年度の積立金の増要因は、土地売払収入の積立てによるものであるため、平成29年度限りの特殊要因であるが、今後については、とりわけ平成31年度以降において、人口増加に対応するための小・中学校の整備や本の森ちゅうおう(仮称)の整備の増が見込まれることから、住民一人当たりのコストが平成28年度以前のコストに対して減少していくものとは考えにくい。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり653,326円となっている。このうち、主な構成項目である普通建設事業費は、住民一人当たり165,091円であり、前年度比26.0%の減となっている。これは、市街地再開発事業助成や豊海小学校の改築の減および認知症高齢者グループホーム等「優っくり村中央湊」の整備の皆減などによるものである。力強い人口増に伴い、普通建設事業費のうち、新規整備は住民一人当たり10,435円、更新整備は住民一人当たり63,840円と共に前年度比で減少しているものの、類似団体平均を大きく上回っている。これは、平成10年度以降引き続く人口増加に伴う小・中学校をはじめとした公共公益施設の新規整備や、早期に基盤整備を行ってきたことによる既存施設の老朽化に係る対応などによるものである。今後については、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後の新たなまちの形成による、さらなる人口増に対応するため、基盤整備を進める必要があることから、引き続き普通建設事業費の負担が大きくなることが見込まれる。なお、積立金が住民一人当たり99,961円と、前年度比398.1%の増となっている。これは、八重洲二丁目北地区市街地再開発事業に係る土地売払収入を「教育施設整備基金」に積み立てたことによるもので、平成29年度に限っての特殊要因に基づく大幅増であり、平成30年度以降は従前の規模に戻ると見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金残高は約9億2,600万円の積立てを行ったことなどにより、約4億2,600万円増加したが、標準財政規模が約12億8,800万円増加したため、標準財政規模比では、0.18ポイントの減となった。実質収支額は標準財政規模に対して、おおよそ適正な範囲であるととともに、実質単年度収支の標準財政規模比も0.31ポイントの増となったことから、引き続き財政状況の健全性は保たれていると考えている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

すべての会計で実質収支は黒字である。一般会計は減となったものの、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計が増となった結果、全体としては0.20ポイントの増となった。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

平成25年度に発行した明正小学校・幼稚園、新川児童館建物の元金償還が平成29年度に開始されたことにより、元利償還金の3カ年平均が増となったものの、商工業融資等の利子補給の減により、債務負担行為に基づく支出額の3カ年平均が減少したため、3カ年平均の指標である実質公債費比率の分子は減となった。(H26~H28年度の分子の平均は118百万円であるのに対し、H27~H29年度の分子の平均は33百万円である。)

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

京橋プラザ建物取得償還費の減に伴う債務負担行為に基づく支出予定額の減や、地方債を発行しなかったことなどによる地方債現在高の減などにより、将来負担額は減少した。また、充当可能財源等については、八重洲二丁目北地区市街地再開発事業に係る土地売払収入を「教育施設整備基金」に積み立てたことなどにより増加した。これらの要因により、将来負担比率における分子は減となり、引き続き「負の値」であることから、財政における健全性は保っている。しかしながら、人口増加に伴う行政需要への対応や、本区特有の課題である東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のまちづくりなどを考慮すると、特別区債の発行や基金の取崩しが見込まれるため、将来負担に留意した財政運営を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)八重洲二丁目北地区市街地再開発事業に係る土地売払収入や民間の開発事業に係る協力金収入、決算剰余金を積み立てるとともに、施設整備基金、教育施設整備基金及び財政調整基金については、決算収支見込みをもとに取崩しを抑制したことから、全体で13,368百万円の増となった。(今後の方針)毎年度決算収支見込みをもとに取崩しを抑制するとともに、当該年度に見込まれる剰余金を着実に積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)926百万円の積立てを行うとともに、決算収支見込みをもとに取崩しを500百万円に抑制したため、426百万円の増となった。(今後の方針)都市計画交付金における地方債収入相当額については、特別区財政調整交付金で算定されるまでの間は財政調整基金を取り崩すかたちで予算計上するが、毎年度決算収支見込みをもとに取崩額を調整するとともに、特別区財政調整交付金の算定後は取り崩した額を着実に積み戻していく。

減債基金

(増減理由)(今後の方針)

その他特定目的基金

(基金の使途)教育施設整備基金教育施設の整備施設整備基金区民福祉を増進するための施設(教育施設を除く)の整備まちづくり支援基金まちづくり活動及び定住の支援森とみどりの基金地球温暖化対策文化振興基金文化振興活動の支援(増減理由)八重洲二丁目北地区市街地再開発事業に係る土地売払収入を積み立てたことなどにより、教育施設整備基金が12,668百万円の増となったほか、平成29年度に見込まれる剰余金を積み立てたことなどにより、施設整備基金が388百万円の増となったため。(今後の方針)東京2020大会後の新たなまちの形成に対応するための施設整備が今後控えており、基金の取崩しが必要となることから、民間の開発事業に係る協力金収入を教育施設整備基金に積み立てるなど、これまで実施してきた積立てルールを継続するとともに、当該年度に見込まれる剰余金を施設整備基金に積み立てるなど、将来需要を見据えた計画的な積立てを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は41.8%と類似団体と比較しても低い水準にあり、50%を下回っていることから、全体的な資産の老朽化の進行度は進んでいないといえる。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は「-」(負の値)と類似団体内で最も低い水準にあり、指標上は将来負担額について充当可能財源等を用いて、全額償還することは可能な状態である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は「-」(負の値)、有形固定資産減価償却率は41.8%となり、現時点においては、資産の老朽化に伴う将来負担は小さい状況にあるといえる。今後も適切な維持管理に努めるとともに、計画的な修繕を進めることで、老朽化への対応に伴う将来負担の抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は「-」(負の値)で推移していることに加え、実質公債費比率が年々低下していることから、将来負担額だけでなく、元利償還金等についても、財政運営における過度な負担となっていないといえる。しかしながら、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のまちづくりなどを考慮すると、特別区債発行額の増加や基金の取崩しが見込まれ、これらの指標が上昇する可能性もあることから、将来負担が過大とならないような財政運営を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本分析表に記載された施設類型に関する本区の有形固定資産減価償却率は類似団体を下回っている。道路については、本区は取替法を採用していることから、道路自体の減価償却はないため、標識や街路灯などの工作物の有形固定資産減価償却率となっている。認定こども園・幼稚園・保育所については、有形固定資産減価償却率が33.5%となっているが、これは、泰明幼稚園や十思保育園で建物の老朽化が認められるものの、平成28年度に竣工した有馬幼稚園増築工事や、豊海幼稚園改築工事による既存建物の取り壊し及び新築建物の取得、権利変換による勝どき五丁目認可保育所の建物取得により減価償却率が低く抑えられたことによる。学校施設については、有形固定資産減価償却率は42.6%となっているが、これは、泰明小学校や常盤小学校で建物の老朽化が認められるものの、平成26年度に竣工した明正小学校改築工事による既存建物の取壊し及び新築建物の取得や、平成28年度に竣工した豊海小学校改築工事により減価償却率が低く抑えられたことによる。児童館については、有形固定資産減価償却率は34.9%となっており、築地児童館や浜町児童館で建物の老朽化が認められるものの、平成22年度に再開発事業に伴い取得した勝どき児童館、平成24年度に竣工した晴海児童館建設工事及び平成26年度に竣工した新川児童館建設工事による新築建物の取得により減価償却率が低く抑えられている。本区では、今後も桜川保育園の改築工事、日本橋保育園大規模改修工事、阪本小学校改築工事、佃島小学校大規模改修工事などの老朽化対策により減価償却率の改善が見込まれている。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本分析表に記載された施設類型に関する本区の有形固定資産減価償却率は類似団体と同程度となっている。福祉施設については、有形固定資産減価償却率が41,7%となっており、類似団体平均46.1%を下回っているが、これは平成25年度に竣工した「月島一丁目地域密着型特別養護老人ホーム」や平成26年度に竣工した「十思地域密着型特別養護老人ホーム」の新築建物の取得により減価償却率が低く抑えられたことによる。市民会館については、中央会館の有形固定資産減価償却率が88.0%となっており、類似団体平均48.9%を上回る主因となっている。中央会館については、平成30年度に老朽化対策として大規模改修工事を行ったため、今後は改善が見込まれる。保健センター・保健所については、有形固定資産減価償却率が53.3%で類似団体平均を上回っているが、これは中央区保健所の老朽化による数値が占める割合が大きい。庁舎については、本庁舎の有形固定資産減価償却率が96.0%であり、建物の老朽化が認められる。本区では平成30年度に中央区本庁舎整備検討委員会を設置し、本庁舎の建て替えについて検討を行っている。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額は一般会計等開始貸借対照表(平成29年3月31日現在)と比較して11,818百万円の増加(+0.2%)となった。金額の変動が大きいものは「投資その他の資産」であり、そのうち教育施設整備等の基金(固定資産)については、取崩額よりも積立額が上回ったことにより13,012百万円増加した。これは、今後、新たな施設整備等が見込まれていることよる積立てであり、適正管理に努める。なお、負債総額については、966百万円の減少(△3.0%)となり、純資産総額は12,785百万円の増加(+0.3%)となった。国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計を加えた全体では、資産総額は全体開始貸借対照表(平成29年3月31日現在)と比較して12,314百万円増加(+0.3%)し、負債総額は976百万円減少(△3.0%)したことにより、純資産総額は13,289百万円増加(+0.3%)となった。東京二十三区清掃一部事務組合や特別区人事・厚生事務組合等をを加えた連結では、資産総額4,821,560百万円、負債総額35,047百万円、純資産総額4,786,513百万円となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、費用科目を合計すると84,808百万円であった。その中で物件費等30,296百万円(構成比35.7%)が最も多く、次に補助金等が市街地再開発事業助成等により21,893百万円(構成比25.8%)、人件費が15,125百万円(構成比17.8%)と続いている。収益科目を合計すると20,511百万円であった。特に臨時利益に該当する資産売却益9,252百万円が最も多く、収益の45.1%を占めている。次いで使用料及び手数料が7,316百万円となっている。本区は人口増加が続いており、今後の多様な行政需要に対応していくため行政コストの増加が見込まれるが、事業の見直しや費用と施設使用料等の受益者負担のバランス等を考慮しながら適正化に努めていく。全体では、一般会計等に比べて、国民健康保険や介護保険等の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が19,602百万円多くなり、純行政コストは20,766百万円多くなっている連結では、全体に比べて、連結対象団体の事業収益を計上し、経常収益が8,414百万円多くなっている一方、その他の業務費用が6,225百万円多くなっているなどにより経常費用が17,807百万円多くなり、純行政コストは9,609百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(75,099百万円)が純行政コスト(64,297百万円)を上回ったことから、本年度差額は10,803百万円となり、純資産残高は12,785百万円の増加となった。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計の保険料等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が14,934百万円多くなっており、本年度差額は11,313百万円となり、純資産残高は13,289百万円の増加となった。連結では、東京都後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることなどから、全体と比べて財源が9,611百万円多くなっており、本年度差額は11,316百万円となり、純資産残高は14,104百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は7,031百万円であったが、投資活動収支については、基金積立金や公共施設等整備費等の支出が投資活動収入を上回ったことから、△6,843百万円となった。ただし、投資活動支出のうち、基金積立金として15,747百万円を支出していることから、後年度に活用できる基金残高は増えている。財務活動収支については、収入はなかったものの地方債償還支出等があったことにより△1,062百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から874百万円減少し、1,961百万円となった。本区では、平成29年度に地方債は発行しておらず、過去の地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計の保険料等が税収等に含まれることから、業務活動収支は一般会計等より435百万円多い7,466百万円となっている。投資活動収支では△6,999百万円、財務活動収支は一般会計等と同額である。その結果、本年度末資金残高は前年度から595百万円減少し、2,770百万円となった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民1人あたり資産額は3,059万円となり、類似団体平均値259.5万円を大きく上回っている。これは、統一的な基準においては、昭和59年度以前に取得した道路敷地を備忘価額1円として評価することとされているが、本区は原則として取得価額、取得価額が不明な場合は取得時の地価を基に算出した額により計上しているため、類似団体と比較し、昭和59年度以前に取得した道路敷地が高く評価されているためである。歳入額対資産比率は45.52年となり、類似団体平均値6.26年を大きく上回っている。これは、住民1人当たりの資産額と同様の理由により、資産額が類似団体より高いためと考えられる。有形固定資産減価償却率は39.8%であり、類似団体平均値57.0%を下回っていることから、類似団体と比較し、全体的な資産の老朽化の進行は進んでいないといえる。今後も老朽化への対応に係る費用を考慮しながら、現在保有している資産の適切な維持管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は99.3%と類似団体平均値95.0%をやや上回った。これは、「1.資産の状況」で記載したとおり、昭和59年度以前の道路敷地の評価方法の違いにより、資産額が類似団体と比較し高くなることから、資産合計に占める負債の割合が低くなるためである。また、将来世代負担比率は0.3%と類似団体平均値2.3%を下回った。こちらも同様に昭和59年度以前の道路敷地の評価方法の違いから、類似団体と比較して有形・無形固定資産の合計額が高くなることから、有形・無形固定資産の合計額に占める地方債残高の割合が低くなるためである。今後はこの比率を経年で比較し、将来世代の負担が高まらないように努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民1人当たり行政コストは41万円となり、類似団体平均値33.7万円と比較するとやや高い状況にある。これは類似団体と比較し、費用合計の約25.8%を占める移転費用に係る補助金等(主に市街地再開発事業助成などによる補助金等)の金額が高いことが一因と考えられる。補助金等は市街地再開発事業助成の対象事業数や進捗等により、年度間で大きく変動する可能性があるため、経年での比較にあたっては、この要因を除くことも含めて検討していく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

1人当たりの負債額は19.9万円と類似団体平均値12.9万円をやや上回っている。これは、人口増加等に伴い、小学校の改築等を行うための財源として地方債を発行していることが一因と考えられる。ただし、基礎的財政収支は黒字となっていることから、赤字補填のために地方債を発行している状況ではないと言える。東京2020大会後に晴海地区を中心とした基盤整備を進める予定であるため、負債額が過大とならないようにしていく。基礎的財政収支については、業務活動収支及び投資活動収支が黒字であったため138億7,700万円となり、類似団体平均値84億6,000万3千円を上回った。これは、八重洲二丁目北地区市街地再開発事業での権利変換に伴う土地売払収入という特殊要因が大きな要因である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は13.5%となり、類似団体平均値4.9%を上回っている。これは、本区が類似団体と比較して、中堅所得層を対象とした区民住宅が多いことから、使用料及び手数料が高いことが要因の一つと考えられる。今後も費用と受益者負担のバランスを考慮しながら、適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,