経営の健全性・効率性について
①例年、類似団体平均より常に高い水準で推移しており、経常収益の9割程度を給水収益で賄えている。今後もこの水準を維持することに努めていく。②累積欠損金は無い。③類似団体平均より常に高い水準で推移しており、現在のところ支払い能力に問題はないと考える。なお、令和元年度は、決算時における現金預金や前払金が増加したことにより、当該値が前年度と比較して上昇している。④近年企業債の発行を行っていないため、企業債残高は毎年度減少している。そのことに伴い当該値も減少を続けており、類似団体と比較しても低い水準である。⑤近年は120%を超える水準で推移しており、類似団体平均と比較しても高い状況である。なお、令和元年度は給水原価が増加したことにより当該値が前年度と比較して減少している。⑥近年減少傾向にあったが、令和元年度は動力費や修繕料が増加したことにより、前年度と比較して上昇している。なお、類似団体平均と比較すると低い水準で推移している。⑦例年76%程度であり、類似団体平均よりも高い水準で推移していることから、比較的効率の良い施設利用が行われていると考える。しかしながら、配水量の増加が有収水量に結びついていない場合もあることから、その点に注意が必要である。⑧令和元年度は、前年度と比較して有収水量が減少したものの、それ以上に配水量も減少したため、前年度と比較して上昇している。しかしながら、類似団体平均を下回る水準が続いているため、老朽管の更新等による漏水の防止等を行い、有収率の増加に努めたい。
老朽化の状況について
①類似団体平均を上回る水準で推移しており、年々増加傾向にあることから、施設の老朽化が進行している。②平成30年度までは類似団体平均をやや下回る水準で推移していたが、令和元年度においてはほぼ同水準となった。当該値は年々増加傾向にあることから、管路の老朽化が確実に進行している。③当該値は各年度における既設管路の更新工事の執行状況に依存するため、年度ごとの差異が大きくなるが、令和元年度は前年度と同水準となり、類似団体平均とほぼ同水準となっている。
全体総括
経営環境においては、多くの項目で類似団体平均を上回っており、現在のところは比較的良好な経営状況であると考える。しかしながら、有収率については近年減少傾向にあり、類似団体平均を下回る水準が続いていることから、有収率の改善が課題の一つとなっている。老朽管対策として、毎年度の布設替工事や耐用年数の長い管種の採用等により、引き続き計画的な更新や長寿命化を図っていく必要がある。今後給水収益は減少していく見込みであるが、老朽化施設は増加している。財源には限りがあることから、既存施設の必要性も見極めつつ、計画的に更新をしていく必要がある。今後も平成28年度に策定した霧島市新水道ビジョン(経営戦略)に基づき、安全で安定した給水サービスの持続を目指していく。なお、令和3年度以降に水道施設台帳整備とアセットマネジメント計画策定を行うため作業を進めており、併せて経営戦略の見直しについても実施する予定である。