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地方財政ダッシュボード

青森県弘前市の財政状況(2019年度)

🏠弘前市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

自主財源が約3割と乏しいことから財政基盤が弱く、類似団体内において依然として低順位となっている。今後も人口減少や高齢化の進行により、市税収入の大きな伸びは期待できない状況にあるが、移住・定住促進や企業誘致、雇用創出などの経済対策等を推進していくほか、ふるさと納税の増収にも積極的に取り組むことにより、自主財源の確保に努め、財政の健全化を図っていく。

経常収支比率の分析欄

臨時財政対策債や地方消費税交付金が前年度に比べ減額となったほか、単独扶助費や大規模改修事業実施による公債費の増、施設の新設・改修等に伴う維持管理費(物件費)の増等に伴い、比率は年々悪化している。(対前年度比0.6ポイント上昇)類似団体内での順位も低く、全国平均・青森県平均を上回っており、財政が硬直化している状況にある。引き続き、徹底した経常経費等の見直しと自主財源の確保に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

全国平均及び青森県平均を下回っている状況にある。引き続き、適正な定員管理・給与制度の運用や民間委託等による経常経費の見直しに努め、コストの縮減を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度数値と0.7ポイント増加しているものの、類似団体内・全国市のいずれの平均も下回っている。引き続き、適正な給与制度の運用に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体内の平均値と同水準となっており、全国・青森県の平均を下回っている。主な理由としては、指定管理制度の導入、業務委託などを計画的に実施してきたことが挙げられる。引き続き、事務事業の簡素化・効率化を図るとともに、民間委託や指定管理者制度、会計年度任用職員の活用等を推進し、適正な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は前年度数値より0.7ポイント改善した。主な理由として、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が償還の終了により大幅に減少したことに加え、地方債を発行するにあたり、交付税算入のある有利な地方債を積極的に活用していることが挙げられる。今後も引き続き地方債の計画的な発行に努めるとともに、交付税措置のある有利な地方債を活用等し、健全化な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

前年度数値と比較して0.5ポイント悪化した。主な理由として、標準税収入額及び臨時財政対策債発行可能額等の減に伴い、標準財政規模が減となったことが挙げられる。また、地方債現在高は老朽化施設の改修等により増加傾向にあったが、平成30年度から発行額が減少し、以降同水準で推移しているため、地方債現在高は減少し、今後、将来負担比率は低下するものと見込まれる。引き続き交付税措置のある地方債の活用や適正な定員管理に努め、将来世代の負担が過度にならないよう、健全な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

前年度数値と比較すると0.6ポイント減少しており、全国平均を下回っており、類似団体内で比較すると最も低い数値となっている。全国平均等の数値を下回っている要因として、これまで適正な定員管理・給与制度の運用に努めてきたことに加え、ごみ処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っていることで人件費が補助費等として支出されていることが挙げられる。引き続き、適正な定員管理・給与制度の運用に努めていく。

物件費の分析欄

前年度数値より0.2ポイント増加し、全国・青森県平均を上回っている状況にある。民間委託やアウトソーシング等の導入を推進していくことで、物件費については今後増加していくことが見込まれるが、ファシリティマネジメントに取り組み、維持管理費を削減する等、引き続き経常経費の見直しに努め、トータルコストの削減に努めていく。

扶助費の分析欄

前年度数値と比較すると2.4ポイント増加し、類似団体内平均を下回っているが、全国・青森県平均を上回っている。前年度数値から増加した主な要因としては、幼児教育・保育の無償化等に伴う社会保障関係経費の増加が挙げられる。今後も引き続き、自立助長への取り組みなどを行い健全な財政運営に努めていく。

その他の分析欄

前年度数値より1.0ポイント減少している。近年、豪雪等の影響や病院事業会計繰出の増により増加傾向にあったが、令和1年度は少雪により低い数値となっている。今後も引き続き、除排雪経費の適切な執行など歳出の抑制を図る。

補助費等の分析欄

前年度数値より0.4ポイント減少しているが、類似団体内・全国平均値を上回っている状況である。大きな要因としては、ごみ処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っていることから、負担金の支出額が多いことが挙げられる。今後も引き続き、本来の負担・補助目的に基づき対象経費を精査し、経費の抑制に努めていく。

公債費の分析欄

前年度数値と比較すると同ポイントであり、類似団体内・全国平均を上回っている状況にある。近年大規模建設事業が集中したことで地方債現在高が増加し、地方債の元利償還金が膨らんでいることが要因として挙げられる。今後も老朽化した施設の大規模改修等に伴い、公債費は増加する見込みとなっているが、計画的な地方債の発行に努め、健全な財政運営に努めていく。

公債費以外の分析欄

前年度数値より0.6ポイント増加しており、近年増加傾向にある。豪雪等の影響や病院事業会計繰出の増加が要因として挙げられる。今後も引き続き、除排雪経費の適切な執行など歳出の抑制を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり193,840円となっており、全国・青森県平均を上回っている。近年、後期高齢者医療特別会計繰出金、障害者自立支援扶助費や認定こども園給付費等が増加しており、今後も増加傾向が続くものと見込まれる。土木費は、住民一人当たり55,617円となっており、類似団体内・全国平均を上回っているものの、前年度から住民一人当たり3,463円減少している。主な理由として、除排雪経費の減や再生可能エネルギー融雪施設整備事業の減が挙げられる。教育費は、住民一人当たり45,679円となっており、類似団体内・全国・青森県平均を下回っているものの、前年度から住民一人当たり4,257円増加している。主な理由として、小・中学校冷房設備設置事業や運動公園陸上競技場改修事業の増が挙げられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり460,273円となっている。人件費は、住民一人当たり52,027円となっており、類似団体内・全国・青森県平均を下回っている。主な要因としては、これまで適正な定員管理・給与制度の運用に努めてきたことに加え、ごみ処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っていることで人件費が補助費等で支出されていることが挙げられる。補助費等は、住民一人当たり51,286円となっており、類似団体内・全国平均を上回っている。主な要因としては、ごみ処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っていることから、負担金の支出額が多いことが挙げられる。普通建設事業費は、住民一人当たり47,342円となっており、類似団体内・全国平均を下回っており、庁舎改修等の大規模建設事業の完了に伴い、減少傾向にある。令和1年度は前年度に比べて6,297円増加しており、吉野町緑地周辺整備事業の増が要因として挙げられる。扶助費は、住民一人当たり134,895円となっており、類似団体内・全国・青森県平均を上回っている。令和1年度から幼児教育・保育の無償化が実施されたほか、障害者自立支援扶助費等の社会保障関係経費が増加しており、今後も増加傾向で推移するものと見込んでいる。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

令和元年度は地方交付税が増額となったこと、除排雪経費が想定を下回ったことで財政調整基金の取崩額を抑制することができ、実質単年度収支は0.40と黒字になった。令和元年度末の財政調整基金残高は、約30億8千万円となっており、前年度末現在高と比較して約1億8千万円増加している。災害や豪雪などに備え、一定程度の額を確保できている状況ではあるものの、引き続き中長期的な視点に立ち、健全な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

令和元年度は病院事業会計が3年連続の赤字となった。病院事業会計については、令和4年度の開設を目指して国立病院機構との新中核病院整備を進めているところであり、それまでの間、地域医療機関と連携して医師の確保等に努めるほか、一般会計からの基準外繰出も含めて赤字の縮小を図る。そのほか、一般会計をはじめ、黒字となっている各会計についても引き続き健全な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金については、H27からH28において減少傾向にあったが、庁舎増改築等の大規模建設事業の元利償還が始まったことによりH29は増加、H30,R1は過去の借入に係る償還の終了により減少している。実質公債費比率の分子は、H28からH30にかけて組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金が償還終了により大幅に減少している。H30からR1にかけては横ばいとなっている。今後、病院事業会計への赤字補てんの財源として発行した市債による公債費の一時的な増加は見込まれるものの、交付税算入のある有利な地方債を活用してきたこともあり、健全な財政運営は保たれる見込みである。また、老朽化した施設の大規模改修等による元利償還の増が見込まれるが、引き続き交付税算入のある地方債を活用する等、健全な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額(A)のうち、「公営企業債等繰入見込額」についてはH27年度から減少傾向にあり、「組合等負担等見込額」、「退職手当負担見込額」についてはH30年度に減少し、以降同水準で推移している。「将来負担比率の分子」はH27年度以降増加していたが、H30年度に減少し、以降同水準で推移している。そのほか老朽化施設の改修などの要因により地方債現在高が一時的には増加傾向にあったが、地方債発行額がH30年度に減少し、以降同水準で推移しているため、地方債現在高としてはH30年度から減少傾向にある。今後も過疎対策事業債等の交付税措置のある有利な地方債を積極的に活用していくことで負担軽減を図り、将来世代の負担が過度にならないよう、健全な財政運営に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)前年度に比べ、地域振興に係る事業などに対してまちづくり振興基金の取崩を増やして活用したこと等により、基金残高が約4億2千万円減少した。(今後の方針)今後も人口減少や普通交付税の減額などによる歳入一般財源の減少が予想されるが、公共施設の適正管理や行財政改革などに積極的に取り組むことで、更なる積み増しができるよう努める。

財政調整基金

(増減理由)地方交付税の増や除排雪経費が想定を下回ったことで取崩額を抑制したことから、基金残高が約1億8千万円増加した。(今後の方針)災害や豪雪などに備えて一定程度の額を確保できている状況であり、引き続き中長期的な視点に立ち、健全な財政運営に努めていく。

減債基金

(増減理由)公債費の増に伴い取崩を行ったことにより、基金残高が約4千万円減少した。(今後の方針)H30年度に地方債償還のピークを迎え、それ以降は減少していく見込みであるが、今後も計画的に積み立てを行う予定

その他特定目的基金

(基金の使途)まちづくり振興基金:地域住民の連帯強化及び地域振興に関する施策の推進地域福祉基金:市民の保健及び福祉に関する施策の推進弘前公園お城とさくら基金:弘前公園の管理及び整備に関する施策の推進(増減理由)まちづくり振興基金:吉野町緑地周辺整備事業等に対し約5億6千万円を取り崩したことによる減少地域福祉基金:国民健康保険特別会計繰出金(法定外分)等への対応として、約4億1千万円を取り崩したことによる減少弘前公園お城とさくら基金:ふるさと納税寄附金など約1億3千万円を積み立てたことによる増加(今後の方針)まちづくり振興基金:普通交付税の合併算定替縮減への対応のため取り崩していくことでR3年度まで減少傾向となるが、債券運用に係る有価証券売却益などを財源として計画的に積み立てる予定地域福祉基金:国民健康保険特別会計への基準外繰出を行うことにより保険料を抑えるため、今後も積み増ししていく予定弘前公園お城とさくら基金:弘前公園のさくらの管理や景観保持・整備など、老朽化による維持管理費の増加に備えて積み立てしていく予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

いずれの平均を下回っている状況である。要因としては、有形固定資産の割合が大きい道路及び庁舎において減価償却率が低いことが考えられ、近年の資産の更新による結果であると思われる。しかしながら、その他資産においては減価償却率が高い状況にあり、現在比較的低い道路においても地域の更新要望に予算が追い付いていない状況にある。前年度と比較して上昇傾向にあることからも、現状ベースでは今後益々悪化していくことが想定されるため、公共施設等総合管理計画に基づいた施設の適正化、及び更新費用の平準化を一層進める必要がある。

債務償還比率の分析欄

いずれの平均を上回っており、上昇傾向にある。分母の償還財源については、当市の経常収支比率が比較的高い状況にあること、人口減少等に伴う市税及び地方交付税の減により、今後も経常財源に余裕が生じることは想定されないこと等に鑑みると、減少傾向にあると考えられる。また、分子の将来負担額は、投資的経費に充当する地方債発行額の減により減少傾向にあるが、今後多数の資産の更新が必要となるため増加することが想定される。結果として、債務償還比率は横ばい又は上昇傾向で推移するものと見込まれるが、更新費用の平準化を図るとともに交付税算入のある地方債の発行に努めることで抑制を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体内平均と比較して低い水準にあるものの、将来負担比率は高い水準にある。庁舎増改築事業など施設の更新を行ってきたことが要因と考えられるが、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあることから、施設の老朽化に更新が追い付いていない状況が推察される。今後施設の更新を更に実施していくことで、有形固定資産減価償却率は横ばい若しくは下降傾向に転じることが可能となるが、その財源として地方債を活用することで将来負担比率は上昇傾向となることが想定される。健全な財政運営と施設の更新を両立させながら実施していくためには、交付税算入のある地方債の活用などを引き続き行っていくほか、施設の適正化により更新費用の抑制などを図っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

類似団体と比較していずれの比率においても高い水準にあり、将来負担比率については平成27年度から平成29年度にかけて施設の老朽化に伴う庁舎増改築事業等の大規模建設事業により地方債残高は増加傾向にあったが、地方債の計画的な借り入れや交付税算入のある有利な地方債の活用、毎年度の基金の積み増しなどにより平成30年度は低下している。令和元年度についても地方債残高が減少したものの、臨時財政対策債の減額による標準財政規模の縮小が影響し,微増となっている。また、公債費比率については大規模建設事業により減少幅が逓減していたものの毎年度減少傾向にあることから、引き続き健全な財政運営を維持できるよう努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

・保育所、児童館、公民館において類似団体内平均と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっており、近く建替や改修などが必要となる状況である。しかしながら、施設の適正配置といった観点から総量抑制・複合化(学校など他施設の空きスペースの活用)などを検討する必要があり、課題は多い状況である。・学校施設においては類似団体内平均より低いものの、上昇の伸びが大きく老朽化が進行している状況が推察される。建替・改修には1校あたり多額の費用を要するため、計画的に実施することにより負担の平準化を図っていく。・一人当たり面積については、学校施設、公営住宅、児童館、公民館において類似団体内平均と比較して高い状況にある。今後の人口減少社会を踏まえると、学校の統廃合やそれに合わせた児童館・公民館の適正配置を一層図っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

・図書館、体育館・プール、保健センター、福祉施設、消防施設において、類似団体内平均と比較して有形固定資産減価償却率が高い状況にある。特に消防施設においては水準としてもかなり高い状況にあり、施設の老朽化が進行している状況が推察される。要因としては消防屯所において木造施設が多く耐用年数以上に使用していることが考えられ、今後施設の更新が一斉に生じる恐れがあるため、個別施設計画の策定により施設の総量抑制及び更新費用の平準化を図る必要がある。・一人当たり面積については、保健センター、消防施設、庁舎において類似団体内平均を上回っている。全国及び青森県平均と比較すると特別高い水準というわけではないが、合併前の施設をそのまま保持している状況にもあることから、施設の適正化を図ることも検討する必要がある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から3,062百万円の減少(▲1.20%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産のうち事業用資産及びインフラ資産であり、事業用資産は吉野町緑地周辺整備事業や史跡津軽氏城跡堀越城跡整備事業の完了による資産の増加額(5,384百万円)が、減価償却等による資産の減少額(6,287百万円)を下回ったこと等により903百万円減少した。インフラ資産においても、清野袋岩賀線交通安全施設整備事業等における道路附帯設備の改修や橋梁アセットマネジメント事業における橋梁の改修による資産の増加額(1,834百万円)が、減価償却等による資産の減少額(4,125百万円)を下回ったこと等により2,291百万円減少した。また、負債総額は前年度末から1,635百万円の減少(▲1.71%)となった。金額の変動が大きいものは固定負債のうち地方債であり、臨時財政対策債や中学校トイレ改修事業の実施等に係る地方債の発行額が償還額を下回ったことにより、1,703百万円減少した。企業会計及び一部事務組合等を加えた連結では、水道会計や下水道会計におけるインフラ施設が資産として計上されるため、一般会計等と比べて資産の額が117,302百万円大きくなっているが、その施設整備に係る企業債などが負債として計上されることとなるため、負債は89,527百万円大きくなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は70,556百万円となり、前年度末から1,225百万円の増加(+1.77%)となった。金額の変動が大きいものは社会保障給付であり、認定こども園等給付費や児童扶養手当支給額の増等により前年度末から804百万円増加した。そのほかの構成比の大きいものは業務費用のうち人件費(9,276百万円、前年度比+430百万円)、物件費等(20,724百万円、前年度比▲243百万円)である。人件費は退職手当引当金繰入額による増加、物件費等は小雪による道路除排雪経費の減が主な要因であり、令和元年度はトータルで増加する結果となった。高齢化の進展などにより社会保障給付は増加していくことが想定されるため、事業の見直しや施設の集約化などを検討し、適正なコスト管理を心掛ける。企業会計及び一部事務組合等を加えた連結では、水道会計における使用料や連結対象企業の事業収益などが経常収益に計上され、人件費などは経常費用に計上されるため、一般会計等と比べて純行政コストは53,838百万円大きくなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源(66,439百万円)が純行政コスト(68,035百万円)を下回ったことから、本年度差額は1,596百万円となり、純資産残高は1,427百万円の減少となった。行政コスト対財源比率(純経常行政コスト÷財源×100)は101.82%となっており、純経常行政コストと市税等の収入とがほぼ均衡している状況にある。しかしながら、今後高齢化の進行などによる社会保障給付の増加に伴い純経常行政コストは増加していく傾向にあることから、事業の見直しなどによるコスト削減のほか、歳入確保にも努めていく必要がある。・企業会計及び一部事務組合を加えた連結では、水道会計における使用料などが税収に含まれることから、財源は一般会計と比べて54,442百万円多くなった。これにより、本年度差額は▲992百万円となり、純資産残高は186,099百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支が4,412百万円、投資活動収支が▲2,748百万円、財務活動収支が▲1,726百万円となり、本年度資金収支額は▲63百万円となった。財務活動収支については、臨時財政対策債や中学校トイレ改修事業の実施等に伴う地方債の発行額が償還額を下回ったことによりマイナスの値となっており、本年度末地方債現在高は1,726百万円の減少となった。今後施設の老朽化対策等により、投資活動収支はマイナスのまま、財務活動収支はプラスに転じることが見込まれるため、施設の集約化などにより総量の抑制を図っていく必要がある。・企業会計を加えた全体では財務活動収支が▲4,185百万円となっているが、これは公営企業会計において企業債の発行額が償還額を下回ったことによるものであり、トータルとして本年度資金残高は前年度末から433百万円減少し7,940百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び有形固定資産減価償却率がいずれも類似団体平均値を下回っていることから、他自治体と比較して資産の保有状況は少ない傾向にあると推察される。しかしながら、有形固定資産減価償却率は50%を超過し増加傾向にあることから、保有資産の減価償却が進行しており老朽化対策が必要な状況であるため、施設の集約化等を検討し総量の抑制を図っていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体平均値と比較して、純資産比率は低く、将来世代負担比率は高い傾向にある。これは当市が資産形成などに地方債を多く発行しているためで、世代間の公平性を図ることができる一方、この比率が高くなりすぎると将来世代に負担を先送りしている状態となる。地方債発行に当たっては、交付税算入のあるものを優先的に活用するほか、現在世代と将来世代との負担のバランスを考慮した財政運営を意識する必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値よりやや高い傾向にある。他自治体と比較すると、扶助費の決算額がやや多く、要因のひとつとして考えられるが、今後の高齢化の進行により更に増える見込みでもあるため、介護予防の推進や医療費適正化の取組などにより、コストの適正化に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値と比較して高い傾向にある。これは、臨時財政対策債をはじめ各種事業に充当する地方債の現在高が他自治体と比較して大きいことが要因と考えられる。また、基礎的財政収支が類似団体平均値と比較して低くなっているのは、投資的経費の財源として地方債を活用したためであり、ここからも他自治体と比較して当市は地方債に依存している傾向にあることが分かる。今後も施設の老朽化に伴う改修や更新の財源として地方債を活用することは想定されるため、交付税算入のある地方債を活用しながら、健全な財政運営を図っていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値と同程度である。経常費用については、これまでも事業の取捨選択、施設の統廃合、定員管理などにより適正化を図ってきたところであるが、施設の使用料については近年見直しを行っていない状況にある。今後適正な受益者負担を考慮して、使用料の見直しについても検討していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,