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地方財政ダッシュボード

東京都中央区の財政状況(2022年度)

🏠中央区

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、前年度に比べ0.02ポイントの減であり、類似団体内平均値を0.08ポイント上回った。財政力指数は、過去3カ年の平均値であるが、単年度で見ると、令和3年度の0.64に対して、令和4年度は0.62と0.02ポイントの減となっている。これは、分子となる基準財政収入額の増があるものの、分母となる基準財政需要額が令和5年度・6年度分の財産費の前倒し算定などによる増に伴い、分子を上回る増加率となったためである。

経常収支比率の分析欄

前年度より3.2ポイント減少し、64.6%となった。これは、分子となる経常的経費充当一般財源等が公債費などの増により増加したものの、分母となる経常的一般財源等総額が財調交付金(普通交付金)の増などにより増加したためである。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度より294円、0.1%増加した。これは、図書館の管理運営や庁内ネットワークの運用等による物件費の増により増加したものである。なお、類似団体平均を上回っている要因は、基礎的な事務に要する人件費・物件費等は人口規模に関わらず一定程度必要となることによるものであり、人口規模の小さい自治体に見られる傾向である。

ラスパイレス指数の分析欄

給与制度は特別区全体で統一的に運用されているが、本区においては、主に国の職員数の構成比が高い「経験年数15年以上20年未満」、「経験年数20年以上25年未満」に該当する職員の平均給料月額が国と比較して高いことから、ラスパイレス指数が100ポイントを超えている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度より0.02人減少した。これは、令和4年度において本区の職員は増加しているものの、それを上回る人口増加の影響によるものである。なお、類似団体平均を上回っているのは、基礎的な事務に要する職員数は人口規模に関わらず一定程度必要であることが要因であり、人口規模の小さい自治体に見られる傾向である。

実質公債費比率の分析欄

前年度より0.6ポイント悪化した。これは3か年平均で入れ替わりとなる令和元年度と比較して、令和4年度の公債費に準ずる債務負担行為に係る経費のうち、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う商工業融資等の利子補給が増となったことなどによるものである。令和5年度以降も同様の傾向が見込まれるため、今後の推移を注視する必要がある。

将来負担比率の分析欄

依然として充当可能財源等が将来負担額を上回っていることからマイナスの数値(-表記)となっている。しかしながら、充当可能財源等のうち、地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額が増となったことにより、将来負担のマイナス幅が増加したものの、標準財政規模の増加率が高かったため、将来負担比率は対前年度比で増(-94.8→-92.6)となっている。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度比1.7ポイント減少した。これは退職手当の増などにより、分子となる人件費に充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度比0.7ポイント減少した。これは図書館の管理運営の増などにより、分子となる物件費に充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度比0.6ポイント減少した。これは子ども・子育て支援給付の増などにより、分子となる扶助費に充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減少した。これは公営企業会計への繰出金の増などにより、分子となる繰出金などに充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度比0.2ポイント減少した。これは中央区大江戸まつりの増などにより、分子となる補助費等に充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント増加した。これは、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が増加したものの、令和3年度に晴海西小・中学校の用地取得財源として発行した教育債の利金償還の皆増などに伴い、分子となる公債費に充当する経常経費充当一般財源等が分母を上回る増加率となったためである。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、前年度比3.3ポイント減少した。これは物件費や補助費等などの増により、分子となる公債費以外に充当する経常経費充当一般財源等が増加したものの、特別区財政調整交付金の増などにより、分母となる経常一般財源等が分子を上回る増加率となったためである。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成項目である民生費については、住民一人当たり220,222円であり、前年度比1.1%の増となっている。これは子育て世帯への臨時特別給付や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の減などがあるものの、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金や高齢者向け区内共通買物・食事券の臨時給付の皆増などによるものである。また、類似団体平均と比較して、各年度下回っているのは、本区における人口に占める生活保護受給者の割合が低いことが要因の一つとして考えられる。今後については、年少人口の増に伴う子ども・子育て支援給付などの経常的経費の増加に加え、終息が見通せない新型コロナウイルス感染症や原材料価格・物価高騰への対応も当面続くことが見込まれるため、住民一人当たりのコストが減少していくものとは考えにくい。次に、土木費については、住民一人当たり203,338円であり、前年度比45.3%の増となっている。これは首都高速道路日本橋区間地下化事業における拠出金の皆増や市街地再開発事業助成の増などによるものである。なお、今後も築地市場跡地のまちづくり、首都高速道路日本橋区間地下化をはじめ将来を支える基盤となるプロジェクトに関連した経費が引き続き見込まれることから、住民一人当たりのコストは高い水準で推移するものと考えられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり774,516円となっている。このうち、主な構成項目である普通建設事業費は、住民一人当たり245,284円で、前年度比6.8%の減となったものの、類似団体平均値を大きく上回っている。これは、人口増加に伴う小・中学校をはじめとした公共施設の新規整備、既存施設の老朽化に係る対応や首都高速道路日本橋区間地下化事業における拠出金の皆増などによるものである。晴海地区における新たなまちの形成に伴う人口増に対応するため、小・中学校や認定こども園、特別出張所などの施設整備が令和5年度まで続くほか、既存施設の老朽化に伴う大規模改修、市街地再開発助成など、今後も普通建設事業費の負担が大きくなることが見込まれている。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高の標準財政規模比は、分母である標準財政規模が約45億8,255万円増加したものの、分子である財政調整基金残高が33億円の取崩し及び約59億7,021万円の積立てにより、約26億7,021万円の増加となり分母を上回る増加率となったため、0.84ポイントの増となった。実質収支額は標準財政規模に対して、適正な範囲であるととともに、実質単年度収支の標準財政規模比については、令和5年度・6年度分の財産費の前倒し算定に伴う特別区財政調整交付金の増などによる財政調整基金への積立金の増などにより、4.66ポイントの増となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

すべての会計で実質収支は黒字である。一般会計、後期高齢者医療会計では前年度より増となったものの、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計が減となった結果、全体としては0.15ポイントの減となった。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は、令和3年度以前と比較して、学校教育施設整備に伴う元利償還金および満期一括償還地方債に係る年度割相当額が増となったほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による商工業融資の利子補給の増加に伴い、債務負担行為に基づく支出額が増となったことにより、実質公債費比率の分子は増となった。元利償還金等については、令和5年度以降も増加が見込まれるため、今後の推移を注視する必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

晴海西小・中学校の整備および本の森ちゅうおうの整備に係る特別区債の発行等により、将来負担額のうち一般会計等に係る地方債の現在高が増加したものの、充当可能財源等のうち基準財政需要額算入見込み額の増などにより、将来負担比率の分子は減となった。依然として負の値であることから、財政における健全性を保っているが、大幅な人口増が見込まれる晴海地区における施設整備や既存施設の老朽化に伴う大規模改修に加え、原材料価格の上昇などによる工事費の高騰もあり、基金残高の減少や地方債現在高の増加が見込まれる。そのため、今後の財政状況は依然として厳しい状況であると考えられ、将来負担に留意した財政運営を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)過去に立替えた市街地再開発事業助成などに係る財政調整交付金算定分や剰余金を財政調整基金に積み立てたほか、既存施設の老朽化に伴う大規模改修などに備え、教育施設整備基金や施設整備基金に計画的に積み立てたことなどにより、全体で1,659百万円の増となった。(今後の方針)毎年度決算収支見込みをもとに取崩しを調整するとともに、当該年度に見込まれる剰余金や民間の開発事業に係る協力金収入などを着実に積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)令和4年度市街地再開発事業助成の立替えにより財政調整基金を取崩したものの、過去に立替えた市街地再開発事業助成などに係る財政調整交付金算定分や剰余金を財政調整基金に積み立てたことで、2,671百万円の増となった。(今後の方針)都市計画交付金における地方債収入相当額については、特別区財政調整交付金で算定されるまでの間は財政調整基金を取り崩す形で予算計上するが、毎年度決算収支見込みをもとに取崩額を調整するとともに、特別区財政調整交付金の算定後は取り崩した額を着実に積み戻していく。

減債基金

(増減理由)(今後の方針)

その他特定目的基金

(基金の使途)教育施設整備基金教育施設の整備施設整備基金区民福祉を増進するための施設(教育施設を除く)の整備まちづくり支援基金まちづくり活動及び定住の支援首都高速道路地下化等都市基盤整備基金首都高速道路の地下化や関連する都市基盤の整備交通環境改善基金交通環境の改善(増減理由)既存施設の老朽化に伴う大規模改修などに備え、教育施設整備基金や施設整備基金に積み立てたものの、首都高速道路日本橋区間地下化事業における拠出金として首都高速道路地下化等都市基盤整備基金を取崩したことなどにより、その他特定目的基金は1,012百万円の減となった。(今後の方針)既存施設の老朽化に伴う大規模改修が控えていることに加え、原材料価格の上昇などによる工事費高騰の影響もあることから、今後も基金の取り崩しが必要となる。そのため、これまで実施してきた積立てルールを継続し、当該年度に見込まれる剰余金を施設整備基金や教育施設整備基金に積み立てるなど、将来需要を見据えた計画的な積立てを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は43.3%と類似団体内平均値と比較しても低い水準にある。また、50%を下回っていることから、全体的な施設の老朽化は進んでいないと言える。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は0.0%と類似団体内で最も低い水準にある。指標上は将来負担額について、充当可能財源等を用いて全額償還することが可能な状態である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は「-」(負の値)、有形固定資産減価償却率は43.3%となり、現時点においては、資産の老朽化に伴う将来負担は小さい状況にあるといえる。今後も適切な維持管理に努めるとともに、計画的な修繕を進めることで、老朽化への対応に伴う将来負担の抑制に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、各年度において負の値となり「-」表記となっている。実質公債費比率は、前年度比0.6ポイント増加した。これは、分母となる標準財政規模が増加した一方で、学校教育施設整備に伴う元利償還金および満期一括償還地方債に係る年度割相当額が増となったほか、商工業融資の利子補給の増加に伴い、債務負担行為に基づく支出額が増となったことなどによるものである。今後、晴海地区における施設整備や、既存施設の老朽化に伴う大規模改修が控えていることに加え、原材料価格の上昇などによる工事費の高騰を考慮すると、特別区債発行額の増加や基金の取崩しにより、これらの指標が上昇する可能性もあることから、将来負担が過大とならないような財政運営を図っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本分析表に記載された施設類型毎の本区の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を下回っている。道路については、本区では取替法を採用しているため、道路自体の減価償却は発生せず、標識や街路灯などの工作物の減価償却率となっている。学校施設については、減価償却率が38.1%と前年度より2.2ポイント低くなっており、これは令和4年度に竣功した城東小学校の新築工事により減価償却率が一定程度低く抑えられたことなどによる。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本分析表に記載された施設類型毎の本区の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値とほぼ同程度となっている。図書館については、前年度比42.4ポイントの大幅減となっており、これは令和4年度に竣功した京橋図書館の新築工事により、減価償却率が低く抑えられたことなどによる。庁舎については、本庁舎の減価償却率が100%であり、特別出張所等を含む庁舎全体の減価償却率を高めている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から28,269百万円の増加(+0.6%)となった。金額の変動が大きい主なものは事業用資産であり、市街地再開発事業に係る権利変換に伴い小学校の土地及び建物の取得などにより29,670百万円増加した。なお、負債総額においては、3,550百万円の増加(+8.0%)となり、純資産総額は24,719百万円の増加(+0.5%)となった。国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計を加えた全体では、資産総額が前年度から28,170百万円増加(+0.6%)し、負債総額は3,563百万円増加(+8.0%)し、純資産総額は24,607百万円の増加(+0.5%)となった。東京二十三区清掃一部事務組合や特別区人事・厚生事務組合等を加えた連結では、資産総額4,892,526百万円(前年度比+0.5%)、負債総額52,324百万円(前年度比+0.7%)、純資産総額4,840,202百万円(前年度比+0.4%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は116,984百万円となり、前年度比11,880百万円の増加(+11.3%)となった。金額の変動が大きい主なものは補助金等であり、市街地再開発事業助成などにより8,871百万円増加した。経常収益は15,614百万円となり、純経常行政コストは101,369百万円となった。また、純行政コストについては、82,870百万円となり、前年度比14,346百万円の減少(△14.8%)となった。費用科目を合計すると118,748百万円であった。その中で物件費等40,547百万円(構成比34.1%)が最も多く、次に、補助金等38,595百万(構成比32.5%)、社会保障給付17,338百万円(構成比14.6%)と続いている。また、収益科目を合計すると35,877百万円となり、臨時利益のその他20,263百万円が最も多く、次に使用料及び手数料9,553百万円と続いているが、その他は市街地再開発事業による特殊要因である。本区では人口増加が続いており、多様化する行政需要に対応していくため行政コストの増加が見込まれるが、事業の見直しや施設使用料等の受益者負担と費用とのバランス等を考慮しながら適正化に努めていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(107,549百万円)が純行政コスト(82,870百万円)を上回ったことから、本年度差額は24,679百万円となり、純資産残高は前年度比24,719百万円の増加となった。全体では、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療会計の保険料等が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が10,485百万円多くなっており、本年度差額は24,567百万円となり、純資産残高は前年度比24,606百万円の増加となった。連結では、東京都後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることなどから、全体と比べて財源が11,154百万円多くなっており、本年度差額は、24,696百万円となり、純資産残高は、昨年度と比べて21,329百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は業務支出、業務収入ともに増加したものの、業務収入の増を業務支出の増が上回った結果、前年度比2,040百万円の減となり、投資活動収支は基金取崩収入の増などにより投資活動収入が増加したため△11,875百万円(前年度比+10,735百万円)となった。また、財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから3,789百万円(前年度比△6,221百万円)となった。本年度末資金残高は前年度から2,125百万円増加し、5,494百万円となった。財務活動収支はプラスであり、今後負担する負債が増加しているものの、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計の保険料等が税収等収入に含まれているものの、補助金等支出の増など業務支出が増加した結果、業務活動収支は一般会計等より29百万円少ない10,182百万円となっている。投資活動収支は△11,988百万円、財務活動収支は一般会計等と同額である。その結果、本年度末資金残高は前年度から1,983百万円増加し、5,980百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は2,797万円となり、類似団体平均値305.9万円を大きく上回っている。これは、統一的な基準においては、昭和59年度以前に取得した道路敷地を備忘価額1円として評価することとされているが、本区は原則として取得価額、取得価額が不明な場合は取得時の地価を基に算出した額により計上しているため、類似団体と比較し、昭和59年度以前に取得した道路敷地が高く評価されているためである。歳入額対資産比率は34.44年となり、類似団体平均値6.02年を大きく上回っている。これは、住民一人当たり資産額と同様の理由により、資産額が類似団体より高いためと考えられる。有形固定資産減価償却率は41.7%(前年度比△0.4ポイント)であり、類似団体平均値55.2%を下回っていることから、類似団体と比較し、全体的な資産の老朽化の進行は進んでいないといえる。今後も老朽化への対応に係る費用を考慮しながら、現在保有している資産の適切な維持管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、昨年度と比べて0.1ポイント減の99.0%となり、類似団体平均値96.4%をやや上回った。これは、「1.資産の状況」で記載したとおり、昭和59年度以前の道路敷地の評価方法の違いにより、資産額が類似団体と比較し、高くなることから、資産合計に占める負債の割合が低くなるためである。また将来世代負担比率については、昨年度と比べて0.1ポイント増の0.7%となり、類似団体平均値1.8%を下回った。こちらも同様に昭和59年度以前の道路敷地の評価方法の違いから、類似団体と比較し、有形・無形固定資産の合計額に占める地方債残高の割合が低くなるためである。この比率を経年で比較し、将来世代の負担が高まらないように努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、47.6万円となり、類似団体平均値40.2万円を上回っているが、昨年度と比べて減少(9.1万円)している。これは、純行政コストのうち、移転費用(主に市街地再開発事業助成などによる補助金等)などが増加したものの、人口が増加したことで住民一人当たりの行政コストが減少したものである。前年度と比較すると指標の数値は減となったが、令和4年度も新型コロナウイルス感染症対策を積極的に行っており、数値を押し上げる要因となっている。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額については、27.6万円(前年度比+1.7万円)となり、類似団体平均値と比べると、16.5万円上回った。これは、図書館等複合施設の整備や人口増加に対応するため、小・中学校の整備の財源として地方債を発行していることが一因として考えられる。基礎的財政収支については、業務活動収支は黒字、投資活動収支は赤字となった結果、521百万円となり、類似団体平均値9,740.2百万円を下回った。これは、小・中学校や特別出張所等複合施設の用地取得の皆減などにより投資的経費は減少したものの、依然として投資活動収支が赤字で推移しているためである。今後も人口増加を見据えた施設整備が予定されており、平成30年度、令和元年度、令和3年度のような投資活動収支がマイナスとなる傾向が続くことが見込まれる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた施設使用料などが一定程度回復したことなどにより2.7ポイント増の13.3%となった。しかし依然として新型コロナウイルス感染症が大きな影響を及ぼしており、令和元年度依然の水準には回復していない。今後も費用と受益者負担のバランスを考慮しながら、適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,