経営の健全性・効率性について
【①収益的収支比率】使用料金収入は、平成24年度3,140千円、平成25年度3,260千円、平成26年度3,630千円と僅かながら増加傾向にあるが十分とはいえない。平成26年度の収益的収支収入に占める他会計繰入金率は52.2%と高い。現在の使用料金が低位であると判断でき、そのため収益的収支比率も指標を充たすことが出来ない。経営の健全性の改善には、使用料金を適切な水準への改定が必要な状況にある。【④企業債残高対事業規模比率】平成14年度以降、新設の施設整備事業行っておらず下降傾向にある。今後も新施設整備の計画は無く、また、計画される更新・改修事業は新施設整備と比較して低額であるため、企業債残高は下降して行く。【⑤経費改修率】平成17年に定められた使用料金により、経費改修率は平均を大きく下回っている。使用料金の適切な水準への改定が必要な状況にある。【⑥汚水処理原価】平均より低位であり、今後も可能な限り現状の維持を図る。【⑦施設利用率】施設利用率は接続率が関係し、その低位は住民の経済状況が主な要因であり、一概に啓蒙による増加が期待出来ない状況である。【⑧水洗化率】水洗化率の低位は住民の経済状況が主な要因であり、一概に啓蒙による増加が期待出来ない状況である。現在、水洗化率は僅かながら上昇傾向にあるが、それは新家屋建築に係る建築法上接続によるものである。
老朽化の状況について
管渠に関しては共用開始から22年を経過したにすぎず、また地域地震などが殆ど無く、その影響による破損や老朽化による更新は現段階では無い。圧送ポンプ機場については、概ね3・4年毎にポンプの更新を行い対処している。処理施設の機械設備については、老朽化や日照・塩害による劣化が随所に見られ著しい。経営状況を考慮しながら、更新と改修を図る。
全体総括
類似団体と比較して、経営の健全性及び効率性が低いが、その主な要因は経営の状況に見合った料金収入を確保出来ないことにある。接続率の低位も原因ではあるが、使用料金の低さが主な要因である。経営の健全性の改善には、使用料金を適切な水準への改定が必要な状況にある。施設管理と施設整備(更新・改修)の効率性の向上を図るには専門的な知識持つ専属的な職員の確保と人員を要するため、それに努める必要がある。